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第2話
美女コンテストの戦い①
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野外ステージの上を軽快な音楽に乗せて、水着の美女たちが次々と現れては消えた。
美女たちがポーズを取るたびに、観客たちから歓声と拍手がわく。
ここは美人コンテストの会場だ。
童夢は警備員として駆り出され、全体が見渡せる観客席の最後部にいた。
犯罪組織アヌスの一味が現れても、ここならすぐわかるだろう。
「で、所長は何でここにいるんですか?」
「アヌス一味の目的が、若い美女だと分かったからには、男として女性たちを守らにゃいかんからな」
所長の中田志は双眼鏡を手に、食い入るようにステージを見ていた。
「わしの秘密兵器、アナグマがあれば、奴らも手が出せんよ」
中田志は自慢げに背中のバッグを叩いた。
アナグマとは、個人シェルターとも呼ばれている野営用テントのことだ。
特殊な繊維鋼で作られ、1トンの衝撃に耐えるといわれる軍事装備の一つだ。
だが、民間人が持つには政府の許可がいるはずなのだが……。
「はあ……どうせ所長の目当ては、水着美女でしょう? でも、本当にアヌス一味が現れるんですかね。俺は、外郭パトロールの方が性に合ってるけどな」
童夢がため息をつくように言うと、
『童夢の好きな、豊名さんの頼みだから、しょうがないじゃないか』
と、カメ吉の奴がまた余計なことを……。
ヒトデ怪人の襲来で事務所が破壊され、ようやく扉が修理された頃、美人ポリスの豊名が童夢を訪ねてきたのだ。
検査入院の事が気になったが、豊名の顔を見た童夢はなぜかホッとした。
「先日は、栗都と参堂がご迷惑をかけて、お詫びしますわ」
豊名が頭をさげると、胸の谷間を強調した服の豊満な胸が揺れた。
「いやいや、とんでもない。役所から多大な見舞金が出ましたからな、ガーディアン協会の保険も下りて、前より立派な扉がつけられましたよ。ハハハ」
栗都とは違うタイプの美女に、相変わらず美人に弱い所長がニヤつきながら言った。
「ところで、今日は何のご用で?」
「実は……」
と言って、豊名が依頼してきたのが美人コンテストの警備だ。
犯罪組織アヌスが出場者を狙っているとの情報が寄せられたが、東京自治政府総督の肝入りで始められたコンテストを中止するわけにもいかず、かといって民間のイベント警備に、表立って甲殻ポリスが動くわけにもいかなかった。
そこで、童夢たちガーディアンに白羽の矢が立ったのだ。
当日は豊名もコンテストの参加者として、内部から目を光らせると言った。
「大丈夫なんですか? この前みたいなことになったら……」
童夢は、エビ人間に犯されていた豊名の裸を思い出し、ドギマギしながら言うと、
「心配いりません。今回は私がついていますので、豊名には指一本触れさせません」
と、力強く言ったのは、同伴してきた甲殻ポリスの院圭だ。
この精悍な四角い顔の男に、童夢は少しモヤっとしながら、
「でも……彼奴らは……だし……」
と、モゴモゴ言いよどんでいると、
「心配してくれてるのね。ありがとう、優しいのね。童夢さん」
と、豊名がキラキラした瞳で笑いかけた。
その笑顔一発で、童夢のイベント警備員が決まった。
「豊名さんと親密になれるチャンスだぞ」
耳元で囁く所長の言葉も、童夢の背中を押したようだ。
豊名の水着姿を期待しながら、あたりに目を光らせていると、
「きゃー」
という甲高い女性の悲鳴が聞こえた。
ドン! と鈍い爆発音とともに、あたり一面に白煙が広がった。
しまった、どうやらステージの裏だ。
パニックになった観客たちが、悲鳴をあげながら出入り口に殺到している。
イベントスタッフや警備員が誘導しているが、収拾がつかない。
「カメ吉! 戦闘レベル1」
『がってん承知』
ステージに向かい、走りながら変身した。
見ると、ステージ上は黒ずくめの奇怪な集団が占拠していた。
彼らは、まるで獣のようにギイギイと奇声を発し、武装したガーディアンたちを威嚇している。
『ステージの裏に、異様な波動が二つ』
カメ吉のレーダーが、怪人の姿を捉えた。
童夢も人工外耳の感度を上げて、視界を遮る白煙を探った。
バチバチバチ! と閃光が轟いた。
ガチャン! と椅子だけになった観客席に二つの影が転がり込んできた。
ブヨブヨと太ったトゲだらけの怪人と、甲殻ポリスの院圭が戦っていた。
「院圭さん!」
童夢の叫ぶ声に院圭が反応した。
「トラックが突っ込んできた! 豊名が危ない! ステージの裏だ!」
