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第四章:風岡夏純――②
風岡夏純――②
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「熊? マジにいんのかそんなもん」
突然出てきた言葉に、胡散臭そうに眉を寄せて竜次は茜を睨む。
「知らないわよ、そんなことまで私興味ないし。でも、お父さんが言うんだからいるんじゃないの?」
「お父さん、どこかに隠れられそうな建物があるなんて言ってなかった? 山の中に空き家があるとか、そういう話はない?」
竜次の視線を冷たく見つめ返す茜へ、わたしは更に質問を投げる。
「ほとんど何もない場所だって言ったでしょう? 誰も使ってない建物の一つくらいなら、どこかにはあるのかもしれないけど、そんなの警察が近所の人たちに訊いてもう目をつけてるわよ。……ただ一つだけ、少し気になったことは山中のどこかに山神地区を守る神様の社があるってことくらい」
「社? 神社のこと?」
「恐らくは。まぁ、年に一度地区の住民たちで大掃除をする程度で、後はずっと鍵を掛けて管理してるそうだからそんな所にはいないだろうってお父さんは言ってたけど、そこだってすぐに警察が調べるでしょうね」
突然出てきた言葉に、胡散臭そうに眉を寄せて竜次は茜を睨む。
「知らないわよ、そんなことまで私興味ないし。でも、お父さんが言うんだからいるんじゃないの?」
「お父さん、どこかに隠れられそうな建物があるなんて言ってなかった? 山の中に空き家があるとか、そういう話はない?」
竜次の視線を冷たく見つめ返す茜へ、わたしは更に質問を投げる。
「ほとんど何もない場所だって言ったでしょう? 誰も使ってない建物の一つくらいなら、どこかにはあるのかもしれないけど、そんなの警察が近所の人たちに訊いてもう目をつけてるわよ。……ただ一つだけ、少し気になったことは山中のどこかに山神地区を守る神様の社があるってことくらい」
「社? 神社のこと?」
「恐らくは。まぁ、年に一度地区の住民たちで大掃除をする程度で、後はずっと鍵を掛けて管理してるそうだからそんな所にはいないだろうってお父さんは言ってたけど、そこだってすぐに警察が調べるでしょうね」
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