世界図書館のラウ・ツェーイ

結月彩夜

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第1章

大丈夫

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こちらに向かってファイマール帝国の軍人が近づいてくる。
このさわぎを聞きつけてきたのだろう。
私は子供に
「大丈夫、大丈夫」
そうもう一度いった。
大鎌を顕現させる。頭の中でカチリと音がする。

───さあはじめようじゃないか。本当の本物の殺し合いをっ

───私はラウ。戦争は大嫌いだ。でも戦うのは得意なのだ。なのだから、彼らを全力で蹴散らすのだ。

「ごきげんよう。こんにちは。」
──そしておとといきやがれ、くそったれっ
軽く地面を蹴り、宙へ踏み出す。
風魔法を展開し、空中にとどまる。
そして、舞うように大鎌を振り回し、ファイマール帝国の軍人を蹴散らしていく。
「なんだ貴様は?何者だっ!?」
驚愕そして困惑。 
無理もない。彼らからしてみれば、いきなりあらわれた小娘にいいようにされているのだ。

あの人のために戦えるようになったのだ。
覇王・暴君・戦好きそんな言葉で飾られることの多かった人。
戦場という場に自らたつことの多い人だった。
あの人のそばにあの人の隣に立っていたかったから。
だから私は強くなった。

だから、

圧勝だった。軍は撤退していった。
それにしても、子供に血みどろの惨劇を見せるわけにはいかないと思って、精神に介入し、意識を刈り取る鎌にして本当に良かったと思う。
じゃなかったら、あたりに、手や足それに首が転がってしまうところだった。

───うっかり撃退しちゃったけどどうしよう?


………この混乱に乗じて逃げようそうしよう
追求されたら、1日中寮にいたことにしよう。

このままいなくなろうかとも思ったけれど、一度地上に降りた。
「大きくなんな。守りたいものを守れるくらい」
子供の頭に手を置いて言う。
「君の行く先に幸運がありますように」
そういって私は地面を蹴って空に飛び立った。

──あの人のことを思い出してしまったから、久しぶりに感傷に浸っていたい気分になってしまった。
まだ太陽は沈んでいない。
問題は、後回しにして、記憶を辿っていこう。
今となっては昔となってしまった時代まで、記憶を辿ってあの人に思いを馳せようと思うのだ。 

私の、愛した、たった1人のひと。

───────────────────────

間に合いませんでしたっごめんなさいっ
ここまで読んでくださりありがとうございます!
これでいちよう1章が終わりました。
第3次ファンタジーカップの作品をかいているため、
次回は未定です。ファンタジーカップの作品が、一段落ついてから、ある程度書き溜めして投稿します。
ファンタジーカップの作品は、今日中に投稿しますので、よんでくださるとうれしいです。
作品名は「ケットシーな僕とはじまりの精霊」です

誤字報告や、感想、お気に入り登録などしてくださると作者のモチベーションが上がります。よろしくお願いしますっ
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