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黒薔薇十字軍 ⑦
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「悪しきものよ去れ、主の名のもとにピュリフィケーション」
桜の後ろに立つ大天使カマエルが、右手に持つ杖で床を突くと波紋の様に光の輪が体育館に広がって行く。
正人は、強烈な眩しさから顔を逸らし腕で自分の目を守った。
光を嫌ったのか、長老は慌てて光の外へ逃げて行く。
賀茂は鬼達と共に体育館の中央で憑りつかれた人々に囲まれていた。
光を浴びた人々の体から黒い影が抜け出し消滅すると、バタバタと倒れていく。
大天使から発せられた聖なる光は、人々に憑依していた悪魔を一掃する。
聖なる光を浴びたミハエルとマモンは、体の一部が蒸発し湯気が出ていた。よく見ると、光を浴びた顔や腕の皮膚が少しただれている。
「うっ、・・・」止めを刺さず動きを止める隼人に龍は、“躊躇するな、物理攻撃しか効かないのだぞ!”と、催促したが隼人より先にマモンが反撃を仕掛けた。
マモンの放った無数の黒い刃は、隼人目がけて襲い掛かって来る。
隼人が両腕の籠手で防御する間に、一瞬の隙を突かれてしまった。
ミハエルにマモンは肩を貸すと、ステージから飛び降り出口の方へ走り出す。全身の力を奪われたようにぐったりとするミハエルは、悔し気な声を出した。
「なぜ、ここに大天使に守護されるエクソシストがいるのか?」
悪魔がどれだけ足掻いても、やはり天使には太刀打ちできない。このまま隼人と戦いを続ければ自分達の身を滅ぼすと、マモンは本能的に感じ取る。
「逃げられると思うなよ」と、隼人は直ぐに彼らの後を追いかけた。
マモンは体育館の中央で空中に飛び上がると、前方に向けて手をかざす。
空中に黒い槍が現れると、マモンは槍を手に取った。
天井目掛けて槍を投げ、大きな穴を空ける。
頭上から鉄筋が落ちてくるのを見た隼人は、桜が危ないと思わずマモンを追いかけるのを止め、彼女の方へ向きを変えてしまった。
隼人が辿り着く前に大天使カマエルは、背中の白く大きな翼を広げ崩れ落ちてくる天井の瓦礫から桜を守った。彼が行かなくても、桜は冷静に自分を守るよう守護天使に命じていたのだった。
天井の穴からミハエルとマモンは、脱出し姿を消してしまった。
隼人は、自分の判断ミスで彼らを取り逃がしてしまったと感じた。
悔しそうに隼人は、天井の穴を見上げる。宮田を見つけられたのに、彼は何も出来なかったと、心の中で自分を責めていた。
心配になった桜は、両手で隼人の顔を自分の方へ向けた。
「全て抱え込まない、無理しないで」
桜が何を言いたいのか何となく理解出来たが、隼人は思わず顔を背けようとする。
友人を失った悲しみを癒そうと、桜は隼人の体に手を回し抱きしめた。
彼女は温かくて、良い匂いがする。
抱きしめられた隼人は、さっきまで怒りに満ちた心が鎮まるのを感じた。
これもエクソシストの能力か?・・・流石に違うなと思う。
自分達の世界に入り込む二人に正人は、咳ばらいをし声を掛ける。
「お二人さん、何時まで抱き合っているのかな? 後は、警察官に任せて撤収したいのだけど」
焦ってお互いの体を引き離した隼人と桜は、互いに背を向けた。
猫の姿に戻った長老が茶化してくる、「良いいぞ、若い時にしか出来ない好意の表現じゃ」
ステージ上で横たわる死体と意識を失い倒れる人々を前に賀茂は、簡単に解決させてくれそうに無いなと、苦虫を噛み潰したような顔になった。
「難航しそうだな、鬼塚君」
「組織の壊滅まで考えると、時間が掛かる案件になるでしょうね」
「しかし、日本で悪魔崇拝とは。ある意味、グローバル社会だな」、両腕を組む賀茂は、文化や宗教が異なる日本で、悪魔まで出てくると厄介だなと考えていた。
