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25話
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少しずつ暑くなる気候の中、駅までの道を歩く。そして、自分の中の気持ちに気付く。見送られて仕事に行くのが、こんなに安心するものだったことに。実家にいた頃には感じなかったことだった。
冬子さんのことがやっぱり気になる。しかし、仕事は仕事で行かなければ生活ができなくなる。何かあれば連絡すればいいし、家で何かがあれば、彼女から連絡が来るだろう。
駅まで歩いて電車に乗る。ここからはもう仕事が終わるまでは引き返せない。扉が閉まって電車が動き出す。今日もまた、ここから労働が始まる。
二駅乗って、電車を降りる。歩いて改札を抜けて少し歩けば職場。冬子さんと会っても、それは変化のないことだった。
会社でタイムカードを押して、社服に着替えて事務所に入る。
「おはようございます」
「おはようございます」
人は少なくても返事は必ず返ってくる。そんな当たり前のことも、朝のことがあると、ここで働き続けている理由の一つなのかもしれないと思う。
「なんかあったの?」
「え、なんか変ですか?」
「いつもよりニコニコしてる気がする」
「そうですかね」
完全に無自覚だったが、朝のことが影響しているのだろう。それが無自覚だったからこそ、色々な変化が自分に起きているということに気付かなければいけない時もあるかもしれない。
始業のチャイムが鳴り、本格的に今日の仕事が始まる。
「柿本、最近仕事どう?」
「暇です」
「それはまぁそうなんだけど」
「え、そういうことではない?」
「やりたいこととかある?」
「やりたいこと、うーん…」
思い浮かばないかと言われればそんなことはないが、今やるべきことかどうかはわからなかった。そんな纏まらない思考の末、今やるべきだとわかることがあるわけもなく、沈黙する。
「書き出した紙があればそれが早いんだが」
「それ、この前渡しませんでしたっけ」
「そういえば貰ったわ」
「それです、それ」
上司は笑いながら本棚の空きスペースに挟まっていた紙を取り出す。それを見ながら考えている。自分の成長を本気で考えてくれるというのはやっぱり有り難いものだ。
仕事のパソコンと睨めっこしながら、これからの自分をイメージする。
1人で生きていくのか、結婚するのか。誰かとルームシェアをすることになるのか。そこにやりたいことはあるのか。やるべきことはあるのか。今はまだ、答えが出そうになかった。
冬子さんのことがやっぱり気になる。しかし、仕事は仕事で行かなければ生活ができなくなる。何かあれば連絡すればいいし、家で何かがあれば、彼女から連絡が来るだろう。
駅まで歩いて電車に乗る。ここからはもう仕事が終わるまでは引き返せない。扉が閉まって電車が動き出す。今日もまた、ここから労働が始まる。
二駅乗って、電車を降りる。歩いて改札を抜けて少し歩けば職場。冬子さんと会っても、それは変化のないことだった。
会社でタイムカードを押して、社服に着替えて事務所に入る。
「おはようございます」
「おはようございます」
人は少なくても返事は必ず返ってくる。そんな当たり前のことも、朝のことがあると、ここで働き続けている理由の一つなのかもしれないと思う。
「なんかあったの?」
「え、なんか変ですか?」
「いつもよりニコニコしてる気がする」
「そうですかね」
完全に無自覚だったが、朝のことが影響しているのだろう。それが無自覚だったからこそ、色々な変化が自分に起きているということに気付かなければいけない時もあるかもしれない。
始業のチャイムが鳴り、本格的に今日の仕事が始まる。
「柿本、最近仕事どう?」
「暇です」
「それはまぁそうなんだけど」
「え、そういうことではない?」
「やりたいこととかある?」
「やりたいこと、うーん…」
思い浮かばないかと言われればそんなことはないが、今やるべきことかどうかはわからなかった。そんな纏まらない思考の末、今やるべきだとわかることがあるわけもなく、沈黙する。
「書き出した紙があればそれが早いんだが」
「それ、この前渡しませんでしたっけ」
「そういえば貰ったわ」
「それです、それ」
上司は笑いながら本棚の空きスペースに挟まっていた紙を取り出す。それを見ながら考えている。自分の成長を本気で考えてくれるというのはやっぱり有り難いものだ。
仕事のパソコンと睨めっこしながら、これからの自分をイメージする。
1人で生きていくのか、結婚するのか。誰かとルームシェアをすることになるのか。そこにやりたいことはあるのか。やるべきことはあるのか。今はまだ、答えが出そうになかった。
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