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第二章:悪霊の目覚め
第二章:悪霊の目覚め 20
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【6】
橋の崩落を確認してから、約半日。あれから、村内では更に混乱が増え、予想した通りに俺のため息は増えた。
まず、一番ショッキングな出来事だったのが、外界との連絡手段。
村の誰かに通報を頼もうと、由奈さんが村中を走り回り、電話のある民家その全ての回線が切断されていることが発覚した。
枝橋さんたちが調べたところによると、何者かにより意図的に切られた形跡がみられ、人為的なものであることは間違いないという。
つまりこの時点で、俺たちは外界とコンタクトを取ることが難しい状態に陥ってしまったわけだ。
俗に言う、陸の孤島。
食料などは蓄えが十分にあるため問題ないらしいが、救助が来るのがいつになるのかは、皆目見当がつかないと村長は渋い顔で告げていた。
そしてもう一つ。
碧さんを殺害した犯人は、村の言い伝えに見立てて殺人を実行したのではないかという噂が流れ始めている。
これは、自警団と思われる老人たちが呻くように話し合っているのをたまたま耳にした情報であるため、まだきちんとした確証はないのだが。
しかし、この話が事実であるとすれば、必然的に犯人は村の言い伝えを知る者と限定される。
そうなれば、村の住民の中に殺人鬼が紛れ込んでいる可能性が跳ね上がるわけだ。
お世辞にも人口の多いとは言えないこの村に、人殺しがいる。
つまり、都会などとは違い、犯人と出くわす確率も高い。
ただ周りを移動するだけのことにまで気を遣わなければいけない状況というのは、思った以上にストレスを伴うものだ。
「でもさ、僕ずっと考えてたんだけど、おかしな話だよね?」
時刻は午後の四時過ぎ。
藤美荘、男性陣の部屋にミスオカ研メンバーは集合し、ちゃぶ台を囲むようにして座っていた。
橋を確認して戻ってきてからは、全員ほとんど藤美荘の中から出ていない。というより、勝手に出歩ける雰囲気でなかったと言った方が正確か。
仕方なく周りの大人たちが話す会話に聞き耳を立て最低限の情報を集め、話しかけられそうな人には差し支えない程度に声をかけ、知っていることを提供してもらった。
とりあえず事件の詳細を把握しておきたいという部長の発言から始まった調査――と言えるほどのことかは微妙だが――だったが、これには桜や蓮田もあまり反対することなく従っていた。
蓮田はともかく、桜は極力事件に関わりたくないというのが本音らしいが、早い段階で解決して安心したいという気持ちが優先したようだ。
「何がですか?」
湯飲みを弄りながら、俺は部長の言葉に反応する。
「さっき村の人たちが言ってた、言い伝えがどうたらって話だよ。長沢くんも聞いてたでしょ?」
「ああ、ええ。自警団の爺さんたちのですよね?」
「うん、碧さんが村の言い伝えと同じような死に方をしてるみたいな、さ。確か、碧さんは神社の鳥居に首を吊られていて、尚且つ背中に包丁が刺さっていたんだっけ?」
「はい。枝橋さんが他の自警団と話してるの聞いたんすけど、一度首を絞められて殺された後に改めてあそこに吊るされた形跡があるって言ってました。あと、包丁を刺したのは首を絞めた後じゃないかって」
これは二時間ほど前に、枝橋さんが藤美荘の入り口で立ち話をしているのをたまたま聞いていた情報だ。
元は警察というだけあり、簡単な現場検証や死体の状態確認はこなしているらしい。
自警団の老人たちも、かなり彼に頼っている様子だった。
橋の崩落を確認してから、約半日。あれから、村内では更に混乱が増え、予想した通りに俺のため息は増えた。
まず、一番ショッキングな出来事だったのが、外界との連絡手段。
村の誰かに通報を頼もうと、由奈さんが村中を走り回り、電話のある民家その全ての回線が切断されていることが発覚した。
枝橋さんたちが調べたところによると、何者かにより意図的に切られた形跡がみられ、人為的なものであることは間違いないという。
つまりこの時点で、俺たちは外界とコンタクトを取ることが難しい状態に陥ってしまったわけだ。
俗に言う、陸の孤島。
食料などは蓄えが十分にあるため問題ないらしいが、救助が来るのがいつになるのかは、皆目見当がつかないと村長は渋い顔で告げていた。
そしてもう一つ。
碧さんを殺害した犯人は、村の言い伝えに見立てて殺人を実行したのではないかという噂が流れ始めている。
これは、自警団と思われる老人たちが呻くように話し合っているのをたまたま耳にした情報であるため、まだきちんとした確証はないのだが。
しかし、この話が事実であるとすれば、必然的に犯人は村の言い伝えを知る者と限定される。
そうなれば、村の住民の中に殺人鬼が紛れ込んでいる可能性が跳ね上がるわけだ。
お世辞にも人口の多いとは言えないこの村に、人殺しがいる。
つまり、都会などとは違い、犯人と出くわす確率も高い。
ただ周りを移動するだけのことにまで気を遣わなければいけない状況というのは、思った以上にストレスを伴うものだ。
「でもさ、僕ずっと考えてたんだけど、おかしな話だよね?」
時刻は午後の四時過ぎ。
藤美荘、男性陣の部屋にミスオカ研メンバーは集合し、ちゃぶ台を囲むようにして座っていた。
橋を確認して戻ってきてからは、全員ほとんど藤美荘の中から出ていない。というより、勝手に出歩ける雰囲気でなかったと言った方が正確か。
仕方なく周りの大人たちが話す会話に聞き耳を立て最低限の情報を集め、話しかけられそうな人には差し支えない程度に声をかけ、知っていることを提供してもらった。
とりあえず事件の詳細を把握しておきたいという部長の発言から始まった調査――と言えるほどのことかは微妙だが――だったが、これには桜や蓮田もあまり反対することなく従っていた。
蓮田はともかく、桜は極力事件に関わりたくないというのが本音らしいが、早い段階で解決して安心したいという気持ちが優先したようだ。
「何がですか?」
湯飲みを弄りながら、俺は部長の言葉に反応する。
「さっき村の人たちが言ってた、言い伝えがどうたらって話だよ。長沢くんも聞いてたでしょ?」
「ああ、ええ。自警団の爺さんたちのですよね?」
「うん、碧さんが村の言い伝えと同じような死に方をしてるみたいな、さ。確か、碧さんは神社の鳥居に首を吊られていて、尚且つ背中に包丁が刺さっていたんだっけ?」
「はい。枝橋さんが他の自警団と話してるの聞いたんすけど、一度首を絞められて殺された後に改めてあそこに吊るされた形跡があるって言ってました。あと、包丁を刺したのは首を絞めた後じゃないかって」
これは二時間ほど前に、枝橋さんが藤美荘の入り口で立ち話をしているのをたまたま聞いていた情報だ。
元は警察というだけあり、簡単な現場検証や死体の状態確認はこなしているらしい。
自警団の老人たちも、かなり彼に頼っている様子だった。
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