新たなる誕生

谷川ベルノー

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新たなる誕生

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「おめでとう」

 目が覚めた自分へと、そんな言葉が告げられた。

 言ったのは、無骨で飾り気のない灰色の塊。

 見た目通りに無機質で抑揚の無い冷たい声だ。

『おめでとう』とはどういうことなのか。

 辺りを見渡すも、自分以外には誰もいない。
 つまり、この『おめでとう』は間違いなく自分へ送られたものであるということになる。

 だが、意味が分からない。
 祝福の言葉をわざわざ自分へと掛ける意味が。

 その疑問を解決する為に、目の前にいるソレへと尋ねた。

「────っ!?」


 いや、尋ねたというのは正しくなかった。
 口を開いて第一声を発言しようとする前に中断したのだから。

 そうしたのは、魔法と科学という相反する二つの研究という紆余曲折を経てやっと完成した『老いた身体を若い肉体へと作り変える装置』を自分の身で試したということを思い出したからだ。


「…………」

 これといって、身体に異常は感じられない。
 記憶に欠落は無く、今までのことを全て鮮明に思い出すことが出来る。

 信じられない程に絶好調で、すこぶる元気。
 思わず大声で歌いだしてしまいそうな位に、晴れやかで爽やかな気分だ。


「おめでとう」

 再度、その言葉が繰り返される。

 今なら、意味が分かる。
 それは、新しい自分へと向けた『誕生を祝う言葉』なのだということが。

「おめでとう」
「ありがとう、本当に嬉しいよ」

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