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イルミネーション
しおりを挟む高島さんと服屋をウロウロすること5軒。2人とも満足のできる買い物ができた。そして、2人でビルから脱出する。外は真っ暗だったけれど、綺麗な灯りが付いていた。
「イルミネーションだ!」
「圧巻の凄さだ」
「これこれ!デートと言えばこれでしょう!」
「趣があるって感じ?」
「それはちょっと違うんじゃないかな」
「そうかな」
微笑を浮かべながら話をする高島さん。これは趣があるわけではないらしい。見事なイルミネーションを2人で歩きながら見て回る。確かに去年のクリスマスはこんなことはしていない。これと比べると、いつも通り地元をうろうろしながら歩いただけだった。
「綺麗だね」
「うん、綺麗だね」
「去年もこんなデートがしたかったなぁ」
「そうだね」
高島さんと会話をしながら後悔する。こんなにも綺麗なものが高島さんと見る機会を一回分失ったことになる。高島さんも実は同じ思いを抱えているから、今日を選んだのかもしれない。見渡す限り全面のイルミネーション。道行く人がそれをスマートフォンで撮影していた。高島さんも撮影するのかと思っていたけれど、どうやらそうではないらしい。
「写真とか撮らないの?」
「うーん、まぁね」
「なんか珍しいね」
「写真撮っても見返さないからかなぁ」
「なんとも現実的だった」
「わたしだってそんな一面くらいあるよ」
「う、うん」
頬を膨らましながら抵抗する高島さん。そんな姿すらも可愛く見える。その時僕は、本当に恋をしているんだなぁと実感した。クリスマス当日の繁華街だけあって人混みがすごい。逸れないようにしないと。そう思った時、高島さんの手を取っていた。
「何?どうしたの?」
「いや、逸れるとめんどくさいなぁって」
「そっか、そうだよね」
思わず握った手を離しそうになったけれど、想像以上に強い力で握り返されてしまう。ふと高島さんの方を見ると、俯いていた。
「逸れると大変だから!私も握ってあげる!」
俯きながらそう言葉を放つ高島さん。どちらともなく歩き始める。どんなに歩いてもどんな人混みにぶつかってもその手を離すことはなかった。
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