157 / 222
実家に帰省しました
7
しおりを挟む
それにしても帽子もマスクも暑くてたまんない。室内の冷気で少しマシになったけど・・・もう取ってもいいよね。
シロさんと一緒に奥の部屋にチャラ男くんを連れて行き、椅子に座らせてから帽子とマスクを取った。冷気が肌を撫でる心地よさに目を細め、ふぅ・・・と息を吐きながら帽子とマスクを使っていない椅子に置くと、チャラ男くんから視線を感じた。惚けたように見つめるチャラ男くんに、キョトリとしながら首を傾げる。
『君、大丈夫?』
「あ・・・いや、大丈夫!俺、琥太郎っす!あの・・・助けてくれてありがとっす」
『どういたしまして。琥太郎くんね、わかった、覚える』
「あざっす!あの、君付けはなんかムズムズするからもっと気軽に呼んでくださいっす!」
『えと、じゃあ・・・、琥太、とか?』
「琥太・・・なんかクロさんにそう呼ばれるの好きかもっす!」
・・・余計にワンコに見えてきたなぁ。っていうかきっと琥太って敬語苦手だよね?とりあえず"っす!”って言っとけばいいと思ってる気がする。っていうかさっきまでとキャラが違う気がする。この短時間の間に何があったんだ・・・。
『そっか、それなら良かった。っていうか敬語じゃなくていいよ?さっきまで普通に話してたし・・・、琥太って敬語苦手でしょ?っていうか僕の方が普通に喋っちゃってるのよくないかな・・・?敬語の方がいい?琥太の方が年上な気がする』
「だってクロさんすげぇ強かったし・・・。綺麗でかっけぇっす。さっきまでは混乱してタメで話しちまったけどクロさん相手におこがましいっつーか・・・。クロさん、いくつなんすか?俺高2っす」
おぅ・・・やっぱり年上だった!でも去年は居なかったよね?今年から入ったのかな?それとも受験勉強であんまり来れてなかったから会わなかっただけかな?
『僕は高1です。やっぱり琥太の方が年上だったねぇ。でも緋彩に歳が近い人って今まであんまり居なかったから、さっきまでみたいに仲良くしてくれたらすごく嬉しいなぁ・・・。だめ?』
人見知りの僕が初対面でこんなに普通に話せる人なんてレアなんだもん。犬みたいで警戒心が抱けないだけかもだけど・・・。でもさっき僕の事心配してくれたし、僕が殴られないようにって自分の事は捨て置いて逃げろって言ってくれるような子だもん。きっと根は凄くいい子に違いないのです!お友達に!なりたい!・・・桜華学園で揉まれてちょっとはお友達耐性が出来た気がする。今までだったらお友達ってどうやってなったらいいのか分かんなかったもん。
琥太が座っている椅子の前でしゃがみ、琥太の両手をぎゅっと握って顔を見上げ首を傾げる。僕がよわよわになっちゃう月城兄弟のオネダリの真似っこです!月城兄弟みたいな可愛げは出ないかもしれないけど・・・もう手段は選んでられないのだよ!琥太にもこのオネダリが効いてくれますように・・・!
ジッと琥太の真っ黒な瞳を見つめていると、目元を赤らめブンブンと頭を縦に振ってくれた。やった!お友達!増えた!
