24 / 61
3 旧時代の呼び声
誘拐犯
しおりを挟む
「エルトニア先生戻ってきたねー」
「毎日真っ青な顔だけどね」
「そりゃ無断欠勤してたんだから当たり前だろ。クビにならないだけマシだと思った方がいい」
いつもの朝食の時間。エルトニアは戻ってきたが、何人か魔法科の生徒が行方不明なままらしい。だが、紅彩と蒼唯は地獄の番犬をお供にしている翠からすべてを聞いている。彼らはしばらく地獄で根性を叩き直されるだろう。「何年あっちにいても戻るときにはちゃんと来る前の年齢に戻しておくから安心してね!」とリンが言っていたらしいが、何をどう安心すれば良いのかイマイチわからない。
「御剣ー、御剣起きろー」
一日を通して紅彩が注意されない日はない。毎日何かしらの授業で寝る、食う自由にやっている。今は生物基礎の授業で大爆睡をかましている。召喚科は召喚科特有の授業が大半を占めているが、もちろん高校生として身につけておくべき知識や一般教養を培うための授業もある。国語、数学、理科、社会の歴史分野は召喚科の授業内で触れるため省かれているが、この三つの授業が週に何回か入っている。ちなみに彼らの人生をすべて第三者視点で見ている君たちは英語を習うだろうが、この世界では特に魔法を使う人間の間で、とうの昔に魔法語が優位になったことで英語は君たちの世界ほど強い権力を持っていないのである。
さて、起こされた紅彩は渋々目を開け目の前のボードを見る。何やら問題が書かれているようだ。
「……はぁ、これはこうでしょ」
二度寝する気満々ですべて答え終え、担当教師の「正解だ……」という悔しそうな声を聞くと再び机に突っ伏した。蒼唯は朝食のいつメンに「紅彩ちゃんって夜寝てないの?」と聞かれたことがあるが、蒼唯ははっきりと「あいつは俺より早く自習を切り上げて、俺より早く寝て俺より遅く起きる生き物だ」と答えた。おそらく元々ロングスリーパーなのだろう。七時間睡眠ではなく九時間や十時間の睡眠がちょうどいいタイプの体をしているのだろうが、授業に間に合わせようとなるとそんな長時間も寝ていられないので、仕方なく途中で起きて本人から見ていい感じの区切りがあればそこで寝直すといった感じだ。首席で入学したため、ガリ勉で休日はずっと勉強漬けなのではと勘違いされがちな紅彩だが、実際は夜十時半には就寝し昼前にようやく起きて動き出す。勉強は課題以外ほとんどしない。というより、魔法語はもちろんそれ以外の科目もほとんど教科書の内容を頭に入れてしまっている。流石に次席の蒼唯でもそんな芸当は無理があるので、紅彩に混ざったどこかの人外の影響か、単に紅彩が天才なだけかのどちらかである。ただ、彼女にも早起き以外の苦手はあるらしく数学の授業はほぼ毎回きちんと起きて、間食もせずに過ごしている。
「お前なんで生物とか化学はできるのに数学は必死なんだよ」
「生物とか化学は身の回りのことを説明してくれた上でその身近なものの計算に移るじゃん。でも数学って一生数式ばっかりの教科書だし、文章題もそもそも内容つまんなくて解く気にならないし。誰があんな教科書見て楽しいと思えるんだろうって思いながら教科書に落書きしてる」
蒼唯は、そういえばこいつ首席のクセに数学だけは壊滅的だったなと思い出して何も言えなくなってしまった。壊滅的といっても、欠点ギリギリを低空飛行するのが常であって決して欠点を毎回のように獲得してくるわけではない。話を詳しく聞けば、紅彩はずっと〝こう〟らしいのだ。蒼唯も求められれば教えるが、点数をあげることはもう諦めていた。
「──あ、おった。おいお前ら」
「! ファントン? ういはちゃんは?」
「今回はオレの私用や。特に蒼唯、お前にな」
「俺に?」
「おう、行くで。紅彩、お前は留守番や。夜中には帰すわ」
「はっ? え、ど、どこに行」
終礼が終わり、帰ろうとしたところにファントンが現れると蒼唯の首根っこを掴んで消えてしまった。
「………帰ろう。ういはちゃんに聞けばわかるだろうし」
紅彩は意外にも慌てることなく寮の自室へと帰っていった。
「──おい、どこに行くかだけ言えよ」
ごおお、と上空からふたりは降ってきた。空はうっすらと青く、澄んでいるが自分のよく知るものではないと蒼唯はどこかで理解する。
