一時間の過ち

谷川ベルノー

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一時間の過ち

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 ある日、変な雪が世界中に一時間だけ降りつもった。

 それは、ありとあらゆる色を持っている珍妙な雪。

 なんともおかしくド派手でヘンテコな異常気象。

 だから、世界中の人々は困惑と疑問を次々と口に出していく。

「世界滅亡の前触れか?」
「いやいや、きっと何処かの国の違法な実験のせいだ」
「ヤバいガスで集団幻覚を見てるんじゃないよな?」

 世間は好き勝手に噂を立て、テレビは大いに騒ぎたててる。

原因究明の番組では
「これは宇宙人の仕業だ! 絶対に間違いない!」 
 などと自称高名な宇宙人学者が、鼻息荒く胡散臭い持論で力強く力説している。


 …………言えない。
 犯人が俺だなんて絶対に言えない。
 だって、自分が作ったんだと証明しようにも、酔っ払って適当に作った薬だったから製造方法が分からないんだ。

 まさか、捨てただけでこんな大事になるなんて。


 …………あぁ、俺は一体どうしたらいいんだ…………。

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