28 / 57
第1章 中々無い出会い方
第28話 こんな人が
しおりを挟む
「どういうこと? アリシアがおかあさんみたいにながくいきたから、しっかりしたってこと?」
おいおい、ミリア? 何を言っているんだ? なぜフォローどころか、火に油を注いでいるんだ?
ほら見てよ、また見るからに怒りだしたじゃん。
■ □ ■ □ ■
結局、俺は気まずいままに夕食を食べ始めた。
イリシアはそれ以降、話すこともなければ、目も合わせようとしなかった。
さてさて、そんな状況下のミリアはというと……
「ねーねー、ミズキー。このおにくおいしいねー」
――――。
「ミズキー。どうしたのぉ?」
一切、空気を読むなんていう気配はなかった。
「ああ、おいしいな。さすがって感じだよなぁ」
返事をした水城に対して、アリシアが睨んだような気がした。
うわぁ~~。食べづらい。なんか話を切り出すか、それともこのまま無言を貫き続けるか。どうしよう。
そんなことを水城が悩んでいると、状況を察していた王様が口を開いた。
「そういえば、どうして水城とミリアは同時に来たのじゃ? 一緒にいたのか?」
「は、はい。えっと、かくれんぼをしてました」
アリシアが睨んだ気がした。
「どうじゃったか?」
「たのしかったー」
「ミリアが隠れたんですが、危うく制限時間内に見つけられないところでした」
「ということは――」
「ミー、見つかっちゃったのー」
王様の言葉をミリアが引き継いだ。すると、アリシアが驚いたようで、目を見開いていた。
「こんな人がミリアの事を見つけたというのですか?」
『こんな人』ね。アリシアさんは素で俺のことをけなしてくるのね。泣くぞ。
「そーだよー」
「何でそんなに驚いた様子なんですか? 何か変なことでも?」
「いや、だって……」
どうかしたんだろうか?
「水城、教えておくぞ。今までたくさんの人がミリアと1対1でかくれんぼ勝負をしたことがあるが、初戦で見つけられた者は今までおらんのじゃ。大抵が、どこにいるのか全く分からずに終わり、透明になっていることが分かった者でも、ミリアを捕まえる前に制限時間を迎えておるのじゃ」
へーー、そうなんだ。
「ミリアはかくれんぼにとっても強いんだな」
「えへへー、そんなことないよー」
「いや、それを捕まえる貴方だったて相当強いってことでしょうが。それにミリアは魔法とアビリティーボーナスを使っているのだから、強くて当然です」
「いやいや、俺も魔法を使っているので、条件は対等ですよ」
「魔法? いったいどんな魔法を使ってミリアに勝ったというのですか? 鑑定系の魔法ですか?」
やはり、鑑定系スキルも存在するのか。定番だよな。いつか欲しい。
「いえ、『籠絡』を使いました」
「――?」
■ □ ■ □ ■
アリシアさんが疑問符を浮かべているので、解説をした。すると、
「そんな魔法が!? ミリア、大丈夫なのですか?」
その言葉を聞いて水城は直感した。
「アリシアさんって、いい人なんですね。だって、俺の話を聞いたときに、真っ先にミリアのことを心配するんですから」
「そんなことはありません」
口ではそう割り切っているようだったが、頬が少し赤くなっているような気がした。
やっぱりいい人なんだろうな。
水城はただただそう思った。
■ □ ■ □ ■
「そういえば水城、明日のことを話しておらんかったのぅ」
食事を終えた俺に対して、王様が唐突にそういった。
その前の会話の中で、場の空気は初めに比べよくなっていた。
「明日……ですか? 何処かへ行くんですか?」
「明日は、まず、会わせたい人がいるのじゃ。その人との用事が済んだら、――
――ダンジョンに行ってもらおうと思っておる」
やったぁ、初ダンジョンだ!!
ΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔ
最後まで読んでいただきありがとうございます。
よろしければ、『お気に入り』への追加、感想の投稿をよろしくお願いいたします。
特に感想は、作品の向上や誤字脱字等の修正に役に立つので、どんなことでもいいので気になる点があれば是非お願いします。
『お気に入り』への追加をしていただくと、作品を書く活力になります。
ΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔ
おいおい、ミリア? 何を言っているんだ? なぜフォローどころか、火に油を注いでいるんだ?
ほら見てよ、また見るからに怒りだしたじゃん。
■ □ ■ □ ■
結局、俺は気まずいままに夕食を食べ始めた。
イリシアはそれ以降、話すこともなければ、目も合わせようとしなかった。
さてさて、そんな状況下のミリアはというと……
「ねーねー、ミズキー。このおにくおいしいねー」
――――。
「ミズキー。どうしたのぉ?」
一切、空気を読むなんていう気配はなかった。
「ああ、おいしいな。さすがって感じだよなぁ」
返事をした水城に対して、アリシアが睨んだような気がした。
うわぁ~~。食べづらい。なんか話を切り出すか、それともこのまま無言を貫き続けるか。どうしよう。
そんなことを水城が悩んでいると、状況を察していた王様が口を開いた。
「そういえば、どうして水城とミリアは同時に来たのじゃ? 一緒にいたのか?」
「は、はい。えっと、かくれんぼをしてました」
アリシアが睨んだ気がした。
「どうじゃったか?」
「たのしかったー」
「ミリアが隠れたんですが、危うく制限時間内に見つけられないところでした」
「ということは――」
「ミー、見つかっちゃったのー」
王様の言葉をミリアが引き継いだ。すると、アリシアが驚いたようで、目を見開いていた。
「こんな人がミリアの事を見つけたというのですか?」
『こんな人』ね。アリシアさんは素で俺のことをけなしてくるのね。泣くぞ。
「そーだよー」
「何でそんなに驚いた様子なんですか? 何か変なことでも?」
「いや、だって……」
どうかしたんだろうか?
「水城、教えておくぞ。今までたくさんの人がミリアと1対1でかくれんぼ勝負をしたことがあるが、初戦で見つけられた者は今までおらんのじゃ。大抵が、どこにいるのか全く分からずに終わり、透明になっていることが分かった者でも、ミリアを捕まえる前に制限時間を迎えておるのじゃ」
へーー、そうなんだ。
「ミリアはかくれんぼにとっても強いんだな」
「えへへー、そんなことないよー」
「いや、それを捕まえる貴方だったて相当強いってことでしょうが。それにミリアは魔法とアビリティーボーナスを使っているのだから、強くて当然です」
「いやいや、俺も魔法を使っているので、条件は対等ですよ」
「魔法? いったいどんな魔法を使ってミリアに勝ったというのですか? 鑑定系の魔法ですか?」
やはり、鑑定系スキルも存在するのか。定番だよな。いつか欲しい。
「いえ、『籠絡』を使いました」
「――?」
■ □ ■ □ ■
アリシアさんが疑問符を浮かべているので、解説をした。すると、
「そんな魔法が!? ミリア、大丈夫なのですか?」
その言葉を聞いて水城は直感した。
「アリシアさんって、いい人なんですね。だって、俺の話を聞いたときに、真っ先にミリアのことを心配するんですから」
「そんなことはありません」
口ではそう割り切っているようだったが、頬が少し赤くなっているような気がした。
やっぱりいい人なんだろうな。
水城はただただそう思った。
■ □ ■ □ ■
「そういえば水城、明日のことを話しておらんかったのぅ」
食事を終えた俺に対して、王様が唐突にそういった。
その前の会話の中で、場の空気は初めに比べよくなっていた。
「明日……ですか? 何処かへ行くんですか?」
「明日は、まず、会わせたい人がいるのじゃ。その人との用事が済んだら、――
――ダンジョンに行ってもらおうと思っておる」
やったぁ、初ダンジョンだ!!
ΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔ
最後まで読んでいただきありがとうございます。
よろしければ、『お気に入り』への追加、感想の投稿をよろしくお願いいたします。
特に感想は、作品の向上や誤字脱字等の修正に役に立つので、どんなことでもいいので気になる点があれば是非お願いします。
『お気に入り』への追加をしていただくと、作品を書く活力になります。
ΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔ
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
135
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる