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第7章 晏寿の奮闘編
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昼時を過ぎそうになり景雲は未だに晏寿の姿がないことが気になった。
近くにいた秀英に確認する。
「秀英、晏寿を見ていないか?」
「いや見ていない」
「そうか、ならまだ戻ってきていないのか」
「晏寿はどこに行ったんだ?」
「武官達のところだ。帳簿で確認したいことがあると飛び出していった。迎えに行ってくる」
「待て、俺も行く」
そうして二人は晏寿がいるであろう場所へと向かった。
秀英がついて来たことを面白く思った景雲は、にやっとしながら隣を歩く秀英を見る。
「そんなに晏寿が心配か?」
揶揄われていることがわかった秀英だが否定ができず、ばつの悪そうな表情をする。
「仕方ないだろう。意中の女が男ばかりの中に飛び込んで行ったと聞けば」
「官吏受けた時点で男だらけだがな。そもそも、お前は晏寿のどこがよかったんだ?たしかに器量はいいが、顔や体付きはもっと良い女がいるぞ?」
景雲の発言に秀英は眉根を寄せる。そして、秀英自身でも晏寿のどこが良いというのがすぐには言い出せなかったのが悔しかった。
「秀英は多くの女を知らない。適齢期に近くにいた女が晏寿だったから勘違いを起こしているのかもしれない」
「景雲」
景雲の言葉を遮るように秀英が短く言う。
「それ以上言うと手が出る」
秀英の手は固く握られており、それを見た景雲は、目を丸くして驚いた。
「すまん、言いすぎた。別にお前の気持ちを疑う気はない。ただ、俺達の立ち位置ではそういうふうに見る輩もいるということは忘れるな」
「わかっている」
単純に気持ちだけでぶつかることができたらどんなに楽だったろうか。
家のこと、世間のことを抜きにただ好いた女を妻にできたらどんなに嬉しいだろうか。
秀英にも景雲にも当てはまる葛藤を抱きながら、晏寿のいる場所へと辿り着いた。
晏寿は二人に気づくことなく、せっせと残りの配膳を行っていた。
「あいつは、いつ飯炊きになったんだ?」
呆れて呟く景雲。秀英はただ真っ直ぐ晏寿を見ていた。
「お疲れ様!やっとご飯だね!これ食べて元気だして」
「そこ赤くなってるけど大丈夫?早く食べて冷やしたほうがいいよ」
「野菜を残さない!そんな人にはおかわりは駄目だからね!」
一人一人に声をかけて笑顔で対応する晏寿。一人でくるくると周り忙しそうだが、どこか楽しげであった。
「景雲、先程晏寿のどこがいいのかと聞いてきたが、俺は人のために一生懸命になれる晏寿が好きだ。いつも自分を後回しにしてしまうから、俺が晏寿を一番に気にかけていたい」
「…そうして二人でよく暴走するんだよ。で、俺が二人まとめて止めるんだ。俺への労いは?」
「よくやった」
「それだけかよ」
入口で二人で話していると、晏寿はようやく二人の姿に気づいて手を振る。
「秀英ー!景雲ー!何やってんのー?」
「それはこっちの台詞だ。昼飯食べ損ねるぞー」
「わわ、こんな時間だっ。また明日ね」
晏寿は自分の周りをぱぱっと片付けると、小走りに二人に近づいてきた。
そしてにこっと笑いかける。
「迎えに来てくれてありがとう」
その笑顔を見て、秀英はこの笑顔が好きなのだと改めて実感するのだった。
近くにいた秀英に確認する。
「秀英、晏寿を見ていないか?」
「いや見ていない」
「そうか、ならまだ戻ってきていないのか」
「晏寿はどこに行ったんだ?」
「武官達のところだ。帳簿で確認したいことがあると飛び出していった。迎えに行ってくる」
「待て、俺も行く」
そうして二人は晏寿がいるであろう場所へと向かった。
秀英がついて来たことを面白く思った景雲は、にやっとしながら隣を歩く秀英を見る。
「そんなに晏寿が心配か?」
揶揄われていることがわかった秀英だが否定ができず、ばつの悪そうな表情をする。
「仕方ないだろう。意中の女が男ばかりの中に飛び込んで行ったと聞けば」
「官吏受けた時点で男だらけだがな。そもそも、お前は晏寿のどこがよかったんだ?たしかに器量はいいが、顔や体付きはもっと良い女がいるぞ?」
景雲の発言に秀英は眉根を寄せる。そして、秀英自身でも晏寿のどこが良いというのがすぐには言い出せなかったのが悔しかった。
「秀英は多くの女を知らない。適齢期に近くにいた女が晏寿だったから勘違いを起こしているのかもしれない」
「景雲」
景雲の言葉を遮るように秀英が短く言う。
「それ以上言うと手が出る」
秀英の手は固く握られており、それを見た景雲は、目を丸くして驚いた。
「すまん、言いすぎた。別にお前の気持ちを疑う気はない。ただ、俺達の立ち位置ではそういうふうに見る輩もいるということは忘れるな」
「わかっている」
単純に気持ちだけでぶつかることができたらどんなに楽だったろうか。
家のこと、世間のことを抜きにただ好いた女を妻にできたらどんなに嬉しいだろうか。
秀英にも景雲にも当てはまる葛藤を抱きながら、晏寿のいる場所へと辿り着いた。
晏寿は二人に気づくことなく、せっせと残りの配膳を行っていた。
「あいつは、いつ飯炊きになったんだ?」
呆れて呟く景雲。秀英はただ真っ直ぐ晏寿を見ていた。
「お疲れ様!やっとご飯だね!これ食べて元気だして」
「そこ赤くなってるけど大丈夫?早く食べて冷やしたほうがいいよ」
「野菜を残さない!そんな人にはおかわりは駄目だからね!」
一人一人に声をかけて笑顔で対応する晏寿。一人でくるくると周り忙しそうだが、どこか楽しげであった。
「景雲、先程晏寿のどこがいいのかと聞いてきたが、俺は人のために一生懸命になれる晏寿が好きだ。いつも自分を後回しにしてしまうから、俺が晏寿を一番に気にかけていたい」
「…そうして二人でよく暴走するんだよ。で、俺が二人まとめて止めるんだ。俺への労いは?」
「よくやった」
「それだけかよ」
入口で二人で話していると、晏寿はようやく二人の姿に気づいて手を振る。
「秀英ー!景雲ー!何やってんのー?」
「それはこっちの台詞だ。昼飯食べ損ねるぞー」
「わわ、こんな時間だっ。また明日ね」
晏寿は自分の周りをぱぱっと片付けると、小走りに二人に近づいてきた。
そしてにこっと笑いかける。
「迎えに来てくれてありがとう」
その笑顔を見て、秀英はこの笑顔が好きなのだと改めて実感するのだった。
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