完全に疲弊しきった官公庁勤務の女の子と同居するだけの話

ぽよ

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9話

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 いつの間にか寝ていた僕は、冬子さんの声で起きた。

「そんなところで寝たら風邪ひきますよ」
「え?えーっと、寝てました?」
「寝てましたね」
「今何時ですか?」
「21時です」
「結構寝てしまった気がするな」
「大丈夫ですよ。明日日曜日ですし」
「それはそうなんですけど」

 イベントと考え事が押し寄せた土曜日だった。突然襲来した冬子さん。買い出し、散歩、食事、そして風呂。何から何までいつもとは違うそれだった。しかし、これまでとは違う色を持った1日だった。2人とも風呂に入ったところで、布団を敷く。そして、思い出す。

「そういえば、布団1枚しかないんですけど」
「じゃあ私が家から配送しておきます」
「え、はい」
「今日は1枚で寝ましょう」
「シーツが特に汚いんですけど」
「寝れればなんとかなりますよ」
「はぁ」

 吹っ切れすぎている冬子さんに生返事を返すだけになる。湿気取りのシーツを敷いて、その上に敷布団とシーツと掛け布団を敷く。どうしようかと思いながら、シーツと枕カバーの相変わらずの様相に頭を抱える。

「この有様ですよ」
「なんとかなりますよ。多分」
「枕カバーは今取り替えますね」
「はい」
「シーツは毛布引いて凌ぎます。暑いですけど、我慢です」
「分かりました」

 にべも無い返答なのか、全てが吹っ切れているのか分からない。しかし、布団が1枚しか無い上にソファなんて豪華なものがない部屋で、ひとまずながら安全に寝てくれるのは有り難かった。

「自分は布団に入りますけど、冬子さんはどうします?」
「私も入ります」
「分かりました」

 スマートフォンの時計が22時を示していた。適当にSNSを見てから、充電器に差して布団に寝転がる。そこに冬子さんも入ってくる。

「私も寝ます。今日はなんだか疲れました」
「お疲れ様でした。おやすみなさい」
「おやすみなさい」

 布団の中で背を向けて、2人で眠りに落ちた。明日のことは明日考える。そんなことすらも考える暇なく夢の中へと吸い込まれていった。
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