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新年
しおりを挟むクリスマスのデートから1週間。無事新年を迎えることができた。とは言っても特に何かがあるわけでもないのだけれど。そして新年早々ながら、僕と高島さんは学校の最寄駅に集合していた。
「あけましておめでとうございます」
「今年もよろしくお願いします」
先週も会ったし、そこまで他人行儀な挨拶をする間柄でもないのだけれど、一応。今日は初詣。2人とも浴衣を着ているわけでもなく、いつも通りの私服なのだけれど、それもまた良いことなんだと思う。クリスマスの時でも寒いと思っていた外気はさらに冷えて、気温は5度になっていた。
「寒いね」
「年末年始ってなんでこんなに寒いんだろうね」
「本当にね」
「じゃあ、行こっか」
「行こうか」
いつもの駅から歩いて15分のところに神社がある。見つけたのはいつものごとく高島さんだった。散歩の範囲が相変わらず広い。
「初詣の神社混んでるかなぁ」
「この時期だとまぁ混んでるんじゃない?」
「やっぱそうだよねー」
ため息をつきながら歩く高島さんに僕もついていく。神社に近づくにつれてだんだんと人の波が作られていた。順番待ちがあるほど混んでいるわけではないけれど、境内を快適に歩くのは少し困難な混み具合だった。なんとか人を避けながら賽銭箱へと向かっていく。
「今年の願い事何にする?」
「そういうのは言うと叶わないらしいから言わない」
「えー!」
不服そうな顔をする高島さんを横目に見ながら歩いていくと、賽銭箱がある場所に到着した。2人で10円玉を投げ入れて、鐘を鳴らして手を合わせる。今年の願いを込めて目を瞑る。
「初詣かぁ」
「家族とは行った?」
「まぁね。山口くんは行った?」
「一応ね」
「一応ってどう言うこと」
「家族みんなめんどくさいって言ってたから」
「なるほど」
うちの家はイベントにあまり乗り気ではない。初詣もその一つだった。僕はそんなことはないのだけれど。そんなこんなで高島さんと2人で神社の中をうろうろする。家族で行った神社より広いところだった。流石に出店などはないけれど、いつも置いてあるであろう自動販売機はある。そこで2人とも飲み物を買う。
「自動販売機の前にベンチがないなんて」
「スペースも狭いから仕方ないんじゃないかなぁ」
「なるほど、それは確かに」
「あ!そうだ!今年もよろしくね!」
「それさっきも言わなかった?」
「いいの!何回も言ってもきっと大丈夫!」
「まぁそれはそうだね」
「でしょ!」
満面の笑みで言われると何も言えなくなってしまう。それで別に困るわけではないのだけれど。そして、あと1年と言う言葉を受け止める。あと1年後には、受験の本番。その後には卒業式。今目の前にいる高島さんと、会えなくなる日がくる。その日がいつかきた時に、僕はどうすればいいのだろうか。
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