軌跡 Rev.1

ぽよ

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3章

2日目

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「よく寝た」
「おはよう」
「今何時?」
「朝7時だよ」
「あれ?そういえば俺布団に入ってたっけ」
「大の字で寝てたから入れてあげたよ」
「ありがとう」

    ホテルで起きると布団に包まれていた。会話から察するに布団ではない場所で眠っていたらしいことを再確認する。申し訳ないことをした。しかし、恋人は迷惑そうな顔はしていなかった。それならそれで良いのだが、罪悪感が残る。

「別にそんな顔しなくていいんだよ。可愛かったし」
「え、あぁ、うん」

    そう言われると照れてしまう。しかし、事実だったのだろう。仁も賢の寝顔を見たかったが、後の祭りだ。しかし、旅行中もしっかり早起きだ。賢の早起きがなかなかすごい気がしてきた。寝ぼけた頭を徐々に起こしながら、ふらふらと部屋を歩く。

「チェックアウトは10時とかでいいしのんびりしよう」
「お腹すいた」
「なるほど、そうきたか」

    ご飯を食べてすぐに寝たのに、朝起きたらお腹が空く。便利な体だ。賢はお腹が空いていないらしい。さらに昨日の夜の段階で朝ごはんを買い損ねている。
 ホテルの近くにコンビニがあったか怪しい。マップで検索する。

「ごはんかー」
「ごはんたべたい」
「コンビニでおにぎりを買おう」
「了解」

    ホテルを出て、コンビニに行く。朝ご飯の調達だ。チェックアウトの連絡をして、鍵を返却してからホテルを出る。そして、今日も続く快晴の中、歩いてご飯を探すのだ。

「完全に忘れてたんだけど」
「俺も忘れてたよ」

    適当に歩いた先にコンビニ。時刻はなんだかんだで朝8時。最近のコンビニはどこも24時間だ。つまり、いつ行っても開いているのである。

「おにぎり」
「パン」
「よーし」

    なぜかとても気合を入れている恋人を見る。とても可愛く見えた。こういった、今まで見えていなかった魅力が見えるのがとても楽しい。これからも、こんな関係が続いてほしい。コンビニで無事買い物を終えて、朝ごはんを歩きながら食べる。
 デートの2日目はもう始まっている。まだまだ朝の早い時間だが、それでも猛暑の影はやってきている。どう考えても8時の暑さではない暑さに二人ともうなされながら、だらだらと街を歩く。

「電車に乗ろう」
「うん?うん」
「今日も都会をふらふらしよう」
「はーい」

    快速電車に揺られて30分。そこに広がるのは、昨日と同じ、大都会だった。到着した頃には9時。まだのんびり遊ぶ時間はある。

「今日は何しようね」
「昨日行けなかった所行く?」
「なんかある?」
「探してみなきゃなんともいえないけど」

    大きな街を見渡しながら行ったことのない場所を探してみる。大学生ながらいろんなところにはいっていたつもりだが、街が変わればそんな夢も簡単に潰えるということがわかった。行ったことのない場所はたくさんあった。しかし、ここから歩くのはこの猛暑だと、流石に気が引ける。さぁ、どうしたものか。今はまだ駅の中だ。涼しい構内にいながら、のんびり考える。

「うーん」
「うーん」
「散歩でもするか」
「そうしよう」

    初めて歩く街。正確には昨日も歩いたのだが、広範囲を散歩というのは初である。だらだらと二人で歩く。そこで仁が提案する。

「手、繋いでもいい?」
「ん?うん。いいぞ」

    そういえば手を繋いでなかった、と思う。今までのデートでもそうだった。恋人とは、こういう存在だった。
 賢も、久しぶりにできた恋人だった。少しだけドキドキしながら、猛暑とは違う暖かさを感じながら街を歩く。デート2日目、いよいよスタート。ここからも、楽しくしたい。
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