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学院生消失事件
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俺の名前はクロイス・ワンサイドラブ。
ネットラレ王立学院の5学年生だ。
突然だが聞いて欲しい。
実は俺には片思いをしている女性がいる。
その女性の名前はレーア・アーナー。
アーナー伯爵家の次女であり、この学院の生徒会長で主席でもある。
とても可愛らしい顔立ちをしており、珊瑚色の長い髪に大きな胸をお持ちで、俺には理想の女性だ。
「まだまだ、甘いな!」
「くっ、もう一度お願いします」
今、レーアはエルーナ先生と剣術の訓練をしている。
現役S級冒険者のエルーナ先生とまともに剣で打ち合えるなんて、レーアは剣術も凄いな。
ドガッ!
「痛え!」
「よそ見してるんじゃねえよ」
そう、今は剣術の授業中だ。
俺も幼なじみであるフィリアと剣の訓練をしていた。
「どうせ、またレーアの方を見てたんだろう」
「み、見てないし!」
「ふん、バレバレだっつうの。……ばーか」
フィリアはそんな事を言いながら、剣を再び構え直す。
こうしていると、普段通りなんだよな。
フィリアは元々口調は悪かったけど、最近ちょっと制服を着崩したり髪を染めたりと、ちょっと不良っぽくなって来ていた。
少し心配だったのだが、まあ何時ものフィリアっぽいし、まあいいか。
「はっ!」
フィリアは俺に向かって勢いよく切り込んでくる。
俺はその斬撃を躱しながらフィリアと距離を取ると、またレーアが視界に映り込んできた。
そうだ、俺の話は終わっていない。
俺が聞いて欲しい話しっていうのは、今日レーアに告白しようと思うって事だ。
副会長に選ばれる位には仲が良いし、完全に脈なしって事はないと思う。
それに告白が成功すれば、レーアと……ふふふ。
「隙あり!」
ドガッ!
「痛え!」
俺は再びフィリアに打たれながら、告白が成功した後の事を考えていた。
◇
私の名前はフィリア・バッド。
ネットラレ王立学院の5学年生だ。
今、私は滅茶苦茶機嫌が悪い。
幼馴染みのクロイスが鼻の下を伸ばしながらレーアの方を見ているからだ。
ここは何時もより強めに木剣をふるって、痛めつけてやるしかないだろう。
「隙あり!」
私の振るった木剣がクロイスの胴を捕らえた。
ドガッ!
「痛え!」
クロイスは痛がりながらも、まだ鼻の下を伸ばしている。
……今日はボコボコにしてやるんだから。
今日の剣術の授業は私刑を執行することにした。
◇
私の名前はユイ・ガール。
ネットラレ王立学院の4学年生。
今日は王太女であらせらるアイナ様が学院で演説するんだって。
そのために、全学院生が訓練場に集められたんだよね。
あっ、クロイス様を発見。
いやぁ、クロイス様は今日も素敵だ。
何とか、お近づきになりたいんだけど、男爵家の私じゃちょっと難しいんだよね。
それでも既成事実さえ作ってしまえば何とかなると思うんから、ちょっと頑張らないとね。
「皆さん、お待たせしました。アイナ様の演説が始まります」
おっと、演説が始まる。
内容なんてどうでもいいけど、真面目に聞いてる振りだけはしないと。
「皆さん。アイナです――」
私は心を無心にして、アイナ様の話を右から左に聞き流しつつ、必死に演説を聴いていた。
………………
…………
……
「おいっ、誰だあいつ?」
「いや、知らねえよ」
はっ! いけない、うっかり意識を深淵に落としていた。
周りが何やらざわついている。
それに私と皆向いている方向が違う。
私は慌てて、皆と同じ方向へと向き直った。
私が振り返った先には男が一人、女を多数後ろに従えており、何故か裸で、えっ、しゃぶってる!
「シンゴ様♡有り難いお言葉をお願いします♡」
私が驚いていると、アイナ様は男の事をシンゴと呼び、どうやら、そのシンゴが何か話す所のようだ。
「えー、それでは手短に。今からここにいる美少女は俺とセックスをして貰います。あっ、どうやら先生の中に美女の方もいるので、その方も俺とセックスして貰います。それ以外の方はしばらく監禁することになるのでよろしくね」
何を言っているのだろう?
