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9.過去編
43一水盈盈と暗黒の師走 ⑥
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***
クリスマスの浮かれた気分は、もう遠い彼方のようだった。たった一晩で、世界を包む音も色も温度も丸ごと変わってしまったかのようにまで感じられた。
タイムリミットは一月一日の夜明け。一週間の猶予があるとはいえ、余裕をもって攻めることはできない。敗北は万に一つも許されない決戦だ。ギリギリまで用意周到に作戦を立て、外部と連携する必要があった。
二十五日、そして緊迫した状況にさらに追い打ちをかけるようなある一件があった二十六日と連続して三者会議に出ていた宮希。その夜、彼はあくる二十七日に寄合を開いて作戦を発表すると舎内放送で告げた。ちょうど夕食をとっていた霞冴は、食堂でその放送を聞いていたのだが。
(……何か、おかしい)
急いでご飯をかきこむと、早歩きで中央隊舎へ向かった。本当は走り出したかったのだが、胃が揺れる感じがして気持ち悪かったので、じれったくも早歩きにとどめている。
(宮希の声……いつもと違った)
マイク越しにでもわかる、拭えない違和感。もちろん、この状況下で完全に通常運転だと、逆に神経を疑うのだが、そうではない危うい気配が鼓膜を揺らしていた気がしたのだ。
二日前の夜の困憊した表情。なのに、口から出てきたのは弱音とは真反対の言葉。あのまま無理を続けていたら、また倒れてしまうのでは――。
廊下の奥の総司令部室が見えてきた。こんなときでさえ、永遠は気づいていないといいな、などと利己的な考えが浮かび、吹き飛ばすように頭を振る。ほら、中から話し声が聞こえる、きっと先に来た永遠と話しているんだ……と自分を諫めながらドアノブに手を伸ばした霞冴が聞いたのは、
「割り切れって、そんな簡単にできるわけないでしょう!?」
はじかれたように手を引っ込めた。一瞬、耳を疑った。
激しい怒号は、彼女からは想像もできないほど苛烈で、しかしその後しばらく、良心の呵責はありながらも立ち聞きしていた限り、聞き間違いとも思えなかった。
こっちは今初めて知ったのよ。ショックに決まっているでしょう。そんな鋭い声だけがドアを越えてきた。それに対する返事が聞こえないのは、きっと話し相手が語勢をちっとも荒らげないから。
ちょっと頭を冷やさせて、という声が最後だった。突然、ドアが開いて、霞冴は慌てて後ずさった。中から出てきた人物は、霞冴の存在に気付くと、涙をいっぱいにためた栗皮色の瞳を大きく見開いた。
霞冴が見るその人物はいつだって、お姉さんらしい笑顔を浮かべているか、頼りない副隊長を叱っているかだった。今、年長者のゆとりはなりを潜め、奥に控えていた感情的な部分がむき出しになった彼女の名を、霞冴はぽつりと呼んだ。
「……宇奈川隊長」
その敬称が、彼女に矜持を自覚させたらしい。ハッとして涙をぬぐうと、作り笑いを見せた。
「ごめんなさい、時尼さん。……大丈夫だから、気にしないで」
そう言って立ち去る。足早に去っていく彼女から、一度だけ、小さくむせぶような声が聞こえた気がした。
霞冴は、総司令部室に向き直り、開きっぱなしのドアから中の宮希を見やった。彼も、霞冴のほうを見つめていた。
「宮希……?」
「…………」
「宇奈川隊長に……何を言ったの……?」
詰め寄りそうになるのをぐっと我慢しながら、霞冴はゆっくりと室内に入った。あのうとめを激昂させるような何を、宮希は口にしたのか。口論などしている場合ではないのに。
「……直前になって知って、あいつが取り乱しても困るから、先に通達しておいたんだ」
「何を……」
「……今日の朝、御里山が消滅しただろう?」
霞冴は起き抜けに聞いた衝撃的な出来事を思い出し、反射的にびくっと肩を震わせた。
宣戦布告から二夜明けた今朝、御里山が爆発した。爆破された、と言ってもいい。火山でも何でもない山が中心から弾けたように吹き飛び、それは負の念渦巻く西部地方、チエアリが目撃された地域だったのだ。十中八九、彼らの仕業だろう。
当然、周囲の町に被害が出た。親松だけではない。山があったところが丸ごと平地になり、そのぶんの土砂や岩石が、爆心地を中心とした円を描いて町を押し流したのだ。東西南北も問わず、全てが一瞬にして壊滅した。
「うん……本来なら希兵隊が救助活動などにあたるところだけど、それは情報管理局の局長に止められたんだよね。代わりに現状把握をしてくれてたみたいだけど……」
「ああ。その結果が夕方に出た。明日の寄合で発表予定だったんだが、局長によると――土砂の中には、もう生者はいないとよ」
霞冴の足から一瞬力が抜けた。ガクッと崩れ落ちそうになるのを、必死にこらえた。
生者はいない――つまり、巻き込まれたひとたちは全員死亡したということ。
「そんな、嘘でしょ、あそこ一帯で何人いると思ってるの……ちゃんと調べたの……!?」
「メソッドはわからんが、断言していた。のちに公式発表するだろうな」
「…………」
ひとしきりショックに撃たれた後、霞冴は我に返った。なぜ、自分はこんな話を聞かされているのだったか。
そのタイミングを見計らったかのように、宮希が口を開いた。
「要は、御里山周辺の町が全滅したってことだ。ところで、時尼。オレの実家がどこだか覚えているか?」
「え……親松の二つ隣の、飛梅って町……?」
「そうだ。二つ隣とはいえ、御里山を囲むように北へ行ったところにある。そこに、オレと……まあ、うとめの第二の両親とも言える二人が暮らしている……いや、暮らしていた」
霞冴はハッと口を押えて瞳を揺らした。
「ま……さか……」
「そういうことだ。だから、とりあえず急ぎの舎内放送だけ済ませて、すぐにうとめを呼び、お前のほかでは唯一、あいつに今の話を伝えたんだ。一晩で割り切れ、と言ってな」
「そ……そんな……!」
最初に聞いたうとめの叫びと同じことが口から飛びだしかけた。うとめにとっても、二人は両親だったのだ。一度ならず二度までも、彼女は「親」を亡くすことになった。積年の愛着の対象を喪失して、その穴を一晩で埋めろなど、到底無茶な話だ。
そしてそれは、何より彼にも言えること。
「宮希は……宮希だって……!」
「……オレに落ち込んでいる暇があると思うか。ふさぎ込んでいる時間があると思うか。今のオレは、そんなことにかまけることは許されない。すべて後だ。悼むのも、悲しむのも」
これだ。この、揺れそうになるのをこらえる、詰めるような声音。ほぼ閾値下知覚の異変だったが、霞冴が気付いたのはまさしくそれだった。
霞冴が両親を亡くしたのは、記憶もおぼろげなほど昔のことだったが、姉の死を知ったその時の痛みは、今でも鮮烈に覚えている。何をどう取り繕ったって、平気な顔でいられるはずがなかった。
もし、宮希が同じ痛みを強引に押し込めているのだとしたら、間違いなく綻びはどこかで現れる。
毅然と立っている宮希の足元は、こちらから見えない方向から徐々に崩れていっているのではないか。霞冴は、そんな予感に身震いした。
「宮希、今日はもう休んで」
「何だよ、急に」
「お願い……お願いだから。今の状況で倒れたら、宮希が苦しいだけじゃなくなっちゃうんだよ」
「なんで倒れる前提なんだよ」
そう切り返した宮希だが、ふいに口をつぐむと、霞冴に背を向けた。
「……わかったよ、明日も忙しいしな。今日は早めに寝る」
言って、机の上を片付け始める。保証はないが、今回は素直に従ってくれそうだ。少しだけ安堵して、扉へ向かうタイミングを図っていた時だった。
「……なあ、時尼」
机のほうを向いたまま、宮希が手を止めて彼女を呼んだ。虚を突かれ、霞冴は少しばかりドキリとした。
「前に、言ってたよな。護衛官じゃなくてもオレのこと守りたいって」
「う、うんっ」
霞冴の中ではとてつもなく大きなその想いは、宮希の心をどれほどだけ占めるのか未知数だった。少なくとも、言及されるとは思っていなかったので、慮外も慮外だった。彼がそこにどのような評価を下しているのか気になって、高鳴る鼓動とともに言葉の続きを待った。
宮希は、変わらず霞冴に背を向けたまま、存外に穏やかな声で言った。
「あの言葉、すごく嬉しかったし、すごく……心強かったよ」
「宮希……」
「だからさ」
彼の声の重みに、空気までもが動きを止めた気がした。当然、霞冴も微動だにしなかった。
宮希は、しばらく黙りこくった後、短く息を吐いて、
「いや……やっぱり、今はいい。……また明日な、時尼。おやすみ」
「え……」
整頓が終わったのか、宮希は机の前を離れた。途中、霞冴に一瞬だけ視線をくれて、彼は私室へと消えた。
宮希の言葉の余韻が、胸の中で脈打っているようだった。それは、総司令部室を出て、自分の部屋に戻っても、絶えることはなかった。
***
暖かい部屋の中、雰囲気だけが凍ったように張りつめていた。
朝の十時、希兵隊員全員を集めての寄合が開かれていた。二日間で局長から情報提供を受け、学院長も交えて戦略会議をした結果が発表される。
ホワイトボードの前で、主体の隊員たちを前に、宮希はまず状況の周知を行った。最初に触れられたのは、情報管理局が御里山の崩壊による生存者ゼロを断定したこと。霞冴の予想に反して、隊員たちは冷静だった。死に触れすぎてマヒしてしまったか、それとも動揺している暇などなく現実に向き合わなければならないと悟ったか。
「……で、自然現象的に御里山が爆発するわけがないことを考えると、おのずとチエアリの仕業というのはわかるだろうが、それとは別に、決定的な証拠がある。これはまだ皆には発表していなかったが、御里山の崩壊跡地に、こういうものができていた」
宮希が白板に広げた模造紙を、隊員たちは刮目した。それは、荒いスケッチのようなものだった。遠目から眺めた建造物だ。手前に二つ、奥に二つかまぼこ型の棟が同心へ向けて建ち、各々は直角に距離を保っている。その中心にそびえるのは、四棟の三倍は高さのある円柱の塔。窓はないものの、等間隔にひさしのような区切れがあり、素直に数えて五階建てだった。
「これは、局長が念術で見通したものを写生した図だ。御里山が消滅した直後からこの形で立っている。信じがたいが……山の中にあらかじめ作っておいて、この塔の外側を吹き飛ばすように山を爆破したのだろうな。この図からは分かりにくいが、材質は木。少なくとも、向こうには草属性のチエアリがいると見える」
木の根やつるを操るのは草術の十八番だが、ここまでの木造建築物を作ってしまうとは、恐るべきチエアリである。猫にあらずして猫よりも巧みに源子に操るさまは、チエアリについて書かれた文献では「忌々しい」と表現されていた。
「局長によると、中央の塔に直接入るすべは、おそらくない。周りにある四つの建物には、それぞれ一つずつ入り口があり、そこから塔への通り道がありそうとのことだ。もしコンタクトしてきたチエアリが最奥部にいるとしたら、それは塔の最上階。そう仮定すると、オレは四つの建物のどれかを抜け、塔を上まで上らなければならない」
「その建物、本当にチエアリに関係あるんすか」
朱雀隊隊長、欅沢レノンが問うた。
「盛大なおとりだったりする可能性は?」
「おとりではないでしょう」
宮希はきっぱりと言い切った。
「局長曰く、内部には六体のチエアリと、その倍以上の数のダークが観測されたらしいので」
想像するだけで、隊員たちは青ざめ、中には卒倒しそうになる者もいた。一方で、当然のごとく湧いて出る疑問をうとめがぶつける。
「どうしてわかるのよ? 局員が中を視察したわけでもあるまいに」
「視察してきたのは局員ではなく源子だ。局長と契約して、な」
「え……」
「あのひと、時空学卒業者だからな」
ある種、さっきよりも呆然とする隊員たち。フィライン・エデン最難関の学問である時空学を卒業するとは、並々ならぬ頭脳とセンスの持ち主だ。局長の名前も顔も知らない隊員たちは、勝手に仙人のような人物を思い浮かべた。
「やっぱり三大機関の長ってそういうものよね、本来……」
「オイ、そこの青龍隊隊長。遠回しにオレをなじったか。言っておくが、あのひとも……、……いや、無駄話はよそう。本筋に戻るが、当然、チエアリが提示してきた駆け引きは信用に値しない。オレが行ったところで一騎打ちなどしないだろうし、町も容赦なく破壊するだろう。だから、目的はあのチエアリに会うことではない。乗り込み、全滅を狙う。これ一択だ」
宮希は皆を見回して続ける。
「本音を言えば、希兵隊の全滅を避けるために戦力は小出しにしたいところだ。だが、生半可な戦力で行けば玉砕する。なし崩し的にこちらの人員を削られるわけにはいかない。よって、希兵隊は総動員して一度に殲滅する。そして、四つの棟それぞれから同時に入るんだ。希兵隊が出払ったことで、塔の外は当然手薄になるが、四つの出入り口から一気に攻めることで、ヤツらを塔から出すことなく突き進める」
一つの建物から入って攻略している間に、別の建物から敵が逃げた、ではシャレにならない。結局、市民に被害が及ぶだけだ。屋内にいる敵は屋内に閉じ込めて倒す。これが、今回の戦法の一端だった。
「それでも、塔の外でわくクロやダークはいるだろうから、本部のほか町中の警備は懸念される。その対策は後述するとして、まずは四か所の配分を発表しよう。この図は、方角的にはこうだが……」
宮希はマーカーペンで模造紙に東西南北を書き込んだ。
「わかりやすく、東棟を青龍隊、西棟を白虎隊、南棟を朱雀隊とする。オレは北棟からだ。こうすると、玄武隊がいない今、執行部でないオレが北から入ることがバレそうなものだが、向こうは隊の名前も四方向同時に攻めてくることも知らないだろうし、知っていたとして、オレはどこかの隊に護衛されてくると思っているだろうからな。どちらにせよ、四分の一の確率で当てられるんだから、気にしても仕方ない」
「待って、最初からあんたが行く必要なんてある? そんな危険侵さなくても、塔の中の敵を執行部が滅してからでも……」
「順当にいけばそうだ。だが、忘れたか? オレが行かないとチエアリはどこかの町を焼け野原にすると言っている。そして、全地域の市民がそれを聞いている。オレだけ巣にこもって部下を派遣して、遅れて出発する予定だと言ったところで、それを彼らが信じるか? あとで実行して納得してもらえた、では済まないんだ。リアルタイムに募らせる不満不服、それがチエアリのエネルギーなんだからな」
言い返されたうとめは、ぐっと喉を動かしてから、さっきよりも静かに反論した。
「……あんたの警護はどうなるの。護衛官一人じゃ、いざというときが心配よ。あんたがやられたら、この勝負……」
竜頭蛇尾の異論。こんな時に士気を下げたくないと尻すぼみになったのだろうが、目を背けられない事実だ。
宮希は、「そのことだが」と答えた。
「初めの低層棟さえクリアすれば、塔の中では執行部が先行して地ならししてくれればいい。中が四つに区切られていたら、結局は戦力が散り散りになるが……どちらにせよ、全滅を狙うのだから、あまり変わらないな。オレが死のうと死ぬまいと、やることは一つだ」
小さく嘆息し、再び口を開く。
「とはいえ、オレだってみすみすやられるわけにはいかない。守りは少しでも固いほうがいいのは自明だ。だから、凪原には留守番を頼んである」
皆の視線が、一気に小さな子猫に集まる。隊員ではないにもかかわらず本部で暮らす唯一の少女。彼女が、今回寄合に呼ばれていた理由を、一同はようやく解した。
「彼女は、オレたちの仕事をそばでずっと見てきた。司令は出せなくとも、交換手の役割くらいは果たせるはずだ」
「任せて!」
尻尾をぴんと立てて、みちねは元気よく返事した。
「すると、まあ少ないことは否めないが、オレの守備を固める人員は一人多く割ける。三者会議で相談した結果、特例とはいえ、腕に覚えがあるならば、もう一人、帯刀して護衛官と同列に並ばせ、オレを護衛させることが可決された」
それが意味するところを知って、霞冴の心臓が大きく跳ねた。同時に、宮希の瞳が彼女を向く。
こんな望まぬ非常事態の中で願いが叶うなど、皮肉な話だ。
だが、彼が求めるなら。守りたいと焦がれた少年が、認め、頼ってくれるなら。
「時尼」
二人とも、余計な言葉で飾らずとも、以心伝心に通じ合っていた。
だから、彼の指示もただ一言だ。
「やれるな?」
心の中に炎がともった。自分ではなく、世界で一人だけ、目の前のカーキ色の少年のために燃やす決意の焔。
全身全霊を込めて力強く、霞冴もただ一言で応えた。
「――はいっ!」
クリスマスの浮かれた気分は、もう遠い彼方のようだった。たった一晩で、世界を包む音も色も温度も丸ごと変わってしまったかのようにまで感じられた。
