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黒い雨
暗闇
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暗闇に落ちた。
先の見えないほど、とても深い暗闇に。
でもそれは直接的なものじゃない、言えば詩人が好きな比喩の表現。
つまり言うと、落ちぶれたという意味だ。
数々のことを経験してきた俺にとって、このようなことは珍しいケースではない。
だが、やっぱり胸は痛んでいた。
自分が良かれと思ってやっていたことが、破滅に繋がるだなんて、普通は思いもしないだろうから。
「つまんねえな‥‥」
火のついた煙草を一度くわえ、息を吸う。
苦い味と喉の刺激が、ただただ心地よく、それでいて虚しかった。
俺はそのまま手をぶらりと下ろすと、一度しか吸っていないその煙草を宙に放った。
煙草はくるくると回転すると、重力にしたがって下に落ちていく。
不思議なものだ。
深い、奥深いところまで落ちると、どこが上かわからなくなる。
上を向いて歩いているようで、本当は下に落ちている
気がつけばどん底で、そこで初めて答えが返ってくる。
俺の今までやってきたことは、一部の中では英雄で、大きく置いた規模の中では、反逆者に過ぎないのだと。
「あ‥‥」
その時、額の上に冷たい刺激が走る。
雨だった。
粘り気のある黒い雨は、この世界にある正しさの矛盾を表していた。
俺は醜い鉄の塊を背負うと、力ない足を無理やり起こした。
「さて、一仕事するか‥‥」
俺の言葉が溶けていく。
互いの正義という殴り合いに挟まれた俺の、力ない言葉が‥‥。
先の見えないほど、とても深い暗闇に。
でもそれは直接的なものじゃない、言えば詩人が好きな比喩の表現。
つまり言うと、落ちぶれたという意味だ。
数々のことを経験してきた俺にとって、このようなことは珍しいケースではない。
だが、やっぱり胸は痛んでいた。
自分が良かれと思ってやっていたことが、破滅に繋がるだなんて、普通は思いもしないだろうから。
「つまんねえな‥‥」
火のついた煙草を一度くわえ、息を吸う。
苦い味と喉の刺激が、ただただ心地よく、それでいて虚しかった。
俺はそのまま手をぶらりと下ろすと、一度しか吸っていないその煙草を宙に放った。
煙草はくるくると回転すると、重力にしたがって下に落ちていく。
不思議なものだ。
深い、奥深いところまで落ちると、どこが上かわからなくなる。
上を向いて歩いているようで、本当は下に落ちている
気がつけばどん底で、そこで初めて答えが返ってくる。
俺の今までやってきたことは、一部の中では英雄で、大きく置いた規模の中では、反逆者に過ぎないのだと。
「あ‥‥」
その時、額の上に冷たい刺激が走る。
雨だった。
粘り気のある黒い雨は、この世界にある正しさの矛盾を表していた。
俺は醜い鉄の塊を背負うと、力ない足を無理やり起こした。
「さて、一仕事するか‥‥」
俺の言葉が溶けていく。
互いの正義という殴り合いに挟まれた俺の、力ない言葉が‥‥。
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