私には全然理解できなかった。
そして、理解できない私の前にシンゴと呼ばれた男が突然現れる。
「えっ?」
「転位」
男が私に触れて、言葉を発した次の瞬間、私は薄暗い部屋の中にいた。
「ああ、来ましたね」
「はい、早速拘束しましょう」
声がする方を見ると、茶髪のおさげの女と緑髪の女が立っていた。
えっ? ちょっと待って!
「よっと、ほら、暴れないでください」
私は、二人に後ろ手で拘束具をつけられて、拘束された。
「まって! 待ってよ!」
私は必死に声をあげたけど、二人は無視して私を机の上にのせた。
「はーい、脚をガバッと開きましょうね」
そして、両足を無理矢理開かされる。
だ、だめだ。すごい力だ。
抵抗を試みたけど、私の抵抗などまるで無いかのように、二人に両足を開かされる。
そして、壁から伸びている拘束具に両足を固定された。
両手の拘束具も机の上で固定され、私は身動きできなくなる。
「うん、良い感じでエロいですね。これならシンゴ様も喜んでくれるでしょう」
「まって、スカートは自分で捲りたいでしょうし、下着はスカートで隠しておきましょう」
「ああ、それはいいですね。ついでに衣服の乱れは整えておきましょう」
二人はそう言って、私の衣服の乱れを整える。
「ちょっと、何なの、説明してよ!」
私は精一杯の声を出して、二人に説明を求めた。
「ああ、貴方はこれからシンゴ様とセックスするんですよ」
「よかったですね。この部屋に飛ばされたと言うことは、幹部入りと言うことですからね」
彼女達が何を言っているのか、私にはさっぱりわからなかった。
セックス? シンゴ? えっ、さっきの男と?
「ええー!」
私の悲鳴が薄暗い部屋で反響していた。
◇
私の名前はエルーナ・シャーイ。
ネットラレ王立学院で先生をやっている。
オマケにS級冒険者でもある。
なのに、全くモテない。
自分で言うのもなんだが、容姿は悪くないはず。
何で何だろうか……
今日はアイナ様が演説をされると言うことで、訓練場に集まっている。
アイナ様の演説が終わった所で、シンゴという男を紹介された。
このシンゴという男、一目見ただけでやばい奴だとわかった。
裸で女に、しゃぶ……咥え……その、奉仕させているのも十分にやばい事だが、そうじゃない。
奴には隙がなさ過ぎる。
今まで会ったどんな奴よりも洗練された動きだ。
アイツは人間なのか?
そんな事を考えていると、シンゴと言う男が話し始めた。
「えー、それでは手短に。今からここにいる美少女は俺とセックスをして貰います。あっ、どうやら先生の中に美女の方もいるので、その方も俺とセックスして貰います。それ以外の方はしばらく監禁することになるのでよろしくね」
な、何を言っているんだ?
せ、せっく……そんな破廉恥な!
シンゴという男の言葉に皆が呆気にとられていると、シンゴは瞬時に移動した。
速い!
目で全く終えなかった。
そして、女生徒に手で触れると、瞬時に女生徒が消えていなくなった。
何をしたんだ? いや、それよりも生徒を守らないと!
私は剣を抜き、男に斬りかかった。
◇
私の名前はレーア・アーナー。
ネットラレ王立学院の5学年生よ。
私は力を間違った事に使う事が許せない。
両親からそうやって教わってきたし、聖典にもしっかりと書いてあるわ。
だから、ユイを消したシンゴと言う男は絶対に許せない。
エルーナ先生が相手をしていたけど、攻撃が全く聞いていないし、男に拘束されてしまった。
エルーナ先生が勝てない相手に私が勝てるはずはない。
だけど、私の正義が助けに行かないなんて許さなかった。
私は意を決して一歩踏み出した、しかし。
アイナ様が目の前に立ちはだかった。
「レーア。悪いけどここは通さないわよ。シンゴ様が今良いところなの」
「アイナ様。失望しました。あんな奴の言うことを聞くなんて」
「ふふっ、貴方もすぐに分かるわ」
「そうですか、でも、お忘れですか? 貴方は私よりも弱いって事を!」
私は剣を抜いてアイナ様に斬りかかった。
王族だろうと関係ない。
私の正義に反する者は斬る!
ガギィィン!
うそっ! いつの間に!
無防備に立っていたアイナ様がいつの間にか剣を抜き、私の剣を受け止めていた。
「ふふふ、そうですね。ほんの数日前まではアナタの方が強かったでしょうね。はあっ!」
「きゃあ!」
うそっ!
アイナ様に思いっきりはじき飛ばされた。
私が知っているアイナ様より、格段に力が強い。
体勢を立て直して前を向くと、そこにアイナ様の姿はなかった。
「遅い」
「えっ?」
ドガッ! っと脇腹に衝撃が走り、身体に電流が流れたような感覚に力が抜け、剣を落としてしまう。
そして、そのままアイナ様に組み伏せられる。
「ぐっ、この!」
抜け出そうともがいてみても、アイナ様はビクともしない。
同じ聖痕持ちではあるが、私の方が剣術も力も上だったはずだ。
「ど、どうして!?」
「それもすぐに分かります。それに貴方はとびきりの美少女だから、すぐに私と同じ位強くして貰えるでしょうね」
あのシンゴと言う奴が何かしたって言うの?
「あひぃ~~~~~っ♡」
大きな声がして、そちらを見ると男に肉棒を突き入れられた、エルーナ先生の姿が見えた。
「先生!」
「はぁ♡良いわねぇ♡肉棒を突っ込んで貰えて♡」
私は何とか拘束を解こうと頑張ったけど、アイナ様はやはりビクともしない。
それどころか、興奮して息を吐き、あの男の行為を賞賛している。
「アイナ様! エルーナ先生が強姦されているんですよ!」
「ふふふっ、違いますよ。あれは儀式みたいなものです。貴方もすぐにああなるんですよ。ほら、エルーナ先生をよく見てみなさい」
私はもう一度エルーナ先生を見た。
「あっ♡あっ♡あっ♡すごいっ♡もっと♡もっと突いて~~~~~っ♡」
エルーナ先生は歓喜の声をあげて、男の肉棒を欲しているようにしか見えなかった。
「そ、そんな……エルーナ先生……ど、どんな秘宝を使ったのですか! 聖痕持ちのエルーナ先生があんなすぐに堕ちるはずがありません!」
「秘宝など使っていませんよ。最初に言ったではありませんか。シンゴ様はこの世界を統べる神だと」
神って……そんな存在が現世にいる訳がない。
神々は遙か昔に現世から去っている。
……そうか、邪神!
邪神だけは現世に封印されたままになっているはず。
ま、まさかあのシンゴと言う男は邪神?
いや、邪神だったらあんなセックスに拘る猿ではないはず。
でも、エルーナ先生を簡単に拘束したり、アイナ様を強化したのは邪神の力でなければ説明がつかない。
邪神そのものではなくても、邪神の眷属という説は考えられる。
「アイナ様! 邪神などに負けてはいけません! 正気を取り戻してください!」
「はぁ、シンゴ様を邪神呼ばわりするなんて、少しシンゴ様の有り難みを教えてあげないといけませんね」
アイナ様はそう言うなり、私の密壺に指を這わせた。
「ひゃぁっ♡」
クチュクチュ♡ クチュクチュ♡ クチュクチュ♡ クチュクチュ♡
な、何っ♡ 身体に電流がっ♡ ち、力が抜けてっ♡ ……き、気持ちいいぃぃぃ♡
「ふふふっ、どうですか? シンゴ様から与えられた力ですよ?」
クチュクチュ♡ クチュクチュ♡ クチュクチュ♡ クチュクチュ♡
「あっ♡あっ♡あっ♡すごいっ♡」
気持ちいいぃぃぃ~~~~~っ♡
私はアイナ様に遙かなる高みへと連れていかれた。
◇ クロイス視点
くそっ!
一体何なんだよ!
アイナ様が紹介したシンゴという男が女生徒を転位させてから、周りはパニックに陥っている。
「おい、何だこれ! ここから先に進めないぞ!」
「結界だ。結界が張られているぞ!」
外に出ようとした生徒達は結界に遮られているようで、入り口の辺りは大量の生徒で溢れかえっていた。
どうしてこんなことに、おいおい、今日の告白はどうしてくれるんだよ。
そう言えば、レーアはどこに……いた。
レーアは何故かアイナ様に組み伏せられていた。
助けないと!
「よいしょっと」
えっ?
