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第二十五章
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―女王と花―
夢を見た
僕の前に黒々とした運河が流れ
小舟に乗った志那の女王のように美しい人が
花を片手に僕のもとにやってきた
黒曜石の瞳
緋の唇が怪しく微笑みをたたえ
そして僕にその一輪の花を差し出す
花は濃く甘い蜜のような香りを放っている
僕はあまりに甘美な気持ちになり
夢の中そのままにその花を受け取ろうとした
しかしその時現実の昨日の出来事が
僕の脳裏をよぎった
僕が愛した少女に僕が同じように
花をささげようとしたこと
花は受け取られなかった
僕の想いは届かなかった
僕はそのまま家に帰って泣きながらこの世界から逃げるように
眠りについた
そして僕は今こう思う
いっそこの美しい人の花を受け取れたら
どれほどよいかと
しかしそれでは僕は僕の愛した少女への
想いを裏切ることになる
たとえ届かぬ想いだとしても
僕はそれを捨てたくはない
届かない想いにも意味はあったのだから
僕は首を振り花を受け取らなかった
女王は悲しい目をして船と一緒に
去っていった
そして僕は目覚めた
自分の部屋で
外では雨が降っていた
そして今僕はこう思う
もしあの美しい女王の花を受け取っていたら
僕は二度と目覚めず死んでいたかもしれないと
彼女は黄泉の国の女王だったのかもしれないと―
夢を見た
僕の前に黒々とした運河が流れ
小舟に乗った志那の女王のように美しい人が
花を片手に僕のもとにやってきた
黒曜石の瞳
緋の唇が怪しく微笑みをたたえ
そして僕にその一輪の花を差し出す
花は濃く甘い蜜のような香りを放っている
僕はあまりに甘美な気持ちになり
夢の中そのままにその花を受け取ろうとした
しかしその時現実の昨日の出来事が
僕の脳裏をよぎった
僕が愛した少女に僕が同じように
花をささげようとしたこと
花は受け取られなかった
僕の想いは届かなかった
僕はそのまま家に帰って泣きながらこの世界から逃げるように
眠りについた
そして僕は今こう思う
いっそこの美しい人の花を受け取れたら
どれほどよいかと
しかしそれでは僕は僕の愛した少女への
想いを裏切ることになる
たとえ届かぬ想いだとしても
僕はそれを捨てたくはない
届かない想いにも意味はあったのだから
僕は首を振り花を受け取らなかった
女王は悲しい目をして船と一緒に
去っていった
そして僕は目覚めた
自分の部屋で
外では雨が降っていた
そして今僕はこう思う
もしあの美しい女王の花を受け取っていたら
僕は二度と目覚めず死んでいたかもしれないと
彼女は黄泉の国の女王だったのかもしれないと―
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