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第3章
第八六話 ゲリラ戦
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捕虜は四体。
一体は下級の司祭。司祭には六階級あり、捕らえた司祭は下から二番目。
虐殺する予定だった生物に捕らえられ、困惑と恐怖でパニック状態に陥っている。
一体は司祭と行動を共にするセロの通訳で、負傷したのか腕を押さえている。出血はない。
二体は下級将校で、捕虜とする意味は低い。
俺は通訳に二人の下級将校に伝えろと命じる。
「服をすべて脱げ」
捕虜となった通訳は困惑し、抵抗の意思を示したが、数人に銃を突きつけられると、渋々したがった。
二体の下級将校は怒り狂い、抵抗し、そしてヒトに押さえつけられて、暴力的に衣服をはぎ取られる。
セロはヒトと同様に、他者に自身の裸体を見られることに対する羞恥心があるようだ。
あるいは羞恥心ではなく、衣服を着る生物に共通の肌を大気に触れさせると感じる〝無防備〟感からくる不安かもしれない。
どちらにしても二体は怯えている。
俺は通訳に命じた。
「走れ、と伝えろ」
通訳と二体の下級将校は、何が始まるのかを悟った。
彼らが捕らえたヒトに対して行う行為だ。
裸にして走らせ、射撃の的にする。
これが遊びなのか、訓練なのかはよくわからない。ヒトにとっては訓練じゃない。
低俗な復讐だ。
何人かが剣を抜き、セロの身体を軽くつついて「走れ」と促す。
俺は二体のセロが走り出すとほぼ同時に撃った。
一体は背中に赤い点ができ、両手を挙げてうつぶせで倒れる。
一体は膝を地面につき、上体を数秒間揺らして、仰向けに倒れる。
嫌なことは俺の仕事だ。
この二体を殺せば、フルギア人やヴルマン人も司祭と通訳を生かしておいても、我慢してくれるだろう。
褐色肌の精霊族とピレネーの遊牧民も……。
ノイリンの人々も……。
相馬は由加に「セロの現地指揮官の学習能力は高い」と伝えている。
実際、その通りで、最初の騎馬突撃を粉砕して以降、正面切っての攻撃は避け、コーカレイの街からヒトを出さない作戦に転換していた。
ヒトが堡塁の外に出ると、どこからともなく矢が飛んでくる。
火薬を使わないセロの銃は、ヒトの銃に比べて射程は短いが、発射音が極めて小さく、発砲炎はない。
狙撃に適している。
セロの現地指揮官はこの特性をいち早く理解し、コーカレイ城外におけるヒトの行動を徹底的に妨害した。
この指揮官の作戦行動に対して、デュランダルと相馬は高く評価している。
由加は二人の情報を引き継ぎ、城と堡塁から出ることを禁止した。
だが、由加の命令はヴルマン人には徹底されず、数人が東側出入口からセロ兵の生死を確認するため堡塁の外に出る。
ヴルマン人は長の娘ベアーテが指揮しているが、傍目からは彼女が軽視されているように感じる。
理由は彼女自身にあるのではなく、どうもヴルマンの社会での女性の地位の低さにあるのではないか、と感じる。
俺が帰還した際、由加は俺の頬を平手打ちした。
それを見たノイリンの住民はニタニタ、フルギア人はおもしろがって囃し立てた。
由加はよく知られた存在だ。
由加とベルタの混同もあるのだが、フルギア人の間にも〝ノイリンの戦女神は無敵〟との口伝が伝わっている。
由加はフルギア人に一目置かれている。
俺が由加に平手打ちされた際、壮年のヴルマン人は近くにいたフルギア人に「ヴルマンなら、あの女は夫に殺される」といったとか。
フルギアの社会にも男尊女卑的傾向はあるが、夫が妻を殺すという行為は犯罪以外はないし、社会制度・慣習として存在しない。
フルギアとも異なるヴルマン社会において、女性であるベアーテは自隊を掌握できていないように感じていた。
「女の命令など聞けるか!」
俺は、この言葉がヴルマン人の男から発せられることを知っていた。
ベアーテには忠実な部下がいない。
由加の命令にも、ベアーテの命令にも、従う意思のないベアーテの副官に率いられた分隊が堡塁から出た。
出入口を守備するノイリン住民の静止を振り切って、ブルマンの分隊が滑走路に向かう。
音のない銃撃で二人が倒れる。負傷した一人を二人で引きずって堡塁に戻ろうとして、二人目が負傷する。
ヴルマン人を助けようと、ノイリンの住民二人が飛び出し、二人とも撃たれて、身動きできなくなる。
負傷していない二人のヴルマン人は、地に伏せて釘付けになっている。
無音の矢が低伸弾道で飛んでくる。こんな恐ろしい攻撃はない。
滑走路まで五〇メートルほどの位置で、周囲に遮蔽物はない。身を守るには地に伏し、動かないこと。
ただ、それだけ。
セロの狙撃手は滑走路を挟んだ東側から撃っていることは確かだが、場所はまったく特定できない。
俺は、東側出入口に急いだ。
二人のノイリン住民は、堡塁の直下に倒れている。
二人とも意識はあり、一人は肩に矢が刺さっている。一人は胸部に銃創がある。
俺は騒ぎで集まってきたフルギア人に「きみたちの盾を貸してくれ」と頼む。
するとフルギア人は、フルギア式の長方形の盾で壁を組む防御姿勢を作る。
だが、それをすぐに解いた。
一人のフルギア人が仲間に告げる。
「盾を三枚重ねるんだ」
盾を地面に置き、三枚重ねて、ロープで縛る。
これを三人が持ち、俺の前方を守る。
俺の後方に一重の盾を持つフルギア人二人と何も持たないノイリンの住民二人が続く。
セロの矢が三枚重ねたフルギアの盾に当たる。長さ五センチほどのセラミックス製の矢は、貫通寸前で止まる。三枚重ねた盾のぐらつきがダンパーの役割をして、どうにか防壁になっている。
先頭の三人のフルギア人は、盾の重さから、遠くまでは移動できそうにない。
堡塁の下に降りるだけで精一杯だ。
フルギア人が盾を三枚重ねて、次々と堡塁下に降りてきて、壁を作る。
壁にセロの高速矢が命中し、一部は貫通する。
ノイリンの住民が、堡塁上から発煙弾二発を投げ、煙幕を張る。
一重の盾を持つフルギア人とノイリンの住民は、フルギアの盾を担架代わりにして、負傷者を乗せ、堡塁上に引き上げる。
フルギアの盾一〇枚の壁が前進を開始。
途中で、ノイリンの住民が駆けつけ、盾の前にボディアーマーを垂らす。
そうしないと、セロの高速矢が貫通してしまうのだ。
フルギアの指揮官が叫ぶ。
「早くしてくれ。
手長族の矢はいつまでも防げない」
セロの狙撃兵は複数で、明らかに前進している。
矢の威力が増しているのだ。
ヴルマンの負傷者と無傷で釘付けになっていた二人の前にフルギアの盾の壁が出る。
ノイリンの住民が盾の壁の前に発煙弾を投げる。そして、担架に負傷者を乗せ、後退を始める。
それを複数のフルギア人が協力し、身をかがめ、ときには担架を引きずって、堡塁に達する。
盾の壁を作るフルギア人がノイリンの住民から受け取った、発煙弾を盾の壁の前に投げる。
滑走路の一部が煙幕に覆われる。
俺が命じる。
「戻ろう。後退だ!」
盾の壁を引きずりながら、後退が始まる。
出入口の堡塁上には、ベアーテがいた。
衛生兵として、ブロルも駆けつけている。
腹部と脚に銃創を負った、担架に乗る壮年の男をベアーテが見下ろしている。
「姫様、不覚をとりました」
ベアーテは冷淡だった。
「エルランド、無様だぞ」
エルランドは、死を覚悟していた。
「姫様の命に背いた報いです。
その償いとして、精霊の川を渡ります」
重傷だ。
セロの矢は人体にあたると貫通することなく、体内に留まる。
これが重症化を招く。エルランドの脚の矢は大腿骨に食い込んでいる可能性がある。
腹部の傷は、致命傷にものなりかねない。
ブロルがエルランドを診ている。
モルヒネを打つ。
「ノウミ先生の手術が必要だ」
ベアーテの表情は変わらない。
「エルランド、精霊の下に行くことは許さん。
命に背き城を出て、敵の術中にはまり、ノイリンとフルギアの民に助けられるなど、ヴルマンの恥ぞ。
恥をそそがずに死ぬこと許さん!」
「申し訳ございません。
姫様。
お許しを……。
精霊が我が手を引いております……」
エルランドは担架に乗せられて、城内の診療所に向かった。
ベアーテは、その場にいた人々に礼をいった。
「ノイリンの方々、フルギアの方々、我が民の不始末、お詫びいたす。
また、救出に感謝いたす。
負傷された方々には、お見舞いもうしあげる」
ベアーテは深々と頭を垂れた。
ヴルマンの男は、面目を失った。
日没後、各勢力二名ずつからなる作戦会議が開かれた。各勢力三人の傍聴人が認められている。精霊族と鬼神族の商人を装った観戦武官もいる。
ノイリンからは相馬と由加が参加。俺は傍聴人となった。
ヴルマン人は〝女房に平手打ちされる男〟に興味津々だ。
相馬が議論の口火を切る。
「皆さんのご助力があり、セロを撃退できました。
感謝いたします。
ですが、セロの攻勢は激しくなると思います。
コーカレイからの退去を要請します」
フルギア人とヴルマン人から抗議の声が出る。
