お願いです!ワンナイトのつもりでした!

郁律華

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本編のおまけ編(エピローグ直後)

【おまけ~夜の話4~】音楽経験と耳(※R18)

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音楽経験者の皆様。
幼少期からの音楽経験は耳を鍛えてくれますね。
絶対音感や相対音感を身に付ける人もいらっしゃるようで尊敬しております。

さて、私も幼少期からの習い事でピアノを少しばかりしていたことがある。
まあ、幼稚園の時に最初のレッスンで私の手を見たピアノの先生がピアニストにはなれない手だわと言い切ってくれたので、将来の夢から音楽関連はすぐにかき消えた。
それでも、培ってきた音楽経験から耳は少しばかり人より良いのである。

つまり、私はちょっぴりの耳の良さと引き換えに耳が弱い。

自分で触る分には問題ないが、人から触られるのがくすぐったくて避けたいのである。
冬に防寒対策でイヤーマフをつけるときも、感触が気に入らないと使うのを避けるぐらいだ。
それを知ってか知らずか琢磨は私の耳朶を噛んだり、キスをしてきたりなどしてくる。
私の表情筋がんばって無表情を貫いてください。
これ以上は危険です。

ドライヤーの音が止む。
ヤツが来る。

とりあえず他のアニメを見てるフリをしよう。
抱かれるのにこんなに緊張するとは思ってなかった。
今までは単なる作業にしてしまっていたのだ。

「次はバトル系のアニメ?」
「んー、魔法系のだからファンタジーで、ストーリーが人気でね。」
偶々放送されてたアニメは人気のファンタジー冒険のものである。
琢磨がベッドに腰かけるとそのままクッションと枕のそばにいき、壁を背もたれに座る。
そのまま私を手招きする。
「何?」
「アニメはちゃんと終わるまで見てていいから。」
おお、見せてくれるのか。
そして琢磨の足の間に挟まれ、私が後ろ向きに琢磨にもたれ掛かる体勢を取らされる。
「これなら見えるでしょ?」
「確かに。」
後ろから抱き締められてるが、お互いに足を伸ばしているし、力は抜いてるから楽な体勢である。
私の肩に顎をのせたり、顔を埋めてきたりしながら琢磨もアニメを見ていた。

「言うようにストーリー面白そう。帰ったら確認してみるか。」
「万人受けもいいから、追っかけやすいと思う。」
そう答えるとアニメはEDになってきている。
それを見越してか琢磨がもぞもぞと動き始める。
首筋にキスを軽くしてきたり、後ろから手を回しながら腕を触ってきたりなどだ。
くすぐったくて思わず吐息が漏れる。
「ふっ……」
「ここから見るとエロい眺め。」
「え?」
「胸元がチラチラ見えるんだよね。」
慌てて見ると確かにバスローブの隙間から胸元がチラリズムだった。
あかん、これはあかん。
慌てて胸元を押さえようとするも、その腕を上から握られる。
「ダーメ。」
右耳の後ろから舐められて、囁かれる。
吐息が耳にかかって肌が粟立つ。
「ひあっ!」
「かわいい。」
そのまま耳朶を舐められたり、甘噛みをされたりする。
「んんっ……はっ……耳……」
「耳好きでしょ?声優さんのイケボたまらんとか言ってたから耳を弄られたいんだろうなって思ってた。」
あかん!そんな性癖から予想されてたのか!
背中から快感が上ってきて、体が前側に逃げようとするのをそのまま抱き止められて逃げられない。
琢磨の右手は私の右手をつかんでいるが、左手はバスローブの間から胸元に侵入してくる。
その手が触れそうになったとき、琢磨の手が止まった。
「待って?下着は?」
「だってすぐなのかと思って……」
はい、ブラは着けてませんでした。ショーツは着けてるけど。
「……へえ?じゃあ、ご要望通りに。」

そのまま胸元触れるのかと思ったら、下から谷間を撫で上げられ、胸先を触れないように周りをくるくると指先が緩やかに行ったり来たりを繰り返す。
「は……あっ……はぁ……」
もどかしい。私の右手も緩やかに握られたり、撫でられたりを繰り返す。もう一方の左手は琢磨のバスローブを掴む。
「ほら、名前を呼んで?」
「琢磨っ……はっ…焦ら、さないでよ…んっ…触って…」
「どこを?どういう風にしてほしい?」
「……乳首を触って?」
私が言うと右手が右胸をバスローブ上から胸先を滑る。下から上に。上から下に胸先をゆっくりと触られる。
「はっ……ああっ……や…もっと……直接触って……」
「よく言えました。じゃあ、こっち向こうか。」
琢磨の方へと向き、恥ずかしくなるが琢磨はいい笑顔である。
こっちがもどかしい気持ちなのに悔しい。
「じゃあ、腕は俺の首に回して?そしたらちゃんと触ってあげる。」
「ほんと?」
「嘘つかないよ。」

私は膝立ちになり、琢磨の肩に腕をのせて軽く首と背中をそのまま掴む。
悔しさから琢磨のサラサラの髪の毛を触って、長いところを耳にかけてみる。
……イケメンは何をしてもイケメンだ!平凡顔女の負けだ!
その私の行為に琢磨がふわりと嬉しそうに笑う。
一矢報いても私の精神が反撃されただけだった。
琢磨は私のバスローブをはだけさせて、胸元へと手を回す。左手は私の腰を支えている。
胸元へとキスをしながら、右手はそのまま指先で弾いたり触ったりしている。
「左、ばっか……さっきの、右も触って……足りないのっ……」
「んー?」
琢磨の唇が弧を描く。

「清香はイイコだろ?」

「あっ……」
その言葉だけで体が反応する。やだ。
でも、そうだ、イイコなら言わなきゃ。
「琢磨……な、舐めたり、吸ったりして?どっちも、ほしいの…捏ねたり、摘まんだりもして……気持ちいいの…ほしいの…」
私はもう痴女だと認める。
でも、もどかしくて仕方ないのだ。
耳も首も胸元も刺激されてるのに、肝心の感触がない。
快感がじんわりあがっていくのが気持ちいいけど、足りない。
「誰からしてほしいの?」
「琢磨から!……琢磨にしてほしいの!」
「イイコだね、清香。ご褒美だよ。」
左胸の先に唇を寄せて、軽く吸われる。
同時に右胸の先をつままれてクリクリと弄られる。
「きゃ…あっ!……イイの…ふっ……あんっ!…」
胸先を舌先で押し込まれたり、唇で挟まれる。
指先の動きも止まらない。

「軽くイこうね?」

胸先を吸われていたのを歯で噛まれながら舌先でさらに押される。反対の胸先は指でねじられる。
「きゃあああ!」
腰から背中にかけて快感が一気に駆け上った。
腰の力が抜けそうになるのを琢磨の左手で支えられるが私の両足の間に右足を入れられてそのまま足に股を擦り付けるようになってしまう。
「あんっ!んんっ!」
軽くイったばかりなのにすぐの刺激は響く。
「かわいい。」
琢磨が色気を纏いながら私の口にキスしてきた。
それを無抵抗に受ける。

力が入りにくい。
琢磨のバスローブを握りながら、くずおれそうになるのを琢磨が腕などで支える。
股の間の足が感じやすいところにあたってしまう。
「んっ…んん……」
キスはどんどん深くなっていって、琢磨の体にもたれ掛かるしかなくなる。
「とろんとしてるね?」
唇を離されて顔をみられる。
「はっ…だって……」
「誰がこうしたの?」
「琢磨が……こうしたの……」
「そう、俺が俺の清香を気持ちよくしてるの。」
琢磨の足が私の股に強めに擦り付けられ、動かされる。
「ああっ…!」
もどかしい。もっと、ほしい。
いつの間にかバスローブを縛っていた腰の紐はほどかれて、私は羽織っているだけに等しい姿になる。
そして、私は情欲にまみれた顔で琢磨を見る。
「イイコ。ほらおいで。」
逆らえないのだ。
限りなく与えられるその甘さがいつもの私の理性を溶かしていく。
琢磨だってその瞳には情欲が見える。
私がそれを引き出したのだ。
その事実に歓びを覚える。
そして、分かってしまった。


ああ、私はこの人に堕ちるしかない。

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