どろんこポム

辻堂安古市

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どろんこ ポム

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どろどろ。



ぺたぺた。



ぐちゃぐちゃ。






どろんこのポムは、今日もどろんどろん。


頭の上には、ぴかぴかキラキラ光るお星さまがいっぱいです。









「いいなあ。ボクもキラりんみたいに、キレイに、ピカピカになりたいなぁ」


「ポムくん、なんだってわたしみたいになりたいんだい?」


「だってボク、みんなから『キタナイ』『泥だらけ』って言われちゃうんだ。ボクはきらわれものなんだよ」








 キラリりんはキラキラと光をふりまきながら答えました。


「ポムくん、ざんねんだけど、キミはどんなにがんばってもわたしにはなれないよ」

「ああ、やっぱりね。ボクはずーっとキラキラできないで、ドロドロ、べちゃべちゃのままなんだ・・・」


 
 がっかりです。ポムはもっとドロドロになってしまいました。
 でも、そんなポムにキラりんはちょっと意外なことを言うのです。







「でもね、ポムくん。キミはぼくよりすごいかもしれないよ?」

「え?どーいうこと?」

「ははあ、やっぱり知らなかったんだね?じゃあ一緒に見に行こうか?」


 こうして二人はいっしょに旅をして回ることになりました。









「ねぇ キラりん、あの人は何してるの?」

「あぁ あれはね、『泥パック』って言うんだよ。お肌がキレイになるんだってさ」

「えええ?いっつも『泥がついて汚い!』って言われちゃうのに?」






『よーし!今日もおハダすべすべ、ピカピカ!』



「本当だ!よろこんでるよ!」

「ね?キミはキレイにするお手つだいができてるんだよ」










「ねぇ キラりん?あそこは何を作ってるの?」

「あそこはね。お皿やお茶わんをつくっている所だよ。あれをつくるためには、岩や石をくだいて泥にして、粘土を作らないといけないんだ」







「えー?だってこれ、泥の色してないよ?すっごくキレイだよ?」

「それもね、『化粧泥』って特別の泥なんだよ」

「そうなんだ!」











「ポムくん、ちょっとこっちにおいでよ」

「はーい……って、わああああああ⁉」

「めをつぶってじっとしてて!いいよって言ったら目を開けてね」

「わかったけど、こねこねくるくる、目が回るよぅー!」








「はい、もういいよポムくん」

「もういいの?・・・って、あれ?これ、ボク?ピカピカになってるよ⁉」






「『どろだんご』っていうんだよ。ピカピカだよね。でもね、それよりもまわりを見てごらんよ」

「・・・?」

「作った人たちの顔、どう?」

「うん。なんかみんなの笑顔がキラキラしてるよ!」






 この後もキラりんとポムの旅はつづきました。

 どろんこばっかりの海では、生き物がたくさんくらしてました。

 動物たちは「泥浴び」で、体をかゆくならないようにしてました。

 それから、どろでお家を作っているところもありました。

 「泥」は、いろんなところでとっても役立っていたのです。









「ポムくん、どうだった?」

「うん!ボクね、泥でみんなが笑顔になってくれることもあるんだって知れて、うれしかった!」

「そうだね。キミはキミが輝くだけじゃなくて、ほかの人やものを輝かせることができるんだ。すごいじゃないか」

「キラりん、ありがとう!ボクはキラリさんみたいにはなれないけど、ボクは『ボクだけのキラキラ』を持ってるって、よくわかったよ!」









 ボクにしかできない事があるんだね。
 
 ボクにしかできない「輝き方」があるんだね。

 ひとりひとり、みんな「輝き方」ってちがうよね。
 
 きっと、みんな自分の「輝き方」をもってるよね。




 そんなうれしそうなポムくんの笑顔も、キラキラと輝いていました。












 











おしまい。



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感想 1

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みんなの感想(1件)

織花かおり
2025.12.11 織花かおり

素敵なメッセージ性のあるお話でした!
自分だけの輝き✨必ずありますよね。
それを大切にしたいです。

2025.12.11 辻堂安古市

織花かおり様、お読みいただきありがとうございました。
泥にまみれてても、きっと何か光るものがあるはず!という思いを汲んでいただき嬉しかったです。

解除

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