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少年編 2章
第22話 潰しますか!
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証拠などを集めた僕らは急いで準備を終える。
向かうはアルマー侯爵領。
捕まえた長男のダンの引き渡しと自白を取るために。
証拠はある程度を司法に引き渡しており、すぐにでも取り調べが行われるだろう。
だが、取り調べが始まると取り潰すのは難しい。
貴族は金と権力に物を言わせて捜査の邪魔や証拠隠滅は当たり前、常識だ。
だから、それをされる前に証拠をこちらが突きつけて自白を促すことで取り潰せる。
まあ、本当の意味の取り潰しにはならない。
捜査の始まる前の自白だから罪は軽くなり、爵位の格下げと領地替え、罰金が課されるだろう。
僕はそれで満足する。
さて、僕らは魔物狩りと称してアルマー家の領地に入った。
向こうの家は嫡男が捕まったなどで色々と慌ただしくなっていると間者から報告があった。
証拠の隠滅に動いているようだが遅すぎる。
こちらは大体を掴んでいる。
僕らは形だけの軽い魔物討伐をやり、アルマー家の本拠の街に宿泊をした。
当然僕は特別待遇でアルマー家の邸宅の敷地にある客館に止まることになった。
「ようこそ、いらっしゃいました」
青筋を立てながらもなるべく穏やかに挨拶をしてくるアルマー侯爵家当主。
「ああ、世話になる」
軽く返事を返すとさらに青筋を立てた。
「ルイ殿、急な魔物討伐でしたね。我が領内でどうして行ったのですか?私共は特に兵士不足はありませんでしたよ」
「気分だ、気分」
「ですが、」
はぁ~察しは付いてるだろうに何をそんなに聞いてくる?
まさか未だに僕が潰しにかかっている、と知らないわけ無いだろうに。
「今は眠いんだ。また明日話をする」
最後の審判の話を。
「・・・・・・分かりました」
少しの沈黙の後、返事をしてくる。
まあ、こいつの魂胆は丸分かりだ。
今夜襲撃をかけてくるのだろう。
客館に連れてきた護衛は、アルスとレーナ、オールド、他騎士二名。
少ないように見えるが実力は十二分すぎる。
街の宿には連れてきた五十人の騎士が宿泊している。
戦闘になっても負けはしない布陣だ。
次の日
僕は気持ちよく目覚めた。
近くにいたアルスが汗だくだったのでどうしてか聞いてみると、昨晩襲撃があったと言った。
十人ほどの暗殺者が送り込まれたらしいが、五人で全てを返り討ちにして三人を捕らえたらしい。
僕は暗殺者が送り込まれたことを気にすること無く朝食を食べ、服に着替えた。
「あの、ルイ様」
着替えをしている途中、レーナが神妙な顔をして聞いてくる。
「何だ?」
「どうしてそこまで私の為にしてくれるのですか」
一瞬、何を言っているのだと思ったが、少し考えて納得する。
「・・・なるほど、確かに僕はお前のために、救うために行動をするのはおかしいと思われるだろう。お前に恋をしていると思われても仕方がないが、別にそういう訳では無い」
「では何故?」
「そうだな、あえて言うならお前が、レーナが子供だからだ。僕と変わらない子供だから」
「???」
上手く説明なんてできない。でも、救うべきだと思ってしまった。
「と、とりあえず行くぞ。戦う覚悟はできたか」
「はい」
ちょうど着替えが終わる。
さて、潰しに行くか。
向かうはアルマー侯爵領。
捕まえた長男のダンの引き渡しと自白を取るために。
証拠はある程度を司法に引き渡しており、すぐにでも取り調べが行われるだろう。
だが、取り調べが始まると取り潰すのは難しい。
貴族は金と権力に物を言わせて捜査の邪魔や証拠隠滅は当たり前、常識だ。
だから、それをされる前に証拠をこちらが突きつけて自白を促すことで取り潰せる。
まあ、本当の意味の取り潰しにはならない。
捜査の始まる前の自白だから罪は軽くなり、爵位の格下げと領地替え、罰金が課されるだろう。
僕はそれで満足する。
さて、僕らは魔物狩りと称してアルマー家の領地に入った。
向こうの家は嫡男が捕まったなどで色々と慌ただしくなっていると間者から報告があった。
証拠の隠滅に動いているようだが遅すぎる。
こちらは大体を掴んでいる。
僕らは形だけの軽い魔物討伐をやり、アルマー家の本拠の街に宿泊をした。
当然僕は特別待遇でアルマー家の邸宅の敷地にある客館に止まることになった。
「ようこそ、いらっしゃいました」
青筋を立てながらもなるべく穏やかに挨拶をしてくるアルマー侯爵家当主。
「ああ、世話になる」
軽く返事を返すとさらに青筋を立てた。
「ルイ殿、急な魔物討伐でしたね。我が領内でどうして行ったのですか?私共は特に兵士不足はありませんでしたよ」
「気分だ、気分」
「ですが、」
はぁ~察しは付いてるだろうに何をそんなに聞いてくる?
まさか未だに僕が潰しにかかっている、と知らないわけ無いだろうに。
「今は眠いんだ。また明日話をする」
最後の審判の話を。
「・・・・・・分かりました」
少しの沈黙の後、返事をしてくる。
まあ、こいつの魂胆は丸分かりだ。
今夜襲撃をかけてくるのだろう。
客館に連れてきた護衛は、アルスとレーナ、オールド、他騎士二名。
少ないように見えるが実力は十二分すぎる。
街の宿には連れてきた五十人の騎士が宿泊している。
戦闘になっても負けはしない布陣だ。
次の日
僕は気持ちよく目覚めた。
近くにいたアルスが汗だくだったのでどうしてか聞いてみると、昨晩襲撃があったと言った。
十人ほどの暗殺者が送り込まれたらしいが、五人で全てを返り討ちにして三人を捕らえたらしい。
僕は暗殺者が送り込まれたことを気にすること無く朝食を食べ、服に着替えた。
「あの、ルイ様」
着替えをしている途中、レーナが神妙な顔をして聞いてくる。
「何だ?」
「どうしてそこまで私の為にしてくれるのですか」
一瞬、何を言っているのだと思ったが、少し考えて納得する。
「・・・なるほど、確かに僕はお前のために、救うために行動をするのはおかしいと思われるだろう。お前に恋をしていると思われても仕方がないが、別にそういう訳では無い」
「では何故?」
「そうだな、あえて言うならお前が、レーナが子供だからだ。僕と変わらない子供だから」
「???」
上手く説明なんてできない。でも、救うべきだと思ってしまった。
「と、とりあえず行くぞ。戦う覚悟はできたか」
「はい」
ちょうど着替えが終わる。
さて、潰しに行くか。
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