どーでもいいからさっさと勘当して

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開戦

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 スートライト侯爵家の兄妹といえば、侯爵領ではまだしも、王都の社交界に揃って出てくることは極めて稀だった。年に一度、あれば幸いといったところである。
 兄はほぼ王都に暮らし、妹はほぼ侯爵領で暮らしている。兄が帰省することはあれ、妹が王都に出向く意味も理由も滅多にない。スートライト侯爵夫妻はよほど妹を大切にしているのだと、素晴らしい家族愛だがもったいないと、王都のものどもは口々に皮肉りもしくは苦笑していた。 
 数ヶ月前までは。

 その日、ルーアン公爵家本邸の大広間の入口で朗々と語られた名に、ざわりと会場がさざ波を打った。

「スートライト侯爵家より、ご令息セシルさま、ご令嬢アデライトさまのご入場です」

 既に会場には多くの貴族子女が入場を果たしている。
 彼らは思わずといったようにその一組を振り返っていた。

「まあ……スートライト家の至宝の方々よ」
「揃っておられるのは珍しい」
「なんとお美しいご兄妹か……!」

 感嘆と羨望、興奮と驚愕の波間を躊躇なく踏みしめていくのは「絶氷」のセシルと「大輪」のアデライト。彼らの存在感は際立っていた。
 今日のアデルの盛装は、侯爵家の令嬢として、また若くして社交界の主役に成りうる貴婦人として恥じることのない美しいものだった。深みの違う青がいつくも折り重なりひだを揺らすドレスに、散りばめられた紫水晶の装飾品。髪も丁寧に櫛梳られた後に複雑に編み込み、青い宝石と金の象篏をされた目映い髪飾りで留められている。会場のあちこちに惜しみなく使われるクリスタルの照明器具が、彼女の華奢な首を守るような大胆な首飾りを煌めかせる。どれもこれも、スートライト侯爵家が粋を結集して仕立てさせたものだ。
 もちろん、アデルの容姿が装飾品ごときに劣るわけがない。むき出しの肩は滑らかな白磁のような輝きを放ち、ほんのりと薔薇色に色づく頬は思わず触れてしまいたくなるほど。艶やかな唇は上花の香りでも匂い立つような瑞々しさだ。上品に笑みの形を作るだけなのに、その優美な造形から目を離せなくなる。
 もし万一離したとしても、今度は大きな青の眸が思考力を奪っていくだろう。長くけぶる睫毛に縁取られた生きた宝石はわずかな刺激でもたやすく色を変え、一瞬ごとに表情をも変えていく。一度引き込まれてしまえば、瞬く間に美の形を移ろわせる彼女から逃れるすべなど、ほぼない。

 そんな若き美の化身の腕を優しく引いてやるのは、彼女の兄セシルである。
 女性と違いほとんど形式から外れない男子の装いであるとはいえ、深い青藍のコートに水はしるような金糸の刺繍を施し、すらりと長い足を光沢を放つ黒のズボンで覆っている。首もとのスカーフは薄紫のブローチで留められている。
 平時は後ろに撫で付けるのみの髪は一部を編み込まれ、後頭部で一まとめにリボンで結ばれている。そのせいか、彼の形のよい顔の輪郭がますますすっきりと引き立ち、唯一色の系統が違う柘榴石を用いたピアスが焔のように煌めく。目を細め、薄い唇で笑む姿は、アデルとの血の繋がりを思い出させるような優艶さを持っていた。

 彼らは広い会場において、他の貴族子女のように挨拶をするべき相手を目指して歩いていた。入口とは真反対の奥。式典にも使われる中央の優美な階段の前に主催者一家と最高位の賓客が揃っていた。