「えぇ? なんでそんなん言わなあかんの。ほらもう着くで」
「え」
すと、とファントンの魔法で衝撃が緩和されたおかげで無傷で着陸できた。周囲一面はネモフィラの花畑になっている。花畑の奥には青草のよく茂った、小高い丘が顔を出している。丘の頂上には大きな楠がさああ、と風に揺られては時折葉を落としている。
「ここは精霊界。オレら精霊の住む世界や。蒼唯、お前がずっと気になってることの答えがここにある」
「は? え、いきなりそんなこと言われても……てか精霊界? 俺異世界に来てんの?」
「そうや? 悪い心地はせんやろ」
「まあ、それは……」
むしろ息がしやすいような感覚さえある。
「ここは人間界より魔素が潤沢で、普通の人間なら魔素酔い起こして気分悪すんねん。お前は違うやろうけど」
さく、さく、と少し水気を含んだ地面を歩きながらファントンは話す。蒼唯は自然とその後ろをついていく。見えていた小高い丘のてっぺんに着くと、人影が見えた。
「──おや、連れてきてくれたのかい」
「お前がいつまでも顔を出さんからや」
「いや? 一度会ったよ。ねえ、蒼唯」
「お前……」
そのヒトは、蒼唯が過去に一度見たヒトだった。白銀の髪、宵闇色の眼、生気のない顔。
「あらなんや、ほんまに顔は出してたんや」
「顔はね。この子は私の名前も正体も、まだなんにも知らないけれど」
「いや教えとけや」
「いやだよ。簡単にすぐ教えちゃあつまらない。だろ?」
「いや知らんし」
じい、と彼は蒼唯を見つめる。そして、ひとつ頷いて再び色の無い唇を開ける。
「うん。やっぱり君は私に似ている。君が生まれたときから私はずうっと君を見守ってきたよ」
「……お前は俺の何? 名前も名乗らねえし生きてるようにも見えねえし、正直気味が悪いんだけど」
「おや、そんなに名前が大事かい?」
「ああ。何者かわからなかったらどう接したらいいのかもわからないからな」
それもそうか、と彼は微笑んで頷く。じゃあ、と彼は名乗る。ゆっくりと、じわじわと死の魔力を辺りに撒き散らしながらおじぎする様はとんでもなく不気味で、逃げ出したくなるような姿だ。
「私はアム。真名をアム・モート・グレイヴス。死精霊の王で、君のご先祖様さ」
「毎日真っ青な顔だけどね」
「そりゃ無断欠勤してたんだから当たり前だろ。クビにならないだけマシだと思った方がいい」
いつもの朝食の時間。エルトニアは戻ってきたが、何人か魔法科の生徒が行方不明なままらしい。だが、紅彩と蒼唯は地獄の番犬をお供にしている翠からすべてを聞いている。彼らはしばらく地獄で根性を叩き直されるだろう。「何年あっちにいても戻るときにはちゃんと来る前の年齢に戻しておくから安心してね!」とリンが言っていたらしいが、何をどう安心すれば良いのかイマイチわからない。
「御剣ー、御剣起きろー」
一日を通して紅彩が注意されない日はない。毎日何かしらの授業で寝る、食う自由にやっている。今は生物基礎の授業で大爆睡をかましている。召喚科は召喚科特有の授業が大半を占めているが、もちろん高校生として身につけておくべき知識や一般教養を培うための授業もある。国語、数学、理科、社会の歴史分野は召喚科の授業内で触れるため省かれているが、この三つの授業が週に何回か入っている。ちなみに彼らの人生をすべて第三者視点で見ている君たちは英語を習うだろうが、この世界では特に魔法を使う人間の間で、とうの昔に魔法語が優位になったことで英語は君たちの世界ほど強い権力を持っていないのである。
さて、起こされた紅彩は渋々目を開け目の前のボードを見る。何やら問題が書かれているようだ。
「……はぁ、これはこうでしょ」