『本当?嬉しいなぁ~!あ、でもそんなに頭振ったらダメだよ。琥太、怪我してるんだから。手当てしようねぇ』
嬉しくてニコニコながら真っ赤になっている琥太の頭を一度撫でた後、足を組んでこちらをジッと見守ってくれていたシロさんに声をかけた。
『シロさん~!お友達できた!嬉しい!お友達の手当てするから救急箱貸して?』
そんな僕を見たシロさんは何故か疲れた顔をして大きく息を吐いた。
「・・・学園に入ってから誑し癖が酷くなってねぇか?なんだぁさっきのオネダリ可愛すぎんだろぉが羨ましい。あとで俺にもしてもらおう。ぜってぇクソ可愛い。琥太郎め・・・俺がクロと同い年だったら俺だってお友達ポジション狙ってたっつの・・・喜んでるクロクソ可愛い・・・。あぁでも頼れるお兄ちゃんポジションもオイシイもんな・・・誰にも譲らねぇぞ・・・絶対だ」
『・・・シロさん?どうしたの?』
頭を抱えて何だか聞こえないくらいの小声でブツブツと呟きだしたシロさんにキョトンとしていると、ニッコリと笑いながら顔を上げてくれた。
「んーや、なんでもないで。俺のクロたんは可愛いなぁ~って思ってなぁ。はい、救急箱。思いっきり消毒液ぶちかましたりぃ」
・・・消毒液ぶちかますって、痛そう。シロさんもご飯の続きが恋しいのかな?さっさと手当てしてみんなで一緒にご飯食べよっと。
シロさんと一緒に奥の部屋にチャラ男くんを連れて行き、椅子に座らせてから帽子とマスクを取った。冷気が肌を撫でる心地よさに目を細め、ふぅ・・・と息を吐きながら帽子とマスクを使っていない椅子に置くと、チャラ男くんから視線を感じた。惚けたように見つめるチャラ男くんに、キョトリとしながら首を傾げる。
『君、大丈夫?』
「あ・・・いや、大丈夫!俺、琥太郎っす!あの・・・助けてくれてありがとっす」
『どういたしまして。琥太郎くんね、わかった、覚える』
「あざっす!あの、君付けはなんかムズムズするからもっと気軽に呼んでくださいっす!」
『えと、じゃあ・・・、琥太、とか?』
「琥太・・・なんかクロさんにそう呼ばれるの好きかもっす!」
・・・余計にワンコに見えてきたなぁ。っていうかきっと琥太って敬語苦手だよね?とりあえず"っす!”って言っとけばいいと思ってる気がする。っていうかさっきまでとキャラが違う気がする。この短時間の間に何があったんだ・・・。
『そっか、それなら良かった。っていうか敬語じゃなくていいよ?さっきまで普通に話してたし・・・、琥太って敬語苦手でしょ?っていうか僕の方が普通に喋っちゃってるのよくないかな・・・?敬語の方がいい?琥太の方が年上な気がする』
「だってクロさんすげぇ強かったし・・・。綺麗でかっけぇっす。さっきまでは混乱してタメで話しちまったけどクロさん相手におこがましいっつーか・・・。クロさん、いくつなんすか?俺高2っす」
おぅ・・・やっぱり年上だった!でも去年は居なかったよね?今年から入ったのかな?それとも受験勉強であんまり来れてなかったから会わなかっただけかな?
『僕は高1です。やっぱり琥太の方が年上だったねぇ。でも緋彩に歳が近い人って今まであんまり居なかったから、さっきまでみたいに仲良くしてくれたらすごく嬉しいなぁ・・・。だめ?』
人見知りの僕が初対面でこんなに普通に話せる人なんてレアなんだもん。犬みたいで警戒心が抱けないだけかもだけど・・・。でもさっき僕の事心配してくれたし、僕が殴られないようにって自分の事は捨て置いて逃げろって言ってくれるような子だもん。きっと根は凄くいい子に違いないのです!お友達に!なりたい!・・・桜華学園で揉まれてちょっとはお友達耐性が出来た気がする。今までだったらお友達ってどうやってなったらいいのか分かんなかったもん。
琥太が座っている椅子の前でしゃがみ、琥太の両手をぎゅっと握って顔を見上げ首を傾げる。僕がよわよわになっちゃう月城兄弟のオネダリの真似っこです!月城兄弟みたいな可愛げは出ないかもしれないけど・・・もう手段は選んでられないのだよ!琥太にもこのオネダリが効いてくれますように・・・!
ジッと琥太の真っ黒な瞳を見つめていると、目元を赤らめブンブンと頭を縦に振ってくれた。やった!お友達!増えた!