由加が発言する。
「セロは地上配備型ロケット兵器を使用しなかった。
発射機は破壊したが、ロケット弾は相当数が残っているはずだ。
ロケット弾は簡単な架台を作れば、発射できる。
堡塁はもちろん、城内にも撃ち込まれる。コーカレイは危険な街になる。
迅速な退去をお願いしたい」
褐色肌の精霊族が〝ギョロ目〟と呼んでいた指揮官は、騎馬突撃において先頭集団にいた。堡塁を踏み崩しながら登り、堡塁上で銃弾に倒れ絶命している。
西側から攻めた歩兵はほぼ全滅。東側に回り込んだ騎兵は、半分が撤退に成功している。
ロケット砲兵は、南側で発射機を破壊されるか遺棄して退却している。
セロに遺棄された発射機は、回収を恐れた我々が砲撃で徹底的に破壊した。
コーカレイ周辺で活動していた現地司令官は、確実に我々が撃退した部隊の生き残りを糾合している。
少なくとも武器と物資は回収している。
従来は狙撃による行動阻止だったが、ロケット弾が手に入れば、コーカレイを直接攻撃してくる。
これは確実だ。
ベアーテが答える。
「我らヴルマンは、空から攻撃してくる手長族に手も足もです、苦杯を喫してきた。
このたびの合戦では、勝ちといえる戦いをした。
この街が危機にあるのならば、さらなる助力をしてみたい。
我らのためにも!」
フルギア人は無言だ。
フルギア人は由加の発言を軽視したりしない。
由加がベアーテを諭す。
「ベアーテ様。
セロのロケット弾が発射されたら、それを撃ち落とす術はないのです。
生き残っているセロの指揮官はヒトとの戦いを心得ています。
そんな敵の指揮官が、強力な武器を手に入れたのです。
コーカレイは落ちるかもしれません。
一刻も早い立ち退きを……」
相馬が付け加える。
「ロケット弾は、砲弾とは異なり、砲がなくても発射できるんです。
木製の簡単な発射台でも、撃ち込んでこれるのです。
発射機を破壊したとしても、ロケット弾の脅威はなくなっていません」
相馬と由加の言は正しい。
金沢によれば、第二次世界大戦において、日本陸軍の将兵は、現地製造の木製の発射台から大型のロケット弾を発射している。
同じことをセロがしないという、根拠のない希望的判断はできない。
俺たちを追撃してきた大隊指揮官は暗愚だったが、現地中隊指揮官は有能だ。
セロが夜襲を行わない理由は教義によるものらしいが、デュランダルや相馬の予想が正しければ、現地中隊指揮官は教義に反しても夜襲をやるだろう。
俺は、簡単だが捕虜にした下級司祭を尋問していた。
現地中隊指揮官は、南アメリカ北部、西アフリカ、北アフリカと転戦し、ヒトを含むあらゆる二足歩行動物と戦ってきたらしい。
下級司祭は「下層階級の出自」だといっていた。
俺たちを追撃してきた大隊指揮官は「王家につながる高貴な家柄」だそうで、現地中隊指揮官を相当に見下していたようだ。
セロの部隊装備は、出身家系の経済状態と関係があるらしい。フロリニア王国では、軍が与える装備の他、指揮官が自費で部隊の装備を追加することが慣例のようだ。
優秀な下士官・兵は裕福な指揮官の下に集まってくる。裕福な指揮官は、攻めやすく豊かな地を得て、さらに豊かになる。
貧富の差は、放置すれば拡大する。
固定化した貧富の差は、能力の差ではない。
有能な指揮官が、強力な装備を得た現在、コーカレイは明確に危機的な状況にある。
コーカレイを失うわけにはいかない。
ヴルマン人がコーカレイに肩入れする理由ははっきりしている。
彼らでは、セロに対抗できない。彼らもコーカレイを失うわけにはいかないし、同じような感情はロワール川北岸のフルギア人とフルギア系の人々にも共通している。
彼らは、侵略しないノイリンを頼りにしているのだ。
ノイリン北地区は、コーカレイを失うわけにはいかない。
ならば、緊急の戦力増強しか防衛手段はない。
俺に発言の資格はないし、発言するつもりもない。
だが、相馬がチラリと俺を見て、続いて由加が「何か言えよ!」と批判的な目で俺を見詰める。
気付けば、フルギア人全員が俺を見ている。この時点で、何もいわないという選択肢はなかった。
俺は、また追い詰められてしまった。
「ノイリンから戦車を二輌呼ぼう。
シミターとセイバーがいい。
三〇ミリラーデン砲は射程が長いからね。
それと、ストーマー兵員輸送車二輌。
四輌で、セロの部隊を追撃する。
セロの指揮官は北アフリカにいたらしい。だとすると、白魔族と戦った経験があるだろう。白魔族は戦車を使う。
戦車との戦い方を知っている可能性がある。十分に気をつけないと」
由加が相馬に意見具申。
「相馬司令官、ノイリンに部隊派遣の要請を。
シミターとセイバー、ストーマー二輌を希望する、と」
相馬が答える。
「城島防衛隊長の意見を入れ、ノイリンに部隊派遣を要請する。
部隊の到着を待って、セロの残存部隊を追撃する」
フルギア人とヴルマン人が歓声を上げる。
作戦会議が終わり、司令部にしている家屋には、俺、由加、相馬と数人のノイリンの住民がいた。
俺がいう。
「戦車が届くまでの五〇時間をどう戦うかだ」
由加が答える。
「この場合、篭城は下策ね。
セロのロケット砲の射程はどのくらい?」
相馬が解説する。
「無傷のロケット弾を鹵獲していないので、発射テストはしていないです。
燃料は判明していて、メタノールと水和ヒドラジン、過酸化水素の二液を混合すると爆発的な反応が起きます。
完全な自己着火性推進システムです」
俺が相馬に尋ねる。
「地上配備型も同じ?」
「いいえ。
残骸しかありませんが、燃料はわかりました。
過マンガン酸ナトリウムと過酸化水素が推進剤です。
過酸化水素の搭載量から推測して、一〇秒ほどの推力維持が可能だと思います。推力は二五〇〇ニュートンくらいではないかと……」
俺は相馬の説明を聞いていて心配になった。
「弾頭の重量にもよるだろうけど、結構な距離を飛ぶんじゃ……」
相馬は射程も推測していた。
「最大射程六〇〇〇から七〇〇〇メートル。有効射程はその半分といったところでしょう。命中精度は期待できない兵器ですが、射程は結構あります。
複数を撃ち込まれると、コーカレイは持たないでしょう」
由加がいう。
「コーカレイの周囲六キロを完全制圧なんて、絶対に無理よ。
半分の三キロだって不可能」
俺は二人にいった。
「コーカレイを失うわけにはいかない。
世界がどうなっているかを知り、確実に生き残る術を見つけるには、大洋に出る必要がある。
コーカレイはその足がかりだ。
それと、この一帯でセロと遊んでやっている間は、ノイリンは安全だ。
ロワール川下流に住むヒトにはもうしわけないけれど、ここでセロを食い止めないと……。
幸いにも川の南は白魔族を恐れて、ヒトはあまり住んでいなかった。
ここを戦場にしてセロを食い止め、ヒトは海に出る」
相馬が瞑目する。
「それ、いっちゃうんですか?
私もその必要は感じていましたけど、海は苦手なんで……」
俺は相馬に同意した。
「私も海は苦手だよ。
海っぺたの育ちでね。
潮風や波音は大嫌いだ」
由加が驚く。
「どういうこと?
イベリア半島を調査するだけじゃ足りないの?
大西洋全域を調べるつもりなの?」
俺と相馬が頷く。
由加は部隊指揮官から、一瞬でもうすぐアラフォーのお姉さんに変身した。
「バカじゃないの!」
現実的な問題として、これからの五〇時間をいかにして乗り切るのか、その具体策は絶対に必要だ。
デュランダルは、シミターとセイバー、ストーマー二輌を水路で運ぶと連絡してきたが、クラウスの舟艇が都合よく空いているはずはない。
五〇時間どころか、七二時間、九六時間、それ以上だってあり得る。
クラウスの舟艇ならば四〇時間で到着するが、ノイリン→コーカレイ間八〇〇キロを、時速一〇キロで下ってくるとすれば、八〇時間かかる。
何としても、四日か五日はコーカレイ単独で持ちこたえなければならない。
しかも、車輌は、俺が持ち帰った水陸両用トラックしかない。
俺は一案を提示する。
「セロの部隊も、どういう状態かわからない。
俺たちを追跡してきた部隊の装備は獲得しただろうが、兵員も統合したとなれば厄介なことになっているかもしれない。
セロの軍服は、指揮官クラスはすぐにわかる。
豪華だからね。
セロは三個中隊規模だとされているが、大隊長と中隊長と思われる死体しかなかった。
二個中隊の指揮官が不明だ。将校はほかにもいただろう。
もし、現地部隊と合同したならば、主導権争いが起きているだろう。
捕虜にした司祭によれば、追ってきた大隊はエリート部隊だったようだ。
大隊の指揮官は、現地部隊指揮官を見下していた。悶着があったようだから、生き残った中隊指揮官との関係が気になる。
セロも混乱しているはずだ。
すぐには攻めてこない」
相馬が反論する。
「あの中隊長は相当な切れ者です。
生き残りの中隊長は、殺すと思います。
混乱があっても長くて一日、短ければ一瞬です」
俺は相馬にいった。
「ならば、すぐに行動しよう。
ウマの乗り手を六、迫撃砲の要員三を貸してくれ。
こちらから出向いて攻撃する」
由加は黙っていた。
だが、目は反対していなかった。
一体は下級の司祭。司祭には六階級あり、捕らえた司祭は下から二番目。
虐殺する予定だった生物に捕らえられ、困惑と恐怖でパニック状態に陥っている。
一体は司祭と行動を共にするセロの通訳で、負傷したのか腕を押さえている。出血はない。
二体は下級将校で、捕虜とする意味は低い。
俺は通訳に二人の下級将校に伝えろと命じる。
「服をすべて脱げ」
捕虜となった通訳は困惑し、抵抗の意思を示したが、数人に銃を突きつけられると、渋々したがった。
二体の下級将校は怒り狂い、抵抗し、そしてヒトに押さえつけられて、暴力的に衣服をはぎ取られる。
セロはヒトと同様に、他者に自身の裸体を見られることに対する羞恥心があるようだ。
あるいは羞恥心ではなく、衣服を着る生物に共通の肌を大気に触れさせると感じる〝無防備〟感からくる不安かもしれない。
どちらにしても二体は怯えている。
俺は通訳に命じた。
「走れ、と伝えろ」
通訳と二体の下級将校は、何が始まるのかを悟った。
彼らが捕らえたヒトに対して行う行為だ。
裸にして走らせ、射撃の的にする。
これが遊びなのか、訓練なのかはよくわからない。ヒトにとっては訓練じゃない。
低俗な復讐だ。
何人かが剣を抜き、セロの身体を軽くつついて「走れ」と促す。
俺は二体のセロが走り出すとほぼ同時に撃った。
一体は背中に赤い点ができ、両手を挙げてうつぶせで倒れる。
一体は膝を地面につき、上体を数秒間揺らして、仰向けに倒れる。
嫌なことは俺の仕事だ。
この二体を殺せば、フルギア人やヴルマン人も司祭と通訳を生かしておいても、我慢してくれるだろう。
褐色肌の精霊族とピレネーの遊牧民も……。
ノイリンの人々も……。
相馬は由加に「セロの現地指揮官の学習能力は高い」と伝えている。
実際、その通りで、最初の騎馬突撃を粉砕して以降、正面切っての攻撃は避け、コーカレイの街からヒトを出さない作戦に転換していた。
ヒトが堡塁の外に出ると、どこからともなく矢が飛んでくる。
火薬を使わないセロの銃は、ヒトの銃に比べて射程は短いが、発射音が極めて小さく、発砲炎はない。
狙撃に適している。
セロの現地指揮官はこの特性をいち早く理解し、コーカレイ城外におけるヒトの行動を徹底的に妨害した。
この指揮官の作戦行動に対して、デュランダルと相馬は高く評価している。
由加は二人の情報を引き継ぎ、城と堡塁から出ることを禁止した。
だが、由加の命令はヴルマン人には徹底されず、数人が東側出入口からセロ兵の生死を確認するため堡塁の外に出る。
ヴルマン人は長の娘ベアーテが指揮しているが、傍目からは彼女が軽視されているように感じる。
理由は彼女自身にあるのではなく、どうもヴルマンの社会での女性の地位の低さにあるのではないか、と感じる。
俺が帰還した際、由加は俺の頬を平手打ちした。
それを見たノイリンの住民はニタニタ、フルギア人はおもしろがって囃し立てた。
由加はよく知られた存在だ。
由加とベルタの混同もあるのだが、フルギア人の間にも〝ノイリンの戦女神は無敵〟との口伝が伝わっている。
由加はフルギア人に一目置かれている。
俺が由加に平手打ちされた際、壮年のヴルマン人は近くにいたフルギア人に「ヴルマンなら、あの女は夫に殺される」といったとか。
フルギアの社会にも男尊女卑的傾向はあるが、夫が妻を殺すという行為は犯罪以外はないし、社会制度・慣習として存在しない。
フルギアとも異なるヴルマン社会において、女性であるベアーテは自隊を掌握できていないように感じていた。
「女の命令など聞けるか!」
俺は、この言葉がヴルマン人の男から発せられることを知っていた。
ベアーテには忠実な部下がいない。
由加の命令にも、ベアーテの命令にも、従う意思のないベアーテの副官に率いられた分隊が堡塁から出た。
出入口を守備するノイリン住民の静止を振り切って、ブルマンの分隊が滑走路に向かう。
音のない銃撃で二人が倒れる。負傷した一人を二人で引きずって堡塁に戻ろうとして、二人目が負傷する。
ヴルマン人を助けようと、ノイリンの住民二人が飛び出し、二人とも撃たれて、身動きできなくなる。
負傷していない二人のヴルマン人は、地に伏せて釘付けになっている。
無音の矢が低伸弾道で飛んでくる。こんな恐ろしい攻撃はない。
滑走路まで五〇メートルほどの位置で、周囲に遮蔽物はない。身を守るには地に伏し、動かないこと。
ただ、それだけ。
