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三章 異世界verの中東戦争

156話 銀行到着

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 翌日。
 俺はアヴァカンとレベッカに「買い物に行って来る」と虚偽の申告をして、フーセのアジトへ足を運んでいた。

 「セルゲイ、用意はできたか?」

 ヘルメットに防弾チョッキ、軽機関銃で身を完全に武装したハーフィズに問われる。

 「ああ、いつでも行けるぞ」

 マガジンポーチに銃の弾倉をいくつか挿し込む。
 強盗に参加する全ての戦闘員の準備が済むと、各車両に乗り込んだ。正面突破部隊はトラックに搭乗し、地下から忍び寄る俺とハーフィズはオートバイに跨る。

 「バイク、不安だなぁ」

 昔に一度だけ敵から逃げる時にバイクを奪って走らせた事があるが、それ以降は触れていないのでしっかり運転できるかどうか怖くなってきていると、ハーフィズが頼もしい声でこう答えた。

 「転倒したりしても俺はお前を見捨てない、助けてやるよ。それがフーセの教えの一部だからな」
 「そうかハーフィズ――――俺も、お前が困ってんなら救ってやるさ」

 笑顔を浮かべて互いに顔を見合わせると、バイザーを下ろしてエンジンを叩き起こした。
 数時間は駆け続けただろうという時。
 俺達の車列は、銀行のある街へと踏み入った。

 「割と田舎だな」

 横で走るハーフィズに話し掛ける。バラクラバを着けているのとバイザーを下ろしているからか、声は曇っていた。

 「そりゃあ帝都みたいな大都会にクソッタレ銀行なんかがあれば一発で警察にバレるさ。だがこういう田舎だと警察の力はそこまで強くないし、買収されてるケースも多いんだ」
 「酷い話だな」
 「ああ、しかもこの街の場合、後者に該当する。だからその内貴族や警察にも制裁を加えてやるさ――――と、ストップだ」

 慣れない手付きでバイクを停止させると、街の寂れた外観とは似つかわしくない立派な白い建物が聳えていた。

 「これが銀行だ」
 「何でこれだけ凄いんだ?」
 「貴族が独自に建てたからだな、皆の金で」

 不機嫌そうに舌打ちをする。彼は貴族を壊滅させる気満々だ。
 ここまで貴族の醜態を耳に流せば、俺も自然に貴族への報復心が湧き上がってきた。

 「じゃあセルゲイ、お前は俺と一緒にあっちのマンホールに行くぞ」
 「分かった、すぐに行こう」

 銀行の敷地に唾を吐き捨てると、ハンドルをまた握ってバイクを駆動させた。
 数百メートル移動し、目的のマンホールに着く。下水処理がきちんと機能していないのか、異臭がそこから漂う。
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