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少年編 1章
第9話 ダンジョン
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屋敷からダンジョンに行く。
ただ外の門から出るだけではバレる可能性があるので、屋敷から外に続く隠し通路を使った。
父の書斎の本棚の隠し扉から入る。
じめじめした通路をアルスと共に抜け、外へと出る。
「ふわぁ~広いですね!」
アルスが嬉しそうな声を出す。
大きな城壁の外、水の堀の向こう側には緑の平原が広がっていた。
街道の反対側の城壁のため何もない。
ただただ平原が広がっていた。
「外の世界って初めてです!」
そうか、アルスは公都からは出たこと無いのか。
かく言う僕も、馬車からしか外の風景は見たことがなかった。
前世も都会生まれ、都会育ち、都会死亡のため緑溢れる平原は新鮮な感じだ。
「それじゃあ、行くぞ」
「え!場所は分かるんですか?」
「ああ、地図で確認した」
前世の情報通り、近くの山の麓にある。
僕らはいつも通りの運動服を着ている。
この世界は中世の雰囲気なのに無駄に服が現代感あるのが多い。
運動服も、白色のTシャツに白のパーカー。ズボンは黒とザ・普通。
腰に剣を掛け、肩からバックを掛ける。
アルスは全体的に茶色の服装。大きなカバンを背負っている。
歩いて一時間ほど。八歳と七歳の子供二人はダンジョンへと進むのだった。
ダンジョン。簡単に言うと色々な魔物が潜む洞窟のこと。
いくつか種類があるが、一般的なダンジョンは二十~五十階層にそれぞれ分かれており、十階層ごとにボスと呼ばれるのが存在する。
下の階に行けば行くほどレベルや強さは上がっていく。
魔物は殺されても一定期間経つと何故かまた湧いてくる。その為無限に狩ることができる。
魔物を狩るのが仕事の冒険者たちにとって、格好の場所。
素材もコアも稼げる。
さらに、それぞれのボスを倒すとそこに存在するお宝と言うものをゲットできる。
お宝がゲットされても基本的にボスの復活とともにまた現れるが、中には一回限りしかゲットできないものがある。
それを今から取りに行く。
向かったダンジョンは、初級ダンジョン。
比較的初心者が狩りに行く低難易度の場所。
物語の中盤で主人公がたまたま入ってしまい、そこで隠しダンジョンを見つけてしまうのだ。
隠しダンジョンは一定の条件をクリアしないと入れない場所で、すぐにボスと戦える。
ただ凄いお宝がある分、ボスのレベルも高い。
「さて、入ろうか」
僕はダンジョンの入り口の前に立って言う。
子供の背丈で言うのも何だが、入り口は大きい。
入り口が日本の一般的な二階建て住宅が入るぐらいはある。
もっとも、初級ダンジョンのため人が全くいない。みんなもっと上のとこに行きたいんだ。
このダンジョンは二十階層までしか無いので、物足りないのだ。
「よし、入るぞ」
「はい!」
アルスが元気よく返事をする。
こうして僕らはダンジョンへと入ったのだが―
グギャァァ!!!
入って少ししたところで三体のゴブリンたちに襲われる。
「アルス、右一匹お願い」
「分かりました!」
すぐさま戦闘態勢に入る。
僕らは持っていた荷物をすぐに放り投げ、アルスは剣を抜き僕は魔法を打つ体勢に入る。
グルルルーー
ゴブリンたちは警戒して距離を取ってくる。
緑色の体で頭デッカち。長い耳に膨らんだお腹。大きさは僕らとあまり変わらない。
灰色の布で股間を覆い、棍棒を片手に持っている。
「アルスは動きに合わせろ」
「了解です」
僕はアルスに指示を出して魔法を詠唱する。
「霧よ煙よ、視界を遮れ、【スモーフォグ】」
手にできた魔法陣から黒い靄が出て、一瞬で視界を暗くさせる。
「「見せろ、【サーチ】」」
僕とアルスが同時に魔法を発動。
サーチは索敵魔法。周囲の魔力を感知して知ることができるものだ。
グルァァーー
訳が分からずゴブリンたちが叫ぶ。
僕らはその背後に周り、剣を振る。
ザシンッ―――グァァァ!!!
二人の斬る音と二匹の叫びが重なる。
ゴブリンに傷を付けて重症化させたが、まだ殺った訳では無い。
流石に子供の剣を子供の力で振っただけ。低レベルの魔物といえど簡単には行かない。
剣を振った勢いで黒い靄が晴れる。
仲間がやられたことに気付いたもう一匹が僕に襲いかかってくる。
「アルス、止めを刺しておけ!」
命令したと同時に棍棒が振ってくる。
「防げ、【シールド】」
咄嗟に防御魔法、シールドを展開させて防ぐ。
詰められた距離を離してゴブリンと睨み合う。
だが、意を決して魔法を下に放つ。
「地の民よ、沼となれ、【スワンドゥ】」
詠唱したと同時にゴブリンの足元に泥濘が出来る。
ゴブリンは足を取られ体勢を崩す。
僕はそれを見逃さず、前へと走り込み、ゴブリンの首めがけて剣を振る。
ザシンッ―――ボトン
運が良かったのかきれいに切れて頭が地面に落ちる。
「ふぅ~簡単に殺れた」
「ルイ兄様、こちらも仕留めておきました!」
僕の戦いを見ていたと思われるアルスが、他の二匹を指さして言う。
「ご苦労だった」
まあ、所詮雑魚共だ。
本番はここから。
ただ外の門から出るだけではバレる可能性があるので、屋敷から外に続く隠し通路を使った。
父の書斎の本棚の隠し扉から入る。
じめじめした通路をアルスと共に抜け、外へと出る。
「ふわぁ~広いですね!」
アルスが嬉しそうな声を出す。
大きな城壁の外、水の堀の向こう側には緑の平原が広がっていた。
街道の反対側の城壁のため何もない。
ただただ平原が広がっていた。
「外の世界って初めてです!」
そうか、アルスは公都からは出たこと無いのか。
かく言う僕も、馬車からしか外の風景は見たことがなかった。
前世も都会生まれ、都会育ち、都会死亡のため緑溢れる平原は新鮮な感じだ。
「それじゃあ、行くぞ」
「え!場所は分かるんですか?」
「ああ、地図で確認した」
前世の情報通り、近くの山の麓にある。
僕らはいつも通りの運動服を着ている。
この世界は中世の雰囲気なのに無駄に服が現代感あるのが多い。
運動服も、白色のTシャツに白のパーカー。ズボンは黒とザ・普通。
腰に剣を掛け、肩からバックを掛ける。
アルスは全体的に茶色の服装。大きなカバンを背負っている。
歩いて一時間ほど。八歳と七歳の子供二人はダンジョンへと進むのだった。
ダンジョン。簡単に言うと色々な魔物が潜む洞窟のこと。
いくつか種類があるが、一般的なダンジョンは二十~五十階層にそれぞれ分かれており、十階層ごとにボスと呼ばれるのが存在する。
下の階に行けば行くほどレベルや強さは上がっていく。
魔物は殺されても一定期間経つと何故かまた湧いてくる。その為無限に狩ることができる。
魔物を狩るのが仕事の冒険者たちにとって、格好の場所。
素材もコアも稼げる。
さらに、それぞれのボスを倒すとそこに存在するお宝と言うものをゲットできる。
お宝がゲットされても基本的にボスの復活とともにまた現れるが、中には一回限りしかゲットできないものがある。
それを今から取りに行く。
向かったダンジョンは、初級ダンジョン。
比較的初心者が狩りに行く低難易度の場所。
物語の中盤で主人公がたまたま入ってしまい、そこで隠しダンジョンを見つけてしまうのだ。
隠しダンジョンは一定の条件をクリアしないと入れない場所で、すぐにボスと戦える。
ただ凄いお宝がある分、ボスのレベルも高い。
「さて、入ろうか」
僕はダンジョンの入り口の前に立って言う。
子供の背丈で言うのも何だが、入り口は大きい。
入り口が日本の一般的な二階建て住宅が入るぐらいはある。
もっとも、初級ダンジョンのため人が全くいない。みんなもっと上のとこに行きたいんだ。
このダンジョンは二十階層までしか無いので、物足りないのだ。
「よし、入るぞ」
「はい!」
アルスが元気よく返事をする。
こうして僕らはダンジョンへと入ったのだが―
グギャァァ!!!
入って少ししたところで三体のゴブリンたちに襲われる。
「アルス、右一匹お願い」
「分かりました!」
すぐさま戦闘態勢に入る。
僕らは持っていた荷物をすぐに放り投げ、アルスは剣を抜き僕は魔法を打つ体勢に入る。
グルルルーー
ゴブリンたちは警戒して距離を取ってくる。
緑色の体で頭デッカち。長い耳に膨らんだお腹。大きさは僕らとあまり変わらない。
灰色の布で股間を覆い、棍棒を片手に持っている。
「アルスは動きに合わせろ」
「了解です」
僕はアルスに指示を出して魔法を詠唱する。
「霧よ煙よ、視界を遮れ、【スモーフォグ】」
手にできた魔法陣から黒い靄が出て、一瞬で視界を暗くさせる。
「「見せろ、【サーチ】」」
僕とアルスが同時に魔法を発動。
サーチは索敵魔法。周囲の魔力を感知して知ることができるものだ。
グルァァーー
訳が分からずゴブリンたちが叫ぶ。
僕らはその背後に周り、剣を振る。
ザシンッ―――グァァァ!!!
二人の斬る音と二匹の叫びが重なる。
ゴブリンに傷を付けて重症化させたが、まだ殺った訳では無い。
流石に子供の剣を子供の力で振っただけ。低レベルの魔物といえど簡単には行かない。
剣を振った勢いで黒い靄が晴れる。
仲間がやられたことに気付いたもう一匹が僕に襲いかかってくる。
「アルス、止めを刺しておけ!」
命令したと同時に棍棒が振ってくる。
「防げ、【シールド】」
咄嗟に防御魔法、シールドを展開させて防ぐ。
詰められた距離を離してゴブリンと睨み合う。
だが、意を決して魔法を下に放つ。
「地の民よ、沼となれ、【スワンドゥ】」
詠唱したと同時にゴブリンの足元に泥濘が出来る。
ゴブリンは足を取られ体勢を崩す。
僕はそれを見逃さず、前へと走り込み、ゴブリンの首めがけて剣を振る。
ザシンッ―――ボトン
運が良かったのかきれいに切れて頭が地面に落ちる。
「ふぅ~簡単に殺れた」
「ルイ兄様、こちらも仕留めておきました!」
僕の戦いを見ていたと思われるアルスが、他の二匹を指さして言う。
「ご苦労だった」
まあ、所詮雑魚共だ。
本番はここから。
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