黒猫ちゃんは愛される

抹茶もち

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時期外れの編入生が来るようです

3

「もうお前遥に構ってないで早く席に着けよ。HR進まねぇ。クラスの奴らの喉もそろそろイカレちまうんじゃねえか?」

「俺と遥は友達なんだから話してたって別にいいだろ!!!それにその他大勢は勝手に叫んでんだから自業自得だろ!!!」

 ポイっと放りだすように襟首を離した伊織先生に謎理論を展開している雪兎。叫び声は置いといて、確かにHR中に話し込んじゃってた。申し訳ない。

 しょぼんとして眉を下げつつ、伊織先生の白衣をそっと掴む。

「伊織先生、HR邪魔しちゃってごめんなさい・・・・・・。雪兎もちゃんと席に着いて伊織先生の話聞こう?お話は休み時間にできるんだし」

「あ?いや遥に怒ってた訳じゃねぇからそんな悲しそうな顔すんなよ。遥のせいじゃないだろ?大丈夫だから、な?」

「そ!そうだぞ遥!!護るって決めたのに俺がそんな悲しそうな顔させちまうなんて・・・・・・!!なんて事をしちまったんだ!!!!」

「へ?え?いや、僕も普通に話を続けちゃったから。ごめんなさい」

 2人の勢いに押されて少し困惑しつつも、ペコリと頭を下げてごめんなさいをする。悪いことしちゃったらちゃんと謝らないとダメだからねっ!

「雪兎も伊織先生にごめんなさいしなきゃ駄目だよ?雪兎も自分のお仕事を無理矢理中断させられたら困るし、さっきみたいに別にいいだろなんて言われちゃったら悲しくないかな?雪兎がされて嫌だなって思う事は人にもしちゃ駄目じゃないかなって、僕は思うよ?」

 僕が昔イタズラをして父さんに怒られちゃった時、おにぃが諭してくれたように雪兎の頭を撫でて、顔を覗き込む。

「ふぁ⋯⋯バブみが深い⋯⋯」

「⋯⋯え?」

「あっいやっおう!そうだな!!分かったぞ!!伊織!HR中断させて悪かった!」

「あ⋯⋯いや、まぁうん、今後は気を付けろよ」

 ちゃんと雪兎が謝ったのを聞いてホッコリして頬が緩む。僕の周りはおにぃがたくさん居るから、弟みたいでなんか新鮮だ。僕の事甘やかしてくれてる皆はこんな気持ちだったのかな?

「ふふっ。よく出来ましたっ。じゃあ雪兎は席に戻ろうね?」

「⋯⋯っ!おっおう!!分かったぞ!!」

 雪兎が一瞬顔を真っ赤にして固まったかと思ったら、コクコクと首振り人形みたいに首を振って席に戻って行った。

 ⋯⋯右手右足が一緒に出てたけど。大丈夫かな??

「非王道かと思ったけど⋯⋯これ王道君か?どっちだ⋯⋯???言ってる事は失礼だけど意外と素直じゃね⋯⋯??うーん⋯⋯。とりあえず食堂イベは要チェックかな。っつーか遥ロックオンされてたけど大丈夫かな。巻き込まれなきゃいいけど」

 後ろからブツブツ聞こえてくる律の声をBGMに、雪兎を見守る。よしよし、ちゃんと席に着いたねっ!

「よし、じゃあ気を取り直してHRするぞぉ~。今日は珍しく連絡事項がありまーす。耳かっぽじってよく聞いとけよ」

 とてつもなく面倒くさそうな顔をしている伊織先生。そんな顔をしちゃう様な事ってなんだろう?ちょっと怖いなぁ。

「毎年恒例の新入生歓迎会、1週間後だ。今年も鬼ごっこらしい。景品も毎年恒例、生徒会が何でも言う事聞く券か外出許可証3回分だ」

 ────きゃぁああああああああぁぁぁ!!!!!

 ふぉっ!また絶叫っ!ビクリと肩を震わせて、新入生歓迎会ってそんなに絶叫する程凄い行事なのかと驚く。

 皆が大興奮している間、でも鬼ごっこ・・・・・・やった事ないんだよね。ちょっと楽しみだなぁ、なんて呑気に鬼ごっこに思いを馳せていた。


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