黒猫ちゃんは愛される

抹茶もち

文字の大きさ
54 / 222
時期外れの編入生が来るようです

6

「げぇ…!琉唯るい!!お前なんで居るんだよ!!」

「雪兎に会いたくて来ちゃいました」

「琉唯お前、好み変わったか??こんなちんちくりんがいいのか・・・・・・?」

「バ会長は黙っていてください。俺の可愛い可愛い雪兎を見たいと言うから連れてきたんですよ」

「いや待て俺は琉唯のものじゃねぇぞ!!!」

「ふふふっ。そんな照れないでください。あんなに熱いキスをした仲じゃないですか」

「思い出させるな!!!あれはお前が無理矢理したんだろ!!同意じゃないぞ!!!あんなのノーカンだ!!!」

 ・・・・・・むぐむぐ。口の中のパスタが無くなるたびに隆に次の一口を運ばれて、僕のお口は大変幸せだ。なんだか大変そうな声が聞こえてくるけど、僕の今のお仕事はこのパスタを食べきることなのだ。雪兎がんばれっ!心の中で応援だけはちゃんとしてるよ!

 もう皆食べ終わったのかなってチラリと周りを見ると、僕と雪兎以外は食べ終わっていた。律は生徒会の人に気付かれないように、颯汰の後ろに隠れながらも興奮した様子で雪兎たちを見てる。凄く楽しそう。颯汰は律を見ながら苦笑いしてるけど。

 僕も早く食べ終わってデザートのアイスを食べるんだぁ!って意気込んでいると、僕の後ろから間延びしたような、なんとなくチャラそうな?声が聞こえてきた。隆の眉間のしわがどんどん深くなっていく。あとで僕のデザート一口食べさせてあげよう。

「あれぇ~?君、風紀のオオカミくんじゃなぁ~い?オオカミくんもゆっきーが気に入っちゃったのぉ~?」

「・・・・・・九条か。俺はそんなんじゃねぇよ。成り行きで一緒に居るだけ」

「ふぅ~ん?それよりさ、オオカミくんがさっきから隠してるその子!!もしかして氷姫じゃないのぉ?俺同じクラスなんだし挨拶させてよぉ~!」

「は?なんでだよ。お前はそこで自分の影響力を考えずに一ノ瀬にキスしようとしてる会長を止めたほうがいいんじゃねぇの?」

「へぁ?・・・・・・おいおいおい嘘だろぉ?!副会長だけでも親衛隊の収拾ついてねぇのに!」

 ────ぎぃいいぃやぁあああああああああああああああ!!!

 僕の両耳は九条くん?が話し出した時点でなぜか隆の両手に塞がれてた。気にせずそのままで居たから不意打ちの絶叫でも鼓膜は無事なのデス。僕の鼓膜はやっぱり隆のおかげで今まで生還できてる気がする。

 それにしてもなんでこんなに絶叫してるのか分からないから確認したいけど、隆に耳を塞いでもらってるから動けない。とりあえず口の中に入ってる美味しいパスタを飲み込まなきゃ。むぐぅ。

 むぐむぐと頬張っていたパスタを飲み込もうとしていると、九条さんが切羽詰まったように、お前風紀だろ!一緒に止めろよ!!と面倒くさそうにしている隆を連れて行ってしまった。チャラ男さんも真面目に喋る事あるんだなぁ。

「結局何でこんなに皆取り乱してるんだろ・・・・・・??」

 隆の手が離れて聞こえるようになった耳が、周囲の音が絶叫から罵詈雑言に変わったのを聞き取り、首をコテンと傾げる。

 とりあえず体の向きを元に戻してから最後の一口になったパスタを大事に頬張り、なにやら騒がしい雪兎の方に顔を向けると、入学式で見かけた双子の庶務さん達が仲良さげに手を繋ぎながらズイっと僕の前に体を乗り出してきた。急に出てくるからびっくりしたぁ。それにしても本当にそっくり。

「それはねぇ~!」

「うちの会長が~」

「あの編入生のゆっきーにぃ~」

「「濃厚なチューをしちゃってるからだよねぇ!」」

 ・・・・・・濃厚なちゅー?!雪兎、副会長様にもされたって言ってなかったっけ?なんでちゅー?この学園ではちゅーが挨拶なの?

