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ライト

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戻ってこられた、そして、とんでもない事になってしまった。

そう、自分は、モブのくせにモブでは無かったのである。意識が飛ぶ前にフッと頭によぎった“断罪イベントのフラグ”は存在していた。現時点で、私が、仮に選ぶ攻略キャラは誰になるのか、“神様”が、本当は誰を選んで欲しかったのか。それの答えを出さないと、何だか大変なことになる気がする!と、直感が警報をならしておりますけれども!??

何よりも

ガシっと、ライトの手を握りしめて真面目に宣言する!
「ライト!ここはゲームの世界で、今から私は真面目に恋愛する相手を考えないと駄目らしい!!」

もちろん、「はい???」って呆れた顔をされましたけど。

状況を整理する為に、お店は、夜から臨時休業です。が、考えれば考えるだけお腹が空くのは切ないですね。
無性にカレーが食べたいので、干しブドウ入のカレーピラフをつくり、蒸し鶏のスープを添えて

「よくわからないんだけど、料理の手際は怖い程いいよね、リズって」
コトンと、マグカップに注いで、目の前に置かれたスープを見ながらライトがため息を溢す。
「まあ、具合がもどったみたいで安心した」
いただきまーす!と。ライトと一緒にご飯を食べる。いやぁ、幸せですね!この、昔、給食で出たチープな感じがたまらんです!!

そう、夢?で神様に出会ってから、私の記憶は完全体となっていた。今までは、食に関してだけだったのに、その他の記憶もクリアです!だから、ね。

困ったことに、目の前の“ライト”がゲームの隠しキャラの攻略対象ってことも出てきましたよ。

そして、アレク。彼なんて、私が前世での最推しキャラだったことも。もちろん。人気No.1キャラでしてね。そんなキャラと、知らなかったとはいえ、キ、、ごにょごにょ・・とか。私、美味しすぎて!!!と、聖地に観光よろしくな脳内ですよ。

でも、確かライトって、聖女じゃなくて、黒魔術師のヤンデレキャラで一部18禁要素ありな、かなりマニアの中での人気キャラだったと記憶しております。青年に成長したライトのスチルなんて、アレクを抜いてしまうくらいの人気ぶりだったような・・・

というか、直視できませんよ、今更。
ああ~~どうしよう

「ーず」
ーー?ん??

「リズ?」

「へ???」
ふと、顔を上げると、ドアップなライトの顔。手を目の前でひらひらさせて
「さっきから。何を百面相してるの?」

「え・・あ・・・・何故かな?」
とっさに答えられず、目を逸らすと、下顎を優しく捕らえられて、顔を向けられる。嫌でも目が合う様に

「・・・そんなリズも可愛いけれど、僕は本当に驚いたし、心配したんだよ?」
ぷぅっと頬を膨らませながらの表情に、思わずきゅんっと胸がなる。イヤイヤイヤイヤっ可愛すぎるのは君ですよ!!
攻略対象の破壊力!!!強すぎ!

むぅっと、可愛い顔が近づいてきた、と思うと、ふわっと微笑んで唇に触れるだけのキスをされた。

ーー!!!!!
あっかーーーん!これはアカン!
思わず関西弁を頭の中で叫びながら、顔を両手で隠す。

心臓がもちません!きゅんっていうのと、ドキドキが大きくなって、身が持ちません!自分の恋愛偏差値が低すぎて、泣けてくる。

指の隙間から。ライトを見るとあちらも赤面しつつありますところが、またおいしい。これが。もしスチルだったら絶対ゲットしたいだろうな、それほど。破壊力がありましたよ。

「もう、リズ、可愛いすぎるよ、どうしよう」

こちらに移動したライトが、私の顔を隠してた両手を掴んで椅子へと優しく縫い付ける。

「リズが、ここに居るって、もう一度。確認させて?」

触れるだけのキスから、ライトの舌が優しく私の唇を舐めてくるから思わず吐息がもれて、その隙を逃さないと口内へ入ってくる。
少し強引だけど、優しい。手を、椅子に押さえられて身動きが取れないし、だんだんと力が抜けてくる。

ちゅぱっと小さく音を立てて離れたけれど、頭がふわふわしたままだ。

「さてと・・このまま、僕のモノにして閉じ込めてしまいたいのだけれど、先ほどの言動の説明をしてもらいたいな?リズ?」

あれ?天使なライトの背後に、今、何故か悪魔が見えましたよ?
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