4 / 14
悪役令嬢は、誰。
其れは、愛する二人の物語。
「君を、愛している。」
「貴方を、愛しています。」
愛する二人は、愛を語り合う。二人は、幸せであった。
あの時までは。
男の父の事業の失敗、莫大な借金。男は、途方に暮れる。愛する女は、何も出来ない。
『貴方が、私と結婚してくれるなら。私が、貴方を助けてあげる。』
とある令嬢が、男に手を差し延べた。男の父は、喜び。息子に縋り付く。
「どうか、使用人達を助けておくれ。」
男は、泣く泣く愛する女と別れた。女は、泣く泣く身を引いた。
男は、自分をお金で買った令嬢を愛することは出来なかった。男は、愛のない結婚に後悔する。
そんにな中、街の片隅で働く愛する人と出会う。
恥ずかしげに、荒れた手を隠す愛する人。男の心に、愛しさが溢れ出す。
「君を護りたい、愛する人よ。」
「愛する人は、貴方だけ。」
愛し合う二人は、愛を語り合う。愛は、再び燃え上がる。
『そんな事は、許さない。』
二人の前に、愛を引き裂く者が現れる。男の妻。
「お許し下さい、奥様。」
『いいえ、許さないわ。』
妻は、女を罵倒する。
『誰か、この泥棒猫を何処か遠くの街に 放り捨ててきてちょうだい。』
「はい、奥様。」
「お許し下さい、奥様。私は、ただ あの人の近くにいたいだけ。」
女は、地に頭を付けてお願いをする。馬車に乗せられ連れて行かれる、途中で。
「あの人と離れ離れになるのは、もういや。」
女は、断崖から飛び降りる。
「ああ、なんて事だ。」
男は、愛する人を失い絶望する。男は女の飛び降りた断崖で、
『あなた、止めて!! 』
「愛する人のいない、この世界。なんの未練があることか。」
男は女の後を追って、断崖の下へ飛び降りる。愛する二人は、死して永遠に結ばれる。
「う、うっ、うっ。可哀想です~ぅ。お嬢様!! 」
サシャは、パンフレットを握り締めて思い出し泣きを始める。引き離された、二人を思って涙ぐむ。
(私は、愛する二人を引き裂く悪役令嬢? )
ナンシーは、愛する二人。あの美しい人とウイリアムを引き裂く酷い悪役令嬢なのかとおもい出す。
(借金。そう、借金よ。あの美しい人が言っていた。侯爵家の存亡の危機。)
ナンシーは、父の書斎へ駆け込んだ。
「お父様。ウイリアム様に、お金を貸しているのですか? 」
突然の問い掛けに、父は書類を落とした。
「急に何を言っている ナンシー。」
「応えて、お父様。ウイリアム様に、お金を貸しているのですか? 」
ナンシーは、涙目で訴える。
「だから、ウイリアム様はこんな地味な私を。」
ナンシーは、ドレスを握り締める。言葉が、続かない。
「ウイリアム様に、お金なんて貸してない。侯爵家は、イケイケどんどんの順風満帆だ。私がお金を借りても、貸すことはない。因みに、借りてもないからな。」
「うそ!! こんな、地味な私を婚約者にするなんて。何か理由が、あるはずよ。」
自分を卑下する娘に、
「ナンシーは、地味では無い。ナンシーは、清楚と言うんだ。そこに、ウイリアム様は一目惚れをしたそうだ。」
「うそ、うそよ。」
(だって、あの人は、華やかで美しい。)
ナンシーは、顔を覆って泣き出した。父は、オロオロと戸惑う。
「シンシア、シンシア!! 助けておくれ!! 」
父は母に、助けを求める。
(あの美しい人は、ウイリアム様の為に身を引こうとしているの。私より、ウイリアム様を愛しているの。)
「マリッジブルーかしら。」
父と母は、泣きじゃくる娘になすすべはなかった。
「わたくし、悪役令嬢が可哀想だと思うのですわ。」
次の日も訪れた美しい人は、突然劇の話しをする。
「悪役令嬢は、きっとあの男性が好きだったのですわ。で、なければ 借金の肩代わりをする筈なんてないでしょう。」
美しい人は、愛し合う二人より悪役令嬢を可哀想だと言う。
「愛し合う二人を別れさせた? 違うでしょう、男性が令嬢を選んだのですわ。」
美しい人は、お茶を一口飲む。
「男性が別れを選んで、女性がそれを受け入れた。そうでしょう。」
美しい人は、ナンシーを見据える。ナンシーは、俯いた。
「ウィル兄様も、言ってたわ。『愛を貫きたかったら、自分で稼げ。』と。身も蓋もない事を仰るのよ。」
クスクスと、笑う。
(えっ? )