タイムリミットは一月一日の夜明け。一週間の猶予があるとはいえ、余裕をもって攻めることはできない。敗北は万に一つも許されない決戦だ。ギリギリまで用意周到に作戦を立て、外部と連携する必要があった。
二十五日、そして緊迫した状況にさらに追い打ちをかけるようなある一件があった二十六日と連続して三者会議に出ていた宮希。その夜、彼はあくる二十七日に寄合を開いて作戦を発表すると舎内放送で告げた。ちょうど夕食をとっていた霞冴は、食堂でその放送を聞いていたのだが。
(……何か、おかしい)
急いでご飯をかきこむと、早歩きで中央隊舎へ向かった。本当は走り出したかったのだが、胃が揺れる感じがして気持ち悪かったので、じれったくも早歩きにとどめている。
(宮希の声……いつもと違った)
マイク越しにでもわかる、拭えない違和感。もちろん、この状況下で完全に通常運転だと、逆に神経を疑うのだが、そうではない危うい気配が鼓膜を揺らしていた気がしたのだ。
二日前の夜の困憊した表情。なのに、口から出てきたのは弱音とは真反対の言葉。あのまま無理を続けていたら、また倒れてしまうのでは――。
廊下の奥の総司令部室が見えてきた。こんなときでさえ、永遠は気づいていないといいな、などと利己的な考えが浮かび、吹き飛ばすように頭を振る。ほら、中から話し声が聞こえる、きっと先に来た永遠と話しているんだ……と自分を諫めながらドアノブに手を伸ばした霞冴が聞いたのは、
「割り切れって、そんな簡単にできるわけないでしょう!?」
はじかれたように手を引っ込めた。一瞬、耳を疑った。
激しい怒号は、彼女からは想像もできないほど苛烈で、しかしその後しばらく、良心の呵責はありながらも立ち聞きしていた限り、聞き間違いとも思えなかった。
こっちは今初めて知ったのよ。ショックに決まっているでしょう。そんな鋭い声だけがドアを越えてきた。それに対する返事が聞こえないのは、きっと話し相手が語勢をちっとも荒らげないから。
ちょっと頭を冷やさせて、という声が最後だった。突然、ドアが開いて、霞冴は慌てて後ずさった。中から出てきた人物は、霞冴の存在に気付くと、涙をいっぱいにためた栗皮色の瞳を大きく見開いた。
霞冴が見るその人物はいつだって、お姉さんらしい笑顔を浮かべているか、頼りない副隊長を叱っているかだった。今、年長者のゆとりはなりを潜め、奥に控えていた感情的な部分がむき出しになった彼女の名を、霞冴はぽつりと呼んだ。
「……宇奈川隊長」
その敬称が、彼女に矜持を自覚させたらしい。ハッとして涙をぬぐうと、作り笑いを見せた。
「ごめんなさい、時尼さん。……大丈夫だから、気にしないで」
そう言って立ち去る。足早に去っていく彼女から、一度だけ、小さくむせぶような声が聞こえた気がした。
霞冴は、総司令部室に向き直り、開きっぱなしのドアから中の宮希を見やった。彼も、霞冴のほうを見つめていた。
「宮希……?」
「…………」
「宇奈川隊長に……何を言ったの……?」
詰め寄りそうになるのをぐっと我慢しながら、霞冴はゆっくりと室内に入った。あのうとめを激昂させるような何を、宮希は口にしたのか。口論などしている場合ではないのに。
「……直前になって知って、あいつが取り乱しても困るから、先に通達しておいたんだ」
「何を……」
「……今日の朝、御里山が消滅しただろう?」
霞冴は起き抜けに聞いた衝撃的な出来事を思い出し、反射的にびくっと肩を震わせた。
宣戦布告から二夜明けた今朝、御里山が爆発した。爆破された、と言ってもいい。火山でも何でもない山が中心から弾けたように吹き飛び、それは負の念渦巻く西部地方、チエアリが目撃された地域だったのだ。十中八九、彼らの仕業だろう。
当然、周囲の町に被害が出た。親松だけではない。山があったところが丸ごと平地になり、そのぶんの土砂や岩石が、爆心地を中心とした円を描いて町を押し流したのだ。東西南北も問わず、全てが一瞬にして壊滅した。
「うん……本来なら希兵隊が救助活動などにあたるところだけど、それは情報管理局の局長に止められたんだよね。代わりに現状把握をしてくれてたみたいだけど……」
