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第10話1部 新しい朝
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異世界に新しい朝が来た。
「……希望の朝だといいんだがな」
右を向いても左を向いても、だだっぴろい平野に広がる草原。
地平線の果てには森があり、その先に空と溶け合うように蒼い山脈が広がって。
その上は空。
どこまでも続く青い空と白い雲。
燦々と輝く太陽。
雲より大きい鳥の群れが、帯状になって空を渡っていた。
「こいつはまた、壮観だ」
ちなみに。
雲より大きいのは、群れではなくて鳥の方。
なるほどこれは異世界だ。
俺の知っている世界には、あんなでかい鳥は物語の中にしかいない。
いや、見た事はあるけれど。
そいつは例外中の例外事案だ。
足元には、草の間に小さな黒い染みがある。
かつて魔王だった存在の残滓。
それも太陽の光の晒されて、気付けば綺麗に消えていた。
「かなめちゃんは助けに来るって言ってたけれど……」
魔王は溶けて消えてはいたが、『何か』がいまだに残っている
皮膚感覚でそれが分かった。
かなめちゃんが言うには、魔王は世界の在り方を変えるらしい。
僅かな間ではあるが、ここに魔王が顕れて。
この世界の在り方が変えられた。
そういう事もあるのだろうか。
「ここにいつまでもはいられんなぁ」
何にせよ、人と食い物がある場所に行かないと死んでしまう。
よっこいせ、と背を伸ばし、巨大鳥の飛び行く方向に向けて歩き出した。
群れで飛んでいくのだから、水場か何かはあるだろう。
多分。
まあ、なんとかなるだろう。
「考えていても始まらない、と」
草を踏みしめ歩いていくと、青い香りが匂い立つ。
足音に驚いたバッタが跳び出して、小鳥が舞い降りバッタを捕らえる。
食い食われる生命の循環が、そこかしこで繰り広げられている。
生物の息吹が濃い証拠だ。
大地が肥えているということだ。
これならまあ、なんとかサバイバルも可能だろう。
しばらくバッタが主食になる覚悟は必要だろうけど。
それくらいは仕方ない。
川にでも出られれば食える魚もいる事だろう。
子供時代に鍛えた、俺の釣りの技が火を噴くぜ。
最悪、岩をぶっ叩けばいくらか獲れるだろう。
多分。
「まあ、なんとかなるさ。ケ・セラ・セラだ」
陽光が燦々を差す平原。
『雨に唄えば』を口ずさみ。
トレンチコートの中年が、何処を目指す訳も無く。
さくさくと、草を踏みしめ進んでいく。
どれほど歩いただろうか。
香る青草の香りの中に、水の匂いがわずかに混じる。
道なき道を進む後、ついた河原は幅広で、雄大な川の流れがゆっくりと走っていて。
そして何よりありがたい事に、テントが一つ立っていた。
「……助かった。おーい、誰かいますか~?」
テントは動物の皮で作ったもので、俺のよく知る化繊のテントとはちと違う。
どちらかと言うと、持ち運び可能な簡易家屋と言った風情。
一人で背負って進むには結構大変そうな代物だ。
テントの前には焚き火の跡。
積み上げた薪の炭は、まだ暖かい。
「家主は留守……か?」
そして周囲に人の気配は無い。
さて、どうしたものか。
ぼちゃん、と水音がして川で魚が跳ねていた。
時間はそろそろ夕まずめ。
魚影は十分濃そうだし、ここは一つ夕食確保と行きますか。
「困った時のサバイバルツール、と」
トレンチコートに隠した7つ道具。
釣り針と糸を引っ張り出して、河原の小石の陰に隠れた小虫を刺して川に投げ入れる。
竿なし手釣りも乙なもの。
その内浮きや竿も作るとしよう。
川の流れに針を沈めて待つことしばし。
「釣れるかね?」
「今、釣れたよ」
ぐい、と糸を引く。
びちびちと、強い抵抗が手にかかる。
水面に背びれが踊り出す。
「おう、こりゃ大物だ」
「美味いかなぁ」
「美味いさ。デカいヤツはみんな美味い」
「そいつは楽しみだ」
ゆっくりゆっくり糸を引く。
糸も針も貴重品だ。ここで失くすのは流石に惜しい。
ここが異世界ってヤツならば、この針と糸は唯一無二の存在かも知れない。
ということで。
ゆっくりと。
慎重に。
「そして一気に大胆に!」
ガバリと一気に大根抜き。
濃紺の鱗の大物が、宙を舞って地面に落ちた。
「おお。大物大物。やったなぁ」
いつの間にか会話に入っていた男。
高い背丈に太い腹。
巨体の人の身体の上に、豚の頭がついている。
簡素な貫頭衣に鉄板の鎧まで装備して、盾と剣まで背負っている。
……男……だよな?
