29 / 107
3章
図書館にて
しおりを挟む
大学図書館に向かう道すがら少しだけ考える。自分が今、本気でやりたいこと。
やりたいことは、賢の研究室に行って、教授の話を聞いて、その時に自分で考えないと分からない気がする。まだまだ知識を蓄えながら少しずつ知見を増やしているだけの段階だ。そんな状態だからこそやりたいことを探してもいいかもしれないが、本当の道を見つけてからの軌道修正を考えると時期尚早だと思った。
図書館に入ると、真夏の暑さとは真逆の涼しさがあった。たまたま空調のコントロールパネルを見つけると、冷房が20度でかけられていた。
間違いなく環境への配慮などしていないであろうその温度に今は感謝しつつ、資料がある棚へと直行する。そこには社会学に関する資料が並んでいる。全てを楽しくみる余裕はないのだろうが、必要なものは読んでいきたいと思っていた。社会とは何か、とは何か。
涼しい室内でのんびりと本を読みながらやることがないと思う。明確にはやることはあるのでただの現実逃避だが、早朝の図書館は現実逃避には1番の場所だった。
本を読んだり机に突っ伏したりしてもまだ朝の10時にもならない。食堂が開けばそっちの方が騒がしさということを除けば、快適かもしれない。現実逃避と読書の振り子運動の末、賢にメッセージを送る。
「今から研究室行こうかな」
「へいよー。おいで」
短い返信で、確実に意図がわかる。賢の了承も得ることができた。もう少ししたら研究室に行こう。荷物をまとめて借りる本は手続きをして、一休みしてから図書館を出る。
図書館を一歩出た瞬間から猛暑という言葉ですら表せないような暑さに見舞われる。そんな大学構内を歩きながら賢のいる研究室へと向かう。今日も資料と睨めっこしてるんだろうか。そんなことしか思いつかないが、とりあえず行くことにする。邪魔じゃないかという思いも抱えながら。
やりたいことは、賢の研究室に行って、教授の話を聞いて、その時に自分で考えないと分からない気がする。まだまだ知識を蓄えながら少しずつ知見を増やしているだけの段階だ。そんな状態だからこそやりたいことを探してもいいかもしれないが、本当の道を見つけてからの軌道修正を考えると時期尚早だと思った。
図書館に入ると、真夏の暑さとは真逆の涼しさがあった。たまたま空調のコントロールパネルを見つけると、冷房が20度でかけられていた。
間違いなく環境への配慮などしていないであろうその温度に今は感謝しつつ、資料がある棚へと直行する。そこには社会学に関する資料が並んでいる。全てを楽しくみる余裕はないのだろうが、必要なものは読んでいきたいと思っていた。社会とは何か、とは何か。
涼しい室内でのんびりと本を読みながらやることがないと思う。明確にはやることはあるのでただの現実逃避だが、早朝の図書館は現実逃避には1番の場所だった。
本を読んだり机に突っ伏したりしてもまだ朝の10時にもならない。食堂が開けばそっちの方が騒がしさということを除けば、快適かもしれない。現実逃避と読書の振り子運動の末、賢にメッセージを送る。
「今から研究室行こうかな」
「へいよー。おいで」
短い返信で、確実に意図がわかる。賢の了承も得ることができた。もう少ししたら研究室に行こう。荷物をまとめて借りる本は手続きをして、一休みしてから図書館を出る。
図書館を一歩出た瞬間から猛暑という言葉ですら表せないような暑さに見舞われる。そんな大学構内を歩きながら賢のいる研究室へと向かう。今日も資料と睨めっこしてるんだろうか。そんなことしか思いつかないが、とりあえず行くことにする。邪魔じゃないかという思いも抱えながら。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
3
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる