黒猫ちゃんは愛される

抹茶もち

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入学したら未知の世界でした

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 隆にクラスまで誘導してもらって無事到着。校舎を歩いている間ずっと思ってたけど、本当にこの学園煌びやかだなぁ。

 隆に続いてクラスに入って席を確認しようとしたら、教卓周りが凄い人だかりで皆キャーキャー言っている。これじゃ席の確認できない・・・・・・。

「なんか凄い人だね⋯。これじゃ見れないしちょっと後ろの方で待っとく?」

 チラリと隆を伺うと、1度僕の頭にポンっと手を置き、スっと前に進んで行った。隆、あそこに突っ込むつもり?勇者じゃん・・・・・・。

「・・・・・・おい」

 そう隆が一言呟くと、大神様!?とビクリと体を震わせ周囲の人が綺麗に避けていってしまい、ポカンとしてしまう。

「遥、おいで」

 隆に呼ばれたのでおずおずと傍に寄り、隆ってやっぱりアイドルさん?って聞いたら嫌そうな顔してちげぇよって言われた。

 ほんと?って半信半疑だったけど、隆の顔があまりにも嫌そうだったので、まぁいっか!で済ます事にした。

 気を取り直して席を確認すると、あいうえお順みたいだった。大神と水瀬だからめちゃくちゃ遠いじゃないか・・・・・・。昨日からずっと一緒だったからちょっと寂しいかもしれない。

 そんな事を考えながら席次を見ていたら、隆がちょっと笑いながら、同じ教室に居るだろ、休憩時間は話しに行くしな、って。
 僕の表情筋、さっきから全然働いてなかったはずなのになんで分かったんだろ?やっぱり隆は凄いなぁ。

 ん、って頷いて隆にバイバイってしてから席に移動した。周りの人と話す勇気は無いので中学の時、必需品だった本を取り出す。

 それにしてもさっき教卓から去っていった人達はそんなに長時間何見てたんだろう?っていうかめちゃくちゃ見られてない?なんで?

 本を広げながらも、クラスの人達の視線がめちゃくちゃ痛くて集中出来ない。なんでこんなに見られてるんだろう。あ、顔面偏差値?あんな奴がなんでSクラスに~的なやつ?怖いんだけどぉ。


「水瀬君!やっぱり同じクラスだったね。嬉しいよ」

 聞き覚えのある声がして顔を上げると、柳くんが僕の座っている机の横にニッコリと笑みを浮かべて立っていた。今日も爽やかだなぁ。

「柳くん!昨日ぶりだねぇ。同じクラスだったんだ。僕も嬉しいよ」

 そう返すと、柳くんの後ろから僕と同じくらいの身長の子がひょこっと顔を出し、興奮した様子で覗き込んできた。

「柳、柳!この美人さんと知り合いだったの?!俺、麦野 律むぎの りつ!気軽に律って呼んでくれー」

 満面の笑みを浮かべながら興奮したようにグイグイくる麦野くんにちょっとビビっている。コミュ力つよつよくん。柳くんは落ち着いた感じで話しかけてくれたから僕も落ち着いて話せたけど、こんなにグイグイ来られた経験が無くて頭が真っ白。どうしよう、なんて返せばいいんだっけ・・・・・・。

 そう思いながら顔を引き攣らせていると、柳くんが律、って呼び掛けると同時に麦野くんがグイッと後ろに引っ張られた。

「おい麦野、遥がビビってんじゃねぇか。ちょっと落ち着けよ」

 隆が麦野くんの襟首を猫を掴むみたいに引っ張ってて、僕も柳くんもポカンとしてしまった。

「うっひょ!美人ちゃんはもう一匹狼も攻略済みなの?!爽やか君と一匹狼を入学式には既に仲間にしているなんて⋯⋯やりおる。これは王道くんは来ないパターン?それとも非王道君がしっちゃかめっちゃかにするやつ?非王道は普通に困る・・・・・・けど!いやでも!美人総受け⋯⋯アリよりのアリ。好物ですありがとうございます。ぐ腐腐⋯⋯。」

 麦野くんがなんか早口でブツブツ言ってる⋯⋯なんかちょっと顔が怖いんだけど。柳くんと隆はなんか呆れたような顔してる。麦野くん、この学園の中では安心感がある顔立ちなのにキャラ濃ゆい⋯⋯この学園、中身も外見も普通の人って居ないの⋯⋯?

 僕の体が物理的に引いて壁と背中がピッタリくっついちゃってるのを見た麦野くんが急に焦りだした。

「あっ!あっ!ごめんね、違うよ、俺はただ傍観していたいだけの腐男子でっ。無害です!ほら見て!人畜無害そうでしょ?怖がらないでぇ~っ!!」

「あ・・・・・・うん・・・・・・」

 その圧が怖いんだけど⋯⋯と思いながら曖昧に頷く。

「だから落ち着けっつーの。遥、大丈夫か?こいつはあれだ、治らない病気みたいなもんだから気にすんな」

「えっ?麦野くん病気なの?元気そうだけど・・・・・・大丈夫?」

 びっくりして、いまだに隆に捕まえられている麦野くんを伺う。

「え?・・・・・・ぴゅあぁ。ごめんね、俺が悪かったよ、こんなぴゅあっぴゅあだとは思ってなかったんだ・・・・・・色々垂れ流してすまんと思っている。俺はすこぶる元気だから大丈夫だよ。大神くん、美人ちゃんに心配かけちゃったじゃないかぁ」

「そう思うならちょっとは自重しろよ。中等部の頃はもうちょっと大人しかっただろ」

「・・・・・・てへ?だって高等部といえば王道じゃん?テンションも上がるっしょ?しかも同室の柳が爽やか君だろうなってアタリを付けて登校したら、超美人ちゃんに嬉しそうに話しかけてんじゃん。そんなところに一匹狼の大神君が大事そうに美人ちゃんを守りに来る。そんなの興奮しないわけがないよね?!」

「ねぇ麦野くん、お話し中悪いんだけど・・・・・・さっきから言ってるその美人ちゃんってもしかして僕の事?僕、男だし別に美人じゃないよ?なんかそんな風に言われると分不相応でムズムズする。僕、水瀬遥っていうの。だから普通に名前で呼んでくれないかな?」

 あまりに美人ちゃん美人ちゃんって言うから堪えきれずに話に割って入っちゃった。僕が美人なんて分不相応すぎる。反応に困っちゃうよ。

 そう思ってチラリと3人の方へ視線を向けると、麦野くんがポカンと口を開けて、恐る恐るといった感じで隆と柳くんを見た。

「「・・・・・・そういうこと。」」

 何がそういう事なのかは分かんないんだけど、隆と柳くんがハモったと思ったら、急に麦野くんが目をカッと見開いて

「無自覚美人受け来たぁぁあああ!!!!!」

 と目をキラキラさせながらガッツポーズをした。

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