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ピーマン食べれる?

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「誓って、リラ嬢と二人きりになってない。」
(アゼリアがいたのよね。)
スコットは真剣な目をローズに向けた。ローズは気まずさにスコットから目をそらした。

「ローズ本当に、」
「お嬢様、ローベル様の仰ってることは本当です。」
「お嬢様が、騒いで出ていかれた応接室には私達がいました。」
(えっ、いたの!? )
スコットを庇うためか、二人の侍女が前に出た。アゼリアは小さいから見えなかった、と言えるが。侍女二人も見えてなかった、とはどれだけ頭に血がのぼっていたのだと言うことになる。

「ほんの数分です、お二人になったのは。」
「お嬢様がお帰りになられたと、厨房にお茶の準備に私達が戻ったのは。」
「それ以外はずっと、お二人と御一緒に応接室にいました。」
「僕、いたよ。」
侍女二人は数分席を外したが、それ以外はずっと傍にいたと言う。扉も開いていたし、節度ある会い方をしている。

「僕、いたよ。」
アゼリアは自分もいたと、アピールする。

「ローズ様の部屋の前でローベル様に話しかけている時も、私達が傍におりました。」 
二人は声を出してないので、扉越しの姿はローズには見えなかった。

「僕、いたよ。」
(アゼリアも、いたの? )
アゼリアも手をあげてアピールする。アゼリアもいたらしい。

「その後はリラ様は客間に戻られ。ローベル様はアゼリア様とお茶をし、小一時間程お相手を。」
「お嬢様が叫ばれていらい、リラ様はローベル様と同じ部屋には入っていません。」
「お見送りにはリラ様も出て来られてましたが、私達も 」
「俺達もいました。」
ここで、使用人も参戦した。馬車を用意した者と庭師である。

「僕、いたよ。」
(いたのよね…… )
アゼリアも自分の存在をアピールする。 

お出掛けの時、迎えに来た馬車の中には、
「「私達か、いました。」」
ローズの友達の二人が、手をあげた。リラは必要以上にスコットとは合ってない事になる。

「僕、 」
(いたのよね。)
部屋に籠もって拒絶し一部を見て、勝手に勘違いをしていたローズであった。

「ローズ。誓って、恥ずべき行為はしてないと言える。お願いだ、婚約解消は考え直してくれ。」
真剣に懇願してくるスコットに、居た堪れない。

「ア、アゼリアが大きかったらこんな事にはなってなかったのに。」
「えっ、僕が悪いの? 」
ローズの言葉にアゼリアが目を見開いた。

「アゼリアが好き嫌いなく、ちゃんと食べてたら大きくなっていたのに。」
「僕が、悪いの? 」
理不尽なローズの言葉に、アゼリアの目がうるうると潤んでくる。

「アゼリアがちゃんとピーマン食べるなら、婚約解消はなかった事にして 」
「アゼリア、ピーマンを食べるんだ!! 」
ローズの言葉にスコットが勢いよく、アゼリアの肩を掴んだ。そして、嫌いなピーマンを食べろと強要する。

「イヤだ、ピーマンきらい!! 」
「そこをなんとか!! 」
ぶんぶんとアゼリアの肩を揺らす。

「ピーマン、にがい!! 」
「二人の為に、アゼリアお願い。」
ぶんぶんと振られるアゼリアに、リラもお願いをする。

「「アゼリアお坊ちゃま、ローズ樣達の為にお願いします。」」
「「アゼリア君、お願い。」」
侍女とローズの友達が、アゼリアにお願いする。

「アゼリア様、ここはガツンとピーマンを食べて!! 」
おとこになって下さい、アゼリア様!! 」
「僕、男だよ~。」
使用人達も、ピーマンを食べろとアゼリアに進言する。使用人達の言ってる意味が分からず言い返す。

「「アゼリア、頼むお願い!! 」」
スコットとリラ。

「「アゼリア君、お願い。」」
リリアーネとカナリ。

「「アゼリア坊ちゃま、ピーマンを。」」
侍女達。

「「おとこになりましょう、アゼリア様!! 」」
使用人達。

(お願い、アゼリア。お姉様の為にピーマンを食べて。)
ローズは祈る思いで、アゼリアを見詰めた。

「イ、イヤだ!! ピーマン、きらい!! 」
アゼリアは悲痛の叫びをあげた。













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