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”アリス”はもう一度言った。
「いらない」
と。
捨てようとした?
いや、違う。捨てたのだ。
ゴミ箱にゴミ箱を投げ入れるように。
それは本当にいきなりのことだった。
足元の床が急に無くなったのだ。
「え。は!?まじで!?」
さすがにコレはちょっと、いやだいぶ予想外だなあ!?
しかも結構深いな!?コレ
いらないとは言われたけどさあ、ボクたちを殺す気なのかな?!あの”アリス”サマは?!
正直なところ、今の状況は想定外にも程があった。
どうやって軌道修正図ったものかというか……。これホントに死なないよね?!
どうしたものかな?ていうか本当に深くないかな!?

「風よざわめき我らのまとう鎧となれ」

思わずボクは詠唱した。柏手を一つ鳴らす。それが僕の魔法の使いかただ。
昔は結構コレのせいで 嫌がらせをされた。一般的に魔法に動作は必要がないのだ。だから、まあうん。いろいろと、ね……。
それでも、誰に何を言われようとこれは僕が身につけた我流の魔法だ。
たとえ全てのひとがボクの魔法コレをバカにしようとも誰にも代えられない何かがある僕はそう信じていたのだ。
何度裏切られようと僕は歩み続けるのだ。
って違う今はそんなこと考えてる場合じゃない!
もはやこれって走馬灯に近いやつなのかなあ!?
ッ魔法を制御しなきゃ!風がまとわりついてクッションになる
クッションで衝撃を和らげることで死なないようにしたのだ。
こんなとこで死ぬ気はないのだから。
降り立ったそこは、からりと音がした。
なんだと思って目を凝らして床をみてみればそれは骨だった。
おそらく人の骨。
それが地面を覆いつくすほど大量にあったのだ。
それに気づいたのは僕だけではなかったようだった。
「ひっ!」
ツェンが短く悲鳴を上げた。
「きゃあ――――っ!!」
アリアが叫んだ。
まあ確かにね少女にとっては刺激が強かっただろう。したいなんて本来そう見るのではないのだから。
うん?待て?となると平然としてるボクはとてもおかしく見えるのでは?さあさてどうしたものか……。
今から働いたふりをして見せても胡散臭いだけだいや本当どうしよう
ツェンがこちらを見る目も心なしかも怪しいやつを見るようだった。
あ、あははははは……
いあや、どうしよう、コレ。

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