Infinite possibility online~ノット暗殺職だけど、気にせず依頼で暗殺中!

Ryo

文字の大きさ
4 / 6

4

しおりを挟む
ガチャッ

私はティアとの話をおえて、早速ギルドに入った。
中は思っていた以上に広く、そこは二つのエリアに分かれていた。
片方はイメージとしては銀行の受付を中世に合わせてデザインした感じかな。ところどころにある柱は石っぽいけど見た目と色からすると大理石なのかも。
そしてもう片方はよくある大衆向けの酒場といった感じで、床からすでに受付とは違い年季の入った木材でできている。受付の方の大理石のような材質でできた床はある意味神秘的にも感じるけど、こっちの木材でできた床はまた違った印象を与えてくる。
例えるなら貴族と平民といったところ。
貴族は凛とした鋭さと高潔さで一定の基準以上か自分が認めた者しか受け入れないけど、反対に平民は何者も拒まず迎え入れる暖かさがある・・・そんな感じ、イメージだけど。

・・・まあ、それはさておき。

ギルドに入るとついさっきまで酒場でお酒を飲みながら話していた厳ついおじさん・・・恐らくNPC達は、まるで示し合わせたかのようにこっちを向いた・・・と同時に、おじさん達の方から風が吹いたかのように錯覚した。

・・・この威圧、一般人には恐怖ものじゃない?
私はそうでもないけど。

実はこの時、厳ついおじさんNPC達はIPOに存在する威圧系スキルをすべて使用していたのだ。
その中には大抵の人に少しの恐怖心を与え動きを鈍らせる威圧系スキルもあり、そのスキルが重複した結果メデスがほんの少しは驚くぐらいの威圧に成り得たのであった。
因みに言うと、この酒場の登竜門ともいえるスキルの使用は入ってきたプレーヤーのレベル、スキル熟練度、隠しパラメータのスキルレア度、装備品のレア度、その他諸々を計算し、その結果により使用されるスキル量もスキルレベルも変わる。
メデスの場合はレベルも1で、スキルレベルはすべて0。おまけに装備も初期装備・・・だが、スキルレア度だけはプレーヤーの中で群を抜いて高かった。
理由は簡単。
運営から送られてきた固有スキルの所為である。
通常の普通に習得することが出来るスキルを1だとすると、固有スキルはなんと10000。しかもメデスの固有スキルは固有スキルのなかでも上位に位置するので、レア度は大体50000だ。
そんなメデスに使用されたスキルの数と、スキルのレベルは限界値・・・つまり最大数のスキルを最大レベルで使用されたのだ。
つまりIPO内で最怖で最凶で最強の威圧を浴びたことになる。

まぁ、最もメデスにはまったくもって意味がないことのようで・・・

「・・・・・何がしたいの?オジサン達」

・・・花が満開に咲き誇るようでありながら絶対零度の氷の冷たさを兼ね備える笑顔でこう言い放った。

「・・・・・・・」

こっちが聞いてもだんまりか・・・
どうしようかな・・・?
まぁどうでもでもいいか。
気にせず受付に行こうっと。
そう思いながらいつも通りに、少し酒場の方を気配だけで気にしながら受付に向かって歩き出すと

「・・・ガハハハハハハ!やるじゃねぇかあの嬢ちゃん!この威圧の中平然として歩き出すとはなぁ!そう思わねぇか!ガラッド!」

「ああ!一目見てわかってたがやっぱ俺の目は曇っちゃいなかったってーことだな!」

「「ガハハハハハハハハハハハ!!」」

・・・ん?なんか普通にいい人っぽい感じ?

「おおーい!酒だ!とびっきりのやつ持ってこいや!」

「はいよバーン!空から落ちてきたっていう超超貴重な酒をもってきてやるよ!」

「嬢ちゃんもこっちこいや!酒飲むぞ、酒!」

「はぁ?いやいまから訓練所で訓練する予定なんだけど?」

「知ったことか!とりあえず先輩には従えや!酒飲んで騒いで飲んで騒ぐぞー!」

「めんどくさ・・・うわッ!?ちょ、なにするの。なんで私引っ張られて行ってるの!はーなーせー!」

「ガハハハ!気にすんな!酒飲むぞ!」

そうこういっている合間にいつの間にか店員か店主の厳ついおっちゃんが巨大な酒樽を担いで持ってきてしまっていた。

「てか、私未成年!お酒飲めないって!」

「気にしたら負けだ!酒やるから飲むぞ!」

くっ!せめてこの酒に鑑定を!
出来ればアルコール度数とか書いてあると幸いなんだけど!

鑑定!

《アイテム名》・神酒ノクタール
《レア度》・神級
《品質》・最上級≪固定≫
《説明》・酒神が酔ったときに作り現世に放り投げてしまった酒。飲むと、人によって【不死化】や【常時体力・魔力超回復】、【有翼種化】【種族変更】、【固有スキルを得る】等々、大抵一つだけだが途轍もなく強力な効果を服用者にもたらす。
アルコール度数は寝かせられていた年月と同じ数字となる不思議な酒である。なお、現在経過年数は26,543年である。
ユニークアイテムであり、神酒ノクタールはこの一つしか世界に存在しない。
入手方法は不明
≪・・・以下神級鑑定でのみ閲覧可能・・・≫
であり運営ですら誰一人知り得ない。入手法ランダム化のシステムが裏目に出た結果である。


えええ~!!!
なにこのお酒!神が作った神酒!?
しかもなんかいろいろ凄い効果あるし!
それにアルコール度数が異常!!私飲んだら軽くアルコール中毒で死ぬわ!
というか運営何してんの!?馬鹿じゃない!?

はぁ!はぁ!突っ込み疲れた!

・・・ん?
ふと気づくと私は私には大きすぎる程の、木でできたジョッキになみなみと注がれている透き通った煌びやかな宝石をそのまま液体にしたようなピンクに近い紅い液体を、バーンと呼ばれていた、私を引きずった張本人に飲ませられていたのだった。

アルコールに今にも飲み込まれそうな意識の中、くたばれこのアホバーン!と私は心から叫ぶのでだった。

・・・あんなに突っ込んでないで目の前のことを見るべきだったと後悔できたのは意識を失い噴水前にて目覚めた、あの神酒の惨劇から約1時間後のことだった・・・。




























しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

処理中です...