「最初は副会長を骨抜きにした編入生を見るために来たんだけど」

「思ったより面白くなかったんだよねぇ~」

「けどずっと話してみたかった氷姫がいたから結果オーライ的な?」

「棚ぼただよねぇ~!」

「でも会長がゆっきーにちょっかい出し始めて面白くなってきたから~」

「様子見してたんだよねっ!」

「そしたらみーくんとおーくんが会長を止めに行ったから~」

「僕たちが氷姫とお話しするチャンスかな~って!」

「「来ちゃったよねぇ~!」」

 ・・・・・・氷姫?その氷姫さんとお話ししたくて、どうして僕のところに?仲介してほしいとか?人見知りの僕にはハードル高すぎない?

 きょとんとしながらも、とりあえず初めて会った人には自己紹介をしなければと口を開く。

「あの、えっと、僕、水瀬遥といいます。1-Sです。氷姫さん?とお話ししたいのであれば、お話ししに行かれたらどうでしょう・・・・・・?」

 どちらを見たらいいかわからず視線を左右にうろうろとさせながらも、僕に仲介なんて無理ですよ~と言外に伝える。それじゃなくても人見知りに初対面は厳しいのだ。

「ねぇねぇ夕陽。氷姫、誰の事か分かってないね?」

「そうだね朝陽。凄く他人事だね?」

「「面白そうだから教えてあげようね!!」」

 庶務さん達がなぜかきょとんとしたまま2人で話し始めてしまった。どうしよう。僕に会話スキルなんて無いんだよぉ。早くその氷姫さんのところに行ってくれないかなぁ・・・・・・。
感想 62

あなたにおすすめの小説

全寮制男子校でモテモテ。親衛隊がいる俺の話

みき
BL
全寮制男子校でモテモテな男の子の話。 BL 総受け 高校生 親衛隊 王道 学園 ヤンデレ 溺愛 完全自己満小説です。 数年前に書いた作品で、めちゃくちゃ中途半端なところ(第4話)で終わります。実験的公開作品

【柳原学園】いやいや、俺は『俺様生徒会長』だから

西園 斎
BL
家の都合で『俺様』を演じてる生徒会長が、生徒会やら風紀やら教師やらから好かれるお話。 演技俺様会長総受け(愛され)/後固定CP *10年以上前の作品を、やや加筆修正していきます

鳥籠の外を夢見ていた

やっこ
BL
次期当主になることを定められた少年真志喜は、幼い頃から屋敷に閉じ込められていた。 そして15の歳、当主になる運命を受け入れることと引き換えに、一つの条件を持ちかける。 タイムリミットが訪れるその時まで、せめてその間だけは、鳥籠の外で──。

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

隣の席のイケメンに懐かれた

しょうがやき
BL
隣の席のイケメンに懐かれた平凡男子の話

男子寮のベットの軋む音

なる
BL
ある大学に男子寮が存在した。 そこでは、思春期の男達が住んでおり先輩と後輩からなる相部屋制度。 ある一室からは夜な夜なベットの軋む音が聞こえる。 女子禁制の禁断の場所。

水泳部合宿

RIKUTO
BL
とある田舎の高校にかよう目立たない男子高校生は、快活な水泳部員に半ば強引に合宿に参加する。

学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語

紅林
BL
『桜田門学院高等学校』 日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する幼少中高大院までの一貫校だ。しかし学校の規模に見合わず生徒数は一学年300人程の少人数の学院で、他とは少し違う校風の学院でもある。 そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語