「笑い話では無いですが、本当ですね」
黒薔薇十字軍の予測できない行動に、正人の心中は穏やかでは無かった。
桜の後ろに立つ大天使カマエルが、右手に持つ杖で床を突くと波紋の様に光の輪が体育館に広がって行く。
正人は、強烈な眩しさから顔を逸らし腕で自分の目を守った。
光を嫌ったのか、長老は慌てて光の外へ逃げて行く。
賀茂は鬼達と共に体育館の中央で憑りつかれた人々に囲まれていた。
光を浴びた人々の体から黒い影が抜け出し消滅すると、バタバタと倒れていく。
大天使から発せられた聖なる光は、人々に憑依していた悪魔を一掃する。
聖なる光を浴びたミハエルとマモンは、体の一部が蒸発し湯気が出ていた。よく見ると、光を浴びた顔や腕の皮膚が少しただれている。
「うっ、・・・」止めを刺さず動きを止める隼人に龍は、“躊躇するな、物理攻撃しか効かないのだぞ!”と、催促したが隼人より先にマモンが反撃を仕掛けた。
マモンの放った無数の黒い刃は、隼人目がけて襲い掛かって来る。
隼人が両腕の籠手で防御する間に、一瞬の隙を突かれてしまった。
ミハエルにマモンは肩を貸すと、ステージから飛び降り出口の方へ走り出す。全身の力を奪われたようにぐったりとするミハエルは、悔し気な声を出した。
「なぜ、ここに大天使に守護されるエクソシストがいるのか?」
悪魔がどれだけ足掻いても、やはり天使には太刀打ちできない。このまま隼人と戦いを続ければ自分達の身を滅ぼすと、マモンは本能的に感じ取る。
「逃げられると思うなよ」と、隼人は直ぐに彼らの後を追いかけた。
マモンは体育館の中央で空中に飛び上がると、前方に向けて手をかざす。
空中に黒い槍が現れると、マモンは槍を手に取った。
天井目掛けて槍を投げ、大きな穴を空ける。
頭上から鉄筋が落ちてくるのを見た隼人は、桜が危ないと思わずマモンを追いかけるのを止め、彼女の方へ向きを変えてしまった。
隼人が辿り着く前に大天使カマエルは、背中の白く大きな翼を広げ崩れ落ちてくる天井の瓦礫から桜を守った。彼が行かなくても、桜は冷静に自分を守るよう守護天使に命じていたのだった。
天井の穴からミハエルとマモンは、脱出し姿を消してしまった。
隼人は、自分の判断ミスで彼らを取り逃がしてしまったと感じた。
悔しそうに隼人は、天井の穴を見上げる。宮田を見つけられたのに、彼は何も出来なかったと、心の中で自分を責めていた。
心配になった桜は、両手で隼人の顔を自分の方へ向けた。
「全て抱え込まない、無理しないで」
桜が何を言いたいのか何となく理解出来たが、隼人は思わず顔を背けようとする。
友人を失った悲しみを癒そうと、桜は隼人の体に手を回し抱きしめた。
彼女は温かくて、良い匂いがする。
抱きしめられた隼人は、さっきまで怒りに満ちた心が鎮まるのを感じた。
これもエクソシストの能力か?・・・流石に違うなと思う。
自分達の世界に入り込む二人に正人は、咳ばらいをし声を掛ける。
「お二人さん、何時まで抱き合っているのかな? 後は、警察官に任せて撤収したいのだけど」
焦ってお互いの体を引き離した隼人と桜は、互いに背を向けた。
猫の姿に戻った長老が茶化してくる、「良いいぞ、若い時にしか出来ない好意の表現じゃ」
ステージ上で横たわる死体と意識を失い倒れる人々を前に賀茂は、簡単に解決させてくれそうに無いなと、苦虫を噛み潰したような顔になった。
「難航しそうだな、鬼塚君」
「組織の壊滅まで考えると、時間が掛かる案件になるでしょうね」
「しかし、日本で悪魔崇拝とは。ある意味、グローバル社会だな」、両腕を組む賀茂は、文化や宗教が異なる日本で、悪魔まで出てくると厄介だなと考えていた。
「笑い話では無いですが、本当ですね」
黒薔薇十字軍の予測できない行動に、正人の心中は穏やかでは無かった。
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