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約束
しおりを挟む校門を出て通学路を2人で歩く。テスト期間中は少しだけピリピリした空気が流れていた通学路も今日はとても弾けた空気が流れていた。あちらこちらでわいわいと話し声が聞こえる。
「テスト長かったね」
「長かった」
「科目数も多かったしね」
「赤点はないと思いたい!」
「僕もそれは願ってる」
僕と高島さんも終わったの話をしていた。思っていたより簡単だった教科、思っていたより難しかった教科。なにがなんだか分からないところがあった教科。なんとか全教科平均点は取れていると思いたい。特に数学は高島さんとの特訓の甲斐もあり、なんとか過去一番の出来だったように思う。2人で通学路を歩いて、駅前に到着する。そして、おそらく日本で1番メジャーなハンバーガー屋を発見する。
「あったー良かったー」
「駅前にはあるよね」
「記憶が定かじゃないまま提案しちゃってたからヒヤヒヤしてたんだよね」
「無かったら私はオッケーしてないよ」
「そうなのか」
「うん」
高島さんはハンバーガー屋さんがあることを見越していたと言うことになる。散歩の力、恐るべし。店に入り、2人で注文する。
「じゃあ、このハンバーガー2つで」
「私はハンバーガーと、このクーポンでポテトLをください」
僕はいつも通りハンバーガー2個だったけれど、高島さんはスマートフォンのクーポンを表示してポテトを頼んでいた。普段の弁当を考えると、妥当な量な気もするけれど、ポテトは食べ進めると飽きてくる。Lサイズを頼んで食べ切れるのだろうか。
「横に避けて待ってようかな」
「じゃあ私は席だけ確保してくる」
「了解」
会計も済ませてから、僕はレジの横のスペースへと避ける。高島さんは席を探しに行ってくれた。番号が書かれたボードを眺めていると、あらかじめもらった紙と同じ番号が表示されていた。トレーを持って席へと歩くと、笑顔の高島さんが待っていた。
「お待たせしました」
「大丈夫!待ってない!」
「そっか」
笑顔の高島さんと向かい合い、ハンバーガーを頬張る。ちらりと高島さんを見る。何事もなくハンバーガーとポテトも食べている。僕がハンバーガーの二つ目に手をつけようとしたところで、高島さんは全体の7割ほどを食べていた。
「食べるの早くない?」
「あったかいうちに頬張るのが1番美味しい」
「ハンバーガーに一家言でもあるの?」
「ご飯は美味しく楽しくだよ」
「なるほどね」
「そういえば、この後どうする?」
「この後?帰るんじゃないの?どっか行く?」
「いや、うーん。明日も学校あるし今日は帰ろっか」
「そうしよう。明日金曜日だしどこか行く?」
「それだ!」
高島さんは不服そうな顔をしたけれど、明日にどこか行くか提案すると目を輝かせた。明日はテスト返しばっかりな気がするし、多分大丈夫だ。僕がハンバーガーを食べ終わる頃、高島さんはゆったりと水を飲んでいた。2人で手を合わせてゴミを片付ける。
「じゃあ、明日どっかいこう!スーパーくらいしか分からないけど!」
「ゲームセンターとかあればいいんだけどね」
「制服で入るのはちょっとなぁ」
「やっぱりそう思う?」
「うん。めんどくさいことに巻き込まれたら嫌だし」
「まぁそれはそうだよね」
「悩む。いっそ土曜日でもいいのか」
「そうする?」
「そうしよう!」
金曜日を提案したものの行く場所が思いつかず土曜日へと流れる。土曜日ならきっといろんなところへ行けるはずだ。店を出て駅の改札を抜けると、高島さんが立ち止まる。
「じゃあ、また明日ね!土曜日も楽しみにしてる!」
「うん、じゃあまた明日」
それを言い終わると僕はホームへの階段を上り始めた。土曜日は何をすればいいのかと頭の中で考えていた。
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