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不条理
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柚月「廉、ごめんね。ちょっとはしゃぎ過ぎちゃった。」
廉 「ちょっと?」
柚月「凄く・・・です。」
拗ねている廉。でも、観覧車から見える夕日や街並みがとても綺麗で・・・。
「このまま時が止まって欲しい」
そう思える程、あたしの気持ちは穏やかだった。
廉 「柚月。」
柚月「ん?」
廉 「お前は「未遂」だ。」
柚月「未遂?」
廉 「お前は汚れてなんかいない。」
「今日だけは」
そう思っていた。
あの日・・・、あの状況であたしは気丈に振る舞う事で精一杯で、「怖い」と言う感情が薄れてしまっていた。
でも、冷静になっている今は思い出すと震え上がってしまう程に酷い事をされたのだと改めて感じる。
柚月「嘘だよ・・・。」
廉 「嘘じゃない。俺はお前に嘘はつかない。」
柚月「だって!あたし自分でワイシャツをっ・・・」
廉 「俺が駆け付けた時、お前は意識を失ってた。」
柚月「・・・やっぱり、廉は見たんだね。」
廉 「見たからこそハッキリと言える。お前は何もされてない。・・・俺がさせなかった。」
柚月「させなかった?」
廉 「俺はお前の姿を見て、カッとなって・・・近くにあった竹刀で男二人を殴った。」
柚月「殴った!?」
廉 「でも、その後すぐに桂君が駆け付けて・・・、あいつらに言ったんだ。」
『俺が殴った事にしろ』
『そう言わないと、もっと痛い目みる事になるぞ』
柚月「桂太先生が・・・?」
馬乗りになられた瞬間、押し倒されて頭を打った衝撃であたしは気を失ってしまった。
ちょうどそのタイミングで廉が道場に戻って来て、男子からあたしを引き離し、剣道経験者である廉は竹刀で男子達を殴った。そんな中、後から駆け付けた桂太先生が止めに入り、廉の高校生活を守る為に「自分がした」という濡れ衣を自ら被る事にした。
気を失ったままのあたしは、廉に抱き抱えられ、桂太先生の車で自宅へと運ばれた。
車を発車させる際、桂太先生は廉にこう言ったらしい。
『古川を守れるのはお前だけだ。これからはしっかりと側で支えてやれ。』と・・・。
そう、廉が全てを語ってくれた。
柚月「廉は怪我してないの?」
廉 「俺は無害扱いだ。ただ、桂君があいつらの発言によって大事になって・・・。」
如何なる理由があろうとも、教師が生徒に手を挙げてしまったという事。
殴られた男子生徒の親が、その日の夕方に「息子が教師に殴られた」と学校に乗り込んで来たらしく、事件は大事になってしまった。
柚月「それで、桂太先生は!?」
廉 「俺も母さんも呼ばれて・・・。「俺が殴った」って教頭に話しても、あいつらが「桂太先生に殴られた」って言い切るから、俺の処分は何も無かった。そして、学校側も全ての責任が桂君にあるとは判断しなかった。」
柚月「桂太先生はどうなるの?」
廉 「減給三ヶ月の処分。後は、きっと他の高校に移動になると思う。」
柚月「そんな・・・」
あたしを助け、廉の人生を救い、敢えて自分が犠牲になった。
それだけでも、教師として立派な行動をしたのに・・・。
悪者が被害者扱いされたり、「正義」の為にした行いが批判を浴びる羽目になったり。
世の中は「不条理」ばかりだと、改めて実感させられた。
廉 「ちょっと?」
柚月「凄く・・・です。」
拗ねている廉。でも、観覧車から見える夕日や街並みがとても綺麗で・・・。
「このまま時が止まって欲しい」
そう思える程、あたしの気持ちは穏やかだった。
廉 「柚月。」
柚月「ん?」
廉 「お前は「未遂」だ。」
柚月「未遂?」
廉 「お前は汚れてなんかいない。」
「今日だけは」
そう思っていた。
あの日・・・、あの状況であたしは気丈に振る舞う事で精一杯で、「怖い」と言う感情が薄れてしまっていた。
でも、冷静になっている今は思い出すと震え上がってしまう程に酷い事をされたのだと改めて感じる。
柚月「嘘だよ・・・。」
廉 「嘘じゃない。俺はお前に嘘はつかない。」
柚月「だって!あたし自分でワイシャツをっ・・・」
廉 「俺が駆け付けた時、お前は意識を失ってた。」
柚月「・・・やっぱり、廉は見たんだね。」
廉 「見たからこそハッキリと言える。お前は何もされてない。・・・俺がさせなかった。」
柚月「させなかった?」
廉 「俺はお前の姿を見て、カッとなって・・・近くにあった竹刀で男二人を殴った。」
柚月「殴った!?」
廉 「でも、その後すぐに桂君が駆け付けて・・・、あいつらに言ったんだ。」
『俺が殴った事にしろ』
『そう言わないと、もっと痛い目みる事になるぞ』
柚月「桂太先生が・・・?」
馬乗りになられた瞬間、押し倒されて頭を打った衝撃であたしは気を失ってしまった。
ちょうどそのタイミングで廉が道場に戻って来て、男子からあたしを引き離し、剣道経験者である廉は竹刀で男子達を殴った。そんな中、後から駆け付けた桂太先生が止めに入り、廉の高校生活を守る為に「自分がした」という濡れ衣を自ら被る事にした。
気を失ったままのあたしは、廉に抱き抱えられ、桂太先生の車で自宅へと運ばれた。
車を発車させる際、桂太先生は廉にこう言ったらしい。
『古川を守れるのはお前だけだ。これからはしっかりと側で支えてやれ。』と・・・。
そう、廉が全てを語ってくれた。
柚月「廉は怪我してないの?」
廉 「俺は無害扱いだ。ただ、桂君があいつらの発言によって大事になって・・・。」
如何なる理由があろうとも、教師が生徒に手を挙げてしまったという事。
殴られた男子生徒の親が、その日の夕方に「息子が教師に殴られた」と学校に乗り込んで来たらしく、事件は大事になってしまった。
柚月「それで、桂太先生は!?」
廉 「俺も母さんも呼ばれて・・・。「俺が殴った」って教頭に話しても、あいつらが「桂太先生に殴られた」って言い切るから、俺の処分は何も無かった。そして、学校側も全ての責任が桂君にあるとは判断しなかった。」
柚月「桂太先生はどうなるの?」
廉 「減給三ヶ月の処分。後は、きっと他の高校に移動になると思う。」
柚月「そんな・・・」
あたしを助け、廉の人生を救い、敢えて自分が犠牲になった。
それだけでも、教師として立派な行動をしたのに・・・。
悪者が被害者扱いされたり、「正義」の為にした行いが批判を浴びる羽目になったり。
世の中は「不条理」ばかりだと、改めて実感させられた。
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