「ああ。その結果が夕方に出た。明日の寄合で発表予定だったんだが、局長によると――土砂の中には、もう生者はいないとよ」
霞冴の足から一瞬力が抜けた。ガクッと崩れ落ちそうになるのを、必死にこらえた。
生者はいない――つまり、巻き込まれたひとたちは全員死亡したということ。
「そんな、嘘でしょ、あそこ一帯で何人いると思ってるの……ちゃんと調べたの……!?」
「メソッドはわからんが、断言していた。のちに公式発表するだろうな」
「…………」
ひとしきりショックに撃たれた後、霞冴は我に返った。なぜ、自分はこんな話を聞かされているのだったか。
そのタイミングを見計らったかのように、宮希が口を開いた。
「要は、御里山周辺の町が全滅したってことだ。ところで、時尼。オレの実家がどこだか覚えているか?」
「え……親松の二つ隣の、飛梅って町……?」
「そうだ。二つ隣とはいえ、御里山を囲むように北へ行ったところにある。そこに、オレと……まあ、うとめの第二の両親とも言える二人が暮らしている……いや、暮らしていた」
霞冴はハッと口を押えて瞳を揺らした。
「ま……さか……」
「そういうことだ。だから、とりあえず急ぎの舎内放送だけ済ませて、すぐにうとめを呼び、お前のほかでは唯一、あいつに今の話を伝えたんだ。一晩で割り切れ、と言ってな」
「そ……そんな……!」
最初に聞いたうとめの叫びと同じことが口から飛びだしかけた。うとめにとっても、二人は両親だったのだ。一度ならず二度までも、彼女は「親」を亡くすことになった。積年の愛着の対象を喪失して、その穴を一晩で埋めろなど、到底無茶な話だ。
そしてそれは、何より彼にも言えること。
「宮希は……宮希だって……!」
「……オレに落ち込んでいる暇があると思うか。ふさぎ込んでいる時間があると思うか。今のオレは、そんなことにかまけることは許されない。すべて後だ。悼むのも、悲しむのも」
これだ。この、揺れそうになるのをこらえる、詰めるような声音。ほぼ閾値下知覚の異変だったが、霞冴が気付いたのはまさしくそれだった。
霞冴が両親を亡くしたのは、記憶もおぼろげなほど昔のことだったが、姉の死を知ったその時の痛みは、今でも鮮烈に覚えている。何をどう取り繕ったって、平気な顔でいられるはずがなかった。
もし、宮希が同じ痛みを強引に押し込めているのだとしたら、間違いなく綻びはどこかで現れる。
毅然と立っている宮希の足元は、こちらから見えない方向から徐々に崩れていっているのではないか。霞冴は、そんな予感に身震いした。
「宮希、今日はもう休んで」
「何だよ、急に」
「お願い……お願いだから。今の状況で倒れたら、宮希が苦しいだけじゃなくなっちゃうんだよ」
「なんで倒れる前提なんだよ」
そう切り返した宮希だが、ふいに口をつぐむと、霞冴に背を向けた。
「……わかったよ、明日も忙しいしな。今日は早めに寝る」
言って、机の上を片付け始める。保証はないが、今回は素直に従ってくれそうだ。少しだけ安堵して、扉へ向かうタイミングを図っていた時だった。
「……なあ、時尼」
机のほうを向いたまま、宮希が手を止めて彼女を呼んだ。虚を突かれ、霞冴は少しばかりドキリとした。
「前に、言ってたよな。護衛官じゃなくてもオレのこと守りたいって」
「う、うんっ」
霞冴の中ではとてつもなく大きなその想いは、宮希の心をどれほどだけ占めるのか未知数だった。少なくとも、言及されるとは思っていなかったので、慮外も慮外だった。彼がそこにどのような評価を下しているのか気になって、高鳴る鼓動とともに言葉の続きを待った。
宮希は、変わらず霞冴に背を向けたまま、存外に穏やかな声で言った。
「あの言葉、すごく嬉しかったし、すごく……心強かったよ」
「宮希……」
「だからさ」
彼の声の重みに、空気までもが動きを止めた気がした。当然、霞冴も微動だにしなかった。
宮希は、しばらく黙りこくった後、短く息を吐いて、
「いや……やっぱり、今はいい。……また明日な、時尼。おやすみ」
「え……」
整頓が終わったのか、宮希は机の前を離れた。途中、霞冴に一瞬だけ視線をくれて、彼は私室へと消えた。
宮希の言葉の余韻が、胸の中で脈打っているようだった。それは、総司令部室を出て、自分の部屋に戻っても、絶えることはなかった。
***
暖かい部屋の中、雰囲気だけが凍ったように張りつめていた。
朝の十時、希兵隊員全員を集めての寄合が開かれていた。二日間で局長から情報提供を受け、学院長も交えて戦略会議をした結果が発表される。
ホワイトボードの前で、主体の隊員たちを前に、宮希はまず状況の周知を行った。最初に触れられたのは、情報管理局が御里山の崩壊による生存者ゼロを断定したこと。霞冴の予想に反して、隊員たちは冷静だった。死に触れすぎてマヒしてしまったか、それとも動揺している暇などなく現実に向き合わなければならないと悟ったか。
「……で、自然現象的に御里山が爆発するわけがないことを考えると、おのずとチエアリの仕業というのはわかるだろうが、それとは別に、決定的な証拠がある。これはまだ皆には発表していなかったが、御里山の崩壊跡地に、こういうものができていた」
宮希が白板に広げた模造紙を、隊員たちは刮目した。それは、荒いスケッチのようなものだった。遠目から眺めた建造物だ。手前に二つ、奥に二つかまぼこ型の棟が同心へ向けて建ち、各々は直角に距離を保っている。その中心にそびえるのは、四棟の三倍は高さのある円柱の塔。窓はないものの、等間隔にひさしのような区切れがあり、素直に数えて五階建てだった。
「これは、局長が念術で見通したものを写生した図だ。御里山が消滅した直後からこの形で立っている。信じがたいが……山の中にあらかじめ作っておいて、この塔の外側を吹き飛ばすように山を爆破したのだろうな。この図からは分かりにくいが、材質は木。少なくとも、向こうには草属性のチエアリがいると見える」
木の根やつるを操るのは草術の十八番だが、ここまでの木造建築物を作ってしまうとは、恐るべきチエアリである。猫にあらずして猫よりも巧みに源子に操るさまは、チエアリについて書かれた文献では「忌々しい」と表現されていた。
「局長によると、中央の塔に直接入るすべは、おそらくない。周りにある四つの建物には、それぞれ一つずつ入り口があり、そこから塔への通り道がありそうとのことだ。もしコンタクトしてきたチエアリが最奥部にいるとしたら、それは塔の最上階。そう仮定すると、オレは四つの建物のどれかを抜け、塔を上まで上らなければならない」
「その建物、本当にチエアリに関係あるんすか」
朱雀隊隊長、欅沢レノンが問うた。
「盛大なおとりだったりする可能性は?」
「おとりではないでしょう」
宮希はきっぱりと言い切った。
「局長曰く、内部には六体のチエアリと、その倍以上の数のダークが観測されたらしいので」
想像するだけで、隊員たちは青ざめ、中には卒倒しそうになる者もいた。一方で、当然のごとく湧いて出る疑問をうとめがぶつける。
「どうしてわかるのよ? 局員が中を視察したわけでもあるまいに」
「視察してきたのは局員ではなく源子だ。局長と契約して、な」
「え……」
「あのひと、時空学卒業者だからな」
ある種、さっきよりも呆然とする隊員たち。フィライン・エデン最難関の学問である時空学を卒業するとは、並々ならぬ頭脳とセンスの持ち主だ。局長の名前も顔も知らない隊員たちは、勝手に仙人のような人物を思い浮かべた。
「やっぱり三大機関の長ってそういうものよね、本来……」
「オイ、そこの青龍隊隊長。遠回しにオレをなじったか。言っておくが、あのひとも……、……いや、無駄話はよそう。本筋に戻るが、当然、チエアリが提示してきた駆け引きは信用に値しない。オレが行ったところで一騎打ちなどしないだろうし、町も容赦なく破壊するだろう。だから、目的はあのチエアリに会うことではない。乗り込み、全滅を狙う。これ一択だ」
宮希は皆を見回して続ける。
「本音を言えば、希兵隊の全滅を避けるために戦力は小出しにしたいところだ。だが、生半可な戦力で行けば玉砕する。なし崩し的にこちらの人員を削られるわけにはいかない。よって、希兵隊は総動員して一度に殲滅する。そして、四つの棟それぞれから同時に入るんだ。希兵隊が出払ったことで、塔の外は当然手薄になるが、四つの出入り口から一気に攻めることで、ヤツらを塔から出すことなく突き進める」
一つの建物から入って攻略している間に、別の建物から敵が逃げた、ではシャレにならない。結局、市民に被害が及ぶだけだ。屋内にいる敵は屋内に閉じ込めて倒す。これが、今回の戦法の一端だった。
「それでも、塔の外でわくクロやダークはいるだろうから、本部のほか町中の警備は懸念される。その対策は後述するとして、まずは四か所の配分を発表しよう。この図は、方角的にはこうだが……」
宮希はマーカーペンで模造紙に東西南北を書き込んだ。
「わかりやすく、東棟を青龍隊、西棟を白虎隊、南棟を朱雀隊とする。オレは北棟からだ。こうすると、玄武隊がいない今、執行部でないオレが北から入ることがバレそうなものだが、向こうは隊の名前も四方向同時に攻めてくることも知らないだろうし、知っていたとして、オレはどこかの隊に護衛されてくると思っているだろうからな。どちらにせよ、四分の一の確率で当てられるんだから、気にしても仕方ない」
「待って、最初からあんたが行く必要なんてある? そんな危険侵さなくても、塔の中の敵を執行部が滅してからでも……」
「順当にいけばそうだ。だが、忘れたか? オレが行かないとチエアリはどこかの町を焼け野原にすると言っている。そして、全地域の市民がそれを聞いている。オレだけ巣にこもって部下を派遣して、遅れて出発する予定だと言ったところで、それを彼らが信じるか? あとで実行して納得してもらえた、では済まないんだ。リアルタイムに募らせる不満不服、それがチエアリのエネルギーなんだからな」
言い返されたうとめは、ぐっと喉を動かしてから、さっきよりも静かに反論した。
「……あんたの警護はどうなるの。護衛官一人じゃ、いざというときが心配よ。あんたがやられたら、この勝負……」
竜頭蛇尾の異論。こんな時に士気を下げたくないと尻すぼみになったのだろうが、目を背けられない事実だ。
宮希は、「そのことだが」と答えた。
「初めの低層棟さえクリアすれば、塔の中では執行部が先行して地ならししてくれればいい。中が四つに区切られていたら、結局は戦力が散り散りになるが……どちらにせよ、全滅を狙うのだから、あまり変わらないな。オレが死のうと死ぬまいと、やることは一つだ」
小さく嘆息し、再び口を開く。
「とはいえ、オレだってみすみすやられるわけにはいかない。守りは少しでも固いほうがいいのは自明だ。だから、凪原には留守番を頼んである」
皆の視線が、一気に小さな子猫に集まる。隊員ではないにもかかわらず本部で暮らす唯一の少女。彼女が、今回寄合に呼ばれていた理由を、一同はようやく解した。
「彼女は、オレたちの仕事をそばでずっと見てきた。司令は出せなくとも、交換手の役割くらいは果たせるはずだ」
「任せて!」
尻尾をぴんと立てて、みちねは元気よく返事した。
「すると、まあ少ないことは否めないが、オレの守備を固める人員は一人多く割ける。三者会議で相談した結果、特例とはいえ、腕に覚えがあるならば、もう一人、帯刀して護衛官と同列に並ばせ、オレを護衛させることが可決された」
それが意味するところを知って、霞冴の心臓が大きく跳ねた。同時に、宮希の瞳が彼女を向く。
こんな望まぬ非常事態の中で願いが叶うなど、皮肉な話だ。
だが、彼が求めるなら。守りたいと焦がれた少年が、認め、頼ってくれるなら。
「時尼」
二人とも、余計な言葉で飾らずとも、以心伝心に通じ合っていた。
だから、彼の指示もただ一言だ。
「やれるな?」
心の中に炎がともった。自分ではなく、世界で一人だけ、目の前のカーキ色の少年のために燃やす決意の焔。
全身全霊を込めて力強く、霞冴もただ一言で応えた。
「――はいっ!」
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※御都合主義がそこかしに顔出しします。設定が掌ドリルにならないように気を付けていますが、もし大ボケしてたらお許しください。
※誤字脱字等々、標準てんこ盛り搭載となっている作者です。気づけば適宜修正等していきます…御迷惑おかけしますが、お許しください。
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