14 / 14
【完結】美しい人。
伯爵家の人々は、夫妻は、ナンシーは、不思議な言葉を聞いた。
「相応しい、女性って? 」
ナンシーは おずおずと、ウイリアムに聞いた。
ウイリアムと執事のロレンスは、驚いた顔でナンシーを、伯爵家の人々を見た。
「カミーユ、お前。言ってなかったのか? 」
「あら、何かしら? 」
美しい人は、首を傾げる。
「お前が、男だって事だ。」
一瞬、その場に居た伯爵家の人々は、夫妻は、ナンシーは、頭の中が真っ白になった。次の瞬間、
「「「 男!? 」」」
驚愕の声をあげた。
「あら、あら、其処からですの。」
美しい人は、コロコロと笑った。
「ナンシー。ヘルシンキ伯爵夫妻。彼は、カミーユ。俺の叔母の息子。カミーユ・アンスリューム。従兄弟に、成る。」
「カミーユ・アンスリューム侯爵家 子息のカミーユですわ。」
ウイリアムは、正式にカミーユをナンシーに、伯爵夫妻に紹介をした。カミーユは、少し腰を下げて淑女の礼を取る。
「アンスリューム侯爵家の子息。」
ぽか~んと、伯爵家の人々は口を開けて美しい人を見る。
「侯爵家のご子息が、何故その様な姿を? 」
流石は、伯爵 気お取り直してウイリアムに問い掛けた。
興味津々に、伯爵家の人々は耳を傾ける。
「うふふっ、似合うでしょう。」
美しい人は クルリと、その場で回って見せた。白いドレスの裾が さらりと、広がる。
「アンスリューム侯爵家は、後三人の子息がいる。カミーユは、四男成る。女の子が欲しかった叔母夫婦は、カミーユが産まれた時 女の子として育ててしまったんだ。」
「だって、わたくし。『天使』の様に、愛らしかったんですって。」
コロコロと笑う。
「今は『女神』の様に、美しいでしょう。」
美しい人は、満面の微笑みを伯爵家の人々に向ける。
「男性。でも、胸が!! 」
ナンシーは、抱き締められた時確かに胸の柔らかさを感じた。
「あら、このドレスに胸が無ければ美しくないでしょう。あんパンを、詰めてましてよ。」
美しく人は、微笑む。
「あんパン。」
どおりで 甘い匂いがしたのか と、ナンシーは思った。
「他に、御質問は? 」
美しい人は、微笑む。
「あの、劇場でウイリアム様と 抱き合ってたのは? 」
ナンシーは おずおずと、聞いた。
「「「抱き合ってた!? 」」」
伯爵家の人々は、声を合わせて合唱する。
「あれを見てたのか? あの時は、カミーユがナンシーに紹介しろと劇場へ向かって。羽交い締めにして、帰る処だったんだ。」
『此奴、力が強くって。』と、ウイリアムは笑う。
「二人は、思い合ってるんじゃ…… 」
「はぁ!? 」
ナンシーの恐ろしい言葉に、ウイリアムは絶句する。
「可愛くない、ウィル兄様なんて 願い下げですわ。」
美しい人は きっぱりはっきり、言った。ウイリアムも、縦に顔を振り続けた。
「ウイリアム様は、その様な趣味はありませんナンシー様、一筋です。」
執事が、助け船を出す。
「わたくしも、そんな趣味はありませんわ。」
コロコロと、笑う。
伯爵家の人々は、複雑な顔をして美しい人を見ていた。
「何故、私に 紹介をしてくれなかったの。」
「それは、その…… 」
ナンシーの問い掛けに、ウイリアムは真っ赤に成って顔を背けた。
「ウイリアム様とカミーユ様は、お互いの好みが似ておりまして。ナンシー様を紹介すれば、取られると思ったのです。」
執事が、ウイリアムの変わりに応える。
「小心者ですわね、ウィル兄様。オーホホホホッ!! 」
美しい人は、高らかに笑った。
「うるさい!! お前が、俺のものを奪うからだ!! 」
「奪ってませんわ、自ずとわたくしの元に来るのですわ。」
言い合う二人。
「この様に、ウイリアム様はカミーユ様を兎に角警戒しておりまして。カミーユ様の前では、ナンシー様を可愛くはないと牽制をしておりました。」
申し訳ないと、頭を下げる。
『いや、可愛くない。』
『全然、好みじゃない。』
(あの言葉は、牽制をするため。)
ナンシーは ほっと、胸をなで下ろす。
「既に合いに行ってましたから、無駄でしたけど。」
高らかに、美しい人は笑う。
「カミーユ、貴様!! 」
「ウィル兄様は、この様に小心者。結婚は、考えになったようが宜しいわよ。」
するりと、ナンシーの前で屈んで顔を覗き見る。ウイリアムは、慌ててナンシーを抱き締めた。
「ナンシーに、近づくな。ナンシーは、俺のものだ。」
「嫉妬深い男は、哀れですわ。」
美しい人は、ナンシーに微笑みかける。
「小心者の嫉妬深い、ウィル兄様なんかおやめになった方が 宜しいわよ。」
尚も、美しい人はナンシーに、ウイリアムとの別れを進める。ウイリアムは、不安そうにナンシーを抱き締めた。
「嫉妬深くても小心者でも、私はウイリアム様が好き。」
ナンシーは、晴れ渡った顔で美しい人に言ってウイリアムに微笑みかける。
「ウイリアム様を、愛してます。」
「ナンシー。」
ウイリアムは、蕩ける笑顔でナンシーを抱き締めた。
「俺も、愛している。」
ウイリアムの声は、幸せでいっぱいだった。
伯爵家の人々は何故か拍手を送り、執事のロレンスは同じく拍手をしながら涙を流していた。
「あら、あら、これは。」
「カミーユの負けね。」
美しい人の声と、見知らぬ女性の声が聞こえてきた。
「キャロル。」
美しい人の声が、弾んだ。
その声に、伯爵家の人々とウイリアムは振り向いた。
そこには、金髪碧眼の清楚なナンシーに感じのよく似た女性が立っていた。
「ウィル兄様。彼女は、キャロル。」
美しい人は、満面の笑みで彼女を紹介する。
「わたくしの、婚約者ですわ。」
完
「相応しい、女性って? 」
ナンシーは おずおずと、ウイリアムに聞いた。
ウイリアムと執事のロレンスは、驚いた顔でナンシーを、伯爵家の人々を見た。
「カミーユ、お前。言ってなかったのか? 」
「あら、何かしら? 」
美しい人は、首を傾げる。
「お前が、男だって事だ。」
一瞬、その場に居た伯爵家の人々は、夫妻は、ナンシーは、頭の中が真っ白になった。次の瞬間、
「「「 男!? 」」」
驚愕の声をあげた。
「あら、あら、其処からですの。」
美しい人は、コロコロと笑った。
「ナンシー。ヘルシンキ伯爵夫妻。彼は、カミーユ。俺の叔母の息子。カミーユ・アンスリューム。従兄弟に、成る。」
「カミーユ・アンスリューム侯爵家 子息のカミーユですわ。」
ウイリアムは、正式にカミーユをナンシーに、伯爵夫妻に紹介をした。カミーユは、少し腰を下げて淑女の礼を取る。
「アンスリューム侯爵家の子息。」
ぽか~んと、伯爵家の人々は口を開けて美しい人を見る。
「侯爵家のご子息が、何故その様な姿を? 」
流石は、伯爵 気お取り直してウイリアムに問い掛けた。
興味津々に、伯爵家の人々は耳を傾ける。
「うふふっ、似合うでしょう。」
美しい人は クルリと、その場で回って見せた。白いドレスの裾が さらりと、広がる。
「アンスリューム侯爵家は、後三人の子息がいる。カミーユは、四男成る。女の子が欲しかった叔母夫婦は、カミーユが産まれた時 女の子として育ててしまったんだ。」
「だって、わたくし。『天使』の様に、愛らしかったんですって。」
コロコロと笑う。
「今は『女神』の様に、美しいでしょう。」
美しい人は、満面の微笑みを伯爵家の人々に向ける。
「男性。でも、胸が!! 」
ナンシーは、抱き締められた時確かに胸の柔らかさを感じた。
「あら、このドレスに胸が無ければ美しくないでしょう。あんパンを、詰めてましてよ。」
美しく人は、微笑む。
「あんパン。」
どおりで 甘い匂いがしたのか と、ナンシーは思った。
「他に、御質問は? 」
美しい人は、微笑む。
「あの、劇場でウイリアム様と 抱き合ってたのは? 」
ナンシーは おずおずと、聞いた。
「「「抱き合ってた!? 」」」
伯爵家の人々は、声を合わせて合唱する。
「あれを見てたのか? あの時は、カミーユがナンシーに紹介しろと劇場へ向かって。羽交い締めにして、帰る処だったんだ。」
『此奴、力が強くって。』と、ウイリアムは笑う。
「二人は、思い合ってるんじゃ…… 」
「はぁ!? 」
ナンシーの恐ろしい言葉に、ウイリアムは絶句する。
「可愛くない、ウィル兄様なんて 願い下げですわ。」
美しい人は きっぱりはっきり、言った。ウイリアムも、縦に顔を振り続けた。
「ウイリアム様は、その様な趣味はありませんナンシー様、一筋です。」
執事が、助け船を出す。
「わたくしも、そんな趣味はありませんわ。」
コロコロと、笑う。
伯爵家の人々は、複雑な顔をして美しい人を見ていた。
「何故、私に 紹介をしてくれなかったの。」
「それは、その…… 」
ナンシーの問い掛けに、ウイリアムは真っ赤に成って顔を背けた。
「ウイリアム様とカミーユ様は、お互いの好みが似ておりまして。ナンシー様を紹介すれば、取られると思ったのです。」
執事が、ウイリアムの変わりに応える。
「小心者ですわね、ウィル兄様。オーホホホホッ!! 」
美しい人は、高らかに笑った。
「うるさい!! お前が、俺のものを奪うからだ!! 」
「奪ってませんわ、自ずとわたくしの元に来るのですわ。」
言い合う二人。
「この様に、ウイリアム様はカミーユ様を兎に角警戒しておりまして。カミーユ様の前では、ナンシー様を可愛くはないと牽制をしておりました。」
申し訳ないと、頭を下げる。
『いや、可愛くない。』
『全然、好みじゃない。』
(あの言葉は、牽制をするため。)
ナンシーは ほっと、胸をなで下ろす。
「既に合いに行ってましたから、無駄でしたけど。」
高らかに、美しい人は笑う。
「カミーユ、貴様!! 」
「ウィル兄様は、この様に小心者。結婚は、考えになったようが宜しいわよ。」
するりと、ナンシーの前で屈んで顔を覗き見る。ウイリアムは、慌ててナンシーを抱き締めた。
「ナンシーに、近づくな。ナンシーは、俺のものだ。」
「嫉妬深い男は、哀れですわ。」
美しい人は、ナンシーに微笑みかける。
「小心者の嫉妬深い、ウィル兄様なんかおやめになった方が 宜しいわよ。」
尚も、美しい人はナンシーに、ウイリアムとの別れを進める。ウイリアムは、不安そうにナンシーを抱き締めた。
「嫉妬深くても小心者でも、私はウイリアム様が好き。」
ナンシーは、晴れ渡った顔で美しい人に言ってウイリアムに微笑みかける。
「ウイリアム様を、愛してます。」
「ナンシー。」
ウイリアムは、蕩ける笑顔でナンシーを抱き締めた。
「俺も、愛している。」
ウイリアムの声は、幸せでいっぱいだった。
伯爵家の人々は何故か拍手を送り、執事のロレンスは同じく拍手をしながら涙を流していた。
「あら、あら、これは。」
「カミーユの負けね。」
美しい人の声と、見知らぬ女性の声が聞こえてきた。
「キャロル。」
美しい人の声が、弾んだ。
その声に、伯爵家の人々とウイリアムは振り向いた。
そこには、金髪碧眼の清楚なナンシーに感じのよく似た女性が立っていた。
「ウィル兄様。彼女は、キャロル。」
美しい人は、満面の笑みで彼女を紹介する。
「わたくしの、婚約者ですわ。」
完
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(3件)
あなたにおすすめの小説
蝋燭
悠十
恋愛
教会の鐘が鳴る。
それは、祝福の鐘だ。
今日、世界を救った勇者と、この国の姫が結婚したのだ。
カレンは幸せそうな二人を見て、悲し気に目を伏せた。
彼女は勇者の恋人だった。
あの日、勇者が記憶を失うまでは……
7年ぶりに私を嫌う婚約者と目が合ったら自分好みで驚いた
小本手だるふ
恋愛
真実の愛に気づいたと、7年間目も合わせない婚約者の国の第二王子ライトに言われた公爵令嬢アリシア。
7年ぶりに目を合わせたライトはアリシアのどストライクなイケメンだったが、真実の愛に憧れを抱くアリシアはライトのためにと自ら婚約解消を提案するがのだが・・・・・・。
ライトとアリシアとその友人たちのほのぼの恋愛話。
※よくある話で設定はゆるいです。
誤字脱字色々突っ込みどころがあるかもしれませんが温かい目でご覧ください。
幼馴染の生徒会長にポンコツ扱いされてフラれたので生徒会活動を手伝うのをやめたら全てがうまくいかなくなり幼馴染も病んだ
猫カレーฅ^•ω•^ฅ
恋愛
ずっと付き合っていると思っていた、幼馴染にある日別れを告げられた。
そこで気づいた主人公の幼馴染への依存ぶり。
たった一つボタンを掛け違えてしまったために、
最終的に学校を巻き込む大事件に発展していく。
主人公は幼馴染を取り戻すことが出来るのか!?
好きな人がいるならちゃんと言ってよ
しがと
恋愛
高校1年生から好きだった彼に毎日のようにアピールして、2年の夏にようやく交際を始めることができた。それなのに、彼は私ではない女性が好きみたいで……。 彼目線と彼女目線の両方で話が進みます。*全4話
【完結】大好きな彼が妹と結婚する……と思ったら?
江崎美彩
恋愛
誰にでも愛される可愛い妹としっかり者の姉である私。
大好きな従兄弟と人気のカフェに並んでいたら、いつも通り気ままに振る舞う妹の後ろ姿を見ながら彼が「結婚したいと思ってる」って呟いて……
さっくり読める短編です。
異世界もののつもりで書いてますが、あまり異世界感はありません。
【完結】何回も告白されて断っていますが、(周りが応援?) 私婚約者がいますの。
BBやっこ
恋愛
ある日、学園のカフェでのんびりお茶と本を読みながら過ごしていると。
男性が近づいてきました。突然、私にプロポーズしてくる知らない男。
いえ、知った顔ではありました。学園の制服を着ています。
私はドレスですが、同級生の平民でした。
困ります。
私が、良いと言ってくれるので結婚します
あべ鈴峰
恋愛
幼馴染のクリスと比較されて悲しい思いをしていたロアンヌだったが、突然現れたレグール様のプロポーズに 初対面なのに結婚を決意する。
しかし、その事を良く思わないクリスが・・。
いや、あのやりとりは誤解するでしょう。お決まりのウジウジとか作者さん言ってますけど、むしろ、誤解しか生まないし、あんな奴隷商のようなやりとり聴いたら、直接聴きに行くのも命取りだと考えますよ。何も行動できなくなって当然でしょう。
結果は傍迷惑なオネエサマでしたけど。
主人公には同情しますね。振り回されて。
ところ変わって、代官部屋のイメージで書きました。
(分かるかな? 時代劇のです。)
「越後屋、お主も悪よの〜〜 」
「お代官様には負けます。」
「「アハハハハ 」」
という感じで、わざと悪ぶって話しているのをヒロインは聞いてしまったのです。憐れ、ヒロイン。
(ちなみに、時代劇の代官様と越後屋は本当に悪です。)
この後、桃太郎侍に切られます。
「一つ、人の世の生き血を啜る。
二つ、不埒な悪行三昧。
三つ、醜い浮世の鬼を退治て見せよう、桃太郎。」
何とも難解な作品でした。
結局、どこぞのロリコン公爵がナンシーを気に入ってるだのと言うのはなんだったんですかね?
貴族令嬢って温室育ちだから打たれ弱いんだろうけど、ナンシーは特にそんな感じで言われっぱなしで泣いてばかり。
ウィルはナンシーを囲い込むのに必死で、壁に耳あり障子に目ありに全く気付かない。人の悪口は、いくらカミーユを欺く為でも人の目のある場所で言うべきではないですね。
ところで、知り合いの男性がウィルを呼ぶ時に「啓」って言ってますが「啓」とは?「卿(きょう)」の間違い?
何処ぞのロリコン公爵が気に入っているとは。
公爵はロリコンではなく、コンパニオンとして派手な女性より孫娘のような質素なタイプの方がいいといういうことです。
ナンシーは、お約束の思い込みの激しい勘違いタイプですね。うじうじメソメソの気弱な女の子が最後には自分の思いをはっきり口にした、と温かい目で見てください。
街角ひと目のある場所ですが、馬車の前で耳をすまさないと聞こえない。知らない人が聞き耳たてるほどの会話はしてないつもりです。お約束の聞き耳たてて傷付くですね、コレがないと話が進まないので。
啓は、はい間違いです。
書き直します。
カミーユは性悪なのか?天然なのか?
今回は
ある意味
愛のキューピットではあるけど、、、
ナンシーがウィルを『好き好き大好き』が前提なわけで、、、
それが無いと、
か弱い(心身共に)令嬢だと、
ただの略奪者、お節介、簒奪者でおじゃま虫になるよね。
幼少期から
奪われつづけたとウィルは認識してるし、
カミーユも意図せずそうだと認めてるし、
ただの
美意識高く性格悪ドS女装ナルシー男子って感じかな(笑)
不器用なのか
親切なのか
悪意なのか
愉快犯なのか
分かりずらい性格よね
最後に出てきた
カミーユの婚約者も似た感じな気がするけど、
類は友を呼ぶって、、、
似た者同士?!(笑)
カミーユは不器用で、親切で、悪意もあって、愉快犯です。
婚約者のキャロルは、ナンシーと同じひ弱そうに見えて芯のしっかりした娘です。
カミーユはキャロルをウイリアムに紹介するのを躊躇っていました。好みが一緒だからキャロルを取られないように。本心はウイリアムにしっかりナンシーと関係を築いてほしかったんです。