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第一章 主人公のウソつき人生
1-3 新たな嘘つき人生
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僕は暗い闇の中をずっと歩いている。目的地など勿論ない。
すると、突然目の前に大きな光の扉が現れた。僕はその扉を開けて中に入った。そこには、天使の姿をした、美しい女性がいた。
「こんにちは、あなたがケンジ君ね」
「こんにちは・・・ここはどこですか?あなたは誰ですか?」
「私はリーネ。死んだ人間に、行き先をアドバイスしフォローする天使よ。死後の世界って、結構広くて迷っちゃうの」
「そうなんですか。僕死にましたもんね」
「へ~、ちゃんと自覚があるじゃない。普通は死んだことすら認識できないのに」
「死んだら、みんな閻魔大王のところに行くんじゃないんですか?」
「悪人はいきなり閻魔様のところね。あなたは悪人じゃ無いということでこっちに側よ。よかったわね。でも、ここで悪い事したら、地獄にも行けるわよ」
なんだか、話し方がつれない。
「それで話は何でしょうか?やっぱり地獄ですか?」
「もう、可愛くないわね。実をいうと、あなたは今回死ぬ予定ではなかったの」
「え?どういうことですか?」
「久瀬山の火山は、同じように突然起こるんだけど、本当は島のほとんどの人はあまりの突然のことで間に合わずに死んでしまったの。生き残ったのは、たまたま外にいて、船で逃げれたあなたとレイナの2人だけって予定だったの」
「ええ?そうだったんですか?なんと言うか・・・・何も言えない」
「でも、あなたは噴火したと嘘をついて、結果的にはあなた以外の島にいた人たちは助かった。天界としても、嘘から出た結果ではあったが、これほどの功績を挙げた人を、このまま死後の世界にとどまらせるのは、今後の方針に影響が出るから何とかしてくれだって」
「そうなんですか・・・・」
「でも、生き返るとか、同じ世界で生まれ変わるとかはルール違反なので無し。そこで、ケンジ君を今とは違う異世界に転送し、もう一度生きてもらいましょうってことになったの」
「異世界ですか?随分と突拍子もない話ですね」
「普通は無いわ。良かったわね」
「何となく、うれしくないように見えますが・・・・僕何かしましたか?」
「あのね、私嘘つく人大っ嫌いだから、正直あなたのこと嫌いなんだけどね」
「正直ですね・・・面と向かって嫌いと言われたの初めてです」
「それで、異世界に向かわせる際に、一つだけ特殊スキルを与えるように言われたの。正直嫌なんだけど、仕事だからしょうがない。それで、その特殊スキルだけど、もう決めたから」
「異世界だけでもびっくりなのに、特殊スキルですか・・・・」
「その世界で、1日1回だけ【ウソ】が【ホント】になる能力よ」
「【ウソ】が【ホント】になる能力??ですか??」
「そうよ。久瀬山の火山と同じね。あなたにピッタリだわ」
「久瀬山?ですか?」
「もう少し言うと、あなたが正しく異世界で生きていくというのであれば、あなたが口から発した、【ウソ】が、1日1回だけ【ホント】になるってこと」
「何だか難しいんですが、つまり、僕が言った【ウソ】が、1日1回だけ実現すると言うことですね」
「ちなみに、何でもってわけではないから。運命に沿った、選択肢として可能性のあることについて、ウソがホントになるだけ。可能性があれば、奇跡的に実現するだけよ。脈絡の無い、ご都合主義みたいなことは期待しても無駄よ。起きないわ」
「ありがとうございます。僕のために」
「どうせその【ありがとう】も嘘なんでしょ?ホントに嘘つき男って嫌い。アポロもエンデも嘘ばっかり。。。。」
いやいや、ありがとうには嘘は無いのだが。。。。完全に僕はダメ人間扱いだ。アポロとエンデは相当ひどい奴だったのかな。
「とにかく、そこにある転送用の魔法陣に入ったら、異世界にいるから、頑張って生きてね」
「分かりました。じゃあ行きます」
こんなに嫌われていたら、これ以上話は無理だと思ったので、僕はさっさと魔法陣に入った。僕の周りで光が回り出す。いかにも転送されそうな感じだ。
「そう言えば、その世界に行って、僕は何をすればよいんですか?」
「え?言っていなかったっけ?魔王を倒すのよ」
「は?魔王??魔王なんているんですか?」
「当たり前でしょ。あなたは将来の勇者候補として転送されるの。でも一回死んだら終わりだからね」
「え~!!!!」
僕は、気が付いたら森の中にいた。ちょうど車が通るくらいの道幅があるところに立っていた。天気はとても良いが、雨が上がったばかりなのか、道は濡れている。
「きっと、異世界・・・・なんだろうな・・・・」
僕はとにかく、その道沿いに歩いて行った。歩きながら僕は、
「もう、嘘をつくのは止めよう」
と意思を固めた。二度とあんな思いはいやだ。
5分くらい歩くと森から出た。すると、前から一人の女性がこちらに歩いてきた。
「こんなところに人が。あなたは誰ですか?大きな音がしたので来てみたのですが」
僕はとても驚いた。レイナにそっくりだったのだ。ただ、髪の色が金色だった。
「え~っと僕は・・・・ケンジです」
「え?ケンジ?ケンジ、ケンシ・・・・あ、もしかして、隣町に出していたモンスター退治のクエストの対応をしていただける、剣士さんですか?」
「え?あ、そう、そうです。クエストの依頼を受けた剣士です!」
