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楽しい旅行。
おそろい。
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次の日の朝。
帰り支度も終え、ホテルのレストランに現れたエリシアは指にはきらきらと光るピンクの指輪が。
うっとりと見つめ幸せそうなエリシアいた。そのエリシアの横には、コレまた幸せそうなエドワードがいた。
「うぬぬぬぬ…… ぬかった!! 愛に、愛に、落ちてしまった!! 」
「うふふっ。」
シュガレス父は、二人を見て歯ぎしりをする。微笑む母。
「ま、まさか!! 午前様を!! 」
今にも泣き出しそうな顔だ。
「大丈夫よ、あなた。ちゃんと11時には帰って来たわ。午前様など、わたくしが許しませんわ。」
エドワードは紳士としてよく耐えた、そのおかげで命拾いをしたのだ。
「お父さま、大丈夫よ。リョウちんも、エドワードさまはぱっくんちょしないて言ってたわよ。大切なモノを賭けてまで、 」
「リョウが…… 」
シエリアの言葉に感動する、自分の為に大切なモノを賭けてまで信じてくれると。
「非常食のお菓子を賭けて。」
「お菓子!? 」
『なぬ』ときたが、リョウが自分を信じているのには変わりない。昨日の事もあるのでエドワードはリョウにたいして感謝しかない。
「リョウちんて、誰だ? 」
シュガレス父は、ぼそっと呟く。
「シア、シア、とってもキレイね!! キラキラしてる!! 」
シエリアはエリシアに抱きつきながら、婚約指輪を褒める。
「ありがとう、エリー。」
嬉しそうにエリシアはエドワードを見る。エドワードも、エリシアを見つめ返す。
「リョウちんて、誰だ? 」
父は呟く。
「そうだ!! 見てみて、シア!! おそろい!! 」
「えっ? 」
シエリアはポケットの中から小さな茶巾絞りの袋を取り出して、中身の指輪を嵌めてエリシアに見せる。
銀の猫の顔に、瞳がピンクの硝子だ。エリシアのプラチナ台座に輝くピンクダイヤ、色合いだけはシエリアの指輪と一緒だ。
「本当、一緒ね。」
「ねーーっ!! 」
(一緒にしないで!! 俺の給料うんヵ月分!! 台座もプラチナですよ!! )
モノホンのピンクダイヤとピンクの硝子を一緒にしないでくれとエドワードは心の中で思った。
「猫ね、とっても可愛いわエリー。」
「でしょ、でしょ!! リョウちんが、買ってくれたの。」
嬉しそうにシエリアは話す。
「「「えっ!! 」」」
「えっ!? 」
エリシアとシュガレス夫妻の空気が変わった。エドワードは狼狽える。
「買ってもらったの? 」
「うん!! 」
真剣な顔でエリシアは問う。
「指輪を? 」
「うん!! 」
確認するように聞き返す母。
「リョウちんて、誰だーー!! 」
父が、叫んだ。
「女性に指輪を渡すなんて…… 」
「そうね、とても重要な事よ。」
エリシアと母は真剣に目を合わす。
「あ、でも。露店の、指輪ですし…… 」
エドワードがリョウをフォローする。
「私には分かるわ!! 」
エリシアが声を上げた。
「『今はコレしかあげられないけど、僕が働くようになったら本物を買ってあげるね』て、思いを込めて。」
「いや、リョウは働いているけど…… 」
エリシアはきらきらと目を輝かす。
「『大人になったら、僕と結婚して下さい』て、 」
「いや、リョウは大人ですが…… シエリア嬢も大人ですよ、ね。」
既にエリシアの頭の中は物語の感動的シーンを思い描いている。
まだ少年のリョウが、少女のシエリアに露店で買った指輪を指にはめている。
「はぁ…… ステキ。」
うっとりとため息を漏らすエリシアの耳にエドワードの声は届かない。
「そうね、コレはもう婚約。結婚を前提とした、婚約指輪だわ。」
母も真面目な顔でエリシアに応える。エリシアは母の言葉に頷き返す。
「えっ、露店の指輪ですよ。」
エドワードの声は、二人に届かない。
「ねこたん、ねこたん。」
シエリアは嬉しそうに猫の指輪をながめている。
