13 / 21
第一章
10.大事件
しおりを挟む
ふと、耳に入る鳥のさえずり。
眠い目をこすりながら、なんとか目を開けようとする。しかし疲れているのか瞼は全然開いてくれなかった。
「うぅー......」
「あら、ようやく起きたの?」
ジェームズ?と知らない名前を頭上で呼んでくる声にちょっとだけイラッとする。
寝起きが悪い僕はいつものように、起こしてくる使用人に「あと、五分だけ」と駄々をこねた。
あれ。でも、こんな声の使用人いたっけ。
「ふふっ、ここは家じゃないわよ」
(......いえじゃ、ない?)
ガバッ
その瞬間、僕は完璧に目が覚めた。
それと同時に今自分がやってしまった行動に羞恥心がぶわっと湧き上がる。
視界に入る見覚えのあるレンガの家、アカシアの木で作られたカウンター。
そして目の前に立つ、短い水色の髪の女性。
ここはまさか......。
「な、なんで貴方がここに!?」
反射的に疑問をぶつける。
しかしその慌てようが面白かったのか、くすくすと笑いながら彼女は答えた。
「あら、昨日の出来事を覚えてないの?」
そう言われて、記憶を辿る。
えっと昨日は確か迷いの森に来て、それから――
「あれ? 僕、あの後どうなって......」
「貴方、湖で倒れたのよ」
(たお、れた?)
そこまで言われてなんとなく記憶が蘇る。
シルビアの話によれば、湖でうずくまる僕をたまたまそこを通りかかった魔女の一人が見つけてくれたらしい。
「マサとベクターさんには感謝してね。貴方をここまで運んでくれたんだから」
「そ、そうでしたか。それはその、すいませんでした......」
そうにこやかに笑う彼女を見て、僕はもう恥ずかしくて目が合わせられない。
しかし次の瞬間、そんなことを考える余裕もなくなるほど衝撃的な発言が僕を襲った。
「大丈夫よ、体調が悪い人を責めるほど私も鬼じゃないし。でもとりあえず早く帰ったほうが良いわ。貴方、一晩眠ってたから」
(え?)
今、この人とんでもないことを口にしたような気がする。だって”一晩”って......僕、あの後朝まで寝てたってこと?
その瞬間、羞恥心で熱くなっていた身体が一気に冷水を被ったかのように冷たくなる。
額からは冷や汗がにじみ出て、バクバクと心臓がうるさい。
みゃお。
「あら猫ちゃん、おはよう」
その瞬間、昨日と同じ場所にいたフユが鳴く。
おはようってそんなまさか、まさか――
「今、何時ですか!?」
「朝の六時よ。それがどうかした?」
ガタンッ
そう言われて僕は思わず長椅子から転げ落ちた。
眠い目をこすりながら、なんとか目を開けようとする。しかし疲れているのか瞼は全然開いてくれなかった。
「うぅー......」
「あら、ようやく起きたの?」
ジェームズ?と知らない名前を頭上で呼んでくる声にちょっとだけイラッとする。
寝起きが悪い僕はいつものように、起こしてくる使用人に「あと、五分だけ」と駄々をこねた。
あれ。でも、こんな声の使用人いたっけ。
「ふふっ、ここは家じゃないわよ」
(......いえじゃ、ない?)
ガバッ
その瞬間、僕は完璧に目が覚めた。
それと同時に今自分がやってしまった行動に羞恥心がぶわっと湧き上がる。
視界に入る見覚えのあるレンガの家、アカシアの木で作られたカウンター。
そして目の前に立つ、短い水色の髪の女性。
ここはまさか......。
「な、なんで貴方がここに!?」
反射的に疑問をぶつける。
しかしその慌てようが面白かったのか、くすくすと笑いながら彼女は答えた。
「あら、昨日の出来事を覚えてないの?」
そう言われて、記憶を辿る。
えっと昨日は確か迷いの森に来て、それから――
「あれ? 僕、あの後どうなって......」
「貴方、湖で倒れたのよ」
(たお、れた?)
そこまで言われてなんとなく記憶が蘇る。
シルビアの話によれば、湖でうずくまる僕をたまたまそこを通りかかった魔女の一人が見つけてくれたらしい。
「マサとベクターさんには感謝してね。貴方をここまで運んでくれたんだから」
「そ、そうでしたか。それはその、すいませんでした......」
そうにこやかに笑う彼女を見て、僕はもう恥ずかしくて目が合わせられない。
しかし次の瞬間、そんなことを考える余裕もなくなるほど衝撃的な発言が僕を襲った。
「大丈夫よ、体調が悪い人を責めるほど私も鬼じゃないし。でもとりあえず早く帰ったほうが良いわ。貴方、一晩眠ってたから」
(え?)
今、この人とんでもないことを口にしたような気がする。だって”一晩”って......僕、あの後朝まで寝てたってこと?
その瞬間、羞恥心で熱くなっていた身体が一気に冷水を被ったかのように冷たくなる。
額からは冷や汗がにじみ出て、バクバクと心臓がうるさい。
みゃお。
「あら猫ちゃん、おはよう」
その瞬間、昨日と同じ場所にいたフユが鳴く。
おはようってそんなまさか、まさか――
「今、何時ですか!?」
「朝の六時よ。それがどうかした?」
ガタンッ
そう言われて僕は思わず長椅子から転げ落ちた。
0
あなたにおすすめの小説
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結保証】
星森 永羽
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
リトライさせていただきます!〜死に戻り令嬢はイケメン神様とタッグを組んで人生をやり直す事にした〜
ゆずき
恋愛
公爵家の御令嬢クレハは、18歳の誕生日に何者かに殺害されてしまう。そんなクレハを救ったのは、神を自称する青年(長身イケメン)だった。
イケメン神様の力で10年前の世界に戻されてしまったクレハ。そこから運命の軌道修正を図る。犯人を返り討ちにできるくらい、強くなればいいじゃないか!! そう思ったクレハは、神様からは魔法を、クレハに一目惚れした王太子からは武術の手ほどきを受ける。クレハの強化トレーニングが始まった。
8歳の子供の姿に戻ってしまった少女と、お人好しな神様。そんな2人が主人公の異世界恋愛ファンタジー小説です。
※メインではありませんが、ストーリーにBL的要素が含まれます。少しでもそのような描写が苦手な方はご注意下さい。
可愛らしい人
はるきりょう
恋愛
「でも、ライアン様には、エレナ様がいらっしゃるのでは?」
「ああ、エレナね。よく勘違いされるんだけど、エレナとは婚約者でも何でもないんだ。ただの幼馴染み」
「それにあいつはひとりで生きていけるから」
女性ながらに剣術を学ぶエレナは可愛げがないという理由で、ほとんど婚約者同然の幼馴染から捨てられる。
けれど、
「エレナ嬢」
「なんでしょうか?」
「今日の夜会のパートナーはお決まりですか?」
その言葉でパートナー同伴の夜会に招待されていたことを思い出した。いつものとおりライアンと一緒に行くと思っていたので参加の返事を出していたのだ。
「……いいえ」
当日の欠席は著しく評価を下げる。今後、家庭教師として仕事をしていきたいと考えるのであれば、父親か兄に頼んででも行った方がいいだろう。
「よければ僕と一緒に行きませんか?」
私たちの離婚幸福論
桔梗
恋愛
ヴェルディア帝国の皇后として、順風満帆な人生を歩んでいたルシェル。
しかし、彼女の平穏な日々は、ノアの突然の記憶喪失によって崩れ去る。
彼はルシェルとの記憶だけを失い、代わりに”愛する女性”としてイザベルを迎え入れたのだった。
信じていた愛が消え、冷たく突き放されるルシェル。
だがそこに、隣国アンダルシア王国の皇太子ゼノンが現れ、驚くべき提案を持ちかける。
それは救済か、あるいは——
真実を覆う闇の中、ルシェルの新たな運命が幕を開ける。
さようならの定型文~身勝手なあなたへ
宵森みなと
恋愛
「好きな女がいる。君とは“白い結婚”を——」
――それは、夢にまで見た結婚式の初夜。
額に誓いのキスを受けた“その夜”、彼はそう言った。
涙すら出なかった。
なぜなら私は、その直前に“前世の記憶”を思い出したから。
……よりによって、元・男の人生を。
夫には白い結婚宣言、恋も砕け、初夜で絶望と救済で、目覚めたのは皮肉にも、“現実”と“前世”の自分だった。
「さようなら」
だって、もう誰かに振り回されるなんて嫌。
慰謝料もらって悠々自適なシングルライフ。
別居、自立して、左団扇の人生送ってみせますわ。
だけど元・夫も、従兄も、世間も――私を放ってはくれないみたい?
「……何それ、私の人生、まだ波乱あるの?」
はい、あります。盛りだくさんで。
元・男、今・女。
“白い結婚からの離縁”から始まる、人生劇場ここに開幕。
-----『白い結婚の行方』シリーズ -----
『白い結婚の行方』の物語が始まる、前のお話です。
死に戻ったら、私だけ幼児化していた件について
えくれあ
恋愛
セラフィーナは6歳の時に王太子となるアルバートとの婚約が決まって以降、ずっと王家のために身を粉にして努力を続けてきたつもりだった。
しかしながら、いつしか悪女と呼ばれるようになり、18歳の時にアルバートから婚約解消を告げられてしまう。
その後、死を迎えたはずのセラフィーナは、目を覚ますと2年前に戻っていた。だが、周囲の人間はセラフィーナが死ぬ2年前の姿と相違ないのに、セラフィーナだけは同じ年齢だったはずのアルバートより10歳も幼い6歳の姿だった。
死を迎える前と同じこともあれば、年齢が異なるが故に違うこともある。
戸惑いを覚えながらも、死んでしまったためにできなかったことを今度こそ、とセラフィーナは心に誓うのだった。
2度目の結婚は貴方と
朧霧
恋愛
前世では冷たい夫と結婚してしまい子供を幸せにしたい一心で結婚生活を耐えていた私。気がついたときには異世界で「リオナ」という女性に生まれ変わっていた。6歳で記憶が蘇り悲惨な結婚生活を思い出すと今世では結婚願望すらなくなってしまうが騎士団長のレオナードに出会うことで運命が変わっていく。過去のトラウマを乗り越えて無事にリオナは前世から数えて2度目の結婚をすることになるのか?
魔法、魔術、妖精など全くありません。基本的に日常感溢れるほのぼの系作品になります。
重複投稿作品です。(小説家になろう)
ヤンデレ王子に鉄槌を
ましろ
恋愛
私がサフィア王子と婚約したのは7歳のとき。彼は13歳だった。
……あれ、変態?
そう、ただいま走馬灯がかけ巡っておりました。だって人生最大のピンチだったから。
「愛しいアリアネル。君が他の男を見つめるなんて許せない」
そう。殿下がヤンデレ……いえ、病んでる発言をして部屋に鍵を掛け、私をベッドに押し倒したから!
「君は僕だけのものだ」
いやいやいやいや。私は私のものですよ!
何とか救いを求めて脳内がフル稼働したらどうやら現世だけでは足りずに前世まで漁くってしまったみたいです。
逃げられるか、私っ!
✻基本ゆるふわ設定です。
気を付けていますが、誤字脱字などがある為、あとからこっそり修正することがあります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる