正直な魔法の鏡

谷川ベルノー

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正直な魔法の鏡

1 鏡よ、鏡

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 とあるお城に、不思議な魔法の鏡を手に入れたお姫様がおりました。
 その鏡は、聞けば『絶対なる真実』を答えてくれる摩訶不思議な代物。
 壁に掛けた姿見に、お姫様は自身の姿を映して、さっそく問い掛け始めました。


「鏡よ鏡、世界で一番美しいのは──────この妾!!」

 細く美しい指をビシッ! と音が鳴りそうな程に勢いよく鏡に突き出すなり、質問ではなく何故か自分世界一美人宣言をしました。

「まさかの自画自賛ですか!?」

 問い掛け待ちをしていただけに、鏡は思わずツッコミました。

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