「だから、リョウちんとは誰だーーー!! 」
父は青ざめ、悲痛な声で叫んだ。
帰り支度も終え、ホテルのレストランに現れたエリシアは指にはきらきらと光るピンクの指輪が。
うっとりと見つめ幸せそうなエリシアいた。そのエリシアの横には、コレまた幸せそうなエドワードがいた。
「うぬぬぬぬ…… ぬかった!! 愛に、愛に、落ちてしまった!! 」
「うふふっ。」
シュガレス父は、二人を見て歯ぎしりをする。微笑む母。
「ま、まさか!! 午前様を!! 」
今にも泣き出しそうな顔だ。
「大丈夫よ、あなた。ちゃんと11時には帰って来たわ。午前様など、わたくしが許しませんわ。」
エドワードは紳士としてよく耐えた、そのおかげで命拾いをしたのだ。
「お父さま、大丈夫よ。リョウちんも、エドワードさまはぱっくんちょしないて言ってたわよ。大切なモノを賭けてまで、 」
「リョウが…… 」
シエリアの言葉に感動する、自分の為に大切なモノを賭けてまで信じてくれると。
「非常食のお菓子を賭けて。」
「お菓子!? 」
『なぬ』ときたが、リョウが自分を信じているのには変わりない。昨日の事もあるのでエドワードはリョウにたいして感謝しかない。
「リョウちんて、誰だ? 」
シュガレス父は、ぼそっと呟く。
「シア、シア、とってもキレイね!! キラキラしてる!! 」
シエリアはエリシアに抱きつきながら、婚約指輪を褒める。
「ありがとう、エリー。」
嬉しそうにエリシアはエドワードを見る。エドワードも、エリシアを見つめ返す。
「リョウちんて、誰だ? 」
父は呟く。
「そうだ!! 見てみて、シア!! おそろい!! 」
「えっ? 」
シエリアはポケットの中から小さな茶巾絞りの袋を取り出して、中身の指輪を嵌めてエリシアに見せる。
銀の猫の顔に、瞳がピンクの硝子だ。エリシアのプラチナ台座に輝くピンクダイヤ、色合いだけはシエリアの指輪と一緒だ。
「本当、一緒ね。」
「ねーーっ!! 」
(一緒にしないで!! 俺の給料うんヵ月分!! 台座もプラチナですよ!! )
モノホンのピンクダイヤとピンクの硝子を一緒にしないでくれとエドワードは心の中で思った。
「猫ね、とっても可愛いわエリー。」
「でしょ、でしょ!! リョウちんが、買ってくれたの。」
嬉しそうにシエリアは話す。
「「「えっ!! 」」」
「えっ!? 」
エリシアとシュガレス夫妻の空気が変わった。エドワードは狼狽える。
「買ってもらったの? 」
「うん!! 」
真剣な顔でエリシアは問う。
「指輪を? 」
「うん!! 」
確認するように聞き返す母。
「リョウちんて、誰だーー!! 」
父が、叫んだ。
「女性に指輪を渡すなんて…… 」
「そうね、とても重要な事よ。」
エリシアと母は真剣に目を合わす。
「あ、でも。露店の、指輪ですし…… 」
エドワードがリョウをフォローする。
「私には分かるわ!! 」
エリシアが声を上げた。
「『今はコレしかあげられないけど、僕が働くようになったら本物を買ってあげるね』て、思いを込めて。」
「いや、リョウは働いているけど…… 」
エリシアはきらきらと目を輝かす。
「『大人になったら、僕と結婚して下さい』て、 」
「いや、リョウは大人ですが…… シエリア嬢も大人ですよ、ね。」
既にエリシアの頭の中は物語の感動的シーンを思い描いている。
まだ少年のリョウが、少女のシエリアに露店で買った指輪を指にはめている。
「はぁ…… ステキ。」
うっとりとため息を漏らすエリシアの耳にエドワードの声は届かない。
「そうね、コレはもう婚約。結婚を前提とした、婚約指輪だわ。」
母も真面目な顔でエリシアに応える。エリシアは母の言葉に頷き返す。
「えっ、露店の指輪ですよ。」
エドワードの声は、二人に届かない。
「ねこたん、ねこたん。」
シエリアは嬉しそうに猫の指輪をながめている。
「だから、リョウちんとは誰だーーー!! 」
父は青ざめ、悲痛な声で叫んだ。
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