この世界での初めての会話で、いきなり嘘をついてしまった。
----第一章 完----
すると、突然目の前に大きな光の扉が現れた。僕はその扉を開けて中に入った。そこには、天使の姿をした、美しい女性がいた。
「こんにちは、あなたがケンジ君ね」
「こんにちは・・・ここはどこですか?あなたは誰ですか?」
「私はリーネ。死んだ人間に、行き先をアドバイスしフォローする天使よ。死後の世界って、結構広くて迷っちゃうの」
「そうなんですか。僕死にましたもんね」
「へ~、ちゃんと自覚があるじゃない。普通は死んだことすら認識できないのに」
「死んだら、みんな閻魔大王のところに行くんじゃないんですか?」
「悪人はいきなり閻魔様のところね。あなたは悪人じゃ無いということでこっちに側よ。よかったわね。でも、ここで悪い事したら、地獄にも行けるわよ」
なんだか、話し方がつれない。
「それで話は何でしょうか?やっぱり地獄ですか?」
「もう、可愛くないわね。実をいうと、あなたは今回死ぬ予定ではなかったの」
「え?どういうことですか?」
「久瀬山の火山は、同じように突然起こるんだけど、本当は島のほとんどの人はあまりの突然のことで間に合わずに死んでしまったの。生き残ったのは、たまたま外にいて、船で逃げれたあなたとレイナの2人だけって予定だったの」
「ええ?そうだったんですか?なんと言うか・・・・何も言えない」
「でも、あなたは噴火したと嘘をついて、結果的にはあなた以外の島にいた人たちは助かった。天界としても、嘘から出た結果ではあったが、これほどの功績を挙げた人を、このまま死後の世界にとどまらせるのは、今後の方針に影響が出るから何とかしてくれだって」
「そうなんですか・・・・」
「でも、生き返るとか、同じ世界で生まれ変わるとかはルール違反なので無し。そこで、ケンジ君を今とは違う異世界に転送し、もう一度生きてもらいましょうってことになったの」
「異世界ですか?随分と突拍子もない話ですね」
「普通は無いわ。良かったわね」
「何となく、うれしくないように見えますが・・・・僕何かしましたか?」
「あのね、私嘘つく人大っ嫌いだから、正直あなたのこと嫌いなんだけどね」
「正直ですね・・・面と向かって嫌いと言われたの初めてです」
「それで、異世界に向かわせる際に、一つだけ特殊スキルを与えるように言われたの。正直嫌なんだけど、仕事だからしょうがない。それで、その特殊スキルだけど、もう決めたから」
「異世界だけでもびっくりなのに、特殊スキルですか・・・・」
「その世界で、1日1回だけ【ウソ】が【ホント】になる能力よ」
「【ウソ】が【ホント】になる能力??ですか??」
「そうよ。久瀬山の火山と同じね。あなたにピッタリだわ」
「久瀬山?ですか?」
「もう少し言うと、あなたが正しく異世界で生きていくというのであれば、あなたが口から発した、【ウソ】が、1日1回だけ【ホント】になるってこと」
「何だか難しいんですが、つまり、僕が言った【ウソ】が、1日1回だけ実現すると言うことですね」
「ちなみに、何でもってわけではないから。運命に沿った、選択肢として可能性のあることについて、ウソがホントになるだけ。可能性があれば、奇跡的に実現するだけよ。脈絡の無い、ご都合主義みたいなことは期待しても無駄よ。起きないわ」
「ありがとうございます。僕のために」
「どうせその【ありがとう】も嘘なんでしょ?ホントに嘘つき男って嫌い。アポロもエンデも嘘ばっかり。。。。」
いやいや、ありがとうには嘘は無いのだが。。。。完全に僕はダメ人間扱いだ。アポロとエンデは相当ひどい奴だったのかな。
「とにかく、そこにある転送用の魔法陣に入ったら、異世界にいるから、頑張って生きてね」
「分かりました。じゃあ行きます」
こんなに嫌われていたら、これ以上話は無理だと思ったので、僕はさっさと魔法陣に入った。僕の周りで光が回り出す。いかにも転送されそうな感じだ。
「そう言えば、その世界に行って、僕は何をすればよいんですか?」
「え?言っていなかったっけ?魔王を倒すのよ」
「は?魔王??魔王なんているんですか?」
「当たり前でしょ。あなたは将来の勇者候補として転送されるの。でも一回死んだら終わりだからね」
「え~!!!!」
僕は、気が付いたら森の中にいた。ちょうど車が通るくらいの道幅があるところに立っていた。天気はとても良いが、雨が上がったばかりなのか、道は濡れている。
「きっと、異世界・・・・なんだろうな・・・・」
僕はとにかく、その道沿いに歩いて行った。歩きながら僕は、
「もう、嘘をつくのは止めよう」
と意思を固めた。二度とあんな思いはいやだ。
5分くらい歩くと森から出た。すると、前から一人の女性がこちらに歩いてきた。
「こんなところに人が。あなたは誰ですか?大きな音がしたので来てみたのですが」
僕はとても驚いた。レイナにそっくりだったのだ。ただ、髪の色が金色だった。
「え~っと僕は・・・・ケンジです」
「え?ケンジ?ケンジ、ケンシ・・・・あ、もしかして、隣町に出していたモンスター退治のクエストの対応をしていただける、剣士さんですか?」
「え?あ、そう、そうです。クエストの依頼を受けた剣士です!」
この世界での初めての会話で、いきなり嘘をついてしまった。
----第一章 完----
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