『本当?嬉しいなぁ~!あ、でもそんなに頭振ったらダメだよ。琥太、怪我してるんだから。手当てしようねぇ』
嬉しくてニコニコながら真っ赤になっている琥太の頭を一度撫でた後、足を組んでこちらをジッと見守ってくれていたシロさんに声をかけた。
『シロさん~!お友達できた!嬉しい!お友達の手当てするから救急箱貸して?』
そんな僕を見たシロさんは何故か疲れた顔をして大きく息を吐いた。
「・・・学園に入ってから誑し癖が酷くなってねぇか?なんだぁさっきのオネダリ可愛すぎんだろぉが羨ましい。あとで俺にもしてもらおう。ぜってぇクソ可愛い。琥太郎め・・・俺がクロと同い年だったら俺だってお友達ポジション狙ってたっつの・・・喜んでるクロクソ可愛い・・・。あぁでも頼れるお兄ちゃんポジションもオイシイもんな・・・誰にも譲らねぇぞ・・・絶対だ」
『・・・シロさん?どうしたの?』
頭を抱えて何だか聞こえないくらいの小声でブツブツと呟きだしたシロさんにキョトンとしていると、ニッコリと笑いながら顔を上げてくれた。
「んーや、なんでもないで。俺のクロたんは可愛いなぁ~って思ってなぁ。はい、救急箱。思いっきり消毒液ぶちかましたりぃ」
・・・消毒液ぶちかますって、痛そう。シロさんもご飯の続きが恋しいのかな?さっさと手当てしてみんなで一緒にご飯食べよっと。
82
あなたにおすすめの小説
全寮制男子校でモテモテ。親衛隊がいる俺の話
みき
BL
全寮制男子校でモテモテな男の子の話。 BL 総受け 高校生 親衛隊 王道 学園 ヤンデレ 溺愛 完全自己満小説です。
数年前に書いた作品で、めちゃくちゃ中途半端なところ(第4話)で終わります。実験的公開作品
平凡なぼくが男子校でイケメンたちに囲まれています
七瀬
BL
あらすじ
春の空の下、名門私立蒼嶺(そうれい)学園に入学した柊凛音(ひいらぎ りおん)。全寮制男子校という新しい環境で、彼の無自覚な美しさと天然な魅力が、周囲の男たちを次々と虜にしていく——。
政治家や実業家の子息が通う格式高い学園で、凛音は完璧な兄・蒼真(そうま)への憧れを胸に、新たな青春を歩み始める。しかし、彼の純粋で愛らしい存在は、学園の秩序を静かに揺るがしていく。
****
初投稿なので優しい目で見守ってくださると助かります‼️ご指摘などございましたら、気軽にコメントよろしくお願いしますm(_ _)m
男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
男子寮のベットの軋む音
なる
BL
ある大学に男子寮が存在した。
そこでは、思春期の男達が住んでおり先輩と後輩からなる相部屋制度。
ある一室からは夜な夜なベットの軋む音が聞こえる。
女子禁制の禁断の場所。
ビッチです!誤解しないでください!
モカ
BL
男好きのビッチと噂される主人公 西宮晃
「ほら、あいつだろ?あの例のやつ」
「あれな、頼めば誰とでも寝るってやつだろ?あんな平凡なやつによく勃つよな笑」
「大丈夫か?あんな噂気にするな」
「晃ほど清純な男はいないというのに」
「お前に嫉妬してあんな下らない噂を流すなんてな」
噂じゃなくて事実ですけど!!!??
俺がくそビッチという噂(真実)に怒るイケメン達、なぜか噂を流して俺を貶めてると勘違いされてる転校生……
魔性の男で申し訳ない笑
めちゃくちゃスロー更新になりますが、完結させたいと思っているので、気長にお待ちいただけると嬉しいです!
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する幼少中高大院までの一貫校だ。しかし学校の規模に見合わず生徒数は一学年300人程の少人数の学院で、他とは少し違う校風の学院でもある。
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語
悪役令息シャルル様はドSな家から脱出したい
椿
BL
ドSな両親から生まれ、使用人がほぼ全員ドMなせいで、本人に特殊な嗜好はないにも関わらずSの振る舞いが発作のように出てしまう(不本意)シャルル。
その悪癖を正しく自覚し、学園でも息を潜めるように過ごしていた彼だが、ひょんなことからみんなのアイドルことミシェル(ドM)に懐かれてしまい、ついつい出てしまう暴言に周囲からの勘違いは加速。婚約者である王子の二コラにも「甘えるな」と冷たく突き放され、「このままなら婚約を破棄する」と言われてしまって……。
婚約破棄は…それだけは困る!!王子との、ニコラとの結婚だけが、俺があのドSな実家から安全に抜け出すことができる唯一の希望なのに!!
婚約破棄、もとい安全な家出計画の破綻を回避するために、SとかMとかに囲まれてる悪役令息(勘違い)受けが頑張る話。
攻めズ
ノーマルなクール王子
ドMぶりっ子
ドS従者
×
Sムーブに悩むツッコミぼっち受け
作者はSMについて無知です。温かい目で見てください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる