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第十二章
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山本興信所の事務所へ入った。
山本が手を挙げ指を向ける、そちらを見ると望月はデスクに突っ伏して爆睡していた。
手招きされたので山本のデスクの横の椅子に座る。
「坂井君、大出世らしいじゃないか、おめでとう」
やはり噂が広まるのは早い、
「偶然の結果ですよ、たまたまいい方に転んだだけです」
「望月が羨ましがっていたぞ」
それと、と付け加える、
「木下が先日来たよ、あのベンツの件でだが手を引くそうだ、覚せい剤が絡んでいるらしくて捜査してたらしい、名義人も割れたそうだ、上野フーズの上野の車だったらしいが本人はとっくに病死、車も消えて手詰まりになったみたいだからお宮入りらしい、君の名前は出していないから安心してくれ、だが俺も元刑事だ真相を知っているなら話だけでも聞かせてくれないか?」
気付くと望月が俺の後ろで話しを聞いていた。
「気付かれずに後ろにいるなんてまるで猫みたいだな」
「これでも一応探偵だ、尾行で気付かれた事もない、話の続きを聞かせてくれないか木下にチクったりはしないさ、守秘義務って奴があるしな」
迷ったが一連の出来事を話した、元々話すために来たようなものだ。
話が終わると山本が言う、
「偶然が重なり合いこういう結果か、君は悪運が強いみたいだな、でなけりゃ今頃とっくにその永井って坊やや佐々木と言う男に殺られるか、松本に殺されているはずだ」
望月も、
「その通りですね」
と頷いている。
俺の携帯が鳴った、永井からと言い出る。
「生きてたか?」
呼吸は荒いが生きていた、俺と入れ替わりで松本組に行ったみたいだ。
「はいお陰様で、かなりボコられましたがね
骨も何本か折れたみたいです」
「口調が変わったが、どういう心境の変化かね? 松本敬三に説教でもされたか?」
「何故それを? 坂井さんによろしくと言ってましたよ、松本に合ったんですね、まあいいです、俺は上野や松本より怖い相手がいるって事を、身を持って知ってしまったってところでしょうか」
「俺がそうだとでも言いたげだな」
「そうですよ、で俺の処分は? やはりクビですか?」
「いや、一日でそこまでやったんだ男として見直そうじゃないか、それにお前は無事に開放された身だしな、報酬も松本からもらえたんだろ? とりあえず動けるようになるまであのボロアパートで寝ておけ、有給扱いにしておいてやる」
「何もかもお見通しって奴ですね、佐々木まで簡単にやっつけるなんて思いもしませんでした、話は聞いてます」
「連絡あったのか、生きてるんだな?」
「はい、話を聞いただけでぞっとしました、躊躇いもなくあんな事をするなんて松本よりも数倍怖いですよ」
「とりあえず、二人共早く怪我を治せ」
「わかりました、顔の腫れが引いたら出ますよ。それと気遣ってもらってありがとうございます」
電話を切った、山本が。
「例の永井って坊やか? よく生きて帰ってきたな」
「奴も悪運が強いんでしょう」
望月が明るい声で。
「これで全て丸く収まって事件解決ってことだな、バミューダのオーナーさん」
「からかうなよ」
「そんなつもりじゃない、バミューダへ行った時はサービスしてくれよ」
「あぁ、わかった。今日はこれで帰るよ」
山本も望月も笑顔で見送ってくれた。
「終わったんだ」
とひとりごちる。
マンションに帰ると真理子はもう帰ってきていた。
「早く片付いたから、帰りにスーパーで買い出ししてきたわ」
「バーの方も順調そうだな」
「もう知ってたの? 今から伝えようと思ってたのに」
真理子はクスリと笑う、
「何か飲む?イソラテだったらすぐ用意するわ」
「頼むよ、それと永井だが続けさせてやってくれ、立派な男になって戻って来るがちょっと怪我をしているから有給扱いにしてやってくれ」
「いいけどまた永井とトラブル?」
と心配そうな顔をしたので、
「俺じゃない、単なる事故さ。それと西田の総支配人の件、一月からにしてやってくれ、後、人を一人雇うつもりだがいいかな」
「いいわよ、わかったわ」
にこやかに真理子が続ける。
「それと直人さんの住宅の解約とか各手続きをうちの顧問弁護士さんにお願いしてきたわよ」
「弁護士なのにそんな事出来るのか?」
「全部は無理よ弁護士さんが他のとこに委託したりするのよ」
「そうか、じゃあ俺の帰る家はここだけってことになったな」
「そうよ、直人さんと私の家よ、部屋割りもしなくっちゃね、北側の個室は仕事用に使いましょ、二人の部屋はこっちのベッドルームでいいわね、残った一部屋は暫く客室にして子供が出来たら子供部屋にしましょ」
「おいおい、気が早くないか?」
「いいのよ、こうして想像して楽しみを増やすのも楽しいものよ」
真理子は嬉しそうにそう語る、そして、
「今日ね、上野フーズの社名変更の手続きしてきたわ、来年からは『坂井フーズ』よ」
「私達が結婚したら私も坂井の姓を名乗るわけだしいいでしょ?」
「ああ、これで『上野』という名前が真理子の中から完全に消え去るな」
「そうよ」
「それと最後の報告だ、例の上野が起こした覚せい剤の一件、すべて片が付いた。もう誰かから狙われる心配も一切ない。これからは俺と真理子の二人でバミューダを発展させていこう」
真理子が抱きつく
「本当に終わったのね。直人さんありがとう
感謝の気持ちが上手く言葉にできないけど、
本当にありがとう」
俺も抱きしめる
山本が手を挙げ指を向ける、そちらを見ると望月はデスクに突っ伏して爆睡していた。
手招きされたので山本のデスクの横の椅子に座る。
「坂井君、大出世らしいじゃないか、おめでとう」
やはり噂が広まるのは早い、
「偶然の結果ですよ、たまたまいい方に転んだだけです」
「望月が羨ましがっていたぞ」
それと、と付け加える、
「木下が先日来たよ、あのベンツの件でだが手を引くそうだ、覚せい剤が絡んでいるらしくて捜査してたらしい、名義人も割れたそうだ、上野フーズの上野の車だったらしいが本人はとっくに病死、車も消えて手詰まりになったみたいだからお宮入りらしい、君の名前は出していないから安心してくれ、だが俺も元刑事だ真相を知っているなら話だけでも聞かせてくれないか?」
気付くと望月が俺の後ろで話しを聞いていた。
「気付かれずに後ろにいるなんてまるで猫みたいだな」
「これでも一応探偵だ、尾行で気付かれた事もない、話の続きを聞かせてくれないか木下にチクったりはしないさ、守秘義務って奴があるしな」
迷ったが一連の出来事を話した、元々話すために来たようなものだ。
話が終わると山本が言う、
「偶然が重なり合いこういう結果か、君は悪運が強いみたいだな、でなけりゃ今頃とっくにその永井って坊やや佐々木と言う男に殺られるか、松本に殺されているはずだ」
望月も、
「その通りですね」
と頷いている。
俺の携帯が鳴った、永井からと言い出る。
「生きてたか?」
呼吸は荒いが生きていた、俺と入れ替わりで松本組に行ったみたいだ。
「はいお陰様で、かなりボコられましたがね
骨も何本か折れたみたいです」
「口調が変わったが、どういう心境の変化かね? 松本敬三に説教でもされたか?」
「何故それを? 坂井さんによろしくと言ってましたよ、松本に合ったんですね、まあいいです、俺は上野や松本より怖い相手がいるって事を、身を持って知ってしまったってところでしょうか」
「俺がそうだとでも言いたげだな」
「そうですよ、で俺の処分は? やはりクビですか?」
「いや、一日でそこまでやったんだ男として見直そうじゃないか、それにお前は無事に開放された身だしな、報酬も松本からもらえたんだろ? とりあえず動けるようになるまであのボロアパートで寝ておけ、有給扱いにしておいてやる」
「何もかもお見通しって奴ですね、佐々木まで簡単にやっつけるなんて思いもしませんでした、話は聞いてます」
「連絡あったのか、生きてるんだな?」
「はい、話を聞いただけでぞっとしました、躊躇いもなくあんな事をするなんて松本よりも数倍怖いですよ」
「とりあえず、二人共早く怪我を治せ」
「わかりました、顔の腫れが引いたら出ますよ。それと気遣ってもらってありがとうございます」
電話を切った、山本が。
「例の永井って坊やか? よく生きて帰ってきたな」
「奴も悪運が強いんでしょう」
望月が明るい声で。
「これで全て丸く収まって事件解決ってことだな、バミューダのオーナーさん」
「からかうなよ」
「そんなつもりじゃない、バミューダへ行った時はサービスしてくれよ」
「あぁ、わかった。今日はこれで帰るよ」
山本も望月も笑顔で見送ってくれた。
「終わったんだ」
とひとりごちる。
マンションに帰ると真理子はもう帰ってきていた。
「早く片付いたから、帰りにスーパーで買い出ししてきたわ」
「バーの方も順調そうだな」
「もう知ってたの? 今から伝えようと思ってたのに」
真理子はクスリと笑う、
「何か飲む?イソラテだったらすぐ用意するわ」
「頼むよ、それと永井だが続けさせてやってくれ、立派な男になって戻って来るがちょっと怪我をしているから有給扱いにしてやってくれ」
「いいけどまた永井とトラブル?」
と心配そうな顔をしたので、
「俺じゃない、単なる事故さ。それと西田の総支配人の件、一月からにしてやってくれ、後、人を一人雇うつもりだがいいかな」
「いいわよ、わかったわ」
にこやかに真理子が続ける。
「それと直人さんの住宅の解約とか各手続きをうちの顧問弁護士さんにお願いしてきたわよ」
「弁護士なのにそんな事出来るのか?」
「全部は無理よ弁護士さんが他のとこに委託したりするのよ」
「そうか、じゃあ俺の帰る家はここだけってことになったな」
「そうよ、直人さんと私の家よ、部屋割りもしなくっちゃね、北側の個室は仕事用に使いましょ、二人の部屋はこっちのベッドルームでいいわね、残った一部屋は暫く客室にして子供が出来たら子供部屋にしましょ」
「おいおい、気が早くないか?」
「いいのよ、こうして想像して楽しみを増やすのも楽しいものよ」
真理子は嬉しそうにそう語る、そして、
「今日ね、上野フーズの社名変更の手続きしてきたわ、来年からは『坂井フーズ』よ」
「私達が結婚したら私も坂井の姓を名乗るわけだしいいでしょ?」
「ああ、これで『上野』という名前が真理子の中から完全に消え去るな」
「そうよ」
「それと最後の報告だ、例の上野が起こした覚せい剤の一件、すべて片が付いた。もう誰かから狙われる心配も一切ない。これからは俺と真理子の二人でバミューダを発展させていこう」
真理子が抱きつく
「本当に終わったのね。直人さんありがとう
感謝の気持ちが上手く言葉にできないけど、
本当にありがとう」
俺も抱きしめる
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