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第三章:罪人の記し
罪人の記し 8
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「すみません。本当に、迷惑をかけたくはないんです。その代り、もし何かあったときは遠慮なく助けを求めにいきますので。そのときはお願いします」
「そんなの、当たり前ですよ」
迷うことなく即答する葵さんへニコリと笑い、花面さんはぐらりと身体を揺らす。
本気で疲れが限界なのだろう、今こうして起きているのもやっとという感じだ。
「……結局は、また自己責任で行動か?」
花面さんを見つめながら、複雑な気持ちを露わにする伊藤さん。
「そうなってしまうだろうな。オレも、自分の部屋に戻るつもりだが、何かあったときは声をかけてくれて構わない。……マリネはどうする?」
「え? あたし?」
油断していたところで呼びかけられ、あたしはすぐに言葉が出ずお兄ちゃんと他の人たちを見比べる。
どうすると言われても、一人で部屋に戻るなんてつもりはないし、かと言ってそれほどよく知らないメンバーと一夜を過ごすのも心細い。
そもそも、談話室に集まるような雰囲気ですらないし。
となれば、あたしに下せる答えは一つ。
「今夜もお兄ちゃんと一緒にいる……」
これしか選択肢はないだろう。
「そうか」
そう短く答え歩きだしてしまうお兄ちゃんへ、美九佐さんが呼び止めるように声をかけた。
「本当に、部屋へ戻られるんですか?」
「ああ。ここにいて何かすることがあるか?」
ピタリと足を止め振り向くと、お兄ちゃんはぶっきらぼうにそう言葉を返す。
「いや……そう言われてしまうと……」
こんな言い方をされてしまえば、誰だって返答に困るだろう。
美九佐さんも例外なく、渋い表情をして黙り込んでしまう。
それを会話終了の意とでも受け取ったか、再びお兄ちゃんは部屋へと向かいだしてしまい。
「……言っちゃ悪ぃけど、きみの兄貴は冷てぇ奴だな」
ぎこちなく笑いながらぼそりと告げた伊藤さんの声に、あたしは
「ごめんなさい」
としか言いようがなかった。
「あれでも良いところはあるんですけど、基本的に人に合わせるのが苦手な性格なもので」
まるで保護者みたいなフォローをしながら、失礼しますと付け加えあたしもお兄ちゃんの部屋へと向かう。
こっちは精神的に参っているというのに、本当に仕方のない兄だ。
背中に感じるみんなの視線に後ろめたいものを感じたものの、あたしは振り返ることもできぬまま部屋の中へと入り込んだ。
「そんなの、当たり前ですよ」
迷うことなく即答する葵さんへニコリと笑い、花面さんはぐらりと身体を揺らす。
本気で疲れが限界なのだろう、今こうして起きているのもやっとという感じだ。
「……結局は、また自己責任で行動か?」
花面さんを見つめながら、複雑な気持ちを露わにする伊藤さん。
「そうなってしまうだろうな。オレも、自分の部屋に戻るつもりだが、何かあったときは声をかけてくれて構わない。……マリネはどうする?」
「え? あたし?」
油断していたところで呼びかけられ、あたしはすぐに言葉が出ずお兄ちゃんと他の人たちを見比べる。
どうすると言われても、一人で部屋に戻るなんてつもりはないし、かと言ってそれほどよく知らないメンバーと一夜を過ごすのも心細い。
そもそも、談話室に集まるような雰囲気ですらないし。
となれば、あたしに下せる答えは一つ。
「今夜もお兄ちゃんと一緒にいる……」
これしか選択肢はないだろう。
「そうか」
そう短く答え歩きだしてしまうお兄ちゃんへ、美九佐さんが呼び止めるように声をかけた。
「本当に、部屋へ戻られるんですか?」
「ああ。ここにいて何かすることがあるか?」
ピタリと足を止め振り向くと、お兄ちゃんはぶっきらぼうにそう言葉を返す。
「いや……そう言われてしまうと……」
こんな言い方をされてしまえば、誰だって返答に困るだろう。
美九佐さんも例外なく、渋い表情をして黙り込んでしまう。
それを会話終了の意とでも受け取ったか、再びお兄ちゃんは部屋へと向かいだしてしまい。
「……言っちゃ悪ぃけど、きみの兄貴は冷てぇ奴だな」
ぎこちなく笑いながらぼそりと告げた伊藤さんの声に、あたしは
「ごめんなさい」
としか言いようがなかった。
「あれでも良いところはあるんですけど、基本的に人に合わせるのが苦手な性格なもので」
まるで保護者みたいなフォローをしながら、失礼しますと付け加えあたしもお兄ちゃんの部屋へと向かう。
こっちは精神的に参っているというのに、本当に仕方のない兄だ。
背中に感じるみんなの視線に後ろめたいものを感じたものの、あたしは振り返ることもできぬまま部屋の中へと入り込んだ。
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