ナンシーは、顔を上げた。
「ウイリアム様が。」
「ええ、昨日。ウィル兄様と、見に行きましたの。」
美しく、微笑む。
「あの、執事さんは。」
「ロレンス? 彼は、忙しいからいなくてよ。」
「二人きりで? 」
「ええ、そうですわ。」
美しい笑顔を、称える。
ナンシーは、呆然とした。
「二人して、共感しましたわ。やはり、悲恋物は詰まらないと。」
美しい人は、笑う。
「ヒロインも悪役令嬢の様に、相手から奪い返すほどの度量を見せて欲しいですわ。そう、想いませんこと? 」
美しく人は、ナンシーに問い掛ける。
(奪い返す? ウイリアム様を。)
「それに、男性も後悔なさるのでしたら。倍のお金を稼いで、正式に令嬢に離縁を申し込むのが筋だと思いますの。ウィル兄様も、その様に思ってますわ。」
「ウイリアム様が。」
(ウイリアム様が、後悔なさっている。)
ナンシーは、涙を流した。
「ウィル兄様が、理想と違うからと泣かないで。」
美しい人は、ナンシーを慰める。優しい微笑みを向ける。
「ウィル兄様は、ああ見えても酷い人ですのよ。」
美しい人は、ナンシーに微笑みかける。
「貴方の気持ちを考えない、酷いウィル兄様。」
美しい人は、ナンシーの手を取った。
「無理矢理な婚姻は嫌なのでしょう。そうよね、恋をしたいわよね 女の子ですもの。」
美しい人は解ってるわと、頷いた。
「そうだわ。何時でも、仰って。ウィル兄様と、婚約を解消したいのなら。」
呆然と涙を流すナンシーに、
「力に、成りますわ。わたくし、貴方の味方ですもの。」
美しい人は、美しい笑顔をナンシーに向けた。
「君を、愛している。」
「貴方を、愛しています。」
愛する二人は、愛を語り合う。二人は、幸せであった。
あの時までは。
男の父の事業の失敗、莫大な借金。男は、途方に暮れる。愛する女は、何も出来ない。
『貴方が、私と結婚してくれるなら。私が、貴方を助けてあげる。』
とある令嬢が、男に手を差し延べた。男の父は、喜び。息子に縋り付く。
「どうか、使用人達を助けておくれ。」
男は、泣く泣く愛する女と別れた。女は、泣く泣く身を引いた。
男は、自分をお金で買った令嬢を愛することは出来なかった。男は、愛のない結婚に後悔する。
そんにな中、街の片隅で働く愛する人と出会う。
恥ずかしげに、荒れた手を隠す愛する人。男の心に、愛しさが溢れ出す。
「君を護りたい、愛する人よ。」
「愛する人は、貴方だけ。」
愛し合う二人は、愛を語り合う。愛は、再び燃え上がる。
『そんな事は、許さない。』
二人の前に、愛を引き裂く者が現れる。男の妻。
「お許し下さい、奥様。」
『いいえ、許さないわ。』
妻は、女を罵倒する。
『誰か、この泥棒猫を何処か遠くの街に 放り捨ててきてちょうだい。』
「はい、奥様。」
「お許し下さい、奥様。私は、ただ あの人の近くにいたいだけ。」
女は、地に頭を付けてお願いをする。馬車に乗せられ連れて行かれる、途中で。
「あの人と離れ離れになるのは、もういや。」
女は、断崖から飛び降りる。
「ああ、なんて事だ。」
男は、愛する人を失い絶望する。男は女の飛び降りた断崖で、
『あなた、止めて!! 』
「愛する人のいない、この世界。なんの未練があることか。」
男は女の後を追って、断崖の下へ飛び降りる。愛する二人は、死して永遠に結ばれる。
「う、うっ、うっ。可哀想です~ぅ。お嬢様!! 」
サシャは、パンフレットを握り締めて思い出し泣きを始める。引き離された、二人を思って涙ぐむ。
(私は、愛する二人を引き裂く悪役令嬢? )
ナンシーは、愛する二人。あの美しい人とウイリアムを引き裂く酷い悪役令嬢なのかとおもい出す。
(借金。そう、借金よ。あの美しい人が言っていた。侯爵家の存亡の危機。)
ナンシーは、父の書斎へ駆け込んだ。
「お父様。ウイリアム様に、お金を貸しているのですか? 」
突然の問い掛けに、父は書類を落とした。
「急に何を言っている ナンシー。」
「応えて、お父様。ウイリアム様に、お金を貸しているのですか? 」
ナンシーは、涙目で訴える。
「だから、ウイリアム様はこんな地味な私を。」
ナンシーは、ドレスを握り締める。言葉が、続かない。
「ウイリアム様に、お金なんて貸してない。侯爵家は、イケイケどんどんの順風満帆だ。私がお金を借りても、貸すことはない。因みに、借りてもないからな。」
「うそ!! こんな、地味な私を婚約者にするなんて。何か理由が、あるはずよ。」
自分を卑下する娘に、
「ナンシーは、地味では無い。ナンシーは、清楚と言うんだ。そこに、ウイリアム様は一目惚れをしたそうだ。」
「うそ、うそよ。」
(だって、あの人は、華やかで美しい。)
ナンシーは、顔を覆って泣き出した。父は、オロオロと戸惑う。
「シンシア、シンシア!! 助けておくれ!! 」
父は母に、助けを求める。
(あの美しい人は、ウイリアム様の為に身を引こうとしているの。私より、ウイリアム様を愛しているの。)
「マリッジブルーかしら。」
父と母は、泣きじゃくる娘になすすべはなかった。
「わたくし、悪役令嬢が可哀想だと思うのですわ。」
次の日も訪れた美しい人は、突然劇の話しをする。
「悪役令嬢は、きっとあの男性が好きだったのですわ。で、なければ 借金の肩代わりをする筈なんてないでしょう。」
美しい人は、愛し合う二人より悪役令嬢を可哀想だと言う。
「愛し合う二人を別れさせた? 違うでしょう、男性が令嬢を選んだのですわ。」
美しい人は、お茶を一口飲む。
「男性が別れを選んで、女性がそれを受け入れた。そうでしょう。」
美しい人は、ナンシーを見据える。ナンシーは、俯いた。
「ウィル兄様も、言ってたわ。『愛を貫きたかったら、自分で稼げ。』と。身も蓋もない事を仰るのよ。」
クスクスと、笑う。
(えっ? )
ナンシーは、顔を上げた。
「ウイリアム様が。」
「ええ、昨日。ウィル兄様と、見に行きましたの。」
美しく、微笑む。
「あの、執事さんは。」
「ロレンス? 彼は、忙しいからいなくてよ。」
「二人きりで? 」
「ええ、そうですわ。」
美しい笑顔を、称える。
ナンシーは、呆然とした。
「二人して、共感しましたわ。やはり、悲恋物は詰まらないと。」
美しい人は、笑う。
「ヒロインも悪役令嬢の様に、相手から奪い返すほどの度量を見せて欲しいですわ。そう、想いませんこと? 」
美しく人は、ナンシーに問い掛ける。
(奪い返す? ウイリアム様を。)
「それに、男性も後悔なさるのでしたら。倍のお金を稼いで、正式に令嬢に離縁を申し込むのが筋だと思いますの。ウィル兄様も、その様に思ってますわ。」
「ウイリアム様が。」
(ウイリアム様が、後悔なさっている。)
ナンシーは、涙を流した。
「ウィル兄様が、理想と違うからと泣かないで。」
美しい人は、ナンシーを慰める。優しい微笑みを向ける。
「ウィル兄様は、ああ見えても酷い人ですのよ。」
美しい人は、ナンシーに微笑みかける。
「貴方の気持ちを考えない、酷いウィル兄様。」
美しい人は、ナンシーの手を取った。
「無理矢理な婚姻は嫌なのでしょう。そうよね、恋をしたいわよね 女の子ですもの。」
美しい人は解ってるわと、頷いた。
「そうだわ。何時でも、仰って。ウィル兄様と、婚約を解消したいのなら。」
呆然と涙を流すナンシーに、
「力に、成りますわ。わたくし、貴方の味方ですもの。」
美しい人は、美しい笑顔をナンシーに向けた。
あなたにおすすめの小説
7年ぶりに私を嫌う婚約者と目が合ったら自分好みで驚いた
小本手だるふ
恋愛
真実の愛に気づいたと、7年間目も合わせない婚約者の国の第二王子ライトに言われた公爵令嬢アリシア。
7年ぶりに目を合わせたライトはアリシアのどストライクなイケメンだったが、真実の愛に憧れを抱くアリシアはライトのためにと自ら婚約解消を提案するがのだが・・・・・・。
ライトとアリシアとその友人たちのほのぼの恋愛話。
※よくある話で設定はゆるいです。
誤字脱字色々突っ込みどころがあるかもしれませんが温かい目でご覧ください。
幼馴染の生徒会長にポンコツ扱いされてフラれたので生徒会活動を手伝うのをやめたら全てがうまくいかなくなり幼馴染も病んだ
猫カレーฅ^•ω•^ฅ
恋愛
ずっと付き合っていると思っていた、幼馴染にある日別れを告げられた。
そこで気づいた主人公の幼馴染への依存ぶり。
たった一つボタンを掛け違えてしまったために、
最終的に学校を巻き込む大事件に発展していく。
主人公は幼馴染を取り戻すことが出来るのか!?
蝋燭
悠十
恋愛
教会の鐘が鳴る。
それは、祝福の鐘だ。
今日、世界を救った勇者と、この国の姫が結婚したのだ。
カレンは幸せそうな二人を見て、悲し気に目を伏せた。
彼女は勇者の恋人だった。
あの日、勇者が記憶を失うまでは……
【完結】愛しき冷血宰相へ別れの挨拶を
川上桃園
恋愛
「どうかもう私のことはお忘れください。閣下の幸せを、遠くから見守っております」
とある国で、宰相閣下が結婚するという新聞記事が出た。
これを見た地方官吏のコーデリアは突如、王都へ旅立った。亡き兄の友人であり、年上の想い人でもある「彼」に別れを告げるために。
だが目当ての宰相邸では使用人に追い返されて途方に暮れる。そこに出くわしたのは、彼と結婚するという噂の美しき令嬢の姿だった――。
新聞と涙 それでも恋をする
あなたの照らす道は祝福《コーデリア》
君のため道に灯りを点けておく
話したいことがある 会いたい《クローヴィス》
これは、冷血宰相と呼ばれた彼の結婚を巡る、恋のから騒ぎ。最後はハッピーエンドで終わるめでたしめでたしのお話です。
第22回書き出し祭り参加作品
2025.1.26 女性向けホトラン1位ありがとうございます
2025.2.14 後日談を投稿しました
ミュリエル・ブランシャールはそれでも彼を愛していた
玉菜きゃべつ
恋愛
確かに愛し合っていた筈なのに、彼は学園を卒業してから私に冷たく当たるようになった。
なんでも、学園で私の悪行が噂されているのだという。勿論心当たりなど無い。 噂などを頭から信じ込むような人では無かったのに、何が彼を変えてしまったのだろう。 私を愛さない人なんか、嫌いになれたら良いのに。何度そう思っても、彼を愛することを辞められなかった。 ある時、遂に彼に婚約解消を迫られた私は、愛する彼に強く抵抗することも出来ずに言われるがまま書類に署名してしまう。私は貴方を愛することを辞められない。でも、もうこの苦しみには耐えられない。 なら、貴方が私の世界からいなくなればいい。◆全6話
これって政略結婚じゃないんですか? ー彼が指輪をしている理由ー
小田恒子
恋愛
この度、幼馴染とお見合いを経て政略結婚する事になりました。
でも、その彼の左手薬指には、指輪が輝いてます。
もしかして、これは本当に形だけの結婚でしょうか……?
表紙はぱくたそ様のフリー素材、フォントは簡単表紙メーカー様のものを使用しております。
全年齢作品です。
ベリーズカフェ公開日 2022/09/21
アルファポリス公開日 2025/06/19
作品の無断転載はご遠慮ください。
私が、良いと言ってくれるので結婚します
あべ鈴峰
恋愛
幼馴染のクリスと比較されて悲しい思いをしていたロアンヌだったが、突然現れたレグール様のプロポーズに 初対面なのに結婚を決意する。
しかし、その事を良く思わないクリスが・・。