俺がレーアの元に動き出そうとすると、背後から声が聞こえ、気づいたら目の前に床があった。
「ぐあっ!」
転倒させられたと気づいたのは、身体に衝撃を受け、情けない声が口から出た後だった。
「クロイス先輩は拘束させて貰いますね」
そして、体勢を整える間もなく、身体を何かの道具で拘束された。
首を動かして、声のする方を見ると、短いスカートの中に純白のパンツが覗いているのが見えた。
更に視線を上に動かすと、ルーシア様のお顔を確認する事ができた。
えっ? 何でルーシア様が俺を拘束してるんだ?
いや、それよりも、両足と両手が後ろで繋がれて、身動きが取れない!
「そこで大人しくしていて下さい」
そう言い残して、ルーシア様は俺を置き去りした。
「おっ、おい! ちょっと待ってくれ!」
訳が分からず混乱している俺を正気に戻したのは、聞き慣れた女の喘ぎ声だった。
「あっ♡あっ♡あっ♡すごいっ♡」
レーア!
俺は身体をくねらせて、レーアの方を見る。
レーアはアイナ様に下半身を弄られて、可愛い声を出していた。
なっ、何てエロいんだ。
いやいや、見ている場合じゃない、助けないと。
だけど、両手両足を拘束されている俺に出来る事などなかった。
結局、俺はずっとレーアの喘いでいる姿を目に焼き付けていた。
その後、俺達は鎮圧された。
シンゴという男がレーアの所に行き、レーアと何か言い争った後にレーアを消してしまった。
レーア!
くそぉおおお!
絶対許さないぞ、あのシンゴという男!
俺がシンゴという男に憎悪の念を燃やしていると、遂に俺の番がきた。
えっ、あっ、待って、俺、死にたくない!
「転位」
シンゴという男が声を発すると、俺の視界がぼやけ、次の瞬間には薄暗い部屋の中にいた。
そして、次々と男子生徒が同じ部屋へと送られてくる。
ふう、消された訳じゃなかったのか、助かったぞ。
待てよ、と言うことはレーアも何処か別の場所に飛ばされただけで生きているはず。
よし、待ってろよレーア。
俺が絶対に助けだしてやるぞ。
そして、あのシンゴという男は絶対にぶっ飛ばしてやる。
俺は心の中で、絶対にあの男を倒すと決めたのだった。
ネットラレ王立学院の5学年生だ。
突然だが聞いて欲しい。
実は俺には片思いをしている女性がいる。
その女性の名前はレーア・アーナー。
アーナー伯爵家の次女であり、この学院の生徒会長で主席でもある。
とても可愛らしい顔立ちをしており、珊瑚色の長い髪に大きな胸をお持ちで、俺には理想の女性だ。
「まだまだ、甘いな!」
「くっ、もう一度お願いします」
今、レーアはエルーナ先生と剣術の訓練をしている。
現役S級冒険者のエルーナ先生とまともに剣で打ち合えるなんて、レーアは剣術も凄いな。
ドガッ!
「痛え!」
「よそ見してるんじゃねえよ」
そう、今は剣術の授業中だ。
俺も幼なじみであるフィリアと剣の訓練をしていた。
「どうせ、またレーアの方を見てたんだろう」
「み、見てないし!」
「ふん、バレバレだっつうの。……ばーか」
フィリアはそんな事を言いながら、剣を再び構え直す。
こうしていると、普段通りなんだよな。
フィリアは元々口調は悪かったけど、最近ちょっと制服を着崩したり髪を染めたりと、ちょっと不良っぽくなって来ていた。
少し心配だったのだが、まあ何時ものフィリアっぽいし、まあいいか。
「はっ!」
フィリアは俺に向かって勢いよく切り込んでくる。
俺はその斬撃を躱しながらフィリアと距離を取ると、またレーアが視界に映り込んできた。
そうだ、俺の話は終わっていない。
俺が聞いて欲しい話しっていうのは、今日レーアに告白しようと思うって事だ。
副会長に選ばれる位には仲が良いし、完全に脈なしって事はないと思う。
それに告白が成功すれば、レーアと……ふふふ。
「隙あり!」
ドガッ!
「痛え!」
俺は再びフィリアに打たれながら、告白が成功した後の事を考えていた。
◇
私の名前はフィリア・バッド。
ネットラレ王立学院の5学年生だ。
今、私は滅茶苦茶機嫌が悪い。
幼馴染みのクロイスが鼻の下を伸ばしながらレーアの方を見ているからだ。
ここは何時もより強めに木剣をふるって、痛めつけてやるしかないだろう。
「隙あり!」
私の振るった木剣がクロイスの胴を捕らえた。
ドガッ!
「痛え!」
クロイスは痛がりながらも、まだ鼻の下を伸ばしている。
……今日はボコボコにしてやるんだから。
今日の剣術の授業は私刑を執行することにした。
◇
私の名前はユイ・ガール。
ネットラレ王立学院の4学年生。
今日は王太女であらせらるアイナ様が学院で演説するんだって。
そのために、全学院生が訓練場に集められたんだよね。
あっ、クロイス様を発見。
いやぁ、クロイス様は今日も素敵だ。
何とか、お近づきになりたいんだけど、男爵家の私じゃちょっと難しいんだよね。
それでも既成事実さえ作ってしまえば何とかなると思うんから、ちょっと頑張らないとね。
「皆さん、お待たせしました。アイナ様の演説が始まります」
おっと、演説が始まる。
内容なんてどうでもいいけど、真面目に聞いてる振りだけはしないと。
「皆さん。アイナです――」
私は心を無心にして、アイナ様の話を右から左に聞き流しつつ、必死に演説を聴いていた。
………………
…………
……
「おいっ、誰だあいつ?」
「いや、知らねえよ」
はっ! いけない、うっかり意識を深淵に落としていた。
周りが何やらざわついている。
それに私と皆向いている方向が違う。
私は慌てて、皆と同じ方向へと向き直った。
私が振り返った先には男が一人、女を多数後ろに従えており、何故か裸で、えっ、しゃぶってる!
「シンゴ様♡有り難いお言葉をお願いします♡」
私が驚いていると、アイナ様は男の事をシンゴと呼び、どうやら、そのシンゴが何か話す所のようだ。
「えー、それでは手短に。今からここにいる美少女は俺とセックスをして貰います。あっ、どうやら先生の中に美女の方もいるので、その方も俺とセックスして貰います。それ以外の方はしばらく監禁することになるのでよろしくね」
何を言っているのだろう?
私には全然理解できなかった。
そして、理解できない私の前にシンゴと呼ばれた男が突然現れる。
「えっ?」
「転位」
男が私に触れて、言葉を発した次の瞬間、私は薄暗い部屋の中にいた。
「ああ、来ましたね」
「はい、早速拘束しましょう」
声がする方を見ると、茶髪のおさげの女と緑髪の女が立っていた。
えっ? ちょっと待って!
「よっと、ほら、暴れないでください」
私は、二人に後ろ手で拘束具をつけられて、拘束された。
「まって! 待ってよ!」
私は必死に声をあげたけど、二人は無視して私を机の上にのせた。
「はーい、脚をガバッと開きましょうね」
そして、両足を無理矢理開かされる。
だ、だめだ。すごい力だ。
抵抗を試みたけど、私の抵抗などまるで無いかのように、二人に両足を開かされる。
そして、壁から伸びている拘束具に両足を固定された。
両手の拘束具も机の上で固定され、私は身動きできなくなる。
「うん、良い感じでエロいですね。これならシンゴ様も喜んでくれるでしょう」
「まって、スカートは自分で捲りたいでしょうし、下着はスカートで隠しておきましょう」
「ああ、それはいいですね。ついでに衣服の乱れは整えておきましょう」
二人はそう言って、私の衣服の乱れを整える。
「ちょっと、何なの、説明してよ!」
私は精一杯の声を出して、二人に説明を求めた。
「ああ、貴方はこれからシンゴ様とセックスするんですよ」
「よかったですね。この部屋に飛ばされたと言うことは、幹部入りと言うことですからね」
彼女達が何を言っているのか、私にはさっぱりわからなかった。
セックス? シンゴ? えっ、さっきの男と?
「ええー!」
私の悲鳴が薄暗い部屋で反響していた。
◇
私の名前はエルーナ・シャーイ。
ネットラレ王立学院で先生をやっている。
オマケにS級冒険者でもある。
なのに、全くモテない。
自分で言うのもなんだが、容姿は悪くないはず。
何で何だろうか……
今日はアイナ様が演説をされると言うことで、訓練場に集まっている。
アイナ様の演説が終わった所で、シンゴという男を紹介された。
このシンゴという男、一目見ただけでやばい奴だとわかった。
裸で女に、しゃぶ……咥え……その、奉仕させているのも十分にやばい事だが、そうじゃない。
奴には隙がなさ過ぎる。
今まで会ったどんな奴よりも洗練された動きだ。
アイツは人間なのか?
そんな事を考えていると、シンゴと言う男が話し始めた。
「えー、それでは手短に。今からここにいる美少女は俺とセックスをして貰います。あっ、どうやら先生の中に美女の方もいるので、その方も俺とセックスして貰います。それ以外の方はしばらく監禁することになるのでよろしくね」
な、何を言っているんだ?
せ、せっく……そんな破廉恥な!
シンゴという男の言葉に皆が呆気にとられていると、シンゴは瞬時に移動した。
速い!
目で全く終えなかった。
そして、女生徒に手で触れると、瞬時に女生徒が消えていなくなった。
何をしたんだ? いや、それよりも生徒を守らないと!
私は剣を抜き、男に斬りかかった。
◇
私の名前はレーア・アーナー。
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私は力を間違った事に使う事が許せない。
両親からそうやって教わってきたし、聖典にもしっかりと書いてあるわ。
だから、ユイを消したシンゴと言う男は絶対に許せない。
エルーナ先生が相手をしていたけど、攻撃が全く聞いていないし、男に拘束されてしまった。
エルーナ先生が勝てない相手に私が勝てるはずはない。
だけど、私の正義が助けに行かないなんて許さなかった。
私は意を決して一歩踏み出した、しかし。
アイナ様が目の前に立ちはだかった。
「レーア。悪いけどここは通さないわよ。シンゴ様が今良いところなの」
「アイナ様。失望しました。あんな奴の言うことを聞くなんて」
「ふふっ、貴方もすぐに分かるわ」
「そうですか、でも、お忘れですか? 貴方は私よりも弱いって事を!」
私は剣を抜いてアイナ様に斬りかかった。
王族だろうと関係ない。
私の正義に反する者は斬る!
ガギィィン!
うそっ! いつの間に!
無防備に立っていたアイナ様がいつの間にか剣を抜き、私の剣を受け止めていた。
「ふふふ、そうですね。ほんの数日前まではアナタの方が強かったでしょうね。はあっ!」
「きゃあ!」
うそっ!
アイナ様に思いっきりはじき飛ばされた。
私が知っているアイナ様より、格段に力が強い。
体勢を立て直して前を向くと、そこにアイナ様の姿はなかった。
「遅い」
「えっ?」
ドガッ! っと脇腹に衝撃が走り、身体に電流が流れたような感覚に力が抜け、剣を落としてしまう。
そして、そのままアイナ様に組み伏せられる。
「ぐっ、この!」
抜け出そうともがいてみても、アイナ様はビクともしない。
同じ聖痕持ちではあるが、私の方が剣術も力も上だったはずだ。
「ど、どうして!?」
「それもすぐに分かります。それに貴方はとびきりの美少女だから、すぐに私と同じ位強くして貰えるでしょうね」
あのシンゴと言う奴が何かしたって言うの?
「あひぃ~~~~~っ♡」
大きな声がして、そちらを見ると男に肉棒を突き入れられた、エルーナ先生の姿が見えた。
「先生!」
「はぁ♡良いわねぇ♡肉棒を突っ込んで貰えて♡」
私は何とか拘束を解こうと頑張ったけど、アイナ様はやはりビクともしない。
それどころか、興奮して息を吐き、あの男の行為を賞賛している。
「アイナ様! エルーナ先生が強姦されているんですよ!」
「ふふふっ、違いますよ。あれは儀式みたいなものです。貴方もすぐにああなるんですよ。ほら、エルーナ先生をよく見てみなさい」
私はもう一度エルーナ先生を見た。
「あっ♡あっ♡あっ♡すごいっ♡もっと♡もっと突いて~~~~~っ♡」
エルーナ先生は歓喜の声をあげて、男の肉棒を欲しているようにしか見えなかった。
「そ、そんな……エルーナ先生……ど、どんな秘宝を使ったのですか! 聖痕持ちのエルーナ先生があんなすぐに堕ちるはずがありません!」
「秘宝など使っていませんよ。最初に言ったではありませんか。シンゴ様はこの世界を統べる神だと」
神って……そんな存在が現世にいる訳がない。
神々は遙か昔に現世から去っている。
……そうか、邪神!
邪神だけは現世に封印されたままになっているはず。
ま、まさかあのシンゴと言う男は邪神?
いや、邪神だったらあんなセックスに拘る猿ではないはず。
でも、エルーナ先生を簡単に拘束したり、アイナ様を強化したのは邪神の力でなければ説明がつかない。
邪神そのものではなくても、邪神の眷属という説は考えられる。
「アイナ様! 邪神などに負けてはいけません! 正気を取り戻してください!」
「はぁ、シンゴ様を邪神呼ばわりするなんて、少しシンゴ様の有り難みを教えてあげないといけませんね」
アイナ様はそう言うなり、私の密壺に指を這わせた。
「ひゃぁっ♡」
クチュクチュ♡ クチュクチュ♡ クチュクチュ♡ クチュクチュ♡
な、何っ♡ 身体に電流がっ♡ ち、力が抜けてっ♡ ……き、気持ちいいぃぃぃ♡
「ふふふっ、どうですか? シンゴ様から与えられた力ですよ?」
クチュクチュ♡ クチュクチュ♡ クチュクチュ♡ クチュクチュ♡
「あっ♡あっ♡あっ♡すごいっ♡」
気持ちいいぃぃぃ~~~~~っ♡
私はアイナ様に遙かなる高みへと連れていかれた。
◇ クロイス視点
くそっ!
一体何なんだよ!
アイナ様が紹介したシンゴという男が女生徒を転位させてから、周りはパニックに陥っている。
「おい、何だこれ! ここから先に進めないぞ!」
「結界だ。結界が張られているぞ!」
外に出ようとした生徒達は結界に遮られているようで、入り口の辺りは大量の生徒で溢れかえっていた。
どうしてこんなことに、おいおい、今日の告白はどうしてくれるんだよ。
そう言えば、レーアはどこに……いた。
レーアは何故かアイナ様に組み伏せられていた。
助けないと!
「よいしょっと」
えっ?
俺がレーアの元に動き出そうとすると、背後から声が聞こえ、気づいたら目の前に床があった。
「ぐあっ!」
転倒させられたと気づいたのは、身体に衝撃を受け、情けない声が口から出た後だった。
「クロイス先輩は拘束させて貰いますね」
そして、体勢を整える間もなく、身体を何かの道具で拘束された。
首を動かして、声のする方を見ると、短いスカートの中に純白のパンツが覗いているのが見えた。
更に視線を上に動かすと、ルーシア様のお顔を確認する事ができた。
えっ? 何でルーシア様が俺を拘束してるんだ?
いや、それよりも、両足と両手が後ろで繋がれて、身動きが取れない!
「そこで大人しくしていて下さい」
そう言い残して、ルーシア様は俺を置き去りした。
「おっ、おい! ちょっと待ってくれ!」
訳が分からず混乱している俺を正気に戻したのは、聞き慣れた女の喘ぎ声だった。
「あっ♡あっ♡あっ♡すごいっ♡」
レーア!
俺は身体をくねらせて、レーアの方を見る。
レーアはアイナ様に下半身を弄られて、可愛い声を出していた。
なっ、何てエロいんだ。
いやいや、見ている場合じゃない、助けないと。
だけど、両手両足を拘束されている俺に出来る事などなかった。
結局、俺はずっとレーアの喘いでいる姿を目に焼き付けていた。
その後、俺達は鎮圧された。
シンゴという男がレーアの所に行き、レーアと何か言い争った後にレーアを消してしまった。
レーア!
くそぉおおお!
絶対許さないぞ、あのシンゴという男!
俺がシンゴという男に憎悪の念を燃やしていると、遂に俺の番がきた。
えっ、あっ、待って、俺、死にたくない!
「転位」
シンゴという男が声を発すると、俺の視界がぼやけ、次の瞬間には薄暗い部屋の中にいた。
そして、次々と男子生徒が同じ部屋へと送られてくる。
ふう、消された訳じゃなかったのか、助かったぞ。
待てよ、と言うことはレーアも何処か別の場所に飛ばされただけで生きているはず。
よし、待ってろよレーア。
俺が絶対に助けだしてやるぞ。
そして、あのシンゴという男は絶対にぶっ飛ばしてやる。
俺は心の中で、絶対にあの男を倒すと決めたのだった。
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何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
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