二度寝する気満々ですべて答え終え、担当教師の「正解だ……」という悔しそうな声を聞くと再び机に突っ伏した。蒼唯は朝食のいつメンに「紅彩ちゃんって夜寝てないの?」と聞かれたことがあるが、蒼唯ははっきりと「あいつは俺より早く自習を切り上げて、俺より早く寝て俺より遅く起きる生き物だ」と答えた。おそらく元々ロングスリーパーなのだろう。七時間睡眠ではなく九時間や十時間の睡眠がちょうどいいタイプの体をしているのだろうが、授業に間に合わせようとなるとそんな長時間も寝ていられないので、仕方なく途中で起きて本人から見ていい感じの区切りがあればそこで寝直すといった感じだ。首席で入学したため、ガリ勉で休日はずっと勉強漬けなのではと勘違いされがちな紅彩だが、実際は夜十時半には就寝し昼前にようやく起きて動き出す。勉強は課題以外ほとんどしない。というより、魔法語はもちろんそれ以外の科目もほとんど教科書の内容を頭に入れてしまっている。流石に次席の蒼唯でもそんな芸当は無理があるので、紅彩に混ざったどこかの人外の影響か、単に紅彩が天才なだけかのどちらかである。ただ、彼女にも早起き以外の苦手はあるらしく数学の授業はほぼ毎回きちんと起きて、間食もせずに過ごしている。
「お前なんで生物とか化学はできるのに数学は必死なんだよ」
「生物とか化学は身の回りのことを説明してくれた上でその身近なものの計算に移るじゃん。でも数学って一生数式ばっかりの教科書だし、文章題もそもそも内容つまんなくて解く気にならないし。誰があんな教科書見て楽しいと思えるんだろうって思いながら教科書に落書きしてる」
蒼唯は、そういえばこいつ首席のクセに数学だけは壊滅的だったなと思い出して何も言えなくなってしまった。壊滅的といっても、欠点ギリギリを低空飛行するのが常であって決して欠点を毎回のように獲得してくるわけではない。話を詳しく聞けば、紅彩はずっと〝こう〟らしいのだ。蒼唯も求められれば教えるが、点数をあげることはもう諦めていた。
「──あ、おった。おいお前ら」
「! ファントン? ういはちゃんは?」
「今回はオレの私用や。特に蒼唯、お前にな」
「俺に?」
「おう、行くで。紅彩、お前は留守番や。夜中には帰すわ」
「はっ? え、ど、どこに行」
終礼が終わり、帰ろうとしたところにファントンが現れると蒼唯の首根っこを掴んで消えてしまった。
「………帰ろう。ういはちゃんに聞けばわかるだろうし」
紅彩は意外にも慌てることなく寮の自室へと帰っていった。
「──おい、どこに行くかだけ言えよ」
ごおお、と上空からふたりは降ってきた。空はうっすらと青く、澄んでいるが自分のよく知るものではないと蒼唯はどこかで理解する。
「えぇ? なんでそんなん言わなあかんの。ほらもう着くで」
「え」
すと、とファントンの魔法で衝撃が緩和されたおかげで無傷で着陸できた。周囲一面はネモフィラの花畑になっている。花畑の奥には青草のよく茂った、小高い丘が顔を出している。丘の頂上には大きな楠がさああ、と風に揺られては時折葉を落としている。
「ここは精霊界。オレら精霊の住む世界や。蒼唯、お前がずっと気になってることの答えがここにある」
「は? え、いきなりそんなこと言われても……てか精霊界? 俺異世界に来てんの?」
「そうや? 悪い心地はせんやろ」
「まあ、それは……」
むしろ息がしやすいような感覚さえある。
「ここは人間界より魔素が潤沢で、普通の人間なら魔素酔い起こして気分悪すんねん。お前は違うやろうけど」
さく、さく、と少し水気を含んだ地面を歩きながらファントンは話す。蒼唯は自然とその後ろをついていく。見えていた小高い丘のてっぺんに着くと、人影が見えた。
「──おや、連れてきてくれたのかい」
「お前がいつまでも顔を出さんからや」
「いや? 一度会ったよ。ねえ、蒼唯」
「お前……」
そのヒトは、蒼唯が過去に一度見たヒトだった。白銀の髪、宵闇色の眼、生気のない顔。
「あらなんや、ほんまに顔は出してたんや」
「顔はね。この子は私の名前も正体も、まだなんにも知らないけれど」
「いや教えとけや」
「いやだよ。簡単にすぐ教えちゃあつまらない。だろ?」
「いや知らんし」
じい、と彼は蒼唯を見つめる。そして、ひとつ頷いて再び色の無い唇を開ける。
「うん。やっぱり君は私に似ている。君が生まれたときから私はずうっと君を見守ってきたよ」
「……お前は俺の何? 名前も名乗らねえし生きてるようにも見えねえし、正直気味が悪いんだけど」
「おや、そんなに名前が大事かい?」
「ああ。何者かわからなかったらどう接したらいいのかもわからないからな」
それもそうか、と彼は微笑んで頷く。じゃあ、と彼は名乗る。ゆっくりと、じわじわと死の魔力を辺りに撒き散らしながらおじぎする様はとんでもなく不気味で、逃げ出したくなるような姿だ。