「ようこそいらっしゃった、セシル殿、アデライト嬢」
「突然の願いにも関わらず、快くお招き頂きありがとうございます、公爵。妃殿下も、口添えを頂き、感謝に堪えません」
「いいのよぉ。お父さまもメイソンも、あなたたちが二人で揃うと教えたら喜んで手ずから招待状をしたためたようなのよ。会うのは一年ぶりくらいになるかしら、アデルちゃん。また綺麗になったわねぇ」
「はい。お久しぶりでございます。妃殿下も麗しくいらっしゃいます。幾度かお声をかけて頂いていたのに、これまで大変失礼をいたしました」
「数ヶ月ほど、王都で忙しくしていたのは承知しているわよ。体を崩した様子もないようで安心したわ」

 主賓である王妃はにっこりと寛容に微笑んだ。彼女こそ社交界を真に統べる最高位の存在。たおやかな花の風情でありながら、その芯に秘めたる毅さは金剛石も同等である。もちろん油断ならない貴女きじょであるのだが、今彼女がセシルとアデルを視界に収めてにこにこと笑っているのは素だ。スートライト家の至宝を揃って社交界に引っ張り出すのは、王妃であっても至難の技。それを成し遂げたからには王妃の名を高めることに繋がるが、まず目の保養という建前抜きの欲望に従った結果である。
 王妃の隣にはルーアン公爵家の親子が並んで立っているが、彼らも似たような顔でいた。そもそも全員血の繋がりがあるので似通った面立ちなのだが、こうてらいなく笑っているとそっくりである。
 ルーアン家は王妃の生家。老いたる公爵は、王妃の年の離れた弟である嫡子にまだ爵位を譲ることは考えていない。そのため、挨拶を終えたセシルと嫡子であるメイソン・ルーアンが友好を温めているのを、次代のためだと見守っていた。
 公爵夫人もアデルと王妃の会話に参加し、メイソンの許嫁も控えめだがその輪に加わる。時折そこに呼ばれたセシルやメイソンが言葉を交わし、公爵もお茶目にアデルの手の甲に口づける。単なる挨拶だけに終わらない交流を、周囲は不躾にならない程度に注目している。

(……懐かしいわ、この空気) 

 そんな中、ヒルダはぽつりと内心で呟いた。現在地、兄と妹のすぐ傍。強いて言うなら背後。半身をアデルに向け、もう半身を外に向けるように立っているので、妹アデルの美しさ兄セシルの凛々しさと、他の招待客らの両方が視界に収まる。目の前に王族すらいるというのに不敬ともとれる態度だが、誰もヒルダに意識を向けることはない。本来ならあり得ないことだが、あり得るのが無二の至宝を擁するスートライト家である。

(真似事ならこれまでもしてきたけど……護衛として立つのは初めてね。少し勝手が違うけど、付け焼き刃でどうにかなるかしら)

 そう、ヒルダは現在、護衛として夜会に出席しているのである。

 アデルの背後に、影のように女性の護衛騎士が従うのは、王族を除いてスートライト家のみの特権である。
 地方貴族の中でも抜きん出た財力と権力を持つスートライト家、その嫡男が爵位を継承すればますます発展を遂げることも明白である。具体的に護衛を必要とするのは、その家の名を背負い、そんな嫡男を兄とするアデルである。
 十人中十二人が認めるような絶世の美貌を誇るアデルには、社交界では冗談抜き、誇張なしに貞操の危機が待ち受けているのである。もちろん未遂事件がいくつかあったゆえで、わざわざ王城から文書として公式に認められる理由もお察しである。
 王家を国を守らんと励む騎士であろうとも、アデルの美貌を前には一個の俗物に成り下がるしかないのだった。
 かつて尽くを未遂で済ませたのは、ヒルダの手腕による。まだ姉妹仲が良好だった頃から、ヒルダは周囲からアデルの付き人としてしか見られていなかった。姉と主張すれば惨めな思いをするだけだったので、いっそ開き直って、口をつぐんで影を薄くし、不埒者がアデルに迫ろうとした瞬間に「付き人」らしく叩きのめしたものだ。何度もそれを繰り返して面倒になって、裏から手を回してまとめて黙らせたこともある。
 成長していくにつれ、侯爵家長女としての責務のためにヒルダだけが領地に取り残されるようになり、やがて姉妹が疎遠となり、現在に至る。
 もう、王都の誰も「ヒルディア・スートライト」の存在など覚えていないだろう。だからヒルダは、堂々と護衛の格好をしてこの場に乗り込んだ。

 笑えてくる。本当に、これまでの長い令嬢人生は何だったのだろうかと。

(……余計なことは、考えちゃだめよね)

 結局こぼしたのは苦い笑み。
 もう諦めた。踏ん切りをつけた。ちゃんと兄妹以外で認めてくれる人と出会えたから。アレンがなんでかあたしより真っ赤な顔をして、わっしゃわっしゃと頭を撫でてくれたから。
 今のあたしを必要としてくれるから、俯いていじけている暇なんてどこにもないのだ。

 さあ、「ヒルダ」の仕事に専念するとしよう。














 夜会の余興と言えば舞踏が定番である。王家の外戚たる公爵家も当然楽団を呼んで準備している。セシルとアデルは王妃や公爵に勧められて、踊り出す人々の中に足を踏み入れた。護衛は邪魔にならないように壁際に移動していた。踊り終わる頃にはアデルを迎えるように動くつもりだ。
 そして、優美な音色に合わせて踊っている最中。セシルとアデルはお互いに短く打ち合わせをしていた。
 本来ならヒルダを護衛として扱うことも業腹な二人である。加えてヒルダに余計な注目を集めないよう、こちらもほとんどヒルダをいないものとして行動しなければならない。短期決戦早期解決は大前提である。

「兄さま、いたわ。妃殿下とはほとんど真逆のところにいる、あの下品なワインレッドのスカーフの人よ」
「こちらも見つけた。ヒルダの前一段、露出狂並みに肌を出している」

 まずは敵の位置を把握。しかしどうやら、あちらも姉弟として出席しているはずだが、既に別行動していたようだ。由緒正しき名家の者とは思えない奔放ぶりだ。

「好都合だ」
「そうね」

 セシルとアデルは、自然とダンスを終えた頃にはアレクセイ姉弟それぞれと同じ距離を保つ場所に立っていた。スートライト家の至宝と次のダンスを踊りたいと早速人が詰め寄る中、一番乗りはもちろんヒルダだ。しかし沈黙は守ったまま、不届き者がいないか見張るだけだ。

「美しいお方、アデライト嬢、どうぞ次はぼくと踊ってくださいませんか」
「私はリレイ伯爵家のルーファスです。ぜひ私と」
「いや、まず公爵家嫡男たる私に譲るがいい」
「――では、よろしくお願いいたしますわ」

 にこりと微笑むアデルは、取り囲む男性の中から、一番強引に差し出された手の、その隣の人物の手の上を選んだ。ふわりと、まるで蝶が留まるように小さな手を載せられた伯子ルーファスは、驚愕と歓喜で顔を真っ赤にさせた。
 自信満々だったミルフォードは逆の意味で満面に朱を注いでいる。他にも選ばれなかった男子たちは、ミルフォードを堂々と無視したアデルに驚き、幸運を掴んだルーファスを羨ましがっていた。
 その隣の人だかりでも似たような珍事が起こっていた。ベルン侯爵家の息女ミーナをダンスの輪へエスコートしていくセシルを、アシエルがぽかんと呆け顔で見送っていたのだ。男性と違い申し込まれるまで待つのが貴婦人のたしなみである。それに従って王家に次ぐ家格のご令嬢が群衆の先頭で待っていたところ、その斜め後ろに控えていた一段劣る貴族家の娘をセシルが選んだのである。やがて事態を察し始めたアシエルもまた、みるみると真っ赤になっていった。

 アデルはその後、メイソンと踊り、その次にサルーテ侯爵子息と踊った。
 セシルは王妃、ルーアン公爵夫人と順に踊りを申し込んだかと思えば、次にハルメア伯爵息女、グレイ子爵息女にもその手を差し出した。 
  もちろん、合間合間に突撃してくるアレクセイ公爵令息令嬢はガン無視した上である。特にグレイ子爵息女については、こんな一幕もあった。

 兄から三人立て続けに踊り、さすがに疲れたアデルは、ヒルダを背後に連れて軽食の用意されたテーブルに向かおうとしていた。憂いを滲ませた表情で「疲れましたわ」と言って、めげないミルフォード以下をあしらい、休憩用の一人がけの椅子に腰かける。ゆとりのあるソファを選ばないのは、図々しい人間がアデルの隣に座ろうとしてくるためだ。昔、ヒルダと並んで座っていたら、ヒルダを付き人と勘違いして追い払ってまで座ろうとする輩もいたものだ。アデルに気に入られるための行動でずんどこ墓穴を掘るところが愚かしい。しかもそれが、一人や二人という数ではないときた。

「……お疲れ様」
「ありがとう」

 ぽそりと声をかけてきた姉に蕩けるような笑みを見せ、その手から水を受け取った。護衛ヒルダにこうして毒見させることもアデルは気に入らない。王族でもないのに媚薬や遅効性の睡眠剤まで過敏に疑わなくてはならないのに、それを招く「美しさ」とやらに意味はあるのか。
 一度席を立ち、近くの軽食を皿に盛って戻ってくると、ゆっくりと、しかし確実な量を食べ始めた。アデルはストレスが溜まると空腹になるたちだ。暴れられない分、別のことで調整しなければならない。食べながら、会場を見渡す。ちらほらとアデルを窺う男たちの視線の煩わしさといったらない。特にミルフォードはかなりしつこい視線を送ってきていた。目を合わせないようにするのも時間稼ぎにしかならないだろう、じっとしているとまた突撃してきそうだ。

(返り討ちにしてやるわ)

 こっそりと瞳をぎらぎらさせていると、突然女性の声で名を呼ばれた。 

「アデライトさま、ごきげんよう」
「ごきげんよう……って、ファリーナさま!あなたもいらしてたのね」

 アデルの声が疑いようのないほど弾んでいるのに、ヒルダの方が驚いたくらいだ。素でこの邂逅を喜んでいるようだった。そんな声、そんな顔を引き出したのは一人の少女だった。薄茶色の髪を瞳と同色のエメラルドの髪飾りでまとめていて、小さな鼻の上に散るそばかすに愛嬌がある。簡単に折れてしまいそうなほど華奢で白い首は、アデルと違いあまり健康的には見えなかった。
 ファリーナは注目を集めるアデルに近づくにも相当勇気を振り絞ったのだろう、動きがぎこちなくなっている。しかし、全く気にしないアデルは椅子から立ってソファに移った。もちろん急いでファリーナを手招いて、隣に座らせた。

「私より先にここにいらしたの?」
「はい。アデライトさまのお名前を伺った時はとても驚きました。いつものお姿もそうですが、今夜は一段とお美しくて……」
「ごめんなさい、今回は急のことで、お話しする暇がなくって。ファリーナさまも、その髪飾り、とっても素敵です。美しい瞳の色が映えますわ。ところで、今はお一人のようだけれど、どなたと一緒にいらしたの?」
「……兄です」
「ああ、あのバ……とても独特の感性をお持ちだとかいう」
「先ほど、アデライトさまにダンスを誘っておいででしたよ」
「まあ」

 嫌みでなくさらっと指摘されたアデルは、少し嬉しそうに驚きの顔を作った。嬉しそうなのは、ファリーナの兄を妹をほったらかしにさせてまで振り向かせた故ではなく、ファリーナがこうして自分から軽口を叩くようになったことに感銘を受けたからだ。もちろんファリーナの兄の顔などアデルは覚えていない。興味の欠片もない。アデルの興味関心は、ファリーナとの気の置けない関係構築である。

(友だちらしくっていいわこの会話!)

 こうして美しい笑顔の下ではしゃいでいるアデルの内心を、誤解せず正しく把握できているファリーナは、初めて気負いなくふんわりと笑った。肩の力を抜いたように手元のグラスから水を口に含む姿は、アデルの絶対的な美しさとは違う繊細さを思わせる。つつけば壊れるガラス細工のような。しかし、彼女は自分からアデルに声をかけたのだ。そのまま和やかに、しかし臆すことなく雑談に移行していく様子にも芯の強さが窺えた。
 それも、まるで、アデルのてらいのない笑みを向けられる度に背筋が伸びて、花開くような。護衛として失礼にならないくらいじっくりと観察していたヒルダは、ふと首をかしげたくなった。彼女は誰かに似ている気がする……。

「歓談中に失礼、美しい姫君たち」

 和気あいあいと会話する二人に声をかけたのはセシルだった。彼も珍しいアデルの様子に気がついたのだ。そもそも、「大輪」である己を心得ているアデルが、社交の場でたった一人のご令嬢と話し込むことすら異常なのだ。
 慌てて立ち上がって挨拶しようとするファリーナの隣で、紹介しろと暗に言われていることを察したアデルは、ますます笑顔を蕩けさせた。悩殺レベルで。

「兄さま、彼女はファリーナ。グレイ子爵家の令嬢よ。学園で知り合ったお友だちなの。ファリーナさま、私の兄のセシルよ」
「ぞ、存じております。お初にお目にかかります……」
「はじめまして、ファリーナ嬢。そんなに畏まらなくていいよ、妹の友人なんだから」

 ファリーナの顔が真っ赤になったのも無理はない。その時のセシルの笑顔も悩殺レベルまで引き上げられていたのだ。ついでに護衛のヒルダも満面の笑みになるのを必死に堪えている。

(ついに、ついに、アデルに自分から紹介できるような友だちが……!)

 慶事だと快哉を叫びたくなる。アデルのことを一番よく知っている兄姉からすれば。家では一言もなかった理由は、アデルの今の悪戯っぽい笑みが全てなのだろう。
 さて、歓談に、アデルの隣に腰かけたセシルも加わりますます会場の注目が集まったが、スートライト家の至宝は全く気にしない。固くなっていたファリーナも徐々に気分をほぐし、学園でのアデルの様子をセシルに話すくらいには打ち解けた。アデルも負けじとファリーナのことを兄(と姉)に話し、兄姉はいずれ納得した。
 ファリーナは、その性格が非常によく似ていたのだ。アデルが愛してやまないたった一人の姉と。
 あまりよろしくない家庭環境も類似点だろうか。そこからファリーナは努力に努力に努力をし続け、貴族令嬢として珍しく固いペンだこを作ってまで学年首席の座をもぎ取った。そのくせ妙に自尊心が弱い部分がアデルの感性センサーに引っかかったわけで、気にかけているうちに仲良くなっていたらしい。

 ちなみに、努力する人が好きなのは、アデルだけではない。

「兄さま、せっかくだからファリーナさまと踊って頂けません?」
「えっ」
「私から申し込もうとしていたのに……」
「ふふふ、言った者勝ちです。さ、ファリーナさま、兄さまのお誘いを断ったら駄目よ?」
「そ、そんな……」
「お嫌ですか、ファリーナ・グレイ嬢」
「そんなことは!」

「絶氷」のセシルが、ファリーナの前に跪いてダンスを乞う姿は、セシルの目に止まらなかった者の嘆きと敵意を一気に集中させた。しかし既婚女性などは面白そうに瞳を輝かせている。
 ファリーナがおどおどするのも当然だった。ちょっと心配になったアデルはこっそり兄を睨んだ。
 やり過ぎ!との無言の抗議に、セシルも少し申し訳なさそうに眉を下げた。つい、アレンにやるのと同じノリで遊んでしまったのだった。



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