まるでフグのような丸い怪人が、ギロリと童夢に顔を向けた。
「お前がチンポーか!」
フグ怪人が怒気を含んだ声で叫んだ。
美女たちがポーズを取るたびに、観客たちから歓声と拍手がわく。
ここは美人コンテストの会場だ。
童夢は警備員として駆り出され、全体が見渡せる観客席の最後部にいた。
犯罪組織アヌスの一味が現れても、ここならすぐわかるだろう。
「で、所長は何でここにいるんですか?」
「アヌス一味の目的が、若い美女だと分かったからには、男として女性たちを守らにゃいかんからな」
所長の中田志は双眼鏡を手に、食い入るようにステージを見ていた。
「わしの秘密兵器、アナグマがあれば、奴らも手が出せんよ」
中田志は自慢げに背中のバッグを叩いた。
アナグマとは、個人シェルターとも呼ばれている野営用テントのことだ。
特殊な繊維鋼で作られ、1トンの衝撃に耐えるといわれる軍事装備の一つだ。
だが、民間人が持つには政府の許可がいるはずなのだが……。
「はあ……どうせ所長の目当ては、水着美女でしょう? でも、本当にアヌス一味が現れるんですかね。俺は、外郭パトロールの方が性に合ってるけどな」
童夢がため息をつくように言うと、
『童夢の好きな、豊名さんの頼みだから、しょうがないじゃないか』
と、カメ吉の奴がまた余計なことを……。
ヒトデ怪人の襲来で事務所が破壊され、ようやく扉が修理された頃、美人ポリスの豊名が童夢を訪ねてきたのだ。
検査入院の事が気になったが、豊名の顔を見た童夢はなぜかホッとした。
「先日は、栗都と参堂がご迷惑をかけて、お詫びしますわ」
豊名が頭をさげると、胸の谷間を強調した服の豊満な胸が揺れた。
「いやいや、とんでもない。役所から多大な見舞金が出ましたからな、ガーディアン協会の保険も下りて、前より立派な扉がつけられましたよ。ハハハ」
栗都とは違うタイプの美女に、相変わらず美人に弱い所長がニヤつきながら言った。
「ところで、今日は何のご用で?」
「実は……」
と言って、豊名が依頼してきたのが美人コンテストの警備だ。
犯罪組織アヌスが出場者を狙っているとの情報が寄せられたが、東京自治政府総督の肝入りで始められたコンテストを中止するわけにもいかず、かといって民間のイベント警備に、表立って甲殻ポリスが動くわけにもいかなかった。
そこで、童夢たちガーディアンに白羽の矢が立ったのだ。
当日は豊名もコンテストの参加者として、内部から目を光らせると言った。
「大丈夫なんですか? この前みたいなことになったら……」
童夢は、エビ人間に犯されていた豊名の裸を思い出し、ドギマギしながら言うと、
「心配いりません。今回は私がついていますので、豊名には指一本触れさせません」
と、力強く言ったのは、同伴してきた甲殻ポリスの院圭だ。
この精悍な四角い顔の男に、童夢は少しモヤっとしながら、
「でも……彼奴らは……だし……」
と、モゴモゴ言いよどんでいると、
「心配してくれてるのね。ありがとう、優しいのね。童夢さん」
と、豊名がキラキラした瞳で笑いかけた。
その笑顔一発で、童夢のイベント警備員が決まった。
「豊名さんと親密になれるチャンスだぞ」
耳元で囁く所長の言葉も、童夢の背中を押したようだ。
豊名の水着姿を期待しながら、あたりに目を光らせていると、
「きゃー」
という甲高い女性の悲鳴が聞こえた。
ドン! と鈍い爆発音とともに、あたり一面に白煙が広がった。
しまった、どうやらステージの裏だ。
パニックになった観客たちが、悲鳴をあげながら出入り口に殺到している。
イベントスタッフや警備員が誘導しているが、収拾がつかない。
「カメ吉! 戦闘レベル1」
『がってん承知』
ステージに向かい、走りながら変身した。
見ると、ステージ上は黒ずくめの奇怪な集団が占拠していた。
彼らは、まるで獣のようにギイギイと奇声を発し、武装したガーディアンたちを威嚇している。
『ステージの裏に、異様な波動が二つ』
カメ吉のレーダーが、怪人の姿を捉えた。
童夢も人工外耳の感度を上げて、視界を遮る白煙を探った。
バチバチバチ! と閃光が轟いた。
ガチャン! と椅子だけになった観客席に二つの影が転がり込んできた。
ブヨブヨと太ったトゲだらけの怪人と、甲殻ポリスの院圭が戦っていた。
「院圭さん!」
童夢の叫ぶ声に院圭が反応した。
「トラックが突っ込んできた! 豊名が危ない! ステージの裏だ!」
まるでフグのような丸い怪人が、ギロリと童夢に顔を向けた。
「お前がチンポーか!」
フグ怪人が怒気を含んだ声で叫んだ。
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