白薔薇の紋章

サクラ

文字の大きさ
23 / 37
第4章 生贄

第1話

しおりを挟む
力が解放されつつある。

何百年もの間、この薄暗い刀の底から念を送り続けてきた。


そして見つけたのだ。
我のこの力を入れることのできる箱を。
そのためには力が必要だ。

人々の恨み憎しみでできた怨念の塊。
恐怖や不安で歪む邪念の心。

それらが全て我の餌となる。

さぁ、我のしもべたちよ!
怨霊となって人々を恐怖に陥れるのだ!


刀から我が解放されるまであと少し…








「さっきも話したけれど、あなたは白薔薇の正統な後継者。来月の満月の夜、その名を継いでもらいたいの」



理事長の言葉が頭の中でリプレイされる。
白薔薇姫…そのことについては初日に理事長から
そして昨日、戒さんたち四霊の人たちからも教えてもらった。

封印された鬼の力。
弱まっている刀の封印。

世界が再び暗黒の世界に染まらないように
私はみんなと刀を守っていかなければならない。

でも、一体どうやって?

それをみんなで調べようという話になったけど
私に白薔薇姫としての力が目覚めたとして
封印ってどんな風にするの?
それも、力が目覚めれば分かるの…?


ごたごたと考えていても埒が明かない
とりあえず学校に行く準備を始めよう。



制服を着ながらも、私は鬼の封印について考えていた。
理事長から聞いた話は正直楽しい話じゃなかった。

白薔薇姫は刀で自分の胸を刺して
そしてその血で鬼を完全に封印したといっていた。

そしてそれから7年に1度、生け贄を捧げているといっていた。


怖くなかったの?自分の胸を刀でさすなんて考えられない。
それに封印は完全だったんでしょ?
どうして生け贄が必要になったんだろ。


そして、完全な封印がなぜ今になって解かれようとしるんだろう。


蓮さんが言ったとおり、白薔薇姫であるお母さんがこの村を出て行ったから?
白薔薇姫という存在と、刀は一心同体なの?
そのお母さんが死んでしまった今
白薔薇姫を受け継ぐことが出来るのは私しかいない、ということになる。

でも、私がいなかったらどうなったんだろう。
白薔薇姫と言う存在がこれから先もいないとしたら
刀は村はどうなるんだろう。



しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

10年前に戻れたら…

かのん
恋愛
10年前にあなたから大切な人を奪った

包帯妻の素顔は。

サイコちゃん
恋愛
顔を包帯でぐるぐる巻きにした妻アデラインは夫ベイジルから離縁を突きつける手紙を受け取る。手柄を立てた夫は戦地で出会った聖女見習いのミアと結婚したいらしく、妻の悪評をでっち上げて離縁を突きつけたのだ。一方、アデラインは離縁を受け入れて、包帯を取って見せた。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

処理中です...