セロの狙撃手は滑走路を挟んだ東側から撃っていることは確かだが、場所はまったく特定できない。
俺は、東側出入口に急いだ。
二人のノイリン住民は、堡塁の直下に倒れている。
二人とも意識はあり、一人は肩に矢が刺さっている。一人は胸部に銃創がある。
俺は騒ぎで集まってきたフルギア人に「きみたちの盾を貸してくれ」と頼む。
するとフルギア人は、フルギア式の長方形の盾で壁を組む防御姿勢を作る。
だが、それをすぐに解いた。
一人のフルギア人が仲間に告げる。
「盾を三枚重ねるんだ」
盾を地面に置き、三枚重ねて、ロープで縛る。
これを三人が持ち、俺の前方を守る。
俺の後方に一重の盾を持つフルギア人二人と何も持たないノイリンの住民二人が続く。
セロの矢が三枚重ねたフルギアの盾に当たる。長さ五センチほどのセラミックス製の矢は、貫通寸前で止まる。三枚重ねた盾のぐらつきがダンパーの役割をして、どうにか防壁になっている。
先頭の三人のフルギア人は、盾の重さから、遠くまでは移動できそうにない。
堡塁の下に降りるだけで精一杯だ。
フルギア人が盾を三枚重ねて、次々と堡塁下に降りてきて、壁を作る。
壁にセロの高速矢が命中し、一部は貫通する。
ノイリンの住民が、堡塁上から発煙弾二発を投げ、煙幕を張る。
一重の盾を持つフルギア人とノイリンの住民は、フルギアの盾を担架代わりにして、負傷者を乗せ、堡塁上に引き上げる。
フルギアの盾一〇枚の壁が前進を開始。
途中で、ノイリンの住民が駆けつけ、盾の前にボディアーマーを垂らす。
そうしないと、セロの高速矢が貫通してしまうのだ。
フルギアの指揮官が叫ぶ。
「早くしてくれ。
手長族の矢はいつまでも防げない」
セロの狙撃兵は複数で、明らかに前進している。
矢の威力が増しているのだ。
ヴルマンの負傷者と無傷で釘付けになっていた二人の前にフルギアの盾の壁が出る。
ノイリンの住民が盾の壁の前に発煙弾を投げる。そして、担架に負傷者を乗せ、後退を始める。
それを複数のフルギア人が協力し、身をかがめ、ときには担架を引きずって、堡塁に達する。
盾の壁を作るフルギア人がノイリンの住民から受け取った、発煙弾を盾の壁の前に投げる。
滑走路の一部が煙幕に覆われる。
俺が命じる。
「戻ろう。後退だ!」
盾の壁を引きずりながら、後退が始まる。
出入口の堡塁上には、ベアーテがいた。
衛生兵として、ブロルも駆けつけている。
腹部と脚に銃創を負った、担架に乗る壮年の男をベアーテが見下ろしている。
「姫様、不覚をとりました」
ベアーテは冷淡だった。
「エルランド、無様だぞ」
エルランドは、死を覚悟していた。
「姫様の命に背いた報いです。
その償いとして、精霊の川を渡ります」
重傷だ。
セロの矢は人体にあたると貫通することなく、体内に留まる。
これが重症化を招く。エルランドの脚の矢は大腿骨に食い込んでいる可能性がある。
腹部の傷は、致命傷にものなりかねない。
ブロルがエルランドを診ている。
モルヒネを打つ。
「ノウミ先生の手術が必要だ」
ベアーテの表情は変わらない。
「エルランド、精霊の下に行くことは許さん。
命に背き城を出て、敵の術中にはまり、ノイリンとフルギアの民に助けられるなど、ヴルマンの恥ぞ。
恥をそそがずに死ぬこと許さん!」
「申し訳ございません。
姫様。
お許しを……。
精霊が我が手を引いております……」
エルランドは担架に乗せられて、城内の診療所に向かった。
ベアーテは、その場にいた人々に礼をいった。
「ノイリンの方々、フルギアの方々、我が民の不始末、お詫びいたす。
また、救出に感謝いたす。
負傷された方々には、お見舞いもうしあげる」
ベアーテは深々と頭を垂れた。
ヴルマンの男は、面目を失った。
日没後、各勢力二名ずつからなる作戦会議が開かれた。各勢力三人の傍聴人が認められている。精霊族と鬼神族の商人を装った観戦武官もいる。
ノイリンからは相馬と由加が参加。俺は傍聴人となった。
ヴルマン人は〝女房に平手打ちされる男〟に興味津々だ。
相馬が議論の口火を切る。
「皆さんのご助力があり、セロを撃退できました。
感謝いたします。
ですが、セロの攻勢は激しくなると思います。
コーカレイからの退去を要請します」
フルギア人とヴルマン人から抗議の声が出る。
由加が発言する。
「セロは地上配備型ロケット兵器を使用しなかった。
発射機は破壊したが、ロケット弾は相当数が残っているはずだ。
ロケット弾は簡単な架台を作れば、発射できる。
