【日記】35歳で洋服屋に転職した37歳の日常

ichi0yon0

文字の大きさ
165 / 224

165 凄いって英語で言ってくだちい

しおりを挟む
2024/10/19(土) PM4:23記 

昨日の朝食時。

朝食と言っても家族で団欒し,食後にお茶でも如何?という優雅なものではない。

白米に納豆と生卵をかけて醤油を垂らし,混ぜただけのものを胃へ掻き込む。

食事というより作業に近い。

傍でふりかけご飯と温め直した味噌汁を貪る娘を見ながら。

食後のティータイムはないが,デザートはある。

マイスイートが半端に残したふりかけご飯と味噌汁という和スイーツが。

そんなファビュラスな食卓を囲んでいる後ろでは,妻が慌ただしく労働へ向かう準備をしている。

急いでいても,アレクサに気温と天気を聞くことは忘れない。

これが正社員か。流石である。

家主 兼 主たる生計者 兼 財務大臣 兼 母親 兼 黒猫アドバイザーは伊達じゃない。

インセンティブがないのに,いつの間にか兼務役職ばかり増やしている悪しき企業体質は改善の余地があるが,肩書きというのは説得力がある。

事実,端役の私にはアレクサは反応しない。

しかし,権力者には従順。

「今日の最高気温は〇〇,天気は〇〇で……」

必要情報のみ耳に入れた働きウーマンは食い気味に洗面台へ。

アレクサの前にいるのは私と娘のみ。

権力者が去り,眼前にいるのは無知な2人だけだと察知したのだろうか。

「凄いという英語をご存知ですか?翻訳をお願いしてみてください。」

天気以外の余計な情報提供まで提案してきたのである。

口調は至って丁寧だが,

おやおや。
こんな簡単な英語もご存知ないのでしょうか?
高専人と言うのは本当にバカが多いですね。
正解をご覧に入れて差し上げましょう。

と見下されている気分。

随分とナメてくれるじゃないか。
アレクサさんよぉ。

学生時代,TOEICのIPテストでギリギリ400点を上回った俺様の英語力を見くびりやがって。

高専人は効率厨種族だっ‼︎‼︎
なめるなよーっ‼︎‼︎


多分,excellentとかwonderfulとかそんなだろ?

口には出さなかったが,心の中でアレクサの野郎をバカにし返して,その時は無視して差し上げた。

時刻は午前8時。

妻と娘を見送りリビングで1人。

アレクサが内臓されている黒い球体を見つめる。

アレクサもこちらを見つめている。

早く調べてくだちい。

その丸っこいフォルムは宇宙の帝王ではなく,呼吸器が装着された裸一貫の男だったか。


……何か転送されそう。

〇〇星人と闘わされそう。

仕方ねぇ。

聞いてやるか。

「アレクサ,凄いって英語で何?」

黒い球体の画面の縁取りが青く光る。

珍しく私の声にも反応したらしい。

さっさとexcellentとかwonderfulとか表示しやがれ。

「凄いを英語で言うと "That's amazing" です。」

まさにアメージング!

意表をつかれたと共に自身の戦闘力の低さに落胆。

ごめんよGANTZ…じゃなくてアレクサ…
お前がナンバー1だ‼︎


以上,アレクサに英語圏の国へ転送されませんように。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ト・カ・リ・ナ〜時を止めるアイテムを手にしたら気になる彼女と距離が近くなった件〜

遊馬友仁
青春
高校二年生の坂井夏生(さかいなつき)は、十七歳の誕生日に、亡くなった祖父からの贈り物だという不思議な木製のオカリナを譲り受ける。試しに自室で息を吹き込むと、周囲のヒトやモノがすべて動きを止めてしまった! 木製細工の能力に不安を感じながらも、夏生は、その能力の使い途を思いつく……。 「そうだ!教室の前の席に座っている、いつも、マスクを外さない小嶋夏海(こじまなつみ)の素顔を見てやろう」 そうして、自身のアイデアを実行に映した夏生であったがーーーーーー。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

意味が分かると怖い話(解説付き)

彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです 読みながら話に潜む違和感を探してみてください 最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください 実話も混ざっております

カクヨムでアカウント抹消されました。

たかつき
エッセイ・ノンフィクション
カクヨムでアカウント抹消された話。

母の下着 タンスと洗濯籠の秘密

MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。 颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。 物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。 しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。 センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。 これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。 どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。

真面目な女性教師が眼鏡を掛けて誘惑してきた

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
仲良くしていた女性達が俺にだけ見せてくれた最も可愛い瞬間のほっこり実話です

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

処理中です...