「私はアム。真名をアム・モート・グレイヴス。死精霊の王で、君のご先祖様さ」
0
あなたにおすすめの小説
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
12/23 HOT男性向け1位
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
主婦が役立たず? どう思うかは勝手だけど、こっちも勝手にやらせて貰うから
渡里あずま
ファンタジー
安藤舞は、専業主婦である。ちなみに現在、三十二歳だ。
朝、夫と幼稚園児の子供を見送り、さて掃除と洗濯をしようとしたところで――気づけば、石造りの知らない部屋で座り込んでいた。そして映画で見たような古めかしいコスプレをした、外国人集団に囲まれていた。
「我々が召喚したかったのは、そちらの世界での『学者』や『医者』だ。それを『主婦』だと!? そんなごく潰しが、聖女になどなれるものか! 役立たずなどいらんっ」
「いや、理不尽!」
初対面の見た目だけ美青年に暴言を吐かれ、舞はそのまま無一文で追い出されてしまう。腹を立てながらも、舞は何としても元の世界に戻ることを決意する。
「主婦が役立たず? どう思うかは勝手だけど、こっちも勝手にやらせて貰うから」
※※※
専業主婦の舞が、主婦力・大人力を駆使して元の世界に戻ろうとする話です(ざまぁあり)
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
転移特典としてゲットしたチートな箱庭で現代技術アリのスローライフをしていたら訳アリの女性たちが迷い込んできました。
山椒
ファンタジー
そのコンビニにいた人たち全員が異世界転移された。
異世界転移する前に神に世界を救うために呼んだと言われ特典のようなものを決めるように言われた。
その中の一人であるフリーターの優斗は異世界に行くのは納得しても世界を救う気などなくまったりと過ごすつもりだった。
攻撃、防御、速度、魔法、特殊の五項目に割り振るためのポイントは一億ポイントあったが、特殊に八割割り振り、魔法に二割割り振ったことでチートな箱庭をゲットする。
そのチートな箱庭は優斗が思った通りにできるチートな箱庭だった。
前の世界でやっている番組が見れるテレビが出せたり、両親に電話できるスマホを出せたりなど異世界にいることを嘲笑っているようであった。
そんなチートな箱庭でまったりと過ごしていれば迷い込んでくる女性たちがいた。
偽物の聖女が現れたせいで追放された本物の聖女やら国を乗っ取られて追放されたサキュバスの王女など。
チートな箱庭で作った現代技術たちを前に、女性たちは現代技術にどっぷりとはまっていく。
【短編】花婿殿に姻族でサプライズしようと隠れていたら「愛することはない」って聞いたんだが。可愛い妹はあげません!
月野槐樹
ファンタジー
妹の結婚式前にサプライズをしようと姻族みんなで隠れていたら、
花婿殿が、「君を愛することはない!」と宣言してしまった。
姻族全員大騒ぎとなった
冷遇王妃はときめかない
あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。
だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。
ゲームコインをザクザク現金化。還暦オジ、田舎で世界を攻略中
あ、まん。@田中子樹
ファンタジー
仕事一筋40年。
結婚もせずに会社に尽くしてきた二瓶豆丸。
定年を迎え、静かな余生を求めて山奥へ移住する。
だが、突如世界が“数値化”され、現実がゲームのように変貌。
唯一の趣味だった15年続けた積みゲー「モリモリ」が、 なぜか現実世界とリンクし始める。
化け物が徘徊する世界で出会ったひとりの少女、滝川歩茶。
彼女を守るため、豆丸は“積みゲー”スキルを駆使して立ち上がる。
現金化されるコイン、召喚されるゲームキャラたち、 そして迫りくる謎の敵――。
これは、還暦オジが挑む、〝人生最後の積みゲー〟であり〝世界最後の攻略戦〟である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる