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優しい兄
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廉 「あれ、待っててくれたの?」
柚月「お疲れ様、廉。」
あれから、大地君は先生に早退を命じられ、夕方保護者と一緒に学校へ来る事を告げられていた。
問題の男子生徒は、学年主任の代わりとして教頭に呼び出され、鞄を持って教室を後にしたまま戻ってくる事は無かった。
暫くの間、にわかで騒いでいた生徒達もネタに飽きたのか、いつの間にやら通常通りの雰囲気に戻っていた。
柚月「処分、大丈夫?」
廉 「あぁ、反省文だけで済んだ。」
柚月「そっか、良かった・・・。」
廉 「大地は?大丈夫?」
柚月「うん、あの後すぐ早退して、夕方親と学校に来るみたい。」
廉 「そっか。じゃぁ今頃来てんのかもな。」
柚月「それにしても、随分と暴れたんじゃない?」
廉 「あいつの制服探してる間、色々話したんだよ。初めてだぞ?おふざけ無しで真剣に話するの。」
柚月「どんな話したの?」
廉 「なんか・・・、世の中って不平等だなって思わされた。あいつさ・・・、本当はあんなキャラじゃねぇんだよ。」
大地君は五人兄弟の長男で一番下の弟はまだ五歳。母子家庭で朝から晩まで働く母親に代わって、下の子の面倒や家事、育児を母親代わりとしてきちんとこなし、生活をしているらしい。
中学の頃から朝は新聞配達、学校が終わってからは弟を保育園に迎えに行き、夜は夕飯作りから弟達のお風呂入れ。
勿論、休みの日は尚更友達と遊ぶ暇など無くて・・・。
次第に友達は大地君から遠ざかって行き、中学校生活は「孤立」した日々を過ごして来たのだと言う。
柚月「今までの大地君からは想像できないね。だって、いつも元気で明るくて・・・」
廉 「無理して元気で明るい自分を作ってたんだろ。「妹」の為に。」
柚月「妹?」
廉 「あいつ、中学の頃妹に言われたんだって。「いつも一人でいるお兄ちゃんなんて恥ずかしい」って。」
柚月「でも、それと廉のファンクラブに入るのと、何が関係あるの?」
『僕、いつもみんなに囲まれている廉君が羨ましかったんだ』
大地君は廉にそう言ったらしい。
確かに廉はいつも友達に囲まれていて、気弱な大地君がガツガツ入っていける様な雰囲気ではない。
でも、また孤立した高校生活を送れば、妹に恥をかかせる事になってしまう・・・。
柚月「大地君は、妹さんの為にファンクラブに入って廉に近付いたのね?」
廉 「兄としての威厳みたいなもの、見せつけたかったんだろ。それに、母子家庭の大変さは、一応俺も分かるからさ。」
柚月「結芽さん、頑張ってるもんね。」
廉 「ただ、ここまで公にしちまったから、大地のメンタルが心配ではある。」
柚月「そうだね・・・、明日学校に来てくれるといいんだけど。」
廉 「まぁな。さて、久々に二人っきりだし、ゆっくり帰ろうぜ・」
柚月「うん。」
翌日。大地君は学校を欠席。
次の日も、そしてそのまた次の日も。
大事にしてしまった件に関して、廉も責任を感じていたのだろう。
週明けの月曜日、学校を終えたあたしと廉は、手紙に書いてあっts携帯番号に何度かかけてみたものの、繋がる事はなく・・・。
最終手段として、記載されてあった住所へと行ってみる事にした。
柚月「お疲れ様、廉。」
あれから、大地君は先生に早退を命じられ、夕方保護者と一緒に学校へ来る事を告げられていた。
問題の男子生徒は、学年主任の代わりとして教頭に呼び出され、鞄を持って教室を後にしたまま戻ってくる事は無かった。
暫くの間、にわかで騒いでいた生徒達もネタに飽きたのか、いつの間にやら通常通りの雰囲気に戻っていた。
柚月「処分、大丈夫?」
廉 「あぁ、反省文だけで済んだ。」
柚月「そっか、良かった・・・。」
廉 「大地は?大丈夫?」
柚月「うん、あの後すぐ早退して、夕方親と学校に来るみたい。」
廉 「そっか。じゃぁ今頃来てんのかもな。」
柚月「それにしても、随分と暴れたんじゃない?」
廉 「あいつの制服探してる間、色々話したんだよ。初めてだぞ?おふざけ無しで真剣に話するの。」
柚月「どんな話したの?」
廉 「なんか・・・、世の中って不平等だなって思わされた。あいつさ・・・、本当はあんなキャラじゃねぇんだよ。」
大地君は五人兄弟の長男で一番下の弟はまだ五歳。母子家庭で朝から晩まで働く母親に代わって、下の子の面倒や家事、育児を母親代わりとしてきちんとこなし、生活をしているらしい。
中学の頃から朝は新聞配達、学校が終わってからは弟を保育園に迎えに行き、夜は夕飯作りから弟達のお風呂入れ。
勿論、休みの日は尚更友達と遊ぶ暇など無くて・・・。
次第に友達は大地君から遠ざかって行き、中学校生活は「孤立」した日々を過ごして来たのだと言う。
柚月「今までの大地君からは想像できないね。だって、いつも元気で明るくて・・・」
廉 「無理して元気で明るい自分を作ってたんだろ。「妹」の為に。」
柚月「妹?」
廉 「あいつ、中学の頃妹に言われたんだって。「いつも一人でいるお兄ちゃんなんて恥ずかしい」って。」
柚月「でも、それと廉のファンクラブに入るのと、何が関係あるの?」
『僕、いつもみんなに囲まれている廉君が羨ましかったんだ』
大地君は廉にそう言ったらしい。
確かに廉はいつも友達に囲まれていて、気弱な大地君がガツガツ入っていける様な雰囲気ではない。
でも、また孤立した高校生活を送れば、妹に恥をかかせる事になってしまう・・・。
柚月「大地君は、妹さんの為にファンクラブに入って廉に近付いたのね?」
廉 「兄としての威厳みたいなもの、見せつけたかったんだろ。それに、母子家庭の大変さは、一応俺も分かるからさ。」
柚月「結芽さん、頑張ってるもんね。」
廉 「ただ、ここまで公にしちまったから、大地のメンタルが心配ではある。」
柚月「そうだね・・・、明日学校に来てくれるといいんだけど。」
廉 「まぁな。さて、久々に二人っきりだし、ゆっくり帰ろうぜ・」
柚月「うん。」
翌日。大地君は学校を欠席。
次の日も、そしてそのまた次の日も。
大事にしてしまった件に関して、廉も責任を感じていたのだろう。
週明けの月曜日、学校を終えたあたしと廉は、手紙に書いてあっts携帯番号に何度かかけてみたものの、繋がる事はなく・・・。
最終手段として、記載されてあった住所へと行ってみる事にした。
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