体格的には男に見える。
「ありがとさん。場所、勝手に借りて悪かったね」
「別にいいさ。オレのものじゃねえしな」
反り返った牙を見せてガハハと笑う。
低くよく通る声。
凶悪そうな顔立ちに、愛嬌が溢れるように現れた。
うん、こいつはいいやつだ。
いい笑い顔を見せる奴に、悪い奴はいない。
「こんな所で何やってんだよ?」
「なんと言うかな……話せば長くなるんだが」
「そりゃ長いだろうな、その格好じゃ」
俺のトレンチコートと帽子を指さして。
それから、1メートルほどもある魚を、平たい岩の上に置き、男はナイフを閃かせる。
「まあ、お前さんみたいな奴はまったくいないワケでも無いからよ」
「帰る方法とかあるんかね」
「いやぁ、いくつか話は聞いた事ぁあるがね。詳しい話はオレも知らねえな。それにホレ。元の身体が壊れてたらダメだって聞くぞ」
「元もクソも。俺の身体はこれ一つだぞ」
「そりゃ良かった。一回死んでやってくる奴もいるんだぞ」
それはまた。
色々とハードな人生を送る人もいるもんだ。
「しかしだ。そうなると、オレの旅もくたびれもうけってこったなぁ」
「都合良く人がいるから、俺の運も上向いてきたかと思ったら。出迎えがこんなムサいおっさんかよ」
「引退後に書く予定に英雄譚に、こんなムサいおっさんが登場するオレの事も考えろよ」
「そう言うつまらん下りは無かったことにするんだよ」
話が弾むし冗談が通じる。
いい奴だ。
内藤よりもいい奴だ。
「あーあ。魔王降臨っつうから期待したんだがな。それともアンタ、魔王だったりしない?」
「残念ながら違うな。まあ、魔王だったらさっきそっちで倒してきたぜ」
「あっはっは。そいつは最高だ。異世界人様の最速記録じゃねえのかな」
「ギネスブックに載ってるのは、ドロシーって女の子なんだ。多分、あっちのが早い」
「ギネスブックに載ってるならしゃあないな」
あるんだ。
あるんだギネスブック。
ということか、ギネス社もあったりするのか?
男の格好からすると、西洋風ファンタジーとかそう言う感じだ。
技術レベルもその程度なのかもしれない。
となると困った事になる。
この俺は、典型的な日本男児。
ビールと言えばドライでラガーでキンキンに冷えた奴。
果たしてこの世界に、そんなビールがあるものか。
だが、ギネス社があるとするならば、そんな望みも叶うかもしれない。
流石にアサヒのドライとは言いません。
いいませんから、コクとキレのビールを一杯。
「まあ、つもる話もありそうだ。お前さんが釣った魚を食いながら、酒を呑みのみ話そうぜ」
言いつつ、手にした包丁でザクザク魚を捌き出す。
まあ、元々そのつもりだったからいいんだけど。
というか、結構大物で、こいつを食い切るのはそれなりに大変そうだ。
「そうだな。俺も教えて欲しいことばっかりだ【暴食】の事とかな」
声に出す。
出して、世界のなにかがカチリとはまる。
目に見えない歯車が、そこで綺麗にハマったように。
「【暴食】……か。もしかしてアンタ……」
男の目の色は。
いつしか笑いが消えていて。
「本当に。魔王を倒したのか?」
手にした包丁が、ぎらりと夕日を反射した。
「……希望の朝だといいんだがな」
右を向いても左を向いても、だだっぴろい平野に広がる草原。
地平線の果てには森があり、その先に空と溶け合うように蒼い山脈が広がって。
その上は空。
どこまでも続く青い空と白い雲。
燦々と輝く太陽。
雲より大きい鳥の群れが、帯状になって空を渡っていた。
「こいつはまた、壮観だ」
ちなみに。
雲より大きいのは、群れではなくて鳥の方。
なるほどこれは異世界だ。
俺の知っている世界には、あんなでかい鳥は物語の中にしかいない。
いや、見た事はあるけれど。
そいつは例外中の例外事案だ。
足元には、草の間に小さな黒い染みがある。
かつて魔王だった存在の残滓。
それも太陽の光の晒されて、気付けば綺麗に消えていた。
「かなめちゃんは助けに来るって言ってたけれど……」
魔王は溶けて消えてはいたが、『何か』がいまだに残っている
皮膚感覚でそれが分かった。
かなめちゃんが言うには、魔王は世界の在り方を変えるらしい。
僅かな間ではあるが、ここに魔王が顕れて。
この世界の在り方が変えられた。
そういう事もあるのだろうか。
「ここにいつまでもはいられんなぁ」
何にせよ、人と食い物がある場所に行かないと死んでしまう。
よっこいせ、と背を伸ばし、巨大鳥の飛び行く方向に向けて歩き出した。
群れで飛んでいくのだから、水場か何かはあるだろう。
多分。
まあ、なんとかなるだろう。
「考えていても始まらない、と」
草を踏みしめ歩いていくと、青い香りが匂い立つ。
足音に驚いたバッタが跳び出して、小鳥が舞い降りバッタを捕らえる。
食い食われる生命の循環が、そこかしこで繰り広げられている。
生物の息吹が濃い証拠だ。
大地が肥えているということだ。
これならまあ、なんとかサバイバルも可能だろう。
しばらくバッタが主食になる覚悟は必要だろうけど。
それくらいは仕方ない。
川にでも出られれば食える魚もいる事だろう。
子供時代に鍛えた、俺の釣りの技が火を噴くぜ。
最悪、岩をぶっ叩けばいくらか獲れるだろう。
多分。
「まあ、なんとかなるさ。ケ・セラ・セラだ」
陽光が燦々を差す平原。
『雨に唄えば』を口ずさみ。
トレンチコートの中年が、何処を目指す訳も無く。
さくさくと、草を踏みしめ進んでいく。
どれほど歩いただろうか。
香る青草の香りの中に、水の匂いがわずかに混じる。
道なき道を進む後、ついた河原は幅広で、雄大な川の流れがゆっくりと走っていて。
そして何よりありがたい事に、テントが一つ立っていた。
「……助かった。おーい、誰かいますか~?」
テントは動物の皮で作ったもので、俺のよく知る化繊のテントとはちと違う。
どちらかと言うと、持ち運び可能な簡易家屋と言った風情。
一人で背負って進むには結構大変そうな代物だ。
テントの前には焚き火の跡。
積み上げた薪の炭は、まだ暖かい。
「家主は留守……か?」
そして周囲に人の気配は無い。
さて、どうしたものか。
ぼちゃん、と水音がして川で魚が跳ねていた。
時間はそろそろ夕まずめ。
魚影は十分濃そうだし、ここは一つ夕食確保と行きますか。
「困った時のサバイバルツール、と」
トレンチコートに隠した7つ道具。
釣り針と糸を引っ張り出して、河原の小石の陰に隠れた小虫を刺して川に投げ入れる。
竿なし手釣りも乙なもの。
その内浮きや竿も作るとしよう。
川の流れに針を沈めて待つことしばし。
「釣れるかね?」
「今、釣れたよ」
ぐい、と糸を引く。
びちびちと、強い抵抗が手にかかる。
水面に背びれが踊り出す。
「おう、こりゃ大物だ」
「美味いかなぁ」
「美味いさ。デカいヤツはみんな美味い」
「そいつは楽しみだ」
ゆっくりゆっくり糸を引く。
糸も針も貴重品だ。ここで失くすのは流石に惜しい。
ここが異世界ってヤツならば、この針と糸は唯一無二の存在かも知れない。
ということで。
ゆっくりと。
慎重に。
「そして一気に大胆に!」
ガバリと一気に大根抜き。
濃紺の鱗の大物が、宙を舞って地面に落ちた。
「おお。大物大物。やったなぁ」
いつの間にか会話に入っていた男。
高い背丈に太い腹。
巨体の人の身体の上に、豚の頭がついている。
簡素な貫頭衣に鉄板の鎧まで装備して、盾と剣まで背負っている。
……男……だよな?
体格的には男に見える。
「ありがとさん。場所、勝手に借りて悪かったね」
「別にいいさ。オレのものじゃねえしな」
反り返った牙を見せてガハハと笑う。
低くよく通る声。
凶悪そうな顔立ちに、愛嬌が溢れるように現れた。
うん、こいつはいいやつだ。
いい笑い顔を見せる奴に、悪い奴はいない。
「こんな所で何やってんだよ?」
「なんと言うかな……話せば長くなるんだが」
「そりゃ長いだろうな、その格好じゃ」
俺のトレンチコートと帽子を指さして。
それから、1メートルほどもある魚を、平たい岩の上に置き、男はナイフを閃かせる。
「まあ、お前さんみたいな奴はまったくいないワケでも無いからよ」
「帰る方法とかあるんかね」
「いやぁ、いくつか話は聞いた事ぁあるがね。詳しい話はオレも知らねえな。それにホレ。元の身体が壊れてたらダメだって聞くぞ」
「元もクソも。俺の身体はこれ一つだぞ」
「そりゃ良かった。一回死んでやってくる奴もいるんだぞ」
それはまた。
色々とハードな人生を送る人もいるもんだ。
「しかしだ。そうなると、オレの旅もくたびれもうけってこったなぁ」
「都合良く人がいるから、俺の運も上向いてきたかと思ったら。出迎えがこんなムサいおっさんかよ」
「引退後に書く予定に英雄譚に、こんなムサいおっさんが登場するオレの事も考えろよ」
「そう言うつまらん下りは無かったことにするんだよ」
話が弾むし冗談が通じる。
いい奴だ。
内藤よりもいい奴だ。
「あーあ。魔王降臨っつうから期待したんだがな。それともアンタ、魔王だったりしない?」
「残念ながら違うな。まあ、魔王だったらさっきそっちで倒してきたぜ」
「あっはっは。そいつは最高だ。異世界人様の最速記録じゃねえのかな」
「ギネスブックに載ってるのは、ドロシーって女の子なんだ。多分、あっちのが早い」
「ギネスブックに載ってるならしゃあないな」
あるんだ。
あるんだギネスブック。
ということか、ギネス社もあったりするのか?
男の格好からすると、西洋風ファンタジーとかそう言う感じだ。
技術レベルもその程度なのかもしれない。
となると困った事になる。
この俺は、典型的な日本男児。
ビールと言えばドライでラガーでキンキンに冷えた奴。
果たしてこの世界に、そんなビールがあるものか。
だが、ギネス社があるとするならば、そんな望みも叶うかもしれない。
流石にアサヒのドライとは言いません。
いいませんから、コクとキレのビールを一杯。
「まあ、つもる話もありそうだ。お前さんが釣った魚を食いながら、酒を呑みのみ話そうぜ」
言いつつ、手にした包丁でザクザク魚を捌き出す。
まあ、元々そのつもりだったからいいんだけど。
というか、結構大物で、こいつを食い切るのはそれなりに大変そうだ。
「そうだな。俺も教えて欲しいことばっかりだ【暴食】の事とかな」
声に出す。
出して、世界のなにかがカチリとはまる。
目に見えない歯車が、そこで綺麗にハマったように。
「【暴食】……か。もしかしてアンタ……」
男の目の色は。
いつしか笑いが消えていて。
「本当に。魔王を倒したのか?」
手にした包丁が、ぎらりと夕日を反射した。
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