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屋上
しおりを挟む4時間目の現代文の授業が終わる。これで今日の午前中の授業が終わり。つまり、次は昼休みだった。今日の昼休みはお弁当を食べる場所を約束していた。午前中の授業が終わると同時に高島さんがこっちにくる。
「じゃあ、行ってみよう!」
「行ってみるかー」
今日の昼休みに屋上に行ってみようと提案されたのだ。2人で弁当を持って教室を出る。僕はゆっくり行くつもりだったのだけれど、高島さんはレースの如く走っていく。見失わないように頑張って駆け上がる。階段を3階分登って最上階に到着。残念ながらすぐ近くには屋上への階段は作られていなかった。最上階の校舎を回って屋上への階段を探す。校舎を半周ほどしたところでそれらしい階段を見つける。
「あった!これだ!登るよ!」
「はーい」
普段から運動不足の僕は完全に息切れしていた。高島さんについていくことに必死である。そして階段を登り切った時、高島さんが階段を登り切ってドアノブに手をかける。そして次の瞬間、目の前には青空が広がっていた。
「屋上だー!」
「屋上」
辿り着いた屋上は、まるで現実のものとは思えない景色だった。夢や物語で見た世界が今ここにあることが信じられなかった。少しずつ頭の中を落ち着かせながら目の前に広がる景色を見る。ふと高島さんはすでに前に進んでいた。フェンスに手をかけて外を見ていた。
「すごーい!街が見えるよ!」
「そりゃ屋上だから見えるでしょ」
「山口君には夢がない」
「まぁ僕も屋上には来てみたかったけど」
「そうなんだ」
「うん」
「ご飯食べよっか」
「うん」
いざ現実だと分かってしまえば落ちないようにしたあったのだけれど、フェンスがあって一安心だった。一通り景色を見てから2人とも冷静になってご飯を食べ始める。僕が弁当を開くと、高島さんは覗き込んできた。僕も高島さんの弁当を見る。高島さんの弁当も美味しそうだ。高島さんは何か言いたげな表情をしていたけれど、特に何も言うこともなく食べ始めた。そして2人が半分を食べ終わる頃、予鈴のチャイムが鳴る。
「やばい!あと5分!」
「え?チャイム聞こえた?」
「聞こえた!急がなきゃ!」
「いや、むしろ放課後に食べよう」
「え?うーん、確かにそれでもいいけど」
「よし、決定!教室まで走ろう!」
「わかった!ダッシュ!」
屋上に出たときの扉を開けて校舎に入り、階段をダッシュで駆け降りる。フロアの階段も駆け降り、教室へと向かう。最初のうちから遅刻するわけにはいかない。ダッシュで教室に入る。その瞬間にチャイムが鳴る。
「セーフ」
「セーフだね」
2人とも教室内で注目を浴びながら席に座る。そして先生も入ってくる。本当の意味でギリギリセーフだった。高校に入って数日でこんなドタバタの日々を過ごすことになるとは思わなかったけど、これもまた楽しいと思えた。異様な空気を先生だけが理解できないまま、午後の授業が始まった。
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