堡塁はもちろん、城内にも撃ち込まれる。コーカレイは危険な街になる。
迅速な退去をお願いしたい」
褐色肌の精霊族が〝ギョロ目〟と呼んでいた指揮官は、騎馬突撃において先頭集団にいた。堡塁を踏み崩しながら登り、堡塁上で銃弾に倒れ絶命している。
西側から攻めた歩兵はほぼ全滅。東側に回り込んだ騎兵は、半分が撤退に成功している。
ロケット砲兵は、南側で発射機を破壊されるか遺棄して退却している。
セロに遺棄された発射機は、回収を恐れた我々が砲撃で徹底的に破壊した。
コーカレイ周辺で活動していた現地司令官は、確実に我々が撃退した部隊の生き残りを糾合している。
少なくとも武器と物資は回収している。
従来は狙撃による行動阻止だったが、ロケット弾が手に入れば、コーカレイを直接攻撃してくる。
これは確実だ。
ベアーテが答える。
「我らヴルマンは、空から攻撃してくる手長族に手も足もです、苦杯を喫してきた。
このたびの合戦では、勝ちといえる戦いをした。
この街が危機にあるのならば、さらなる助力をしてみたい。
我らのためにも!」
フルギア人は無言だ。
フルギア人は由加の発言を軽視したりしない。
由加がベアーテを諭す。
「ベアーテ様。
セロのロケット弾が発射されたら、それを撃ち落とす術はないのです。
生き残っているセロの指揮官はヒトとの戦いを心得ています。
そんな敵の指揮官が、強力な武器を手に入れたのです。
コーカレイは落ちるかもしれません。
一刻も早い立ち退きを……」
相馬が付け加える。
「ロケット弾は、砲弾とは異なり、砲がなくても発射できるんです。
木製の簡単な発射台でも、撃ち込んでこれるのです。
発射機を破壊したとしても、ロケット弾の脅威はなくなっていません」
相馬と由加の言は正しい。
金沢によれば、第二次世界大戦において、日本陸軍の将兵は、現地製造の木製の発射台から大型のロケット弾を発射している。
同じことをセロがしないという、根拠のない希望的判断はできない。
俺たちを追撃してきた大隊指揮官は暗愚だったが、現地中隊指揮官は有能だ。
セロが夜襲を行わない理由は教義によるものらしいが、デュランダルや相馬の予想が正しければ、現地中隊指揮官は教義に反しても夜襲をやるだろう。
俺は、簡単だが捕虜にした下級司祭を尋問していた。
現地中隊指揮官は、南アメリカ北部、西アフリカ、北アフリカと転戦し、ヒトを含むあらゆる二足歩行動物と戦ってきたらしい。
下級司祭は「下層階級の出自」だといっていた。
俺たちを追撃してきた大隊指揮官は「王家につながる高貴な家柄」だそうで、現地中隊指揮官を相当に見下していたようだ。
セロの部隊装備は、出身家系の経済状態と関係があるらしい。フロリニア王国では、軍が与える装備の他、指揮官が自費で部隊の装備を追加することが慣例のようだ。
優秀な下士官・兵は裕福な指揮官の下に集まってくる。裕福な指揮官は、攻めやすく豊かな地を得て、さらに豊かになる。
貧富の差は、放置すれば拡大する。
固定化した貧富の差は、能力の差ではない。
有能な指揮官が、強力な装備を得た現在、コーカレイは明確に危機的な状況にある。
コーカレイを失うわけにはいかない。
ヴルマン人がコーカレイに肩入れする理由ははっきりしている。
彼らでは、セロに対抗できない。彼らもコーカレイを失うわけにはいかないし、同じような感情はロワール川北岸のフルギア人とフルギア系の人々にも共通している。
彼らは、侵略しないノイリンを頼りにしているのだ。
ノイリン北地区は、コーカレイを失うわけにはいかない。
ならば、緊急の戦力増強しか防衛手段はない。
俺に発言の資格はないし、発言するつもりもない。
だが、相馬がチラリと俺を見て、続いて由加が「何か言えよ!」と批判的な目で俺を見詰める。
気付けば、フルギア人全員が俺を見ている。この時点で、何もいわないという選択肢はなかった。
俺は、また追い詰められてしまった。
「ノイリンから戦車を二輌呼ぼう。
シミターとセイバーがいい。
三〇ミリラーデン砲は射程が長いからね。
それと、ストーマー兵員輸送車二輌。
四輌で、セロの部隊を追撃する。
セロの指揮官は北アフリカにいたらしい。だとすると、白魔族と戦った経験があるだろう。白魔族は戦車を使う。
戦車との戦い方を知っている可能性がある。十分に気をつけないと」
由加が相馬に意見具申。
「相馬司令官、ノイリンに部隊派遣の要請を。
シミターとセイバー、ストーマー二輌を希望する、と」
相馬が答える。
「城島防衛隊長の意見を入れ、ノイリンに部隊派遣を要請する。
部隊の到着を待って、セロの残存部隊を追撃する」
フルギア人とヴルマン人が歓声を上げる。
作戦会議が終わり、司令部にしている家屋には、俺、由加、相馬と数人のノイリンの住民がいた。
俺がいう。
「戦車が届くまでの五〇時間をどう戦うかだ」
由加が答える。
「この場合、篭城は下策ね。
セロのロケット砲の射程はどのくらい?」
相馬が解説する。
「無傷のロケット弾を鹵獲していないので、発射テストはしていないです。
燃料は判明していて、メタノールと水和ヒドラジン、過酸化水素の二液を混合すると爆発的な反応が起きます。
完全な自己着火性推進システムです」
俺が相馬に尋ねる。
「地上配備型も同じ?」
「いいえ。
残骸しかありませんが、燃料はわかりました。
過マンガン酸ナトリウムと過酸化水素が推進剤です。
過酸化水素の搭載量から推測して、一〇秒ほどの推力維持が可能だと思います。推力は二五〇〇ニュートンくらいではないかと……」
俺は相馬の説明を聞いていて心配になった。
「弾頭の重量にもよるだろうけど、結構な距離を飛ぶんじゃ……」
相馬は射程も推測していた。
「最大射程六〇〇〇から七〇〇〇メートル。有効射程はその半分といったところでしょう。命中精度は期待できない兵器ですが、射程は結構あります。
複数を撃ち込まれると、コーカレイは持たないでしょう」
由加がいう。
「コーカレイの周囲六キロを完全制圧なんて、絶対に無理よ。
半分の三キロだって不可能」
俺は二人にいった。
「コーカレイを失うわけにはいかない。
世界がどうなっているかを知り、確実に生き残る術を見つけるには、大洋に出る必要がある。
コーカレイはその足がかりだ。
それと、この一帯でセロと遊んでやっている間は、ノイリンは安全だ。
ロワール川下流に住むヒトにはもうしわけないけれど、ここでセロを食い止めないと……。
幸いにも川の南は白魔族を恐れて、ヒトはあまり住んでいなかった。
ここを戦場にしてセロを食い止め、ヒトは海に出る」
相馬が瞑目する。
「それ、いっちゃうんですか?
私もその必要は感じていましたけど、海は苦手なんで……」
俺は相馬に同意した。
「私も海は苦手だよ。
海っぺたの育ちでね。
潮風や波音は大嫌いだ」
由加が驚く。
「どういうこと?
イベリア半島を調査するだけじゃ足りないの?
大西洋全域を調べるつもりなの?」
俺と相馬が頷く。
由加は部隊指揮官から、一瞬でもうすぐアラフォーのお姉さんに変身した。
「バカじゃないの!」
現実的な問題として、これからの五〇時間をいかにして乗り切るのか、その具体策は絶対に必要だ。
デュランダルは、シミターとセイバー、ストーマー二輌を水路で運ぶと連絡してきたが、クラウスの舟艇が都合よく空いているはずはない。
五〇時間どころか、七二時間、九六時間、それ以上だってあり得る。
クラウスの舟艇ならば四〇時間で到着するが、ノイリン→コーカレイ間八〇〇キロを、時速一〇キロで下ってくるとすれば、八〇時間かかる。
何としても、四日か五日はコーカレイ単独で持ちこたえなければならない。
しかも、車輌は、俺が持ち帰った水陸両用トラックしかない。
俺は一案を提示する。
「セロの部隊も、どういう状態かわからない。
俺たちを追跡してきた部隊の装備は獲得しただろうが、兵員も統合したとなれば厄介なことになっているかもしれない。
セロの軍服は、指揮官クラスはすぐにわかる。
豪華だからね。
セロは三個中隊規模だとされているが、大隊長と中隊長と思われる死体しかなかった。
二個中隊の指揮官が不明だ。将校はほかにもいただろう。
もし、現地部隊と合同したならば、主導権争いが起きているだろう。
捕虜にした司祭によれば、追ってきた大隊はエリート部隊だったようだ。
大隊の指揮官は、現地部隊指揮官を見下していた。悶着があったようだから、生き残った中隊指揮官との関係が気になる。
セロも混乱しているはずだ。
すぐには攻めてこない」
相馬が反論する。
「あの中隊長は相当な切れ者です。
生き残りの中隊長は、殺すと思います。
混乱があっても長くて一日、短ければ一瞬です」
俺は相馬にいった。
「ならば、すぐに行動しよう。
ウマの乗り手を六、迫撃砲の要員三を貸してくれ。
こちらから出向いて攻撃する」
由加は黙っていた。
だが、目は反対していなかった。
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